普通の学校生活
新作の強力な魔法が完成して満足した私は、その後の授業は真面目に受けていた。
まぁ、私はもう完全に理解している部分だったから雑にメモをしただけなんだけどねっ☆
「はい、これで1時限目の授業はおしまいです!次の授業は算数なので準備をしておいてください!」
『はーい』
うわぁ·····
算数とか数学とかヤダなぁ·····
前世は理系出身だったけど、数学は死ぬほど嫌いだったので、今世も算数に対して苦手意識がある。
まぁ受けないワケにはいかないから受けるけど、あぁめんどくさい·····
◇
2時限目 算数
·····うん、私が嫌いなの数学だったわ。
「5+8の答えがわかる人いますか?」
まだ私たちが前世でいう小学1年生だから仕方ないけどさ·····
算数だったわ。
というか、誰も答えないの·····?
仕方ない·····
「13です!」
「はい、ソフィちゃん正解!」
「じゃあ次は2+7がわかる人h…」
「9」
「つ、次は7+4「=11」」
「·····9+8+24+39+54-100は「34」」
「えっ、ちょ、ちょっと待ってて·····合ってるわ、ぐぬぬぬ!998×128」
「998×128=1000×128-(128×2)=127744」
「·····天才ね、参ったわ、ソフィちゃんは自習しておきなさい」
「はーい!」
問題にスラスラと答えていたらヤケになった先生がめちゃくちゃな問題を出してきたが、まぁこれくらいなら楽勝·····
「ソフィちゃん、最終勝負よ、『円周率』」
「3.14159265358979323846264338327950288419716939937510····· くっ、この先忘れた!」
「·····先生の勝ちね、続きは5820974944よ」
·····ん?
なんでこの世界に円周率なんかあるんだ?
いや、校長の仕業に違いない、3600年の研究の中の暇つぶしで円周率でも計算しまくってたに違いない。
\へくしゅっ!/
·····なんか廊下からクシャミ聞こえたけど気のせいだよね。
たぶん、ビオラ先生はそれを暗記して覚えておいたのだろう。
まぁ私も暗記なので記憶力勝負で負けてしまったから大人しく負けを認めて自主学習に勤しむとしましょうかね·····
「ソフィちゃん、8ひく3ってなんで5になるの?ワタシいみわかんないんだけど·····」
「リンゴが8個あって5個食べたらどうなる?」
「5個·····わかった!!ありがとう!」
「どういたしましてー」
「ソフィちゃん、さっき何言ってたの·····?」
「フィーロ君にはまだ早いと思うよ」
「そっかぁ·····」
◇
「んんんー!頭使ったあぁぁ·····」
「うわぁ····· ソフィちゃん教科書半分以上終わらせちゃってるじゃん·····」
「ソフィさま〜、あとで揚げドーナツ奢るのでワタシに算数を教えてくださいませ〜」
「うわアルムちゃんなんか気持ち悪いっ!?もちろん教えてあげるからその態度やめてぇ·····」
「やった!ほんと足し算っていみわかんないからたすかった!」
なんか、前世の知識を引き継いで無双してるから申し訳ない気持ちになる·····
でもチヤホヤされるのは悪くないねっ☆
なんて邪な事を考えていると、休み時間になったのでグラちゃんとウナちゃんも私たちのところまでやってきた。
「ソフィ、謹んでお願い申し上げますわ、私にも算数を教えてくれないかしら、10以上の足し算がホント意味分からないのよ·····」
「繰り上げ計算かぁ····· 9+2は?」
「ええと····· じゅう····· 13?」
「あっ、ダメだこりゃ」
「わたし、あたまつかれた·····」
「んじゃ!糖分補給しよー!疲れた頭には甘い物が必須だよ!!」
「「「「おーー!!やったー!!」」」」
『須臾』
「はいみんな!私オススメのチョコ掛け揚げドーナツだよ!めっちゃ美味しいよ!!」
