風呂上がりの1杯とパジャマパーティー
「じゃ、そろそろ上がろっか!」
「うん!そろそろ暑くなってきちゃった!」
「そうね、これ以上はのぼせてしまいそうだわ」
「とけるうなぁ·····」
私たちはあらかたお菓子を食べ尽くし、女子らしい会話に花を咲かせていたがいい加減のぼせそうになってきたのでお風呂から上がる事にした。
◇
「みんな!脱衣場に入る前にタオルでしっかり水気を拭き取ってね!」
「「「はーい」」」
私たちは全身の水気をタオルでしっかり拭き取り、湯冷めしないようさっさと脱衣場の中に入った。
そして私は風呂上がりにはお約束のアレをみんなに手渡す。
「はい、みんなコレ飲んで!風呂上がりにキュッと一気飲みする牛乳はサイコーだよ!」
「牛乳!?·····確かに冷えてて腐ってなさそうね」
「牛乳ってもってくるのが難しいんじゃないの?」
「美味しければいいんじゃない?」
そうか、流通技術が発達した前世とは違って、牛乳は傷みやすいから運ぶのが難しいのか。
そんな希少品を一気飲み出来る私ってもう王族を超えているんじゃないかな、ぐへへ·····うへへ·····
ん?この牛乳はどこから持ってきたんだって?
私のお乳だよ?
魔改造『ウォーターボール』で出したんだけどね!
「足を開いて腰に手を当てて·····キュッと一気飲み!」
冷たくて優しく甘い牛乳が私の喉を通り抜け、火照った身体を中から冷やしていく。
ただの水じゃ感じられないこの満足感、健康に良さそうな味、乾いた身体に染み渡る牛乳の美味しさ。
「っぷはあ!やっぱりお風呂上がりには牛乳だね!」
「·····ソフィ、あなた物凄く贅沢な事をしたわね」
「おいしいっ!!」
「フルーツを入れたらもっと美味しくなりそう·····」
「おっ、アルムちゃんはフルーツ牛乳派かぁ····· いいよねフルーツ牛乳も!」
「えっ!?そんなのあるの!?出して!」
うっかり口を滑らせた私はアルムちゃんにフルーツ牛乳を催促されたので、魔法で作り出してアルムちゃんの瓶に注ぎ込んだ。
フルーツ牛乳もいいよね、でも私はコーヒー牛乳の方が好きかなぁ、普通の牛乳には勝てないけどね!
「これおいしいっ!!」
「私も貰おうかしら?」
「ソフィちゃんわたしもちょーだい!」
「はいはい、ちょっと待ってね」
みんなにフルーツ牛乳を配った私は、みんながその味を楽しんでいる間にパジャマに着替える事にした。
まずは髪をタオルで優しく包み込むようにして押しながら水分を拭き取っていく。
男の時の感覚でワシャワシャと拭きたくなるが、それをやると髪がボッソボソになるので絶対にダメだ。
今は大分マシになっているが、私の髪は割と酷いくせ毛なので、雑に扱うとボッサボサになってしまう。
女の子なんだからそこら辺はちゃんとしないとと思ったから最近は髪のケアも怠らずしっかりしている。
そして髪の水分がある程度取れたらやっと服を着始める。
まずはパンツ、これはもう言わずもがな伝説のパンツ、洗う必要が無く常に新品同様の綺麗さを保っているからそのまま着ける。
続いてパジャマ。
これはもう私がこだわりまくって開発に数ヶ月を要した至極のパジャマだ。
前世の知識をフル活用し、女子といえばコレ!みたいなフワフワでピンクのボーダーのパーカー型ルームウェアとショートパンツ、イメージとしてはジェ〇ートピケのアレを元に作り上げた最高のパジャマだ。
材質は極上のウールだ、この布地を作るのに本当に苦労したが、生活魔法の1種に『簡易テント召喚』という物があって、テントの材質を変化できたからピンクと白の極上ウール製に魔法で変化させ、50回にも及ぶ試作と着用テストを繰り返して生み出された、最高の布地だ。
ちなみに今は布を生み出す魔法も見つけたから製造はもっと楽になってたりする。
そして服自体にもこだわっている。
私に丁度ピッタリになるよう『着用サイズ変更』という魔法を組み込んでいるので好きなサイズに出来る、例えばパーカーの裾だけ伸ばしてワンピース風にしたり、萌え袖にしたり、ショートパンツの長さを伸ばして長ズボンっぽくしたり、全体的にブカブカにしたり逆にキツめにしたり·····
もうリラックスするために必要な要素を徹底的にぶち込みまくって作った、世界最高のパジャマだ。
「ああぁぁぁぁぁぁ····· 肌触りさいっこー·····」
この最高の肌触りを全身で感じるため、私は必要最低限のモノしか身につけない。
つまりパジャマの中はパンイチなのだ。
色々試した結果、ノーパンはマズいと判断してパンツだけは穿いているのだ。
というかパンツの穿き心地はサイコーなので基本的に身につけている。
·····たまーに少し締め付けられる感じがして嫌な時があるから穿いてないときもあるけどねっ☆
◇
私がパジャマのモコモコを全身で楽しんでいる間に、みんなはフルーツ牛乳を飲み終わって着替え始めていた。
