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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第二章 TS賢者は魔法学校へ行くっ!
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校長先生との駆け引き


 私は魔法の練習を中断してグラちゃんとウナちゃんの所から一旦離れ、魔力の循環を練習しているアルムちゃんとフィーロ君の元にやって来た。



「アルムちゃーん、フィーロくーん!練習はどう?」


「僕はだんだん回るようになってきたよ!」


「ワタシは逆回りもちょっとできるようになった!」


「うんうん、いい感じだね!魔法は一日で使えるようになるモノじゃないから毎日練習するといいよ!」


「「はーい!」」



 2人の練習の進捗を確認した私は、特にやる事も無いので河原の土手に寝転がって空を見上げた。


 この世界はいい世界だ。


 友達がたくさん出来て、魔法もあって、空気も水も綺麗で、まだまだ知らない事が沢山あって、私は魔法で自由な事を沢山できる。

 最初は学校なんて嫌だったけど、友達が出来てワイワイ楽しく学べるならいいかもなぁ·····


 ただ、問題点を上げるなら、文化が発展途上だから移動が物凄く大変な事かなぁ。

 あぁ、ジェット機でもあれば世界各地に飛び回れる·····



「そうか、作ればいいじゃん」



 そうだよ、私には万能の魔法があるじゃない!

 飛行魔法はまだ使った事が無いけど存在はしてるし、コスパが悪いから私の魔法改造で改良すればより遠くへ行けるはず!


 それに遠くに行くには速度が重要だ。

 ただ早ければ早いほど風の抵抗が増して生身だと耐えられなくなる。


 だから飛行時には流線型の結界を進行方向に展開して、空気を切り裂ける槍のような····· いや、平たい槍みたいにして滑空性能も加えてグライダーのように滑空すれば·····



「貴女がソフィちゃんね?」


「ふぇっ」



 私が考え事をしていると、誰かが話しかけてきて私の顔覗き込んできた。


 慌てて起き上がると、そこに居たのは3761歳の美魔女、この学校の校長先生だった。


 やべっ、バレた?





 サボってた私の事を見つけた校長先生は、裏が読めないニコニコとした笑みを浮かべて私を見つめていた。



「えっと、何かごようですか?校長先生」

「特に用は無いわ、B組の視察に来たら貴女が土手に寝転がってサボっていたから来てみたのよ」


「はいっ!直ぐに練習に戻りますっ!」

 逃げるが勝ちだ、逃げるんだよォ!!


「いやぁ、別にもうちょっとのんびりしてもいいんじゃないかしら?」



 あっ、ダメだった。

 ·····これはマジでヤバいかもしれない。



「えっと、校長先生がサボってもいいとかそんな事を言ってもいいんですか?」


「校長先生だからよ?」



 むぐぐ、どうしたものか·····

 絶対なんか裏があるぞこの人·····



「それより、先生のグチに付き合ってくれないかしら?」


「嫌です」


「今日ねぇ、入学式で壇上に立って話してたのよ、そしたらね?何か私に対して鑑定魔法が掛かってきたのよね、()()()()()()()かなり高レベルで巧妙に隠されてたせいで発信源はわからなかったんだけど、貴女何かわかるかしら?」


「シラナイデス」


「それとね?あのクソ長くベラベラと喋ってた教頭のヤツの話に飽きて寝てたのよ、そしたら口の中に誰かが物凄く辛いトウガラシを入れてきたのよね····· 後でいつもイタズラしてくる先生たちをシバいてきたんだけどね?誰もやってないって口を割らないのよ····· ねぇソフィちゃん?」


「ワタシハシラナイデス」


「ところで、あのトウガラシ、少しごま油の風味がしたのよね、この世界だとごま油って中々無いレア物なのよねぇ····· 辛いごま油なんてラー油しかないわよねぇ、あぁ餃子をポン酢とラー油で食べたいわぁ····· ソフィちゃん餃子って知ってるかしら?」


「ラーヌン」


「えっ何その返事····· おかしいわね·····」



 うわー·····

 私めちゃくちゃ怪しまれてるよ·····



「·····ソフィちゃん私、何歳だと思う?」


「永遠の17歳ですか?」


「正解よ」



 いや本当は3671歳でしょうが。



「あっ、そう言えば貴女に感謝しなきゃいけない事があったわ、あの子、グラシアルの魔力流路を解放してくれてありがとうね?私が何とかしようかと考えていたのだけれど、先にやってくれて助かったわぁ」


「あれ?グラちゃんとお知り合いなんですか?」


「あの子言ってなかった?私あの子の先祖なのよ?」


「えっ!?勇者パーティにいた伝説の魔導師って校長先生なんですか!?でもあれって3500年くらい前の話じゃ·····」


「そうよ?あの頃は懐かしいわねぇ、17歳だったかしら?たくさん青春してたわぁ·····」


「えっ?じゃあ今は」


「17歳よ?」



 マジでなんなんだこの人·····

 何が目的なんだ?


 私に仕返しにきた?

 いや流石に6歳の子供相手に激辛ラー油なんて飲ませないよね?


 ·····よね?



「話を戻すわ、あの子、生まれつき魔力量は多かったのだけれど、流路に栓があって魔力を流して魔法にするのが出来なかったのよ、けれど、貴女が少し強引だけど解放してくれたから本当に助かったのよ?」


「その件については申し訳ないです····· 汚れを見たら掃除したくなっちゃう性格で·····」


「わかるわぁ、私も()()()の画面に汚れがあったら気になるわぁ·····」


「す、すまほ?」


「あら?知らないのかしら?便利だったのよぉ」



 スマホ·····

 私が知っているあのスマートフォンだろうか?


