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Fantapia ~転移チートが異世界を行く~  作者: アズマ
グインタビューの街
13/92

実戦の場は遺跡

ちょっと日に2話投稿がきつくなってきました(汗)

 

 

 

 俺は今ギルドの依頼が貼り付けられている掲示板の前にいる。

 これから初めての依頼を受ける。

 つまり冒険者デビューだ。



「ここは慎重に選ばないとな」

「(スタスタ、ビリッ)ミラー! この依頼お願い―――」

「ちょっとまってえぇぇぇ!?」



 俺が慎重に初依頼を選んでいる横で、パーティを組むフェルが一つの依頼書を剥がしてしまった。



「なによ、大きな声出して」

「いや、何の相談もなく勝手に選ぶなよ。俺これが初めての依頼なんだぞ?」

「大丈夫よ。ちゃんとユーキの実力も考えて選んだから」

「そ、そうか。それならいいんだ」



 さすがフェルだ。

 何だかんだ言っても先輩冒険者なんだな。



「ちなみにどんな依頼だ?」

「これよ」



 ◇◇◇◇◇


『アオノソウの採取』

 場所:グインタビュー遺跡内部

 採取依頼:根を取り除いたアオノソウ×五本

 報酬:小金貨一枚(10万円相当)

 期限:受領から二日間

 ランク:☆3

 依頼主:薬屋ダン


 ◇◇◇◇◇



「アオノソウって?」

「アオノソウは傷薬や熱冷ましに使う薬草よ」

「薬草に小金貨1枚ってどうなんだ?」

「アオノソウは特に症状によく効く薬の材料になるの。でもなかなか見つからないから、この報酬は相場にちょっとおまけしたくらいかしらね」

「なるほど、このグインタビュー遺跡ってのはどこにあるんだ? 名前からしてこの街に(ゆかり)がありそうだけど」

「ここは森の中で、数年前に崖崩れで入口が見つかった遺跡なの。門を出て片道二時間ちょっとくらいかしら。」



 うん。

 いきなり討伐とかじゃないのはいいかもしれない。

 キングボアやデスドッグには勝てたが、どうせならもっと経験を積んでから討伐とかは受けたい。

 もしものことがあっても、やり直しはきかないんだから。



「でもこれ☆3だぞ。俺は☆1だしちょっと心配だな」

「大丈夫よ。ユーキは☆6クラスのキングボアを倒してるんだから。この遺跡に出る魔物だって簡単に倒せるわよ」


 

 驚いた、あいつ☆6もあったのか。

 確かにアイツでそのくらいなら、他のやつも倒せるかもしれない。



「それじゃあついでにデスドッグは何クラス?」

「奴等は単独だと☆3クラスよ・・・ただ三匹以上の群れを組んでたら一気に☆5までクラスアップするわ」

「そうか。じゃあ遺跡内で出てくる魔物のクラスはわかるか?」

「えぇ、一度私もドーンさんと行ったことがあるから。遺跡の中では殆どが☆1。ときどき☆2と3がいるくらいね。あれくらいなら☆3の私もソロで倒せるわ」



 うん・・・・・・よし、決めた。



「わかった。その依頼を受けようか」

「ありがとう。じゃあさっそく受領してしまいましょう」

「そうだな、ミラーさんもさっきからこっち見てるしな」



 フェルが声を掛けてからずっとこっちを見ているミラーさん。

 そりゃあ呼ばれたと思ったら、俺がいきなり大声出してフェルを止めたんだから気にもなるよな。

 


 依頼を受けるついでにちゃんと説明しないとな。




 ~~~~~




「お、フェルにユーキじゃないか。何かの依頼か? 完全武装して」

 


 遺跡に向かう途中、オリオさんと出会った。

 今日は自警団は休みだったのか、私服姿で屋台で食事中だった。



 完全武装と言うように、今の俺とフェルはいつのも服じゃない。

 俺は腰に刀、肘や膝、脛部分にプロテクターを付け、上半身は革鎧を身につけている。

 


 フェルは以前見た小さい杖だけでなく、いかにも魔術師という感じのマント?を羽織っている。

 コレを羽織ると、魔力の質が上がるのだそうだ。

 


 フェルの装備は自前のものだが、俺の刀以外の装備はさっき防具屋で購入したものだ。

 どういうのが良いのかさっぱり分からなかったので、全て防具屋の店主にお任せで選んで貰ったが、動きが阻害されることもないしなかなか良い感じだと思う。



「そうよ。これからグインタビューの遺跡にアオノソウを取りに行ってくるのよ」

「あの遺跡か。まぁお前らなら出てくる魔物も大丈夫だとは思うが、油断はするなよ?」

「心配しないでも大丈夫よ」

「忠告ありがとうございます」



 オリオさんは『それならいいがな』と言いつつジョッキに入った飲み物を口にする。

 


「あ、そういえばオリオさん。俺のことをネタに酒盛りしたそうですね?」

「!? んぐっ、ゴホッゴホッ!」

「大丈夫オリオさん!?」

「さ、酒が、へんな、ところにっ」



 俺の言葉に飲み物を()せてしまった。

 ・・・というか、昼間っから酒飲んでるのかよ。



「ゴホッ、んんっ。いや、ユーキ、あれはだな、つい口が、な?」

「別に異世界からやって来たことは隠してる訳じゃないんで、誰かに教えるのは構わないです」

「そうか?」

「でも、人の事を肴に宴会するのは如何なものかと」

「う、うぬぅ」



 ちょっと冷めた視線を向けると、大きな体のオリオさんが萎んでいくように背中を丸めて小さくなった。


 

「そういえば俺ってこの世界のお酒ってまだ飲んでないんですよね。オリオさん、この世界のお酒って美味しいですか?」

「・・・・・・わかった。今度うまい酒をごちそうしてやるよ」

「本当ですか! いや~ありがとうございます」



 俺はオリオさんと約束を交わして別れた。

 背を向けて歩いていると「ニック爺も道連れじゃー」という声が聞こえた気がした。



「ユーキってさ」

「ん? どうした?」

「・・・・・・いえ、何でもないわ」



『奢らせる時は私も呼んでよね』と言われたので『酒は成人してからだぞ』と言ったら。



「私はもう十六だから成人してますー」



 と言い返された。

 この世界では男女ともに成人年齢は十六歳のようだ。




