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高一・一学期 52

 試験前日までが修羅場だったにも関わらず、試験そのものはあっという間に終わった。

 答案も即、次の日返却されみなの阿鼻叫喚に教室は満たされた。

 ──中間とほとんど変わらないのか。

 あれだけ努力をしたにも関わらず、乙彦のもとに戻ってきた点数はわびしいことこの上なかった。唯一の心の慰めは、いわゆる赤点とよばれる追試対象となる科目がなかったことだろうか。それだけは救われた。

「藤沖、どうだった」

 五教科すべてが帰ってきた直後の放課後、振り返り乙彦は促した。相変わらずしかめっつらの藤沖は、自分の後頭部を何度か叩きながら答えた。

「まあ、こんなものだとは思うが。準備不足だ」

 ──あの後、試験勉強どころじゃなかっただろうな。

 視聴覚教室での一件を知る乙彦には、それ以上尋ねる必要などなかった。

 もっとも藤沖の場合は元が附属上がりだから、乙彦のような外部生とは状況もまた違うのだろう。他クラスから試験問題の山掛け情報などももらっていると聞く。乙彦も頼めばもらえたのかもしれないが、正攻法以外考えたくなかったのであえて何もしなかった。

「関崎、お前はどうだった」

「赤点は免れた」

 ──俺も堕落したな。

 かつては水鳥中学学年トップだった自分が口にするとは思えない自虐の言葉。

 しかし、努力を一切しなかったわけではない。

 手を抜いたわけでもない。

 それゆえの結果ならば、あきらめもつく。夏休みに挽回するしかない。静内の英語ヒアリング力をしごくという名目で、自分も力をつける努力をせねば。少なくとも、

 ──名倉よりは成績をよくしとかないとまずい。

 静内に「何偉そうなこと言ってるの、名倉よりも成績悪い癖に」とは言われないだろうが、やはり心ひっかかるものがある。何かあると静内が乙彦よりも名倉に相談を持ちかけるのを見るのは、やはりおもしろくない。

 

「関崎、関崎」

 いきなり教室に戻ってきたのは、いったん帰ったはずの片岡だった。くせのないするんとした髪の毛を少し乱し加減にして飛び込んできた。まだいた数人の女子たちが、身体を斜にして避けるような形をとった。

「忘れ物か、片岡」

 藤沖を見て、「あ」と小声で呟いた後、また乙彦に向かい、

「今、うちに電話かけたんだ。桂さんに」

「どうして」

「だって、俺、英語、トップだったんだ」

 乙彦が反応する前に、藤沖が大きく頷いた。すぐにぴんときたらしい。このあたりよくわからない。

「そうだな、今回は片岡が最高点だったぞ」

「それ言ったら、桂さん、今日、焼肉、焼いてくれるって!」

 ──焼肉?

 桂さんというのは片岡の兄貴分かつ保護者にあたる男性だ。乙彦には少々理解しがたいのだが、現在片岡はその桂さんの管理下のもと、高層マンションの最上階の部屋で暮らしているのだそうだ。そしてこの態度を見る限り今だ信じられないのだが、片岡は青潟で名の知られた「迷路道」というアパレル会社の社長子息だという。金持ちイコール高慢ちき、というイメージは、片岡によって簡単にぶっこわされた。乙彦からしたら片岡は、単なる弟分である。

「そうか、焼肉か!」

「うんそれでさ、関崎」

 話に割り込もうとする藤沖が妙に馴れ馴れしい。片岡もそれに気づいたのか、懸命に乙彦ひとりへ話し掛けようとする。

「焼肉で桂さんがお祝いしてくれるって言ってるから、関崎、うちに遊びに来てほしいんだ」

 あくまでも、乙彦ひとりに伝える言葉に聞こえた。しかし関係ない態度をとるのは藤沖だ。乙彦が口を開く前に話をいきなり進めようとする。

「そうか、それはめでたいことだ。関崎、行った方がいい。行くだろ?」

「今日、これからか」

 誘われたからにはぜひ行きたいのだが、夕食はいらないと家に電話をしなくてはならない。関崎家のルールだ。それに、これから例のふたり……静内と名倉……と夏休みの予定を立てる約束をしているのだ。まずはそちらを優先してからにしたい。その説明をするつもりだった。なのに藤沖は意気込んで、

「関崎、万難排してでも行ったほうがいいぞ。片岡、そうだな」

「え、万難?」

 片岡の戸惑いなど全く意に介さず、

「そうだ。道がわからないな。わかった、片岡、俺が関崎を連れて行くから安心しろ。俺もお前の家をぜひ見てみたいしな。それに話を聞いた限りだと桂さんという人は食いものに関してかなりマニアックな好みを持っているそうだし、ぜひ俺も話を聞いてみたい。いいか、一緒に行くぞ、わかったか」

