第七話 相棒の作戦
「こっちだぁ!!ヒーロー、こっちへ!!」「こっちにも怪我人が!!」「なんなんだ、この小っこいの!」
ネイチャーが足を踏み入れたビルは、人々の混乱の声であふれかえっていた。
「なんだ、これ……」
そのビル内では、小さい人型のロボットが宙を飛び交い、人々を襲っていた。
ふと、ロボットネイチャーへ向かってくると思えば、それは彼の傍らにいた女性に襲い掛かった。
「おらっ!!」
ロボットの頭部にネイチャーの手刀がヒットする。
途端に、ロボットがガシャンと喧しい音を立てながら地面へ落ちる。
「早く逃げてっ!」
「あ、ありがとうございます!」
女性を見届けたネイチャーは、再びビル内を見渡す。
「殴れば壊れるが……如何せん数が多いな。」
立ち尽くすのみのネイチャーにすら、四体ほどのロボットが寄ってくる。
どうしたら食い止められるものか……
そう考えている間にも、立て続けに三体ほどロボットが突撃してくる。
「痛っ!?アーマー越しなら怪我はしないが、一般人がぶつかったら骨折どころじゃ……」
『――おい、さっきから独り言がうるさいぞ!』
と、ネイチャーのマスクに内蔵された通信機から、そんな声が聞こえてきた。
「う、受け流してくれよ!恥ずかしいじゃないか!」
律儀に声の聞こえる方向に顔を傾け、その声にそうツッコむと、ネイチャーは再び正面へ向き直った。
声の正体は、ネイチャーの任務をサポートする相棒だった。
「て、話してる場合じゃないぞ!」
『わかってるって。お困りのようだったから、アドバイスするために無線を入れたんだよ、相棒。』
「アドバイス?」
訝しげに聞くネイチャーに、相棒は声を大にして――
『自分の身体についてる蔦でも使えって!!』
「あ」
『ずっとモニター見てイライラしてたんだよっ!何が、殴れば壊れるが……だよっ!!』
「仕方ないだろ!?アース以外と戦うのは初めてだったんだ!」
『うるせぇ!グチグチ言ってないでさっさと討伐開始だ!!』
「わかってるってば!」
そう言い放ったネイチャーは、地面を手で触り……
「フォレストバインド!」
本来は拘束用に使われる蔦が、地面へと潜っていく。
次の瞬間、ビルのあちこちから、蔦が壁を突き破ってロボットを叩き壊していく。
「うわぁ、なんだこれ!」「ロボットを狙っているみたいだぞ」「きっとあの緑のヒーローだ!」
人々の反応に対して、ネイチャーが叫ぶ。
「上層階の人はこの蔦にしがみついてください!私はヒーローですから、慌てないで!」
が。
再び轟く爆発音。
しかし規模は小さい。
「……っ!?」
何者かによって仕掛けられた閃光手榴弾(注1)により、ネイチャーの視界が白一色に染まった――
〈注意〉
1.閃光手榴弾・・・激しい光と爆音で相手を一時的に無力化する特殊な手榴弾。一般的な手榴弾とは異なり、破片で人を殺傷するのではなく、五感を麻痺させる目的で作られている。




