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魔物使いはめんどくさがりながらも相棒と異世界で生きていく  作者: 千歳
1章~別名説明回とも言う~
16/42

閑話:8192敗の天使

お待たせしました。

雑天使のお話です。

待ってない?…ですよね。

こいつ誰だよって方は2話を

本筋には影響ありません。たぶん

いろいろと突っ込みどころはある思うところはあるかもしれませんが、そういうものなんだと思って頂ければ幸いです。

 天上の世界。神々とそれに仕える天使のいる場所。

 その中でも下界で亡くなった魂の行き先を決める転生・転移課は規模が大きい。

 

 そんな転生・転移課―略して転々課―にちょうど入れ替わりの時間で混雑する天使達の中に道が出来る。

 神々が通るのだろうか。

 

 否。

 

 総回診だろうか。

 

 否。

 

 怒れる天使のお通りだ。

 その天使はいろいろな意味で特別だ。

 まず感情が良くも悪くも豊かであること。

 天使達の多くは長い時の中で段々と感情が平坦になっていく。

 しかし、彼女は発生して間もないということもあるが、喜怒哀楽がはっきりとしている。

 そして、言動が天使らしからぬこと。

 雑天使(かのじょ)の転々課を訪れる魂への対応は間違いなく天使の中で最も雑。更に仕事を終えれば、際どい格好をして男天使に詰め寄る。

 ただ、それも悪いことだけではない。

 転々課に勤める数千数万の天使達は魂達に懇切丁寧に対応する。

 しかし、下界を離れ天上にやってくる魂の数はそれの比ではない。今この時も列をなす魂は増えていることだろう。

 そしてあまりに長く天上に留まると天使同様感情が磨耗し、転生後も感情の起伏がなくなってしまう可能性がある。

 故に彼女の雑さ、言い換えれば処理の早さは一定の評価を得ていた。

 男天使からの苦情は絶えないが。

 

 彼女が例外たる理由は神々に拾い上げられ天使になる前、下界で一人の人間だったころに由来する。

 神々は善なる行いをした者を拾い上げ天使にする。

 その行いがどういった理由で行われたかは神々にとって重要ではない。

 無論彼女も善なる行いをした。

 出逢いを求めて世界各地にボランティアにいったり、惚れ薬を作ろうとする過程で新薬を開発したり、女スパイになりテロを阻止したりといろいろだ。

 そういったことが認められ、なんやかんやあって天使になった。

 天使になればモテるんじゃないかと思ったからだ。

 

 そんな彼女は天使達の作った道を通り、自身のデスクに座る。

 何故怒っているのかは誰も聞かない。理由は明白であるし、わざわざ自分にやつあたりの方向を向けたくない。下界のどこかでは「触らぬ(てんし)に祟りなし」などということわざがあるようだが、まさにその通りだと天使達は関心した。

 

 そんな彼女に向かってくる猛者が現れた。 

 猛者は彼女の前に立ち、椅子に座る彼女を見下ろす。

 彼女は煩わしげに顔を上げる。怒鳴り散らさないのは彼女より格上の存在だからだ。

 

「なんですか、天使長。私、まだ始業時間ではないのですが」

 

「あなた、昨日最後に応対した魂を覚えていますか?」

 

 天使長と呼ばれる女天使は感情のない声で彼女に問う。

 正確には天上の世界には朝も夜もなく、日付などを定める基準となる現象がない。だが、ここを訪れるのは下界から上がって来た魂だ。その魂にわかりやすいよう便宜上始業時間から次の始業時間までを一日と定めている。

 

「あぁ、若い不細工な男と妙にポイントを持っている犬っころでしたね。可哀想だったんで少し顔をいじって送り出しましたけど何か?」

 

「あなたは…まぁ顔のことはいいです。それより彼らの希望シート確認しましたか?」

 

「ぱっと確認しましたけど何か問題が?」

 

「これのどこが確認したのですか?」

 

 天使長は希望シートと呼ばれる紙というより、スクリーンのようなものを指差す。

 そこにはポイントの合算よりも多くのチェックが入っていた。

 

「あれ?こことここは消したような…こっちもブサ男が消してたような…」

 

「ようなではありません。事実消えていないのです。男のほうは百歩、いえ億歩譲っていいとして、あなたが代筆した部分もミスがあるというのはどういうことですか。ある程度の雑さは認めてきましたが限度というものがあるのです。しかも、魂の回収が遠のく[不老]をスキルの一覧に入れておくなんて…下界に送り出したら神々も手を出さないのは知っているでしょうに」

 

 神々にとって世界とは自身の創作物であると同時に観察対象だ。創造した後は直接的に手は出さず、世界の成り行きを見守る。何故なら自身が手を加えれば自身の考えた方向にしか世界は進まないからだ。それでは面白くない。

 故に干渉を良しとせず、魂の管理もほとんどを天使に任せている。

 

「はいはい、さーせんでした」

 

 彼女は形だけの謝罪をする。

 彼女は神々にとっては自分のしたミスすらも観察対象に起こる変化として受け入れるだろうと考えていた。事実彼女がサイファーに送り出した魂は既に活動しているがサイファーの神々は何も言ってこない。

 だが、善なるものの頂点であり、公正を重んじる天使長がそれを良しとするかどうかはまた別の話だ。

 これには長い時を経て感情が気迫になった天使長もぷっつんだ。

 そこで天使長は罰を下すことにした。彼女の力は強い。

 

「…あなたの態度はわかりました。あなたには彼らの観察を命じます。彼らがここに戻ってくるその時まで観察を続けなさい。当然合コンに行くことも禁止です。でなければ、下界落ちも考えます。いいですね?」

 

「そんな…」

 

 

慎二とフェンがスキルを多く持っている理由、慎二がイケメンになった理由です。

次回があるかはわかりません。もしかしたら雑天使で話を書くかもしれません。筆者はそこそこ気に入ってます。

次回更新は10日0時予定です。

2章に入りますので是非読んでください。

気に入って頂けましたらブクマ、評価などぽちっとしていただけると嬉しいです。


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