第39話 搾り取るオークの町
「じゃあ視察に行ってくるですぞ!後の事は任せたからね!」
無能な僕達に仕事がないだけだ、社交辞令でもウソはいけない
戴冠式に来てくれた人達も流石に仕事があるので帰ってしまった。本格的にやる事が無いので視察という名の旅の続きだ。
王が旅に出るというのに見送りもいなかった。
まあみんな忙しいしね…
キリカさんに視察に行ってくると伝えたところ、
「気をつけて行ってきて下さいねー」
とだけ言われて街を出た。
…まあ良いけど。
もうポメヤの短足による鈍足に悩まされる事はない。
僕達には熱線を吐く以外普通の乗り物のラクダがある。
「いやー快適ですぞー、トーマとかいた意味あった?笑っちゃうよね」
笑っちゃわねぇよ…調子に乗って訳分からん煽りをするな。
「次はオークの町だな、オークって豚だよな、なんかこう…大丈夫かな、まあ国民には違いないんだけど」
「オークは美人しかいないですぞ?何おかしな事言ってるの?君いる意味ある?」
ポメヤはラクダの背中に乗って上機嫌、ウザさが二割増しだな。
「そうなの?なんかイメージ無いんだけど、なんかこう、ブヒブヒ言って性欲強いイメージが…」
「今なんの話してるんですぞ?オークって美人だらけで君なんか先っぽだけで悩殺されるけど?まあ性欲は確か強いですぞ」
その先っぽだけって好きだよな、言わない方がいいぞ。
そんな会話をしていたら町に着いた。建材は石なのか、重厚な町だ。
住民を見てみると…
「えぇ…もう本当美人ばっかじゃん…ポメヤのウソだと思ってたのに…なんか負けた気分」
「だから言ったんですぞ負け犬め、見直したか負け犬め」
言い過ぎ言い過ぎ
全て石で出来た家や店…だと思うんだけどなんの店なのか分からない、看板でもあれば良いんだけど…
「オークは文字の文化が無いんですぞ、別に誰かが知ってれば聞けばいいって風習」
なるほどなぁ…文化の違いだけど確かに言われてみれば…いらないかも…。
埒が開かないので近くのオークに宿屋の場所を聞いてみる。
「あの、宿屋ってどこにありますか?」
声をかけたのはオークの少女だ、決して大人のオークの美貌に尻込みした訳ではない、断じてな。
「え?あ、宿屋ならすぐ近くですよ…あの…その王冠って…」
少女はポメヤが頭にかぶってる小さい王冠を指差す。
「気がついた感じですぞ?この前王様になったのが僕」
「やっぱり!気前の良い小さな魔物と人間の王って貴方たちの事ですね!私コユキって言います!コユキです!」
見た所オーク族は人間と大差がない、耳が少し丸いかな?程度の差しかなく、コユキも人間と言われれば疑う余地はないだろう。
服装は獣の皮で作っているようで、水着でいうパレオの様な布を腰に巻いている。
上は胸を隠すだけの簡素なものだ。
「うーんと、宿屋を探してるんだけどどこにあるかな?ラクダも一緒に泊まれるような」
「案内します!コユキが案内します!」
なんか自己主張が強い子だけど悪い子では無さそうだし…まあ案内してくれるっていうなら…
コユキちゃんは少し待ってて下さいと村の奥の方に走っていき、数分後戻ってきた。
「じゃあ行きましょう!こっちです!」
「なんか元気すぎる気がするですぞ、主食マムシとか?」
失礼極まりないなお前。相手女の子だぞ。
そしてコユキちゃんの後を付いていくと豪華な一軒家の前に到着した。
「ここ?宿屋には見えないんだけど…」
「なんか良い感じの家ですぞ、まあお金あるから良いんだけど。」
ラクダ用の庭まである、ここ宿屋じゃないだろ、絶対
「王様を下手な宿屋に泊められませんからね!来賓様のお家です!ゆっくりして行ってくださいね!」
それでは私は宴の準備がありますのでと足早に帰ってしまった。
「宴?僕達が王だから?なんか思ってた旅と違うなぁ…コレじゃない感がすごい。」
「本当ですぞ、僕達は普通に観光したいのに、ありのままをね。」
お前が自慢げに頭に付けてる王冠外してればそうなってたんだよ。
ラクダは庭が気に入ったようで横になりながらエサを食べている、まあゆっくり休んでくれ。
「僕達も入るか…中身どうなってんだろうな」
中に入ると…
「なんだここ!?」
なんか妖艶というか、言ってしまえばラブホテル、明らかに大きなベッド、風呂も大きく壁が無い、丸見えじゃないか。
ランプが間接照明になっており、窓を開けないと基本薄暗い。
丁度見えるギリギリの光量だ。
「うおお、風呂が大きいですぞ!しかも妙に深い!新感覚ですぞ!」
大人が立っても首まで浸かるくらいの深さがある、手前は浅いけど…なにに使うんだコレ。
しかしこれは興味がある、是非にでも堪能したい!
