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ダメな自分を変えたくて、私がした『おいしいパスタの法則』  作者: ハチサロン
マーメイドライン
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写真の中の彼女

『——そうなんですね。 撮影うまくいったんですね! よかったよかった』とバスの中で千佳ちゃんは少しホッとして微笑んだ。


『……で、実はね?』と私は照れながら千佳ちゃんをチラッと見た。

千佳ちゃんは私の表情に少し不思議そうな顔をした。


『……その広告がね、なんかすごく好評だったみたいで、今度ね佳奈さんの会社と提携している結婚式場の雑誌の紹介の撮影してみないか?って話がね。 きてて』


『えー、すごいじゃないですか! 美咲さんの魅力に企業がやっと気がついた訳ですね!』と彼女は急に真面目な顔になってうんうんと頷いた。


『うーん、どうなんだろうね。 この間の撮影の時も緊張でほとんど覚えていないけど……』


バスのアナウンスが駅前に到着することを知らせた。


『——じゃあ、美咲さん今日も仕事頑張ってください!』


『あっ、今日はね。 会社は有給休暇で休みなんだ』と私はそう言いながら席から腰を上げた。


『そうなんですね。 だから今日スーツじゃなくて私服なんですね。 なんかメイクもいつもより気合入っているし』


『今日ね、会社の先輩とこれから水族館にね、行ってくるんだ……今日ちょっと気合い入れ過ぎかな?』


『そういうことですか! 羨ましい…… うぅん、今日もとても良きですよ!』と彼女はニコッと笑った。


『ありがとう。 じゃあ、また明日ね?』と私は彼女に手を振ってバスを降りた。



 今日は午前の十時に先輩と駅で待ち合わせをしている。

撮影から何日か過ぎてから会社で岡田先輩から撮影のご褒美の今度のお出かけ水族館ってどう?と提案されてそこへ行こうという話になった。


まぁ、でもそれはそうとバスを降りてから駅前までの道を歩いているとすれ違う人に何故かチラチラと見られているようないつもとは違う変な視線を感じる。


今日の私少し変かな。

先輩との二人きりの休日のお出掛けが楽しみすぎて朝、明るくなる前から準備をし始めたりしていた。


そんなことを思いながら駅前へと着くと駅の入り口で斜め上を見上げながら私を待つ先輩を見つけて私は駆け寄った。


『——おはようございます! お待たせしました!』


先輩は私の声に少し驚いた表情をしたが私に気がつくといつもの優しい笑顔に戻った。


『おっ、鳴海おはよう』


『先輩何かずーっと見てましたけど何見てたんですか?』と私は首を傾げて尋ねた。


『ウェディングドレス姿の鳴海を見てたよ』とそう言って駅の入り口の一角にある旅行会社の窓に貼られた大きなポスターを指差した。


そのポスターに映る女性は涙を流しながら笑っていた。


まるでその笑顔は過去にあった色々な辛い出来事を乗り越えて未来を見つめているように見えた。


でもこの女性がその時に何を思っているのかなんて誰にもわからない。


誰かを幸せを妬んでいるのかもしれないし僻んでいるのかもしれない。


それは私にしかわからないことで。


でもそれはどちらでも良くて

嬉し涙も悲しい涙も悔しい涙も全部きっと明るい未来へと繋がる大切な想いになる。


『——このポスター見てすごく綺麗な人だなぁって思ってたら鳴海だったからさ。 本当びっくりしたよ』


『……っていう事は先輩が私を綺麗だ!って思ってるって事でいいですか?』


少し強引な私に先輩は照れて笑った。


『とても綺麗な写真だけど……見た目がどれだけ変わっても鳴海は鳴海のままだよ。 すぐヘコんだり、一人で頑張り過ぎるところも、たまに可愛いところも全部さ』


『——じゃあ、行こうか水族館デート』と先輩は笑った。



私は笑顔で『はい!』と頷いた。


どれだけこの人の言葉に救われただろう。

きっとあの日も毎年のように一人で誕生日を迎えていたら、今も変わらずに過ごしていたかもしれない。


笑顔が好き。 優しいところもすごく好き。


好きだよって言葉も恋人関係だって所詮口約束でしかない。


口約束だけの恋人関係なんて信頼関係の上にしかないものだから信じれば信じるほど裏切られた時に信頼していた分だけ辛くなる。


でもそれでも信じてみたくなってしまう。

自分のことも信じてほしいから。

誰よりも一番に自分の事をわかってほしいから。

人には見せられない弱さも綺麗じゃないところも

知りたいし、同じくらい知ってほしい。


きっとこれが人を好きになるって事なんだろう。


そして、私はあなたの一番になりたい。

最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

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