第21話 魔女たちの会話劇
「せんぱーい、こっちですよ! 早く来てくださーい!」
「ま、待てよ。オレの方が小さいんだからゆっくり歩いてくれよ」
「そうよ雫。あ、せなちゃん私と手を繋ぎましょう、はぐれないように」
「赤里先輩ずるい! 私も繋ぎます!」
「なんだよ、別に手くらいならいくらでも繋いでやるぞ、ほら」
「ふふっ、せなちゃん優しいのね」
「それにしても、晴れて良かったですわ」
「うむ、私がいるから当然だな」
「フラウ隊長は晴れ女ですものね?」
「隊長、金城先輩! 私たちあそこのアクセサリショップ見てきていいですか!?」
「あぁ構わないよ、楽しんでくるといい。私たちもゆっくり追いつくさ」
◇◇◇◇◇◇
「せなさんが元気になってくれたらいいのですけれど」
「金城くんにまで心配してもらえるとは、せなくんは人気者だな」
「あら嫉妬ですの? 隊長だって人気者ですわよ?」
「そういう意味ではないさ、あれが彼女の本質なのだろうという話だ」
「そうですわね、わたくしもすぐあの子が好きになってしまいましたわ。不思議なくらいに」
「そのせなくんを元気づけるためのお出かけか。雫くんは当然だが、赤里くんもすでに彼女の事が好きみたいだ」
「あら? その赤里ちゃんが嬉しそうにこちらへ来ますわね」
「あの、私たち、三人で、おそろいの」
「落ち着いてからでいいよ赤里くん」
「かわいいイヤリング、素敵ですわ」
「はい! 雫とせなちゃんと同じものを買いたくて、それで……」
「せなくんを元気付けたいのだろう? お金のことは気にしなくていい」
「あ、ありがとうございます!」
「あらあら、あんなに嬉しそうに」
「ふふ、これでは誰が元気を貰ってるのかわからないな」
◇◇◇◇◇◇
「あ! フラウさんありがと! オレ、みんなと一緒の物貰えるの初めてだ! ……でも」
「せなさん、どうしましたの?」
「ほんとにオレが貰ってもいいのかなって。この前もあんなしっぱ」
「先輩!」
「せなちゃん」
「この前のは、先輩悪くないです! 気にしなくても大丈夫ですって!」
「そうよ? 私がケガしないようにという、せなちゃんの優しさだったんだから」
「う、うん、二人ともありがと」
「それより先輩、アレ食べましょうよ、アレ!」
「アイスですの? 今日は暖かいし良いですわね」
「あ、あのさ! ここにいる全員で食べたい! ダメかな?」
「いいね、みんなで食べようじゃないか」
「よかったわね、せなちゃん」
「やった、ヘヘ。オレ、アイス食べてみたかったんだー」
「何味にします? 私はチョコがいいです!」
「そうね、私はこの……キャラメル味にしてみようかしら」
「オレ、オレはね! このチョコミントってやつ!」
「ではわたくしはバナナ味にしますわ」
「ふむ、ではこの納豆味を貰おうか」
「「「「え?」」」」
「そ、そんなのあるんですか? ほんとに??」
「ドン引きですわ……」
「隊長、本当に大丈夫ですか?」
「なっとう?」
「いいじゃないか、何事もチャレンジだよ」
「そんなチャレンジはいらないですぅ、あ、先輩のアイスきましたよ」
「やったー!」
「ね、ねぇ。みんなでアイスを食べ合いっこしましょうよ」
「いいですねソレ! 4人で分け合いましょ」
「そうですわね、4人でシェアいたしましょう」
「おや? 人数が足りないようだが」
「フラウさんのアイスはオレが食べてあげる!」
「隊長のアイスはやめときましょうね、先輩」
◇◇◇◇◇◇
「お、あっちにクレーンゲームがありますよ! 行ってみましょー」
「あ……、あのぬいぐるみかわいい」
「赤里先輩も興味あるみたいですし、行ってきますね!」
「おやおや、誰か私のアイスを食べてくれないのかい?」
「隊長は食べ終わってからいらしてくださいな」
「ねぇ雫、これはどのボタンを押せばいいの?」
「あれ? 赤里先輩やったことないんですか?」
「友達がしてるのをいつも見てるだけなのよ」
「これだろ、よしポチっとな」
「あー! 先輩なにするんですか!」
「この台を持ちあげればいいんじゃないですの?」
「やめてください、魔女でもさすがにそれは捕まりますー」
「お? すごい、赤里ちゃん掴んでる! これこのままいけるんじゃないか!?」
「やった! やったわ、せなちゃん! 私取れた!」
「やりましたね! めちゃくちゃセンスいいじゃないですかー」
「素晴らしいですわ」
「どうぞせなちゃん。これ、貰ってくれるかしら?」
「え、いいの? ずっと大切にするな!」
「先輩よかったですねー」
「あー、コホン。お愉しみ中の君たちに一つ言い忘れていたことがある」
「あら、なんですの? 改まって」
「実はね、私たちの今までの行動は全部―――配信されている」
「「「ええええ!?」」」
「あー、オレ。なんとなくそうじゃないかって思ってたんだよな」
魔女全員に喋ってもらいたくて書いたら、地の文が消滅しました(白目
読者様の想像力に頼る形の回です、彼女たちの書き分けがうまくできてたら良いのですが。




