5.クラス分け試験2
4人目の生徒は、僕とは異なる構えをした。
棒の端を持って、半身になると、肩に棒を載せる。
なるほど、斧を振るようにするのか。たしかに、あれならば打ち込めそうだ。
もちろん、ガードナ先生は棒を地面に突き立てて、いとも簡単に棒を止められてしまう。
打ち込んだ子は手がしびれたのか棒を落としてしまっていた。
いい音がしたからな。
そんなこんなで、何人かは打ち込むことができていたが、ガードナ先生の体制を崩すことが出来た生徒はいなかった。
「次で最後だな。レオン」
そうか、いわゆる名前の順というやつだな。だから僕が最初か。
レオンは、色々な人のやり方を見てきて有利なはずだったが、構えを見ただけで分かった。
あれでは、ダメだ。完全に腰が引けてしまっていた。
「やぁ!」
斧を振る構えからの打ち込みだったが、先生が何をするまでもなく、空振りをして転んでしまった。
どうやら、レオンは運動音痴というやつらしいな。
・・・
「よし、次は持久力の確認だ。
セドナを先頭に、校庭を走ってもらう。それだけだ。
アドルが、後ろから追いかけていくから、抜かれたら終わりだ。
何週回れるかを確認する。
ああ、体力テストはこれで終わりだが、他にもテストがあるからな。
くれぐれも無理はするなよ。」
1週は大体1kmぐらいだろうか。
アドル先輩が走るので、皆で走り出す。
半周ほど走り出すと、セドナ先輩が走り出す。
二人の距離は常に一定になるようにしているし、スピードも正直そんなに早くはないのだが、2週目の間にレオンを含む3〜4人、3週目の間に半数は脱落していった。
流石に、4週目からはアドル先輩もペースダウンするが、さらに3人が脱落する。
5週を回り切ったのは僕を含めて5人だけだった。
「よーし。お疲れ様。
皆、よく頑張ったな。アドルとセドナもありがとう。
さて、次は、魔法力の試験になる。
なに、心配すんな。これは、適性検査みたいなもんで、しんどくないから。」
それを聞いて、皆ホッとした顔をする。
僕もさすがに、こんなのが続くのかと心配だったから安心した。
しかし、動いたら、おなかが空いたな・・・。
・・・・
「よくきたわね。
そして、体力試験、お疲れ様。
ここは、魔法力の試験・・・といっても、内容はすごく簡単。
これから行うのは、簡単なこと。この石板真ん中に手を置いて、その手に集中しつつこうやってこう唱えてちょうだい。いい?『アス・ヲタ・ウド・フレ』
もう一度言うわよ。『アス・ヲタ・ウド・フレ』よ」
ここでの先生は、ザンビーニ先生。
40代後半ぐらいのやや小太りの女性だ。誰が見ても魔法使いとわかる法衣と帽子、杖を持っている。
「この試験は、適性検査みたいなもんだし、1年の間はあまり関係ないから、気楽にやってみていいわ。
じゃぁ、まずお手本がいるわね。アドル君いい?」
そういわれて、アドルは石板に手を置いて目を閉じると、ゆっくりと呟く。
『アス・ヲタ・ウド・フレ』
すると、石板に埋め込まれた魔石がいくつか光り出した。
石板に埋め込まれた魔石は、およそ30個。そのうちの10個ぐらいが光っていた。
「これが魔法力のテストよ。簡単でしょ。
石板の魔石の光り方で、魔法の適正がわかるの。
といっても、1年生の間はあまり関係ないから、気にしないで。
それじゃぁ、アーディル君からやってみましょうか。」
そういわれて、僕は石板の前に来た。
「緊張しますね・・・。」
「心配しなくても、爆発したりしないから大丈夫よ。」
「はい。」
そうして、アドル先輩と同じように手を石板の上に置いて、つぶやく
『アス・ヲタ・ウド・フレ』
自分の手から、力が流れていくのがわかった。
石板にある魔石が、ぼんやりとだが光る。
明るさは、アドル先輩のものと比べるまでもないのだが、アドル先輩と違ってすべての石が光った。




