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Fantapia ~転移チートが異世界を行く~  作者: アズマ
グインタビューの街
12/92

実践の次は実戦

この話はちょっと書きにくかったです。



 

 

 

「ひ、酷い目にあったわ・・・」

「すまなかった」

 


 まださっきの残光が目に焼き付いているが、よっぽど良くなった。

 まさかあんな事が起きるとは露とも思わなかったよ。


「ねぇさっきのは何? 信じられないくらい密度の濃い魔力を感じたけど」

「そんなにか、試しに体内魔力を使ってみたんだけど」

「・・・は?」

「どうやら俺は体内魔力が凄いあるらしくて、空気中の魔力の代わりに体内魔力を使えるみたいだ」

「・・・・・・はぁ。もうユーキが何しようが驚かないわ」

「なんだよそれ」



 フェルは明らかに『呆れた』という目で俺を見ている。

 きっと俺がMだったらご褒美だったんだろうな。



 フェルがやれやれと首を振っていると、草むらをかき分ける音が聞こえてきた。



「? 誰か来たのか」

「こんな所に? いったい誰かしら?」



 いくら街の近くだとは言えここは森の中だ。

 来る人間は限られるのだが・・・。



「(ガサガサ)お? フェルじゃないか」

「ドーンさん? こんな所にどうしたの」

「知り合いか、フェル?」

「あ、うん。ドーンさんは☆7の冒険者よ。ギルドで何度もお世話になってるの」

「どうも」



 ドーンさんは気さくに挨拶してきたので、俺も返す。

 


「(☆7の冒険者か。7ってことは『上級の下』か)」



 ◇◇◇◇◇


 ギルドのランクは☆1から10で段階分けされているが、その中でもさらに分類がある。

 ☆1から3が『下級』ランク。

 ☆4から6が『中級』ランク。

 ☆7から9が『上級』ランク。

 ☆10は規則上あるのだが、ギルド創設以来、誰一人もなったものが居ない『特級』ランクである。


 さらに『下級』『中級』『上級』の中で細かく『上・中・下』に分けられる。

 級の中で小さい数字が『下』。

 真ん中が『中』。

 大きい数字が『上』となる。

 なのでドーンさんの☆7は『上級の下』なのだ。


 ◇◇◇◇◇



「ところでフェル。さっきこの辺りで凄い光が見えたんだが、何か心当たりはないか?」

「ドーンさん、さっきの光を見てここに来たの?」

「あぁ、近くの村で依頼を終えて帰る途中でな。それで、何か知らないか?」

「(チラッ)」

「ん? 少年がどうかしたのか?」

 


 フェルはドーンさんに聞かれて俺のことをチラチラ見てきた。

 それに気付いたドーンさんは今度は俺にターゲットを絞ったようだ。



「―――え~と・・・」

「悠紀です。本郷悠紀(ほんごうゆうき)。ユーキと呼んで下さい」

「ユーキか。俺のこともドーンでいいぞ」

「ではフェルと同じくドーンさんで」

「分かった」



 挨拶も済ませたところで、俺は自分からさっきのことを説明した。

 魔力の練習をしていたこと。

 体内魔力を使えること。

 そして予想以上に魔力を込めてしまったことなど。



「そうか。まぁ初めてだったなら制御出来ないのも仕方ないさ。それを出来る様にするための練習だからな」

「はい。ありがとうございます」



 いや~、ドーンさん良い人だ。

 注意と同時にフォローもしてくれるし、何より良い人オーラを醸し出している。

 フェルがお世話になってるのもうなずけるな。



「しかし、体内魔力が使えるとはな。さすが全属性の使い手ってところかな」

「あれ? ドーンさん知ってたんですか」

「そりゃあユーキは今やギルドで有名人だからな」



 ドーンさんは俺に付いての話しを指折り数えて話していく。



「ガンスを舎弟にしたろ、適性全属性で凄かったり、何より違う世界からやって来たって話題に欠かさないからな。(あとフェルと親密そうだってものあるが、これは黙っておこう)」

 「転移のことまで知れ渡ってるんですか。まいったな~、そこまで大事にはしたくなかったんだけど」



 俺が地球から神様に連れてこられたって知ってるのは、自警団の3人とミラーさん、フェルだけだと思っていたんだが。

 別に隠すつもりもなかったから良いけどな。

 けど誰から広まったんだろう?