「あ、うん」

 気迫に飲み込まれた片岡は、まんまるいどんぐり眼を大きくして、頷いた。

 ──頷くしか、ないだろう。

 またも肩をぽんぽんと叩かれつつ、乙彦も了解した。

「ありがとう」

「よかった」

 笑顔を取り戻した片岡は、また背を向けて教室から飛び出していった。時間も何も告げずに、猛スピードで。藤沖に改めて確認した。

「お前本当に、片岡の家、知っているのか」

「評議委員を馬鹿にするな。俺はクラスメートすべての住所と通学路を把握している。これは義務だ」

 とんでもない義務である。乙彦はとてもだがしたくない。

「片岡の家はそんなに遠くない。歩いてでもいけるが、やはり自転車で行くのがいいだろう。関崎、何か用事があるのか」

「すぐに戻るつもりだが、一応ある」

「そうか、どのくらいの時間かかるんだ」

「十五分かそのくらいだ」

 本当は一緒に図書館で予定を煮詰めたかったのだが、そうもいかなさそうだ。

「だったら自転車置き場で待ち合わせよう。片岡はまだこの辺にいるだろうから捕まえて、俺がどのくらいに行けばいいかを確認しておく。お前は用事を済ませたら自転車置き場に戻って来い」

 ──なんだかまた、俺を弟分扱いしようとしているな。

 暫く影をひそめていた藤沖の兄貴風。いつもならばそれも重たく感じたりするのだが、なにせ例の一件を知っている以上、それもあまり気にならない。交換条件、というのはあまり綺麗な言い方ではないのだが、それに近いものがあるのかもしれなかった。

「わかった。後から行く」

 まずは家に電話をかけ、夕食不要の連絡を入れることにした。

 その後で、もちろんロビーで待ち合わせていたふたりと語るのだ。


 いつも帰り際、時間をうまく作って集まるようにしていた。特に試験後は夏休みまで補習が休みになることもあり、自主的に集わないとなかなか顔を合わせることができない。乙彦が提案し、ふたりが了解した。

 試験答案が帰ってきた直後、やはり互いの結果は気になるもの。

 開口一番、乙彦は静内に告げた。もろ、本心だ。

「覚悟はしてたがな」

「まあね」

 特別扱いされているとはいえ、外部生にとってのこの状況はあまりよろしくない。

 静内も溜息をつきながら、首を振った。具体的な点数は口に出さなかったがか、努力はやはり実を結ばなかったようである。また名倉と目を合わせる。

「で、ヒアリング効果はどうだったんだ」

 問い詰めてみた。

 あれだけ手伝ってやったのだ。効果なしなんてことは、いくらなんでもないだろう。

「なんとか平均点は越えたかな」

「それだけか」

「そういう関崎は?」

「人のことは言えないが」

 平均点以上は取った。が、他の科目……特に文系……がめちゃくちゃな点数だったため、トータルでは中の下だろう。情けない話だが、入学したての実力試験で同じ六十点を取った時よりもショックは薄い。慣れてしまっているのだろう。それが悔しかった。

「自分のレベルがだんだん下がっているような気がするな」

「そんなこと言ったら私なんかどうするの」

 お互い溜息を吐いている中、名倉だけがひとり余裕をもって頷いている。理由は明白だ。名倉は外部生内でトップの成績だったのだ。乙彦や静内だけではない、外部生トータルで、だ。ただし附属上がりの生徒と比較するとどうしても中の上止まりのようだが。

「とりあえずは夏休みだな」

「そうだね。関崎はアルバイトするの」

「もちろんだ」

「夏休み中、午前中は学校で講習があるけど、出るよね」

「ああもちろんだ」

「じゃ、その後で、自由研究だね」

 静内は明るい声で答えた。試験前の動揺めいたものは消え、さっぱりした口調が戻って来ていた。短いセンテンスで返事をするところもそうだった。会話しやすい女子に戻ってくれれば乙彦としても楽だ。静内には他の女子たちにはない、軽さがある。いいかげんな意味での「軽さ」ではなく、風のようにさっぱりした流れが心地よい。

「英語もやるからな。静内、二学期はそれなりに結果出さないとまずいだろう」

「わかってる」

「英語と言えば」

 それまで二言三言しか言葉を返さなかった名倉が、思い出したかのように尋ねてきた。乙彦に対して、

「今回の試験で、英語の学年トップ、入れ替わったな」

「ああ、だがあれは入れ替わったとは言わない」

 訂正しておいた方がいい。立村の名誉のためだ。

「立村は期末試験、二日間とも休んだ。だから不戦敗という奴だ」


 立村の体調が悪そうなのは、視聴覚準備室で見た様子を思い起こせば確かにそうだったとも思う。最初はずる休みかと勘繰ってしまったが古川の言う、

「立村はねえ、夏に弱いよ。いつも死んだ顔して学校に出てきてるんだけどね。今回はいろいろあって、ぶっ倒れたみたいだよ。羽飛たちC組連中があいつの家に見舞いに行くって言ってたから、聞いとくよ」