が、私のパジャマを見るなり着替える手を止めてしまった。
「·····ソフィ、そのパジャマは何処に売ってたの?私も欲しいわ」
「うんうん!かわいい!」
「ワタシも思ってた!どこで買ったの?」
「ん?自作だよ?」
「「「ワタシ/私/わたしにも作って!!」」」
·····どうしようかな、最高傑作の今のが出来るまでに何着か完成状態だけど気に入らなかったのがあるんだよね。
でもタダであげるのはなぁ、割とここまで行き着くのに相当苦労してるから·····
「どうしよっかなぁ〜、私、明日のお昼は冒険者Aセットが食べたいなぁ〜」
「ソフィ様、私が奢らせて頂きますわ、何ならこの街最高のシェフのお店を予約させていただきますわ」
「ん〜、あと甘いものも食べたいかもなぁ〜」
「ソフィちゃん様、ワタシオススメのデザートを後で紹介するますよ!」
「ウナちゃんには····· まぁいいや!この紫のパジャマをあげよう、ただし!この髪飾りをちゃーんと付けてくれたらだよ?」
「うんっ!ソフィちゃんありがとう!かみかざりもパジャマもかわいいよっ!もちろんソフィちゃんも!」
ウナちゃんに渡した髪飾りは可愛い感じにデフォルメした陰陽太極図型の髪飾りで、こっそり私が作った魔結晶を組み込んでいて、ときどき行方不明になるウナちゃんの居場所がわかるGPSのような機能をもたせている。
「「ウナちゃんだけズルいっ!!」」
「もちろん2人にも渡すよ、ただし言った事はちゃんと守ってもらうよ?」
「「もちろんっ!!」」
「はい、それじゃどうぞー」
「「わーーい!!」」
アルムちゃんには赤色、グラちゃんには強い白と優しい水色のパジャマを渡した。
そして受け取るや否や、途中まで来ていた寝巻きを脱ぎさり一瞬で私が渡したパジャマに着替え始めてしまった。
·····フィーロ君には黒と白のでも渡しとくか。
さっきのようにフィーロ君の部屋までゲートで繋げて、ニョキッと顔だけ覗かせた。
「やっほーフィーロ君、お届けモノだよー☆」
「ぎゃぁぁぁああ!って今度は服着てる·····」
「はいこれパジャマ、私が着て気に入らなかった色だから使っていいよ!あっ、着たと言っても1回だけだから安心してね!」
「えっ、えっ?使用済み!?ふふぁっ!?」
「んじゃ、もうそろそろ『秘密基地』に戻るから準備しててねー☆」
私はフィーロ君の顔に男の子でも大丈夫そうな色合いの白黒のパジャマを投げつけた。
そして私はやる事はやったので顔を引っ込め、ゲートを閉じてしまった。
「あっ、ちょっ!何!?説明····· あぁもうソフィちゃんは色々····· あっ、凄く触り心地いい·····」
「すぅ····· それに落ち着く匂い、僕好みの匂い····· あれ?夜中にソフィちゃんに抱きつかれたときの匂いっぽ····· あああああああああ!!これってソフィちゃんの匂いじゃん!!ああぁぁぁぁぁぁもう!!あーー!あーー!」
·····
キョロキョロ
·····
ぽふっ
「すぅ····· いい匂い·····」
◇
フィーロがソフィのあげたパジャマに顔を埋め、こっそり残り香を楽しんでいるその頃·····
「んじゃ、これからフィーロ君も加えて秘密基地で二次会、パジャマパーティーをやるよー!!」
「「「おーーー!!」」」
みんな同じパジャマに着替えた私たちは、女子会の二次会を開催するために脱衣場から出て『秘密基地』へと向かった。
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:6才
ひと言コメント
「なんか最近女の子らしくかわいいものを求めるようになってきたかも·····」
名前:アルム
年齢:6才
ひと言コメント
「ソフィちゃんってこういうのどうやって思いついてるんだろ?」
名前:グラちゃん(グラシアル・ド・ウィザール)
年齢:6才
ひと言コメント
「おかしいわ、ソフィは失敗作って言ってたけど私が屋敷で使ってたのより着心地がいいわ····· それにすごく可愛い·····」
名前:ウナちゃん(ウナ・ウェア・ラ・サークレット)
年齢:6才
ひと言コメント
「わたしのパジャマと同じくらいかわいい!」
名前:フィーロ
年齢:6才
ひと言コメント
「ちちちちちがっ!僕はソフィちゃんの匂いが好きって訳じゃなくて!いや嫌いじゃないけど!いい匂いだなって思った····· ああぁぁぁぁぁぁそれだと僕がソフィの匂いが好きって事になって····· あああ!僕はどうしたらいいんだ!!·····まぁ、普通にすごく良いパジャマだから着るけどさ、うん、貰ったんなら仕方ないよね、着ないとソフィちゃんが悲しみそうだから、不可抗力だから仕方ないよね·····これって1回ソフィちゃんが着たんだよね····· うーんうーん····· まぁいっか·····」




