はじまりは・・・
魔王と勇者
どちらが正義で、どちらが悪か。
それは、人それぞれであるはず。
勇者が正義で、魔王が悪。
大抵の人はこう思うだろう。
しかし、魔王にだっていろいろ事情があったりする。
このお話は、そんな魔王さまと愉快な仲間たちのビミョーな日常から始まる。
「魔王さま、魔王さま。 そろそろ時間ですよ」
ここは、魔王の城。
城の中程より少し上に魔王さまの寝室がある。
寝室の扉をドンドンと叩くが、全く返事がない。
「仕方ないですね」
そういうと男は少し乱暴に寝室の扉を開けた。
扉を開けると、薄暗い部屋の中央付近に、超キングベットがあり、そこから規則正しい寝息が聞こえてきた。
「やはり、まだ寝てますね。」
スヤスヤと眠る一人の人物。
部屋に入った男は、ベットに近づき布団を取り払った。
「うわっ」
ベットで眠りについていた人物は、布団がなくなったことに驚き、一気に目が覚めた。
「おはようございます。魔王さま。」
男はベットにいた人物に、にこやかに挨拶した。
「って、カインか。 起こすなら、もうちょい穏やかに起こしてくれ。」
魔王さまは執事であるカインに、額にシワをよせながら言った。
「きちんと起こしましたよ? ドアの外から声をかけましたが、起きなかったのは魔王さまです。」
ニッコリと笑いながらカインは魔王に伝えた。
「いや、しかしそれはだな・・・」
魔王さまは、しどろもどろになりながら、往生際悪く布団の中に戻ろうとする。
「魔王さま?何してるんですか?」
布団にもぐろうとする魔王さまを、カインは睨みつけた。
「ちっ、わかったよ・・。起きたらいいんだろ。」
魔王さまはそれ以上逆らわずに、ベッドからおりた。
「それでは、今日も一日がんばりましょう。」
カインは笑みを浮かべて、魔王さまに挨拶した。