 事情を信じることにした。いくらなんでも、自分の思うような形に話がまとまらなかっただけで、大切な試験を放棄するような男ではないだろう。なにせ附属中学時代は英語限定学年トップを突っ走り、現在も大学の英文科講義を受講する権利を持つ。そんな奴なのだ。そう簡単に自分の栄光を手放したいとは思わないだろう。

 どちらにしても、追試を受けてまた別の形で評価されるに違いない。

 

「今日は関崎、放課後どうするの」

「これからその英語トップを奪った奴の家で御馳走になる」

 乙彦の言葉に、静内がまた驚いた口調で尋ねる。

「御馳走って、なんで」

「わからんが、俺と藤沖に食いに来いと誘ってきた」

 事実をその通りに述べた。

「要するに遊びに行くということね」

「ああ、端的に言えばな」

 静内の顔に何か無理をして笑うようなそぶりが見えた。ずきんと来る。目をそらせただけなのだが、妙に気になる。試験も終わったことだし、静内も三人で何か腹持ちのいいものを食いに行きたいのだろうか。まあ、夏休みになったら家に呼ぶのもいいだろう。

「静内、夏休みになったらな」

 乙彦が言いかけると、遮るように名倉がとつとつと答えた。

「休みに入ったら、仲間うちでパーティーがある。来い」

「パーティー? 名倉、なんかその言い方、似合わないよ」

 確かに似合わないと乙彦も思うのだが、名倉は真剣である。

「奈良岡が帰ってくるから、あいつの家で誕生パーティーがあるんだ。とにかく、静内も来い」

 ──こいつ、静内を誘っているのか?

 頭の奥がきんと鳴ったが、すぐに、

「もちろん関崎もだ」

 付け加えてくれたので、気にしないことにした。言い忘れなど、よくあることだ。


 しばらく夏休みの予定なども話をし、十五分経ってから即、

「悪い、そう言う訳でまた、明日話そう」

 ふたりに手を挙げ、まずは自転車置き場へ向かい、そのまま藤沖を待った。

 まだ来ていなかった。

 真夏の太陽が自転車のサドルおよびハンドルを熱し、乗るのがしんどい。それでも自分にとっては貴重な足だ。鞄をくくりつけた。

 ──しかし、そんなに嬉しいものか。

 念願の英語学年トップを取りはしゃいでいるように見える、片岡司に思いをはせた。

 ──もちろん、はしゃいでいるというわけじゃないだろうが、ああも単純に「焼肉で桂さんがお祝いしてくれるって言ってるから、関崎、うちに遊びに来てほしいんだ」って言うのはどんなもんなんだ? たまたま隣に藤沖がいたから、半ば強引に割り込んでくれたからいいようなものの、いったい片岡の奴、女子たちのお誕生会みたいなことしたがるんだ?

 立村不在の期末試験なのだから、暫定一位だと本人もわかっているはずだ。もともと片岡は立村のことを露骨に嫌っていたし、それは嬉しいだろう。乙彦も理解できないわけではない。ただ、焼肉焼いてお祝いするようなことなのか、とつっこみたいだけだ。

 ──藤沖も、片岡の家にそんな行きたかったのか?

 これも意外だった。片岡が乙彦に懐いているのはわかるし、乙彦も決して嫌いなタイプではない。いろいろと噂……下着泥事件など……も聞いているが、すでに禊を行ったという結論に達しているので気にはならない。だが、なんで藤沖も片岡と仲良くしたがるのだろうか。評議委員としての義務、だけではなさそうだ。

 ──俺の見た感じだと、片岡、かなり迷惑そうだったが。

 思い過ごしであればとも思う。どちらにしても藤沖に連れていってもらわないことには、片岡の家にたどり着けるわけがないのだ。

 ──だが、かえっていいかもしれない。

 乙彦は空を見上げた。まだらな雲が空を埋め尽くしていた。いわゆるこれは「層積雲」というものではないだろうか。地学の授業で習った知識を思い出した。見た感じ青空は広がっているのだが、この雲が出てくるということは明日あたり、大雨になりそうな予感がする。

 ──あいつもいろいろ、大変なことが多いにちがいない。こういう形で気晴らしするのも悪くはない。

 詳しい事情をこちらから聞き出す気はない。藤沖が試験前日に約束した「事情を話す」件についても、ややこしそうなのであえて口にはしなかった。乙彦としては目的ひとつだけ。