僕はさっさと服を脱いで風呂にダイブした、深い!これは…気持ち良い…。
「ずるいですぞ!小童ぁ!」
ポメヤも暴言を吐きながらダイブしてくる、二人で入っても余裕だ。
しばらく二人で風呂を満喫した。
「…はしゃぎすぎたな…ノドがカラカラだ」
「限界ですぞ…砂漠…」
ポメヤと身体から湯気を出しながら横になっているとドアを叩く音が聞こえた。
「はーい、ちょっと待って下さいねー」
僕が返事をすると同時にコユキがガチャっと入って来た。
この世界はドアさえ叩けば勝手に入っていいと思ってるの?
「お茶をお持ちしました!そろそろお風呂から上がったところだと思って!あっ、そのままで良いですよ、気にしないで下さい。」
素っ裸で横になる一人と一匹、気にしないでと行って部屋に入ってくる少女。
恥ずかしいけど正直すぐお茶が欲しい、服を着る体力もない。
僕達はそのまま口に冷たいお茶を流し込まれ、数分後に自分で服が着れるくらいまで回復した。
「お見苦しいものを…申し訳ない…」
「お茶美味しかったですぞ、ありがとうの気持ちいっぱい」
「大丈夫ですよ!別に初めて見る訳でもないし!」
ん?こんな可憐な少女が?進んでるなぁオークは。
そう言えば男のオークを見てないけど…
「コユキちゃんはもう彼氏とかいるの?そういえば男の子とか見てないけど狩りとか?」
「オークに男はいないですよ?女しか産まれないので」
嫌な予感がする、いや良い予感?でも悪い予感だと思う。
「オークは他の種族の種を貰って繁殖します!なので王様の種をみんな楽しみにしてるんですよ!精力つくもの作ってるんで楽しみにしてて下さいね!」
やっぱりだ、この世界の種族は環境によって独自の進化をする。オークは多種族から種を貰う種族だから美人揃いに進化したのか。
ふむふむ…
「今まで聞かなかったんだけどさ、ポメヤってどうやって繁殖すんの?トイレしてるのも見た事ないし」
「は?セクハラか貴様、どうって普通にやる事するんですぞ、この立派な尻尾で、トイレだってちゃんとしてますぞ」
「尻尾?そんなの無いじゃん」
「出す時に出るんですぞ!もう良いだろこんな下世話な話を長々と!」
そんな話を真剣に聞いていたコユキちゃん。
「期待してますよ!宜しくお願いしますね!それではまた宴の準備ができたら呼びに来ます!」
そう言って家を出て行ったコユキちゃん、扉を閉めた後にガチャっと鍵を締める音が聞こえた気がするが考えないでおこう。
うーん…大丈夫かな今夜…




