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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第四章 TS賢者は世界を往くっ!
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騒ぎを隠すなら騒ぎの中



 私専用の並行次元内に私が作った部屋『ディメンションルーム』の露天風呂の中で、サークレット王国のSランク冒険者が奇跡的に3人全員集まり、とんでもない会談が始まってしまった。


 というか、この国で初めてSランク冒険者が3人そろった会談が私のお風呂で全裸で行われるという珍事が発生してしまった。


 ·····これでいいのかなぁ。



「まずは念のため聞くわ、貴女はSランク冒険者『珍竹林のリリア』で良いわよね?」


「ち、ちげぇ!アタシはチンチクリンなんかじゃねぇ!」


「·····そのギザ歯は珍竹林のリリアの最大の特徴よ?Sランク冒険者名鑑にも『ギザ歯のドワーフ』と書かれているもの」


「うぐぐ····· そうだ、アタシがリリアだ····· でもチンチクリンなんかじゃねぇよ!!ってか何を話すんだ·····?アタシは魔法学校には入らねぇぞ!?」


「あら?将来有望な子をスカウトするのは先生の役割よ?」


「あ、アタシはもう15歳だ!学校なんか行かねぇぞ!」


「えっもうそんな歳なの·····?ごめんなさいね、ドワーフの外見年齢を見分けるのは苦手なのよ·····」



 そう、リリアの見た目はだいぶ幼く、ぶっちゃけ11歳とか13歳とか言われても気が付けないってくらい若々しいのだ。

 ドワーフ内にも種族差があるらしいが、リリアはこれでもかなり外見年齢が高い方らしい。

 一番幼いドワーフだと15歳でまだ5歳児くらいの外見のドワーフも居るんだとか。



「·····で、校長先生、なんでリリアに用があったんですか?」


「そうね、最初にそれを言うべきだったわね、率直に聞くわ、貴女、普段は山篭りしてる野生児みたいな生活って聞いたけれど····· 普段は山に居ないわよね?」


「なぜバレたし!?」


「やっぱりね····· 揺さぶりをかけたつもりが自白したわ、ソフィちゃんと同じね」


「え゛っ····· だ、騙されたぁぁあああああああっ!!卑怯だぞ!!」

「校長先生っ!私は揺さぶりで自白した事なんてないですよっ!」


「ソフィちゃん最近太ったでしょう?」


「なぜバレたし!?」


「ほらね?」


「あ゛っ·····」


「何キロ太ったのかしら?」


「·····1.7320508075688772935274463415058723669428052538103806280558069794519330169088000370811461867572485756^2㎏です」


「3キロねわかったわ、瘦せなさい」


「むぐぅ·····」



 最近幸せ太りがひどくて仕方ないのよ·····

 でも身長もちょっとずつ伸びてはいるからそのせいだと信じたい。

 それか胸が大きくなって3kg増えたと信じたい、叶ってほしい、今年の短冊にそう書こうと思う。



「話を戻すわ、リリアちゃん、貴女普段から山の中で修業をしているといったけど、本当は週の半分くらいは町に降りて過ごしているわね?それも一般人を装ってSランク冒険者だとバレないようにね」


「ち、ちが、アタシは四六時中山の中で·····」


「明らかに嘘ね、文明に慣れ過ぎてる感じがするわよ?3600年近く生きてきた私が何人本物の野生児とか修行者に会ってきたと思ってるのかしら?」


「今まで食べてきたパンの枚数ぐらいか?」


「貴女本当は転生者なんじゃないかしら·····?15人くらいよ、そんなにたくさんいるものじゃないわ」


「そうか·····15枚しかパンを食べたことないのか·····」


「違うわよ?」



 そういえばそれ私も思ってたわ。


 15枚は少なすぎ·····


 じゃなくて、リリアって妙に私と波長が合うというか、日本のネタを使っても通じることがあるというか·····


 よし、揺さぶりをかけてみるか。



「リリア、ちょっといい?」


「なんだ?」


「ヌルぽ」

「ガッ!」


 バギャッ!


