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【書籍化決定】クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った  作者: 星野林


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スライム牧場

「やっぱり鉄を大量に確保する必要があるよなぁ……」


 メタリンやメタルスライム軍団が頑張ってくれているとはいえ、島民1000人の鉄の消費量に比べると、鉄の生産量は現状でも足りていない。


 一応俺が鉄鉱石が出る場所でつりをすることで、大量の鉄鉱石を確保して、メタリンにインゴットに加工してもらうって事は出来なくはないだろうが……。


「うーん、メタルスライムの牧場を作るのが一番手っ取り早いか?」


 そんな考えに至った俺は鉄インゴットを生み出してくれるメタルスライムを大量に飼育できる、メタルスライム牧場の建造を始めるのであった。






 場所としては農業に向いてない岩肌が露出しているような場所を選択する。


「メタリン、どうだ? ここらへんだったらメタルスライムは過ごしやすいか?」


『……ん……坑道みたいな雨風凌げて、鉱物を舐めることができる場所があれば最高かも』


「ところでメタリン的にはメタルスライムとクイーンメタルスライム娘の仲間が増えるんだったらどっちが良いんだ?」


『ん……両方増えてくれると嬉しい。私1人じゃぁメタルスライムの大群を統率できるとは思えないし』


「そうか……じゃぁクイーンメタルスライム娘も結構な個体数増やしておくけど良いか?」


『うん、お願い』


 というわけで、八の島の島民曰く、あんまり高品質な鉄鉱石が産出せずに廃鉱になり、直近だと魔王軍の拠点になっていた場所をメタルスライムの牧場に指定。


 更にモンスターは湧かないように指定しながらダンジョン化することで、より深く、アリの巣の様に深い住居を作ってあげた。


 あとは適当な場所に地底湖とメタルスライムが落とす鉄インゴットを集めて置いておけるスポットを設置すれば良い。


 他には鉱石の量が多くなるシンボルをダンジョンの真上に設置して、メタルスライムを大量に湧かせるスポナーも設置。


 一部のメタルスライムを捕まえて、キングメタルスライムにしてからホムンクルスと合成させて、クイーンメタルスライム娘を増やしていく。


「ベッドとかの寝床いる?」


『ん……いらなーい。床で寝るのが気持ちいいし、ダンジョンの中ひんやりしている』


 メタリンも上機嫌。


 メタリンをリーダーに、クイーンメタルスライム娘達に管理を任せることで、1日に数キロ鉄のインゴットを排泄するメタルスライム達からインゴットを回収絵していき、特定の場所に集めるをやるようになる。


 一定量貯まったらアイテムボックスに格納して、街に持ってくることもお願いし、メタルスライム牧場が稼働した事で、鉄インゴット不足は解消。


 これにより、島民のランクアップをできる素材が十分にあるとして、上位職に就けた方が島民の生産性も上がるので、有志を募ってランクアップ作業を行い始めるのであった。






 メタルスライムの牧場で味を占めた俺は、他のスライムを生み出すことで、牧場を作れないかと考えるようになっていた。


 目をつけたのが糸を吐き出すスライムを生み出せないかというので、図鑑を見てみると、蚕と合成するのと、毛糸玉と合成できるスライムがいるのを見つけて、それぞれ作り出してみることに。


 一の島の養蚕場でお金を支払って、蚕を譲ってもらい、それとスライムを合成。


 するとシルクスライムというシルク製の糸を吐き出してくれるスライムを生み出すことができた。


 一応管理者としてクイーンシルクスライム娘を誕生させて話を聞いてみると、シルクスライムは桑の木の葉っぱが大好物で、桑の木を大量に植えてくれれば、その葉っぱを適当な頻度で食べて、糸を吐き出すよーって教えてくれた。


 糸を吐き出して、それを布にするのは人間の作業。


 お腹いっぱいになったシルクスライムは黄緑色から白っぽく変色して、野原で日向ぼっこをしながら眠る性質があるようで、その個体を捕まえてきて、糸紡ぎ機にセットして、人間が糸を紡ぐ必要がある。


 俺が色々工夫しながら、水車で動く糸紡ぎ機を作り、牧場従業員にシルクスライムを糸紡ぎ機にセットしたり、絡まった場合の対処、紡いだシルク糸の納品作業などを行ってくれる人を募集したところ、小学生高学年くらいの孤児達が立候補してくれた。