「まって、ソフィちゃん今どこからソレ出したの?一瞬で机の上に出てきたんだけど·····」
「秘密」
「えっ、あっ、わかった·····」
インベントリを使ってる所を見られたくなかったから、『須臾』を使って取り出したんだけど流石に違和感あるかぁ·····
その後、みんなでチョコ掛け····· もういいや、チョコファッションを食べて糖分補給をした私たちは、テンション高めで午前の授業を終わらせた。
◇
そして3時限目の国語、4時限目の道徳的な授業も終わりに、お昼やすみになったので私たちは今日も冒険者酒場にランチを食べに向かっていた。
「グラちゃん昨日の約束、ちゃんと覚えてる?」
「覚えているわ、冒険者Aセットよね?」
「うんうん、あとアルムちゃんも!美味しいスイーツのお店教えてよね!」
「もちろんっ!ほっぺた落ちちゃうくらい美味しいんだよ!!」
「み、みんな!冒険者酒場もう通り過ぎてるよっ!」
「「「「·····ほんとだっ!!」」」」
話に夢中になり過ぎて冒険者酒場が見えていなかったから通り過ぎてしまった。
私たちはお店の前で手を振ってるフィーロ君の元へ走って戻って行った。
◇
「じゃあ私はAセットで!」
「ワタシたちは今日も駆け出し冒険者セット!」
「あいよ、ちょっと待ってな」
お店に入っても冒険者に絡まれる事も無く、私は約束通りAセットを注文させてもらった。
「·····1500円、あのパジャマ代と思えば安いわね」
「いいなーソフィちゃん····· 僕もいつか食べたい」
「ワタシは駆け出しセットでいいかなー」
「わ、わたしもです」
10分後、私の前に熱々の鉄板でジュウジュウといい音を立てて焼けるミニタウロスのステーキが届いた。
今日のは昨日の4倍くらいある特大サイズだ。
しかもソースが専用の焦がしバターソースで、もう食欲が止まらない。
「いただきますっ!!はむっ!おいしっ!!!?」
「いただきまーす!」
「僕も頂きますっ!」
「やっぱり美味しいわね、少しお下品だけれど昨日ソフィのやってたアレ試してみようかしら」
「わたしもやるー!」
私はみんなの会話に交ざらず、夢中でステーキにがっついていた。
あぁ、やっぱり米····· お米が食べたい·····
私がお米を欲している間も私の体はステーキをモグモグと食べており、あっという間に小さい私の体に大きいステーキが丸ごと入ってしまった。
そして今日もパスタを肉汁と残りのお肉を解したやつと絡めて食べた。
やっぱりシメのパスタは物凄く美味しかったけど、コレをやるなら駆け出し冒険者セットの方が美味しかったかもしれない。
◇
その後、アルムちゃんにオススメされたお店が巨大パフェのお店だったので、満腹の私たちは挑むのを諦めて学校に戻っていた。
「桁が繰り上がる足し算はこれをこうして····· ほら簡単にできた」
「本当ね····· そう考えればよかったのね、助かったわソフィ」
「えへへ、どういたしましてっ!」
帰ってきたはいいものの、寄り道しなかったせいでまだ授業開始までに時間があったので、算数をみんなに教えているうちに授業開始時間となって先生が教室に入ってきた。
「みんな、午後の授業は学校の外でやるので杖と魔法の教科書をもって先生についてきてください!」
『はーい!』
「じゃあ杖をもって外にいく準備しよ!」
「今日はなんの授業かな?」
「昨日と一緒で魔法の練習じゃないかな?」
「そうね、それくらいしか思いつかないわ」
「うんうん、はやく魔法うちたい」
私たちは各自外へ出る準備を終わらせ、先生の元へ向かった。
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:6才
ひと言コメント
「何とかお米の自家栽培できないかな····· ディメンションルームなら出来たり····· いや、そもそも米とか米の原種があったら校長先生が品種改良して普及してるはずだから絶対ないってわかってるけどね」