 私が知らない何かの専門用語かも知れない。



「えっと、よくわかんないですけど、グラちゃんの魔力流路を勝手にいじってごめんなさい、いろいろ気をつけます·····」


「いいのよ別に、それよりソフィちゃん、貴女、本当の魔力量を隠しているでしょう?」


「へ?なんのことですか?」


 ってかヤバい、魔力隠蔽してるのバレてるかも。

 すんごい目を合わせてこっち見てくるんだけど!?


「魔力を隠蔽しようとするとね、魔力に特有の『揺らぎ』が発生するのだけど貴女の『揺らぎ』は桁違いなのよ、まるで荒れ狂う冬の日本海のようね」


「·····ちょっとだけ、かくしてるのはアタリです、おさえるのヘタだからすんごく揺らいじゃってるのかも?」


 くっ、流石に1億近い魔力を100くらいまで下げるとバレちゃうのか·····


「·····ちょっとかしらね?数万倍以上はありそうだけれど?」

「し、シラナイデス」


「ふーん····· ねぇソフィ・シュテインちゃん」


 あっヤバいフルネームで呼ばれた。

 死んだかも。


「率直に聞くわよ?」



「貴女、転生者でしょう?それも私と同じ『日本』からの」



 みんな、ごめん。

 わたしもう助からないかも。


 全部バレてたわ。


「·····」

「ふふ、何か言ったらどうかしら?」


「·····あーっ!!あそこにGaudryceras intermediumが居る!!ねぇみてみて!あそこ!!」

「はい?」


「Gaudryceras intermediumがあそこにいるんだって!ほらっあそこ!!」

「露骨に誤魔化したわね····· ·····居ないじゃない、何よゴードリセラス インターメディウムって!」



「逃げるんだよぉっ!!」


 私は校長先生が視線を逸らしたタイミングで物凄い速度で逃げ出した。


「·····って、逃げ足早いわね!!逃がさないわよっ!!」

「ひょええっ!?ご勘弁をっあっ捕まっ、·····もう無理だおしまいだぁ」


「何諦めてるのよ、説教するつもりじゃないから安心しなさい?」


「ひゃ、ひゃい·····」


 私は全てを諦めることに·····


「まぁいいわ、将来有望な子がこの学校に来てくれて嬉しいわ、何かあったら私を頼ってくれてもいいのよ?」


 およ?赦された?


「はいっ!ありがとうございます!」


「そうね、今の詮索はグラシアルの件でチャラにして無かったことにしてあげるわ?でも1つだけ条件を付けるわ、あの子の友達になってくれないかしら?」


「イタズラはしらないです!それとグラちゃんとはこれからも仲良くしますっ!」


「ふふ、ありがとうねソフィちゃん、あの子友達がなかなか出来なくて困ってたのよ」


「『ありがとう』ねソフィちゃん」




 ありがとう




 先生はそう()()()で私に語りかけてきた。


 ·····6年ぶりに聞いた。

 日本語だ。



 やっぱり校長先生って·····


 

「それじゃ、私は行くわー、頑張るのよー」


「はいっ!がんばりますっ!」


「じゃあねー」


 先生は魔法で浮かび上がり、飛んで別クラスの方へ行こうとした。

 その時、校長先生がボソボソと独り言をしていた、



「はぁ····· あの子の噂を聞いた時、転生者だって確信してたんだけどなぁ····· 今回()ダメだったわね····· 自分で帰る手段を見つけるしかないわね、·····帰れなくても良い、せめて同郷の子に会いたいな、日本は今どうなってるのかな·····」



 そっか、校長先生、帰る方法を探してたんだ。


 だから、日本に帰るための魔法を研究したり、日本からの転生者が集まりそうな魔法学校を作って、3600年間ずっと待ってたんだ。


 ·····あの伝説が本当なら、校長先生は異世界()()でやって来て、魔王を倒して帰る事になったときに1人だけ取り残されてしまったのだろう。


 それからずっと、先生はこの世界にたった1人で、日本人を待ち続けていたんだ。

 誰かが助けに来てくれるって信じて。


 同じ····· いや、元日本人として、同郷の者として、ここで何もしないのは嫌だ。



「先生っ!」


「何かしらソフィちゃん」


「『ごめん、待たせちゃった?』」



「·····ふふっ、そうね、『ふふ、今来たところよ?』、ずびっ、ソフィぢゃん、後で、だぐざん、お菓子、作ってるがら、私の部屋、来ても、いいのよ?」


「うんっ!あとで行きますっ!」



 校長先生は顔を袖でゴシゴシと拭ったあと、身体の向きを変えて校舎の方向へと飛び立つ直前に、何やらボソッと呟いた。



「あぁ、久しぶりに日本語を聞けて元気出たわ!よーし!頑張ろっ!」



 そう言うと、校長先生は空を飛んで校舎に戻って行ってしまった。


名前:ソフィ・シュテイン

年齢:6才

ひと言コメント

「そっか、帰りたいって人もいるんだね····· あっ木に突っ込んだ」


名前:??? ???(???・ド・ウィザール)

年齢:永遠の17歳よ?(※3671歳)

ひと言コメント

「久しぶりに日本食が食べたいわ····· おにぎり、味噌汁、うめぼ····· あっ余所見してたワッ!?(木に突っ込む音)」


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― 新着の感想 ―
校長は日本食作れないんですね。ソフィちゃん液体ならなんでも作り放題ってコンポタ毎朝飲み放題ってことですかね?スキル欲しいよぉ〜
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