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神に愛された者たちの戦い  作者: コウ


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5/8

邂逅

面白かったら反応、応援よろしくお願いします!

「——王国訪問は中止する」


静かな声だった。


だが、その場にいた全員の空気が張り詰める。


「殿下……しかし、それでは——」


護衛の一人が言いかける。


ユーヴァスは視線を上げた。


「襲撃を受けた」


ただそれだけで、十分だった。


「この時点で、情報は漏れている」


「それにただの賊じゃない。統率がしっかりとられていた」


言葉に迷いがない。


十二歳とは思えない判断。


誰も、反論できなかった。


「帝国へ戻る」


その一言で、方針は決まった。


準備は早かった。


隊列は反転し、進路は帝国へ。


ルクスは少し離れた場所で、それを眺めていた。


(……帰る、のか)


当然だと思う。


襲撃された以上、進む理由はない。


だが。


「……お前はどうする」


声をかけられ、振り向く。


ユーヴァスだった。


ルクスは、少しだけ考えた。


行く場所はない。


帰る場所も、ない。


沈黙。


だが、ユーヴァスはそれを否定しなかった。


「なら、来い」


当たり前のように言う。


「帝国へ」


ルクスは目を見開く。


「……いいのか?」


「構わない」


即答だった。


「力を持つ者を拒まない。それが帝国だ」


その言葉は、あまりにも自然だった。


王国とは、違う。


「……分かった」


ルクスは小さく頷いた。


その選択が、どれほど大きな意味を持つのか——まだ知らないまま。


行軍は再開された。


森を抜け、街道へ。


だが。


ルクスは、ある違和感に気づく。


(……人が、いない?)


主要街道のはずなのに、異様に静かだ。


その時だった。


「——止まれ」


ユーヴァスが手を上げる。


全員が止まる。


空気が、張り詰める。


次の瞬間。


「ほう」


頭上から、声が降ってきた。


ルクスが反射的に見上げる。


そこにいたのは、一人の男。


木の枝に立っている。


音もなく。


気配もなく。


「予定変更、か。賢明だな、殿下」


軽い口調。


だが、異様な圧。


「……ガルか」


ユーヴァスが静かに告げる。


男は笑った。


「ええ。状況確認と——選別を」


そして——視線がルクスに向く。


「そっちのガキ」


「さっきの、見てたぞ」


空気が凍る。


(……見てた?)


あの戦いを。


「面白いな」


男は、ゆっくりと降りてきた。


「帝国に連れてくなら——」


剣のような視線。


「“試す”必要があるだろ?」


その瞬間。


ルクスの視界に、光が走る。


——《外部干渉を確認》


——《権能反応を強制起動》


(……またか!)


心臓が跳ねる。


男が一歩踏み出す。


「来いよ」


圧が、叩きつけられる。


ルクスは、剣を握った。


(……やるしかない)


ユーヴァスは、動かない。


止めない。


ただ、見ている。


(……試されている)


帝国に行く資格。


それを。


ルクスは、一歩踏み出した。

ガルは帝国の人間で皇太子に忠誠を誓っている部下です!本名はガルディス・ヘスティオールです。

■の適合者です。

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