結果発表
《天領の民》・・・字面だけ見たら天に住む人って感じかな。いや、んな事どうでも良いか今は。
国王陛下の御前で決勝の結果発表だ。失礼があれば首飛ぶ。
「3年Aクラス生存点4点、獲得点1点、旗獲得3点。合計8点」
あ、俺が倒してないBクラスの奴3年にやられたのか。
「2年Bクラス合計0点」
これはまた・・・なんとも残酷な・・・まぁほとんど倒したの俺だけど。
「1年Aクラス生存点5点、獲得点5点。合計10点。」
お、これは・・・
「よって!優勝は1年Aクラス!!」
歓声が湧く、俺が1人で戦った時ブーイング起こりそうなくらい静まりかえってたのに。そして俺達の勝利を祝してだろうか?学園長らしき人が壇上に上がり、拡声器のような物を手に取った。
「えー、今回の対抗戦では1年が優勝する30年ぶりの快挙が起こりました。部外者が入り込むトラブルがありましたが・・・」
「学園長!一ついいですか?」
あ、勇者が立ち上がった。
「な、なんだね・・・」
「部外者が入り込んだ、と言いましたがあのフィールドは学園の許可がないと入り口から入れないはずです。」
「そ、それはだね・・・」
「勇者様、その話は終わってからにしましょう。自白剤持ってるから飲ませて喋らなけりゃ拷問なり何なりしてゲロさせればいいんですし。」
「そ、そうだね。」
表現が悪かった。ドン引きされた。
「えー、そんな不測の事態にも焦る事なく対応し被害者を出さなかったことを誇らしく思います。」
そのあともしばらく学園長の話が続いたが特に中身はなかった。
その後は国王陛下からのありがたいお言葉。
3年生悔しそうな顔してんなぁ。最後の年に1年に負けたもんな。仕方ない仕方ない。
最後に表彰式が行われた。
1位:1年Aクラス
2位:3年Aクラス
3位:2年Bクラス
「最後に、今回B級冒険者の凶行を止めた1年Aクラスに特別に褒美を取らせよう。」
おーラッキー。
「して、リシルスから申してみよ。」
勇者、ユーリィさん、メイリア、モニカ、俺の順に並んでいる。
「新しい剣が欲しいです。」
「ふむ、聖剣では不満なのか?」
「いえ、聖剣だと頼りすぎて体が弱くなってしまいそうでして。」
「よかろう。一級品を用意する。」
そしてユーリィさんは装飾品頼んでいた。やっぱり女の子はそういうの好きなのかな?今度レイラたちにも買ってあげよう。高いのは買えないけど。
「して、ユウは何が欲しい?」
・・・決めた。
「はい、孤児院への支援をお願いします。」
「・・・ほう?理由は?」
「王都の端にある教会兼孤児院が厳しいそうなのです。同じ孤児だったものとして心苦しいものがあります。孤児であった私がここまで強くなれたのです。さらに才能のある者が埋もれ消えていくなど、この国の損失でしかありません!」
大袈裟に声を張りアピールする。
「・・・なるほど」
俺がここまで実績を上げたんだ、国王は一考せざるを得ないだろう。
あれ?何か間違ったか? すると後ろで控えていた大臣っぽい人が前に出てきた。
なんだろう? そして耳打ちをした。
途端に国王の目が大きく見開かれた。
そして俺を見てニヤッとした表情を浮かべた。
「良いだろう。最低限の衣食を保証しよう。」
よっし!!
モニカもあの教会への支援を願ったからまとめて一つにされるだろうけど。
さて、後はあのB級たちに拷問しないと。