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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第八章 TS賢者はアイを継ぐっ!
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久しぶりにのんびりお休み


 私は仕事とか育児とか他にも色々で忙しいって思われがちだけど、実はそうでもない。

 結構暇をしてるのだ。



「·····暇だ、何しよ」



 今日の私は仕事もなくて、フィーロ君は実家のお店に手伝いをしてるし、フェニカはフロウとかトウマとかアレキは一緒にワイワイとゲームをやって遊んでて更にエビちゃんとグラちゃんが面倒を見てくれてるし、下の子たちはほぼ全員寝てるし起きてもシルキーさん達が面倒を見てくれるから私が出る必要が無いし、ウナちゃんは妹のインクちゃんに会いにご隠居様の屋敷に行ってるし、リリアは妊娠してるってのに夫の店の手伝いに行ったし、アルムちゃんはなんやかんや雇う事になった従業員(彼氏)と一緒に店で商売してたり、ミナタは部屋に籠って漫画描いてたり、ミカちゃんは寝てたりと相変わらずな日々を送っていた。


 ·····で、私は特に相手してくれる人もいないし、仕事もやる事はやって暇になったのでぶらぶらとそこら辺をほっつき歩いていた。



「今期のアニメはリアタイしたから見逃しは無いし、ゲームのデイリーもやったっしょ、んー、やる事、本格的にないなぁ·····」



 やることが無いなら何もしなければいいんだけど、なーんかやりたい気分なのよね。


 別にやる事もないのにさ·····


 こういう事って時々あるよね、なんかしなきゃって衝動に駆られる時って大体なんもないのにさ。



「あぁ、暇だ·····」



 とりあえずぐるぐる歩き回っても無意味なので、私はディメンションルームにある瑞穂の里の庭にテキトーに椅子をインベントリから取り出して地面に置いて、そこへ座ってのんびりとすることにしたのだった。





 お腹にモフウサを乗っけて暫くのんびりしながらボケーっとしていたが、あんまりにも無意味な時間を過ごし過ぎてる気がして虚無になっていた。



「·····何してんのソフィたん」


「おー姉貴かぁ····· 暇なんだけどいい案ない?」


「無い」


「·····あっそ」



 何か姉貴が来たけどどうやらキッチンにあるワインセラーに入れてたワインを取りに来ただけだったようですぐにどっか行ってしまった。

 それに今はなんか絡んでギャーギャーする気分でもなかったし·····



「·····ダメだ今日は何もやる気起きない日だわ!」

\ガバッ!/


『もぴゅぷっ』


「あっごめん吹っ飛ばしちゃった」



 とりあえずこのままだとダメ人間になる気がしたから私は勢いよく起き上がったが、その勢いでモフウサが吹っ飛んでコロコロと転がって行ってしまった。


 ·····モフウサでボーリングでもするかな、いや目を回してるっぽいしそれは可哀想だからやめてあげよう。


 でもそうとなると何をしよっかな·····



『ぷぷぷー』


「ん?ご飯欲しいの?ってすっごい量が集まってる!?あっ布団代わりになってくれるつもりだったの?ありがとうねみんな」



 とりあえずいつの間にか大集合していたモフウサたちにご飯用に栽培してる野菜類を渡して、私は縁側に腰掛けてなんとなーくディメンションルームに再現された空を眺めたのだった。



「あっそうだ1人で焼肉でもしよっかな」



 ·····が、そういえばお昼ご飯を私は食べてない事に気が付いてちょっと一人で焼肉でもしてテンションをあげることにした。


 幸い材料は私のインベントリに全てそろっている。


 それに、実は·····いつだっけ、最近七輪じゃなくてコンロ的なキャンプグッズの1人用焚火のヤツを買ったんだけどそれを使って気ままに一人で焼肉を楽しもうと思いついたからには実行するしかない。


 ぶっちゃけ罪悪感はめっちゃある、今日の昼ごはんは手抜きでアキさん達に任せちゃって各自自由に食べる事にしたから、私だけ焼肉を昼間っから食べるなんて贅沢過ぎるし体が心配になってくるけど、テンションが下がってる今なら必須だろう。


 もしかしたらテンション下がってるのはお腹空いただけかもしれないし。



「って事でコンロどーんっ!」


『もぴゅ?』


「かーらーのー、備長炭セット!火魔法で着火!風魔法で火を起こす!」


 ごおおおぉぉぉぉぉ·····


「良い感じ、今のうちに肉とか出しておこっと!あと網もセット!最強のヒヒイロカネ焼き網だぁ!」



 って訳で私は早速露天焼肉を楽しむことにして、ちゃっちゃと準備を始めた。


 ちなみにヒヒイロカネの焼き網は熱伝導率が半端じゃなく良いから肉が良く焼けて便利なのだ。

 あと普通のヒヒイロカネだと熱増幅の影響でとんでもない温度になるけど、星核合金を混ぜる事で増幅が無くなる代わりに熱伝導率がほぼ100%になるという優れた性能があって、料理にはかなり使いやすい材質になってるから愛用していたりする。


 ついでに私は火おこしも魔法でぱぱっとやれちゃうから準備がめっちゃ楽なのよね。

 これも手軽に焼き肉ができるポイントかもしれない。


「んで焼く肉は····· リヴァイアサンの肉にしておくかなぁ、これもう5年以上ずっと食べてるけど全然無くなんないよなぁ、まぁ時間停止保存してるからいいけどさ、あとはドラゴン肉とシンプルに和牛のタンをネギ塩ごま油で食べて、んートントロはもう使い切っちゃったかぁ····· あっ鯖あるじゃん、どうしよっかな····· よしホタテと一緒に焼いて食べよ!」



