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夜桜咲くや
色褪せたフィルムを探して
戸棚の闇を覗き込む
想い出の記録たちは
残すことで記憶になる
光の落ちたこの夜に
目立つ淡い枝垂れの腕
星明かりで灯る桜の明かりは
記憶以外の何であろう
せせらぎの音がした
黒に写るフィルムから
鹿おどしの音が聞こえる
水場の畔りの散り桜
月に叢雲花に風
美しさの悠久は無く
いつか消えるものを人は渇望し
泡弾けた後
残念そうによろこんで次を待つのだ
雀が炎を飛んだ
春の初めに燃え上がる花
人に感銘の火を点けて
風が吹いたら逃げていく
青と白と緑色
空に桜にお供の抹茶
仲良し兄弟今日も並べて
電灯なんて無粋なものは捨て
伝統らしく和みの心で
また一枚、フィルムを焼くのだ
記憶焼くや