 ~~~~~




「おし、これで四本目っと」



 俺の手には根を切り取ったアオノソウが握られている。

 俺とフェルはあの後無事に遺跡に到着した。

 遺跡はまんまゲームに出てくるよな石造りで、所々に光る宝石?のようなものが吊されており視界は良かった。



 フェルに光ってるもののことを聞いたところ、最初に遺跡に入った調査隊が取付けた『光石(ひかりいし)』という照明器具らしい。

 光石に魔力を込めると込めた分だけ光り続けるとのことだ。



 ここまで来る道中で二度魔物と遭遇したが、一度目はフェルが火炎弾を打ち込んで終了。

 二度目は俺が刀を抜いて敵(一度目と同じ単体のデスドッグだった)を睨み付けたら『キャンキャンッ』と鳴いて逃げてしまった。



 フェルに言われたのだが『凄い威圧感がある魔力が漏れ出ていた』らしい。

 むぅ、ちょっと不完全燃焼気味だ。



「フェルー。こっちで四本目採ったぞー」

「わかったー。こっちは今三本目の処理が終わったとこー」



 遺跡に入ってすぐ、コウモリみたいな魔物の群れに襲われた。

 『キラーバット』という魔物で、得物に牙で噛みつき、肉を溶かす毒を流し込み溶けた得物の肉をすするのだそうだ。

  ―――想像しただけでブルッと来た。



 だが所詮は☆1の魔物。

 フェルが俺たちの前に炎の壁を作り出し、突っ込んできたやつらを一網打尽にした。

 ・・・ここでも俺は不完全燃焼だった。



「さて、あと一本だな。フェル、あと生えてそうな場所に心当たりは?」

「う~ん。正直もう思いつかないのよね。前にドーンさんと来た時は、今まで見てきた場所で必要個数集まったのよ」



 フェルが以前ドーンさんとこの遺跡に来たのも、今回と同じアオノソウ採取のためだったらしい。

 なので今回はその経験を生かしてすぐに集まると思っていたらしいが―――。



「無いものはしょうがないさ。見てないところを調べに行こう」

「うん、そうね。ごめんなさい」

「別に気にしてないよ」


 

 申し訳なさそうに落ち込むフェルの頭をポンポンとしてやる。

 


 

 ~~~~~




「う~ん。ないな~」

「こっちもないわ」



 今は遺跡内の広場?のように広く開けた場所を探している。

 だが、アオノソウはないようで――――――おや?



「フェル。ちょっと来てくれないか」

「ちょっと待っててー」



 フェルは自分が調べていた場所から俺の所へやってくる。



「どうしたの? 何かあったの?」

「あぁ、ここのところなんだが」



 俺は違和感を覚えた壁の一角を指さす。

 何だかその一カ所だけ他とは違い、何かの気配を感じるのだ。



「う~ん、私には分からないわ。気のせいじゃないの?」

「いや、でもなー」



 そう言いつつ俺は気になる場所に手を伸ばした。



「ちょっと、危ないかもしれないからやめ―――」

「?」



 壁に触ってたらそこの部分が『ガコンッ』と言う音を立てて奥に引っ込んでしまった。



「・・・・・・」

「・・・・・・これはあれかな」

「・・・あれってなに?」

「・・・・・・トラップ?」



 カパ。



 言った瞬間、床が扉のように開いてその中に『ヒュー』っと落ちていく俺とフェル。



「いやあぁぁぁぁぁ!?」

「うおぉぉぉぉぉ!?」



 さっきまでいた広場には、俺とフェルの悲鳴が木霊していた。




 そして、俺たちは穴に落ちたことである出会いをすることになる。 

 




最後までお読み下さってありがとうございます。


評価、お気に入り登録していただけると嬉しいです!



遺跡にはトラップがつきものだと思います。

通路ぎりぎりの大きさの岩が転がってくるのも良いですが、シンプルに落とし穴を採用しました。

次話では戦闘シーンを書くつもりです。

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