第10話
ガジュ、ガジュ、グジュ
そんな音が聞こえるとともに、追いかけてくる足音もきこえなくなったので、その場に止まる。
全力で走ったので、息が切れていて、呼吸が早い。
ガジュ、グジュ
……音はまだきこえる。
(後ろを振り向くいてみるか?)
背後で起こっていることに好奇心半分、恐怖心半分で振り向いたヤヒロは、一瞬で振り向いた後悔した。
先程まで追いかけてきていた、マンドラゴラはその数を2匹まで、減らしていた。いや、それは喜ぶことだ。むしろ後ろを向いて5匹ともいたら、ヤヒロは一瞬でこのモンスターの餌食になっていただたろう。
問題は数ではなく、その様子だ。
残りの3匹のうち二匹はすでに、HPをなくしており光の粒となっている。
残りの一匹は……一人の女性が食らっていた。
身長は170ぐらいだろう、髪は黒くポニーテールにしている。服は、漆黒のローブをはおっていて、両手でマンドラゴラを捕まえ、口でかじりついている。食らいついているせいで目もとは見えないが、それ以外の容姿や体型等から美人であることが容易に想像できる。
「美味しくないし、もういらない」
一言そういうと、つかんでいたマンドラゴラを残りの2匹に向けて放り投げる。
マンドラゴラは残りの2匹に綺麗にぶつかりそのまま地面に倒れる。
「………ダークファイア」
女性が左手をマンドラゴラに向けてそういうと黒い魔方陣が出現し、そこから、黒い炎の塊が一つ飛んでいきマンドラゴラに当たる。
当たった瞬間、マンドラゴラは断末摩をあげる間もなく消滅した。
*****
「なんだ………こいつ」
ヤヒロはその様子を静かに見ていた。
この女性は間違いなく自分より格上……しかも遥かに上の存在だ。
まともに戦ったら先程のマンドラゴラの二の舞になることは容易く理解できる。
(逃げるか?)
ヤヒロがそう思った瞬間女性はこちらを向いた。
そして………ゆっくりと模範回答のような綺麗な姿勢で頭を下げ……
「ごめんなさい、ついお腹が減っていたから君の獲物食べちゃいました」
……謝った。ポニーテールがふりふりと揺れる
「はぁ……?」
黒いローブをきて、強い魔法を使う女性を勝手に敵視していたヤヒロは女性のいきなりの行動に腑抜けた返事をしてしまった。
「あなたが、戦いやすいようにここまで連れてきたモンスターを、しかも特定条件下でしか現れない珍しいものなのに私はなんの遠慮もなく食べてしまい、本当に反省しております。」
「あ、いえ、なんか色々過大評価してるみたいですけど俺は逃げてただけですよ?」
女性の言葉に素直に返すと、女性はきょとんとした顔をしてこちらに向けてきた。
初めてまともに女性の顔を見ると、女性の目は紅く、唇もまるで血のような赤色だった。
頭上にはララナと名前が表示されている。
「そうなんですか?」
そんなはずは無い……と言うような目でこちらを見るララナに「はぁ……」と一応返す。
(なんだ?この人)
ララナのその様子が、きにはなったが一応お礼を言う。
「助けていただいてありがとうございます。ララナさん」
「いえいえ、こちらも空腹が満たされたので気にしないでいただいて結構です」
にこっとわらうララナに先程の疑問は薄れ、もう一つとても気になることを聞いてみる。
「一つ聞きたいんですけど…いいですか?」
「はい、かまいませんよ?」
ミラナは再度にこっとわらいヤヒロの質問を了承する。
「あなたは、本当にプレイヤーなんですか?」
この質問にララナはピクッと反応する。
当たり前だ、例えプレイヤーではなくともこの質問をさっきあったばかりの人に言うのは常識がないか、どこぞの名探偵だという話だ。
しかも、名前の上にはプレイヤーを示すアイコンが表示されてある。
しかし、ヤヒロはこの事を理解した上であえて聞く。
先程の魔法の威力は、少しおかしすぎる。
このゲームが始まってまだ、1日もたっていない(はずだ)。
この短期間でこの魔法の威力は異様なのだ。(ヤヒロも人の事は言えない。マンドラゴラは魔法使いがレベル10になり、弱点属性で攻撃したとしても、一割削れない)
さらにいうと、ララナの行動はおかしすぎる。というより、異様で異常なのだ。
普通、モンスターを食べることは出来ない。いや、食べるきが起きないし考えもしない。しかしララナはそんなこともきにせず、かじりついていた。
ゲームのプレイヤーとしてではなく、人として少しおかしいのでは?
……と(かなり失礼だが)思ったのだ。
ララナは、少し目を泳がせ、笑顔を作り言う。
「は、はい、プレイヤーですよ?名前の上にもアイコンがあるでしょ?先程のことが気になるのなら気にしないでください……というのも無理ですよね?実は私、元の世界でも偏食主義、もといは悪食主義なので」
「悪食……」
その一言で、ララナの少しの様子の変化にも気づけなかった。
しかも多少グロテスクなものを想像し気分が悪くなる。
「ヤヒロさん、大丈夫ですか?それにミリーナに向かうのでしょう?」
「……はい、行きますけど…」
「なら一緒に行きましょう!私、お腹がすきましたし」
「………マジですか?」
「マジです!」
さっきあんなに食ったのに……(しかもあんなものを)
先程の様子を思いだしまた気分が悪くなりかけるが、ララナの食欲にそれ以上に驚いた。
「では行きましょうか」
その言葉にせかされヤヒロはララナとともにミリーナの町の門のなかに入っていった。
章?なるものがあったのでやってみました(笑)
今回は早めに投稿♪
きついな(笑)
何回も言うようにこれからもちょくちょく、改稿
等はやっていきます(笑)
それではノシ




