パジャマ女子会(+男子1名)
お風呂から出て着替えを終えた私たちは、二次会を開始するため『秘密基地』へとやってきた。
私は中央にある大きめの机に、先程温泉で出さなかった残りのお菓子や料理を並べて女子会の二次会、パジャマパーティーの準備が完了した。
「それじゃ好きな所にすわって始めてて!私はフィーロ君呼んでくる!」
「「「はーい」」」
私は足りない1人を呼ぶため、入口から見て左側にある扉の1番左側にある扉を勢いよく開いて中に飛び込んだ。
「やっほーフィーロ君!」
「ぬわぁぁああ!?ソフィちゃん!入る時はちゃんとノックしてよ!!」
「·····あれ?パジャマ臭かった?」
「そ、そんなことないよ!」
部屋に入ると白黒のパジャマを着たフィーロ君が襟元をスンスンと嗅いでいた。
1回だけど私が着たパジャマなので、変な匂いが移ってしまっていたかとドキリとしたが、どうやら問題なかったようだ。
·····この服作った時、ニンニクたっぷりのガーリックトーストを食べてたから不安だったんだよね!
ニンニク入れすぎてお腹壊したくらい大量だったからね!
「え、えっと、ソフィちゃん何の用?」
「あっ、そうだ!私たちも着替え終わって秘密基地に集まってるからフィーロ君も来て!」
「わかった!」
「あっそうだ、フィーロ君パジャマ似合ってるよ、私用に作ってたから似合ってよかった」
「ふぁっ!?あっ!えっと!その、ソフィちゃんも、よく似合ってると思うよ」
「んへへ····· ありがと!」
私の作った可愛らしいパジャマを着ても違和感の無いフィーロ君の事を褒めたら、逆に褒められ返してしまった。
ふへへ·····
似合ってるって言われちゃった、頑張って作ったから褒められて嬉しいなっ
◇
「みんなー!フィーロ君も連れてきたよ!」
「お、おじゃまします」
「いらっしゃーい」
「遅かったじゃない、もう始めちゃってるわよ」
「おいしいよ!フィーロ君もいっしょにたべよ!」
秘密基地では女子3人が既にお菓子を食べはじめ、会話に花を咲かせて盛り上がっていた。
私も早く混じりたいので、モジモジしてるフィーロ君を置き去りにしてテーブルの方へ向かって走っていった。
「あっ!揚げドーナツ残ってる!」
「ソフィこれ気に入ってたわよね?ウナが食べないようしっかり取っておいたわよ」
「むぅ····· グラちゃんも1つ食べたクセに·····」
「うっ、それは言わない約束でしょう?」
「ええー!グラちゃんひどい!·····まぁ沢山買っておいたから1つくらい食べてもいいよ!」
「「やったー!!」」
「ほら!フィーロ君も来て好きなクッションにすわって!おいしいお菓子沢山あるよ!」
「し、失礼します·····」
女子4人の中に交ざるのが恥ずかしいのか、モジモジしながらフィーロ君がみんなからちょっと離れた所に座ろうとした。
むぅ、1人だけ遠くだとなんか遠慮されてる感じがしてテンションが上がらない·····
私は立ち上がり、フィーロ君の近くに来るとその隣にピタリと座った。
「ねぇフィーロ君、一緒にテーブルの近くに来てよ」
「えっ!?あっ、その、女の子たちで楽しんでるんだから、僕が交ざるのは正直気が引けるというか·····」
「えぇ?私の裸を2回も見たのにまだ慣れてないの?ふーん?私の裸を見た事で会話に花を咲かせよっかn」
「ひどい!不可抗力なのに脅すなんて····· わかったよ、行くよ行けばいいんでしょ!」
「·····嫌?」
「·····嫌じゃないけどさ、強引なのは嫌かな」
「じゃあフィーロ君、私と一緒にパジャマパーティーに参加してくれない?フィーロ君がいたらもっと盛り上がると思うんだっ!」
「·····うん、わかった」
よし!
何とかフィーロ君をテーブルまで連れてこれた!
