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永遠もあなたと一緒なら

髪飾りがキラリと輝く。

眩いばかりに美しい装飾品をゴテゴテに飾り付けられた少女は、ソファの上で一人腕を組み、首を傾げた。


「……わからないわ」


何が起こっているのか、わからない。

あれよあれよという間に、気がついたら人間をやめされられ、片思いしていたはずの神と結婚していた。

自分でも何を言っているのかわからない。

大切なお人形のようにこれでもかと手入れされ、磨きあげられ、でろでろに甘やかされ、愛される毎日。


「夢?」


真顔でむぎっと頬をひねった。

すごく痛い。

夢ではないらしい。

エリザは己の幸せ加減に慄いた。

いや、そもそもなぜ、急に神はエリザを愛し始めたのか。

わからないことだらけだが、幸せなのは間違いがない。

ただ、ひとつだけエリザには気になることがあった。


何故か、神が、エリザを囚われの可哀想なお姫様扱いをすることについてである。


そもそも、あの時エリザは途中から話半分だった。あまりにも美しい神の顔を至近距離で浴びて、脳味噌がほとんど思考停止状態。キャパオーバー。

だから、神の話がどんどん不穏な方向にいっても、なんかわからないけどかっこいい……と目をハートにしてぼんやり見つめていた。

だから、気がついたら、甘い砂糖菓子のように愛でられ、囲われ、今に至る。

普通に考えて、愛する人と結ばれて、幸せの絶頂のはずなのに、時折、神が耽美な仄暗い微笑みをこぼして、エリザのことを「かわいそうに」「もう、逃げられないよ」とか言ってくるのが、地味にもやもやする。

いや、ちょっと退廃的で病んでて憂いのある感じも非常に美しくて好きだけれど。

まあ確かに、父親に会いたい気持ちはあったが、エリザは末娘で、甘やかされて育てられてきた。きっと、エリザが急にいなくなっても許してもらえるはずだ。兄も姉もたくさんいるから、家も大丈夫。


だからこそ、少し、いや、大分すれ違っている感じが否めない。



いや、百歩譲ってそれもまあいい。


かっこいいから。


1番気になっているのは、あれだ。


「あの方が愛したのは、どの私なのかしら」


記憶にないが、エリザは何度も何度も生まれ変わり、その度に神に惚れているらしい。そもそも、自分が何度目の生まれ変わりなのかもわからなければ、神が愛したのが本当に己なのかも少し謎を感じている。



「エリザ」

「きゃっ」



びっくりした。

気配がない。気がついたら腰に手を回し、微笑みかけるトゥアイハスの姿があった。

溶け落ちそうなほど甘い蜂蜜色の瞳が、エリザを一心に見つめている。


「何を考えていたの?」

「えっ?……その」

「……僕には言えないこと?」


笑みの形を作った唇が、エリザの耳元に近づく。


「い、え…そういうわけでは、ありませんけど。……私は、……」


何番目の生まれ変わり?

あなたは何番目の私を愛し始めたの?

きっかけを作ったのは?

本当に私のことを愛しているの?


ぐるぐると色々考えた上で、エリザは挑むようにトゥアイハスを見上げた。

そして、思い切って自分から彼を抱きしめる。

ぎゅうぎゅうと力を込めれば、トゥアイハスは驚いたように蜂蜜色の目をまんまるにして、やがて嬉しそうに微笑んだ。


「エリザ、どうしたの?」

「なんでもありません!」


ふふん、と勝気な笑みを浮かべエリザは顎をつんとそらした。


「私は、私こそが!あなたを誰よりも愛していると、そう考えていましたの」


頬を上気させて、エリザは花開くように微笑む。


そう、なにを弱気になっているのか。

何度目の生まれ変わりとかどうだっていい。


自分こそがトゥアイハスに選ばれ、愛され、共にいるのだから!






「愛しているわ、私の神様。トゥアイハス様!」





「僕も愛しているよ、エリザ」











Happy end.

作中であまり深くは言及できませんでしたが、あの当て馬の異国の青年は、一応神様です。

同担拒否。

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