 ちなみにリヴァイアサンの肉は私たちが食べられたのはまだ輪切り3m以下のごく少量で、レディクルスさんにあげたりしたけどまだ1km以上普通に残ってるのよね。

 デカすぎて食べきれないからこれでも配ったり売ったりしてるのにねぇ·····


 まぁ沢山食べれるのは良い事だけどさ。


 それとインベントリの中には美味しそうなモノが結構沢山眠ってたりする。


 例えばドラゴン肉とかクラーケンの触手とかハム豚の肉とかジャーキービーフっていうカラッカラに乾いたミイラみたいな牛の肉とかヒモノウオとかいう自ら一夜干しになって乾眠する魚とか、その他日本で買って来た美味しい食材の数々とかほんと色々入ってるのよ。



「あっと他にも玉ねぎとかニンニクも出しておこうかな、あとはご飯もタレも出さなきゃ!」



 そして、やっとテンションが上がってきた私は大急ぎで準備を進めたのだった。





 ジュワァァァアアアッ·····


 元々少し朱色に光る金属であるヒヒイロカネの金網に、サシが入ったおいしそうな牛系の魔物肉が乗ると、満員だった金網からいい感じに焼きあがった別の肉が入れ替わりで下車してしまった。


 そして下車してしまったお肉は箸につままれて空中散歩を楽しみ、タレの池に不時着したかと思ったら再び飛び立ち、山盛りだけど先客のタレで少し汚れた真っ白いお米の山の山頂で一回休憩し、もう一度空を駆けて私の口の中へと飛び込んできた。



 飛んで火にいる夏の虫、飛んで口に入るアツアツのお肉。


 香ばしい炭の香りとちょっと焼きすぎて焦げてる部分による香ばしさが私の鼻を抜け、タレとお肉と甘味を感じる脂の旨味が私の舌にまとわりついた。


 そこへ追い打ちとばかりに私の口の中にさっきの白米が飛び込んできた。



 私の口の中で居座っていた肉汁と脂とタレは私の舌から浮気して白米の一粒一粒へとまとわりついてしまったが、私は寛容な女だ。

 浮気した2人もろとも食べてしまうから、寛容なのだ。



「んふふふ····· あぁ美味しい、テンション上がる·····」



 やはり焼肉は世界最強の栄養剤だ。

 私の胃の胃もたれという重い代償があるけど、脂がのったお肉はこれ以上ないほど私を元気づけてくれるし、特に今日の私はこれを求めていたのかもしれない。



「んっタンが焼けた、あー最高、魔法でネギをくっつけたからこぼれてないのマジ無敵」



 だが1枚で満足するわけがない。

 私は結構大食いで焼肉なら30枚くらいペロリと食べられるし、ステーキなら2kgなら普通に行ける。


 って事で私はお次のお肉をつまんだ。

 それはネギがたっぷり乗ったタンで、よく焼き肉屋でネギがぽろぽろこぼれて勿体ない思いをするアレだ。

 だが私なら魔法でそれも何とかなるから、私の箸には一切こぼれないでたっぷりのネギが乗ったままになっているいい感じに焼けた牛タンが浮かんでいた。


 いやもうそれは過去形だ。


 だって私の口の中にあるのだから。



「ん~♡ コリコリしてて美味しい、いいお肉だぁ、これどこで買ったんだっけ、また買わなくちゃなぁ」



 私はそう言うと既に標高が半分以下になっているご飯の山をさらに切り崩し始めた。

 さながら私はご飯とお肉のバケットホイール・エクスカベーターだ。


 そして体の中は火力発電所だ。

 燃料はもちろんお肉だけど、更にその炎をニンニクのホイル焼きが強化して体の中はさながら灼熱地獄だ。


 ちなみに灼熱地獄は熱いのが好きな神様用のサウナね、あっついから私も入れないのよ、だってもはやプラズマの領域よあそこ。



 まぁそれはどうでも良くて、私はさっきから網に肉を乗っける手も焼けた肉を食う手も止まらずにパクパクと食べまくっていた。



「テンション上がって来たかな、んふふ·····」



「·····ところでソフィちゃん」

「皆に黙って食べるとか酷いわよ?」

「ワシらも誘ってほしいのじゃ!」

「そうだっけな!アチシも肉くいてっけ!」


「うげっバレた!·····これは私のお昼だから、夜ご飯でやるから許して?」


「わたしは今食べたいかなぁ」

「ワシもじゃ」


「·····わかったから、焼けたのを1枚だけ食べても良いからそんな目で見ないで」


「1枚だけ?」

「ケチね」

「ケチじゃのう」

「へなだっけ」


 って焼肉に夢中になってたらいつのまにか今家に居るなかよし組の4人が集まって来ていた。

 どこから嗅ぎつけて来たのかわかんないけど、私はみんなに焼肉を少しだけ分け与えてあげたのだった。


 そしてこの日の夜は、何の祝い事でもないけど野外で焼肉パーティーをすることになったけど、無事にテンションが回復していた私はみんなとワイワイ騒ぎながらたっぷりと楽しんだのだった。



 ·····だが次の日の私は胃もたれで完全にダウンして一日中寝ていた。

 合計年齢約50歳のおじさんにはちょっとキツかった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「今日は完全にやる気が出なかった····· でも焼肉で復活したわ!やっぱ焼肉は最強だねっ!!」


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