むぅ、今更もう恥ずかしがる必要なんて無いのに、なかなかお堅い奴よのぅ·····
◇
「それでね、私のお兄ちゃんって影が薄すぎて家に帰ってたの気付かれてなくて、門限過ぎてから気付かれたせいでお母さんに「門限過ぎたのにしれっと帰ってどういうつもりよ!外に居なさい!」って怒られてたんだよね!あとで外にいたお手伝いさんが門限過ぎてなかった事を教えてくれて助かったって話大好きなんだよね!私このとき居たんだけど、笑いすぎて死ぬかと思ったわぁ····· んふふっ」
「そ、それはっ、ぷふっ、面白すぎよっ!」
「·····ソフィちゃんのお兄さん可哀想だけど、ちょっと面白すぎるねそれ」
「あはははは!なんかウナちゃんみたーい!」
「むぅ、わたしなんて帰ったどころか居た事にさえ気が付かれないんだよ!ソフィちゃんのお兄ちゃんに負けないもんっ!」
あれからしばらくの間、私たちはお菓子を食べながらそれぞれが体験した面白い話を言い合って笑いまくったり、美味しかった物をプレゼンしたり、好きな景色を教えあったりして会話に花を咲かせていた。
だが、そんな楽しい時間は永遠には続かず·····
「あっ、みんなそろそろ消灯と点呼の時間だよ!一旦帰らなきゃまずいよ!」
「えぇー!もっとここにいたいー」
「そうね、話も盛り上がってきたしもう少しここにいたいわ」
「わたしももうちょっとだけお話したい!」
「僕もどうせならこっちの部屋で寝たいかな·····」
「ふっふっふ、私を誰だと思ってるんだい?天才少女のソフィちゃんだぞ?そんなのは些細な問題だよ!」
「だってさ、消灯時間になったら『部屋の外に出る』のはダメなんでしょ?ここってさ、部屋の外?」
「「「「·····天才だ!!」」」」
「そんじゃ!一旦解散!あとでみんなの部屋にゲートを繋げるから待機しててね!ゲートの場所はみんなのベッド脇にある壁だよ!」
「「「「はーい!」」」」
私たちは一旦女子会を解散して、みんなは自分の部屋に帰って行った。
さて、始めますか。
◇
私はみんなの部屋と私の『秘密基地』を繋げるため、ワープホールを作るタイプの転移魔法を使ってみんなの部屋に侵入した。
まずはグラちゃんの部屋。
グラちゃんの部屋が何処か私は知らなかったので、部屋を出ていったグラちゃんを『千里眼』で尾行して部屋を特定した。
グラちゃんの部屋はなんと1階にあり、部屋の大きさも私たちの部屋の倍くらいあるしベッドや机もランクが高く、ソファまである贅沢仕様だ。
くっ、流石は公爵家のご令嬢だ·····
とりあえずベッドは相変わらず壁際なので、ワープホールから上半身だけ覗かせて壁にゲートを貼り付けて準備完了。
次はフィーロ君の部屋。
ここは前に入った事があるから分かるので、手短にゲートをベッド脇にある壁に展開し、通れる人物をフィーロ君だけにしておく。
続いてアルムちゃんの部屋。
アルムちゃんの部屋はとても可愛らしく飾られており、まさに女の子って感じの部屋になっている。
ふむふむ、そういう手があったかぁ····· やっぱり私と違って中身まで完璧に女の子の部屋は少し違う気がするなぁ·····
おっとそんなことよりゲートを指定の場所に設置してアルムちゃんの部屋も完了!
最後はウナちゃんの部屋だ。
ウナちゃんの部屋もグラちゃんと同じく分からないが、先程ウナちゃんにはビーコンになってる髪飾りをプレゼントしたので、『千里眼』を使ってもウナちゃんの位置が丸わかりだ。
どうやらウナちゃんは3階に居るらしい·····というか私の部屋の真上だった。
そして構造も私の部屋と全く一緒なので、私の部屋と同じ位置にゲートを設営して準備完了!
·····王族のはずなのになんでグラちゃんと同じランクの部屋じゃないんだろ?
まぁなんか色々事情があるんだろう。
そして、そうこうしている内に点呼の時間になってしまった。
『全員いるかい?居るならドアを開けて出ておいで』
『はーい!』
私は千里眼とワープホールを解除して部屋の外に出た。
◇
外に出ると、遠くにドーミさんと他の寮母さんたちが見えた。
そうそう、紹介はしてなかったけどこの寮には寮母さんが複数人居る。
ドーミさんはそのリーダー的な人だ。
(ソフィちゃん、準備できてる?)
(バッチリ!さっき言ったところにゲートを開いといたから、これが終わったら入ってね!)
(僕のところも終わってる?)
(もちろん!)
『はい確認出来ました!それじゃおやすみなさい』
私たちがヒソヒソ話をしている内に全員ちゃんと部屋に居るかの確認が終わったので、私は部屋に戻ってしっかり鍵を閉め、ベッド脇にある壁の中へ消えていった·····
◇
「みんなおまたせー!って誰も居ない」
「あー!ソフィちゃんに先こされたー!」
私が『秘密基地』にやってきた直後にアルムちゃんが自分の部屋から出てきた。
そして次はフィーロ君がまたまた自分の部屋から扉を開けて出てきた。
ウナちゃんはいつの間にか隣に居た。
おっかしいな····· 髪飾りもう壊れたのかな?