 ──あの件で、立村との関係がうまくいってくれるといいんだが。

 複雑な状況はまだ修復されていない様子だが。今日の焼肉パーティーで少しでもそのヒントになるものがつかめればと思う乙彦だった。立村の方が歩み寄る姿勢をこれ以上見せない以上、動くことを期待できるのは、藤沖だけだから。


「悪い、待たせた」

 汗をだらだらに流し、藤沖が駆け込んできた。律儀にも全力疾走している。

「いや、たいして待っていない」

 シャツは見事に背中へべたりとくっついていた。濡れたままの洗濯物を着たという感じだった。改めて気がついたが、乙彦も似たようなものだ。すでに汗だくだくなのだが、動いているとそれも感じない。

「やばいくらい熱いな」

 自分の自転車サドルに手を触れてみて、藤沖も顔をしかめた。

「ハンドルも火傷しそうなほど熱いぞ」

「とてもだが、乗る気にはなれないな」

 ひとりごちた後、藤沖はネクタイをひっぱがし、ポケットにつっこんだ。乙彦にも促した。

「お前もいいかげんネクタイ取れ」

「そうだな」

 言われてみれば、このネクタイもかなり重たかったのだ。放課後だしもういいだろう。襟からはずし、同じくポケットに突っ込んだ。

「片岡の家は近いから、歩いていこう。帰りに自転車だけ取りに戻ればいい」

「それもそうだな」

 夜になれば熱せられた自転車も少しは冷めるだろう。改めて乙彦は藤沖の賢さに舌を巻いた。やはりこいつは上に立っただけあって、頭の回転が速い。

 鞄を改めて持ち直し、乙彦は藤沖の歩くまま、着いていった。


 どちらともなく黙って歩いていた。視聴覚教室の出来事を口に出さない方がいい、という判断を乙彦なりにはしていたが、無理に触れないのも居心地が悪かった。まだ熱い太陽とそれを和らげる風に首筋を交互に刺されるようで、乙彦は何度も首をひねった。

「関崎、先日は、悪かった」

 口を切ったのは藤沖だった。

「何をあやまる」

「視聴覚教室の件だ」

 乙彦は立ち止まり、藤沖を見た。歩きながら返事するのは礼に欠けているような気がした。藤沖も同じことを考えたようで、やはり足を止めた。

「古川から聞いた。お前がすべて提案してくれたこととな」

「いや、たまたま俺はヒアリング特訓するつもりで」

 言いかけると遮られた。

「もちろん、その事情も聞いている。だが、関崎の提案がベストだった。感謝する」

「たいしたことじゃない」

 藤沖は乙彦に頭を下げた。神社で参拝するのと同じくらい、深々と。

「約束通り、今からすべてを話したいが、聞いてくれるか」

「ああ、もちろんだ」

 再び黙ったまま校門を出た。中学校舎の裏まで何も言わなかった。いつか立村に連れてこられた喫茶店「おちうど」のあるあたりまでそのまま歩いた。暫く歩きつづけていると不意に砂利道が現れ、その後ろいっぱいに青々とした林が現れた。少し暗かった。たくさんの葉のアーチが、完全に夏日を遮っていた。一気に背中が冷えた。

 藤沖は背を向けたまま、乙彦に向かい手を挙げた。すぐに下ろした。

「俺のやったことは、論理的にも倫理的にも間違っていると思うか」

「論理? 倫理?」

「間違っている。俺はそう思う。だがそうした」

 言い切った後、藤沖はぐっと顎を引くようにして、じっとにらんだ。

「後悔はしていない」

「なぜだ」

 深く考えず、ただ問うただけだった。しかし藤沖には別の圧力を加えてしまったらしい。また目つきが深く、怖くなった。

「俺の勝手な罪滅ぼしにつき合わせてしまった。申し訳ない」

「あやまられることもないが、罪滅ぼしって誰のだ?」

 わからないだけだった。決して責めるつもりはなかった。

「霧島の姉にだ」

 

 ──霧島? あの、中学生徒会副会長のあいつか?

 言われた意味がつかめなかった。古川と三人で話し合った際の記憶を巻き戻そうとした。ほとんどおぼえていない。理解できない。

「自殺未遂した女子が、俺たちの代にいたと言っただろう」

「聞いた」

「それが、霧島の姉にあたる女子だ。関崎が生徒会と評議との交流会に来た時、お茶を運んだ髪の長い女子がいたのを覚えているか?」

「女子はたくさんいたのですべてを覚えているわけではないが、清坂ではないな」

 藤沖は首を振った。

「お前の記憶している青大附属上がりの女子で、もっともきれいだと思った奴を思い出してくれ。青大附属に入る前に会った女子限定でだ」

 ──芸能人顔?

 まったくたどり着けない迷路。勝手に藤沖はゴールを定めて言い切った。

「そいつが霧島の姉だ」

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