「い゛っっ!!?」



 私が日本人にしか、それも特定の分野の特定の世代の人にしか伝わらないネタを言った瞬間、リリアに頭をぶん殴られた。


 くっそ·····ガチで殴りやがったなコイツ·····

 頭蓋骨が陥没骨折するかと思ったわ·····



「なんでソフィちゃんを殴ったのかしら?というか今のに殴られる要素あったかしら?」

「確かに、なんでアタシソフィの事を殴ったんだ?」


「こ、これ、日本の、ネットスラングですよ····· しかも、特定の世代にしか、伝わらない、やつです·····あいたたたたた·····」


「そうなの?」


「ニホン?そういえばソフィが前にも言ってたな····· どっかにある町なんだっけか?変な方言もあるんだなぁ·····」

「ちくわ大明神」

「リリアちゃん、もしかしなくても転生者ね?でも転生者であることを隠しているようには見えないわ、でも日本の記憶はある·····何故かしら?」


「知らねぇ、アタシはスワ町で産まれて育ったことしかしらねぇ!って誰だ今の」


「ふぅん?スワ町出身ねぇ····· 今の家もそこにあるという事かしら?」


「ち、ちげぇよ!それにアタシはニホンなんて町しらねぇ!」


「·····今私が言ったちくわ大明神に『誰だ今の』って返したね?やっぱり絶対インターネット黎明期を経験したことあるな?」



 大方察しがついてきた。


 たぶんリリアは隠れ転生者だ。


 一応前に神様研修をしたときに、魂についての授業で


 『ごくまれに魂の洗浄機に別の世界の魂が混ざり込み、そのまま漂白されて出荷されることがある、この場合、その世界に合った洗剤を使う洗濯機では別世界の魂が洗浄しきれず、表面上ではデータが消えるが内容は残ってしまう事がある、しかし漂白してしまうと普通の検出器では検出できずにそのまま出荷されてしまうため、隠れ転生者という異分子が産まれることがある』


 という事を学んだことがあったのだ。


 たぶんリリアもそれに該当する感じで、ふとしたキッカケで日本人だったころの記憶が蘇っているのだろう。

 なるほどねぇ、だからタケノコ神拳とも相性が良かったのか·····


 あのネットスラングのノリを理解しているなら、ノリと勢いとテンポで威力が変動するキノコ・タケノコ神拳の究極奥義を継承できてもおかしくないだろう。



「また話がズレたわね、リリアちゃん、貴女は普段はスワ町に住んでいるのね?」


「な、なんで全部お見通しなんだ·····」


「あくまで推測でしかないわ、でもソフィちゃんは何か知ってるのでしょう?」


「ん?えっ?あーはいそうですね」


「やっぱりそうじゃない」

「裏切り者ぉぉぉおお!!」


 ごめん何も聞いてなかった·····


 隠れ転生者って神のルール的には『要監視対象』なのよね。

 急に記憶を取り戻して錯乱したり、変に高度な文明の技術を教えてしまって世界のバランスが崩れないかとかそういう観点もあるし、隠れ転生者は世界間の移動時に魂が強化されているらしくて能力が全体的に高いから悪用しないかも監視する必要があるのよ。


 って事で、見つけたら即刻観察対象に入れることになっている。


 ちなみに私の場合はもし見かけたら一旦女神さまに相談する事になっているから、今女神様とコンタクトを取っていて話を聞いてなかったのよね。



「ソフィちゃん、この子は普段どこで生活してるのか教えて頂戴」


「やめろソフィ!頼むからっ!パパとママに迷惑かけたくねぇんだ!」


「あー、知ってますけど、リリアはSランク冒険者としてチヤホヤされるのも騒がれるのも嫌みたいなんですよ、だからリリアの実家の場所とかは教えたくないですね」


「でも·····」


「どうせ校長先生の目的ってリリアにちゃんとSランク冒険者の仕事をさせたり、非常事態の時に確実にコンタクトを取れる方法を探してるだけですよね?だったら私はリリアと連絡先を交換してますし、それで呼びだしたりもできるのでそれでいいじゃないですか」


「·····確かにそうね、わかったわ、特別に所在地は聞かないでおいてあげるわ、でもリリアちゃんはもう少しSランクの冒険者として活動するべきよ?」


「ええええぇぇぇぇぇ·····」



 ·····くっそ、あのクソ女神め、何度連絡しても無視してきてんな?

 隠れ転生者は処分も出来なくて対応がめんどくさいからって完全に無視を決め込んだパターンだな。


 よし、そっちがそうするなら私にも考えがある。


 えーっとまずは姉貴に連絡っと、『今から温泉で飲みに来ない?サトミさん来てるし姉貴好みのロリっ娘ドワーフちゃん居るよ』でいいかな?送信っ!


 続いて女神様宛に·····『温泉にサトミさん居るんで温泉に来ません?今ならまだ間に合いますよ』っと、これでよし!送信っ!



 てろりんっ♪


 姉貴

 『今から行く、ツマミはある?ないよねおーけー、持っていくわ』



 おっ、姉貴から来た。

 流石は暇人だ、すぐに返事来たわ。


 あとは·····



 ぴろんっ♪


 ガイア

 『いくぅ~』



 よし大物が釣れたっ!!


 計画通り·····!


名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「よし!事態をカオスに持ち込めば色々誤魔化せるはず····· そんで早めに酒盛りまくってベロベロに酔わせて有耶無耶にすれば·····」


名前:リリア

ひと言コメント

「なんか、さっきからアタマが変だ····· へんな記憶が·····」


名前:校長先生

ひと言コメント

「まぁ連絡が取れるだけ及第点としようかしら····· あぁ最初に会ったときにちゃんと拘束して学校に入れさせればよかったわ····· あの時6歳だったのねこの子」


名前:藤石 穂乃花

ひと言コメント

「酒盛りの時間じゃぁぁあああ!あっ母さんちょっと友達と酒盛り行ってくるわ!え?全裸はやめろって?いやこれから風呂だしへーきーへーき!」


名前:女神ガイア

ひと言コメント

「ふぉっふぉう酒盛りキタコレ!今日の仕事おーわり!」

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