グラちゃんは額を少し赤くして押さえながらやってきた、どうやら場所を間違えて頭を打ったらしい。
「それじゃ!寝落ちするまで話そっか!大丈夫、アラームはちゃんと掛けてるから遅刻する事は無いはずだよ!!」
「って事で遠慮なくお喋りできるよっ!まずは何から話すっ!?」
「ぼ、僕は何でもいいよ」
「·····そうね、時間もたっぷりあるし何でもいいわ」
「わたしはかわいい物のはなししたーい」
「ねぇ!恋バナ!恋バナしよ!」
·····ほう、確かにお泊まりの夜といえば恋バナだろう、アルムちゃんはよく分かっているな。
「いいね!恋バナしよ!」
「えっ、あっ、ええっ!?えーっと、その、ぼ、ぼくは自分の部屋に忘れ物したから····· その、ソフィちゃん離して?」
「だーめっ、逃がさないよ?」
「ううぅ·····」
「じゃあワタシから!ワタシのすきな人はおとーさんとおかーさん!あとおねーちゃんとキュプロとみんながすき!」
「それを言うなら私もね、私は兄弟姉妹が沢山居るけど、全員好きね·····みんな私の事を可愛がってくれるから、でもアビュースは許せないわ、いっつも私のことをバカにして····· でも嫌いって訳じゃないわ」
「わたしもおとーさんとおかーさんすき!弟と妹はすごくたくさんいるからわかんない!でもすき!あとおじいちゃんとおばあちゃん大好き!」
「アルムちゃんらしくて可愛いなぁ····· 私も両親とお兄ちゃんとみんなかな、特に恋愛的な感情で好きって相手はまだ居ないかなぁ·····」
·····ん?フィーロ君何下を向いてるんだい?
次はフィーロ君の番だよ。
「ぼ、僕は、お父さんとお母さんと兄弟と、あと、み、みんな、かな?ああでも恋愛的な意味じゃないから!友達としてだからっ!!」
なんか煮え切らない態度だなぁ····· やっぱり男子はこういうの恥ずかしいよね、私も元男だったからわかるよその気持ち。
「·····ほんと?」
「ほ、ほんとだよ!!」
「私の事好き?」
「好き·····もももももちろん友達としてね!?」
「わたしはー?」
「もっ、もちろんウナちゃんも好きだよ!」
その後、フィーロ君はみんなからイジられてショゲてしまったが、話の話題が魔法に移ると途端に元気になって話に参加してきた。
◇
「ねむい·····」
「ありゃウナちゃんもう寝ちゃう?んじゃお菓子はそろそろ終わりにして、みんなで歯を磨いておこう!」
「「「おー!!」」」
「お〜····· やす·····」
「寝ないでウナちゃん!虫歯になっちゃうよ!」
「うん·····」
話しているとウナちゃんが寝かけてしまったので、私はお菓子を全部しまって脱衣場にある洗面所でみんなで歯を磨き、再び『秘密基地』へ戻ってきた。
そして秘密基地の灯りを暗くした所で、三次会の始まりだ!
と言ってもお菓子はもう無いので、本格的におしゃべりをするだけになってしまうが、それがお泊まりの醍醐味と言うやつだろう。
「んじゃ、ここからは自由に話して、寝たくなったら寝る感じで!」
「「「はーい」」」
「おやす····· うなぁ·····」
ウナちゃんは秘密基地につくや否やクッションに顔を埋め、そのまま寝てしまった。
仕方ないので、私はインベントリから掛布団を取り出してウナちゃんに掛けておいてあげた。
「あっ!ワタシもその布団ほしい!」
「僕もいつ寝ちゃうかわからないから欲しいな」
「私も欲しいわね····· 1枚いいかしら?」
「いいけど、たぶん掛けたら寝ちゃうよ?」
「「「そんなまさかぁ·····」」」
〜1分後〜
「「「「すやぁ·····」」」」
「·····ありゃま」
秘密基地の中に、布団に包まれた芋虫が4匹生まれてしまった。
みんなに布団を渡した瞬間、みんな自分に布団を掛けて寝転がり、話を再開しようとした瞬間眠りに落ちてしまった。
恐るべし、私の布団の実力。
「1人じゃやる事ないし、私も布団に包まって寝ちゃうかなぁ····· おやすやぁ·····」
そして秘密基地に芋虫が1匹増えた。
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:6才
状態異常:睡眠
ひと言コメント
「修学旅行の夜に徹夜しよう!って言って結局寝ちゃうのも旅の醍醐味だよね!」
名前:アルム
年齢:6才
状態異常:睡眠
ひと言コメント
「むにゃむにゃ····· もう食べられないよ·····でも甘い物は別腹·····」
名前:フィーロ
年齢:6才
状態異常:睡眠
ひと言コメント
「うぅ····· またソフィちゃんに抱きつかれた·····」
名前:グラちゃん(グラシアル・ド・ウィザール)
年齢:6才
状態異常:睡眠
ひと言コメント
「たまには床で寝るのも悪くないわね」
名前:ウナちゃん(ウナ・ウェア・ラ・サークレット)
年齢:6才
状態異常:睡眠
ひと言コメント
「うなぁ····· みんなしゅきぃ·····えへへぇ·····」