「あぁ、自警団の団長と副団長が酒場でその話を肴に宴会をしてたからな~」



 腕を組んで目を瞑りその時の様子を思い出すドーン



「もうこの街の冒険者連中は大半が知ってるな。まぁみんなたいして気にしてないし『知らない土地からやって来たやつ』くらいにしか思ってないと思うぞ」

「そうですか。それなら良いんですが」



 いや、団長達は良くないけどな。

 人のことを酒の肴にしやがって・・・・・・俺もこの世界の酒飲んでみたいぞ!



「ユーキ、これからどうする?」



 俺とドーンさんの会話が切れるのを待って、フェルが話しかけてきた。



「うん? どうするって魔法の練習するんだろ」

「言ってなかったかしら? さっきの魔力球を出せるようになったなら、もう魔法は使えると見て良いのよ」

「え、そうなのか」

 


 こんなあっさり終わってしまって良いのか?



「あとは魔力に属性を乗せて、どう使いたいかイメージすれば良いのよ」



 火炎弾なら火の玉を飛ばしたいとか、そんな風にねとフェルは付け加える。


 

「へ~・・・・・・ところで属性ってどんなのがあるんだ?」

「そうえば言ってなかったわね。属性は『火・水・土・風・雷・光・闇・無』の八属性があるわ」

「じゃあ俺はその全部が使えるのか・・・わくわくするな!」

「まったく、規格外なんだから。違う世界の人間はみんなこうなのかしら」

 


 フェルは溜息を吐き、俺は苦笑いを持って返す。



「それで、どうするの? ユーキが決めて良いわよ」

「ん~・・・・・・じゃあちょっとだけ練習してから街に戻るか。随分長い間ここに居るし、腹も減ってきたからな。それでいいか?」



 ここにいた時間の何割かは『目があぁぁぁぁ!』ってのたうち回っていただけなんだがな!



「えぇ、わかったわ」

「じゃあ俺は先に帰るぞ。村の依頼完了をギルドに報告しに行かないと」



 ドーンさんは街へと帰っていった。

 帰り際に『無茶はするな』『ケガに気をつけろ』と言っていくのを忘れない。

 もう俺の中でドーンさんは、ギルドの頼れるお兄さんポジションになりました!



「じゃあ私はあっちで見てるから、いろいろ試してみて。気付いたことがあったら言ってあげるわ」

 「了解だ」



 どれ。

 手始めにフェルも使ってた『火』の球を作るのから試してみるか!



 ――――――――――――。

 ―――――――――。

 ――――――。



 ~~~~~




「ふぅ。いやー! 魔法楽しかったな!」

「ふふ、そうみたいね。凄く楽しそうにしてたのが端から見ても分かったわよ」



 子供のようにはしゃぐ俺を見て、フェルはすこし可笑しそうに笑った。

 思わず見とれそうになるが『グウゥゥゥ!』と腹の虫が良い仕事をしてくれる。



「おっきな音ね」

「ははは、さっ! 早く宿に戻って飯食べようぜ。今日のお礼とお詫びに奢るからさ」

「本当! 今更やっぱり無しなんて言っても遅いからねっ」

「大丈夫だよ」

 


 まだまだ神様に貰ったお金は残ってる。

 奢るくらいなんてことはない。



「あと、ご飯を食べた後はギルドへ行って依頼を受けましょう。ユーキのランクも上げないといけないから」

「おう、わかった」



 ついに俺が冒険者デビューか・・・・・・。

 俺、わくわくしてきたぞ!



「ほらー先に行っちゃうわよー」



 気付くとフェルは先に行ってしまっていた。

 そんなにお腹が空いてたのかな?



 俺は小走りにフェルに追いつく。




 その足取りはまるでスキップしているかのように軽やかだった。





お読み頂きありがとうございます。


次はいよいよギルドで依頼を受けます!

どんな依頼かなどは作者自身まだ決めていません。

次話もよろしくお願いします^^


評価、お気に入り登録よろしくお願いします!


感想を送って下さった方々ありがとうございました。

まだ返事を返しきれない!という程届いてないので、一人一人に返信出来てます。


※誤字修正9/2

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