 農業をやるのは難しいけど、説明を聞く限りこれくらいならとできそうな子を集めてやってもらったところ、結構皆頑張ってくれる。


 シルクスライムもスライム系にくらべると、木に登って葉っぱを食べるため、枝が折れないように軽くなっているのか、1体当たりの重さが500グラム程度なので、少年少女でも運ぶことができる。


 やることは単純だし、基本シルクスライムを運ぶだけなので、大変でもない。


 一応立候補してくれた足を怪我して兵士の仕事が出来なくなったおじさんが全体の管理をしてくれるとのことで子供達の面倒をお願いした。


「実際稼働してみないと分からないですけど、このシルク糸……売れますかね?」


 管理人のおじさんが不安そうに聞くが、話を聞きつけて、様子を見に来たエリーゼ曰く、普通に売れると胸を張って言った。


「シルク糸は他国にも需要の大きい品だから、それが一定量作れるとなれば商人達も飛びつくであろうし、販売元が安定するまではサイトウ管轄の牧場って事で出来上がったシルク糸を買い取って、商人に纒めて売ればいいんじゃない? 勿論私も販路開拓は手伝うけど!」


 と、エリーゼに言われた。


 売れるなら売ってしまって金にしてしまったほうが良いか。


 いや、作れるならシルク糸で服を作っても良いと思うけど、それができる職人が現状島に居ないので、職人を育てか引き抜いてくるところからスタートらしい。


「うーん……それなんとかならないかな?」


 ちょっと職人に関しては考えておこう。


 でも明確に売れる物ができたのは大きい進歩だ。


 餌となる桑の木も俺が大豊作を使えば、樹齢20年くらいの大きさには数日で大きくなる。 


 シルクスライム数百匹を育成できるだけの量の桑の木は育てておくとしよう。





 シルクスライムは良いとして、もう一方の毛糸玉ど合成したスライムはコットンスライムと、白っぽい綿の冠をしたスライムで、こちらは糸ではなく毛糸玉をお腹いっぱいになると吐き出す。


 こっちのほうが餌の管理は楽で、飲水となる綺麗な水と、雑草を食べて成長する。


 まるでヤギである。


 吐き出される毛糸玉は木綿の糸で、解く事で洋服を作ったりするのに活用できそうである。


 このコットンスライムも専用の牧場を作り、コットンスライムはキングスライム達をいい加減クイーンスライム娘に進化させないとと思い、クイーンスライム娘になってもらった連中に管理をお願いした。


 有事の際には戦力になってもらうが、普段は日向ぼっこしながら落ちている毛糸玉を回収してもらう隠居みたいな生活を楽しんでもらおう。


「まぁダンジョンができるまでの期間だけだけどな」


 しっかりとしたダンジョンが出来上がったら、冒険者の救助とかにクイーンスライム娘には頑張ってもらおうと思うが……。


 この毛糸玉を集めて、俺が道具を作るで大量の衣服や寝具を作り出して、島民に提供しながら、余った物を日本のネット出店で出品したら結構売れて評判になっていった。


 どうやら高級布団並みの品質で夏は涼しく、冬は暖かいのに、敷き布団と掛布合わせて家具チェーン店(お値段異常のお店)と同じ値段で売っているのが良かったらしく、毎日10組近く売れて山本がウハウハになっていた。






 スライム牧場が思ったよりも稼ぎになるし、環境にも滅茶苦茶良い。


 鉄鉱石を掘るんだったら鉱毒とかの問題が出てくるが、メタルスライムはダンジョンの壁を舐めて栄養補給しているだけで、鉱毒が出る要素がない。


 そのため環境に良いので、鉱毒の心配をせずに農地を広げることができる。


 というかコットンスライム使わなくても木綿育てれば良い話ではあるんだけどね……。


 木綿って地面の栄養めっちゃ吸うし、地中の水分もめっちゃ吸うから気をつけないと地面がカラッカラに痩せちゃうから、それが回避できるんなら良いかなーって……。


「島民の数が増え続けているけど、この調子なら5000人は受け入れることができるかなー」


「そうね……というより一の島の負担を少しでも軽減しないとマズイわ」


 ちゃっかり俺の近くに来ていたエリーゼが言うには、各島の復興予算の分配で他の島は大揉めしているらしい。


「八の島の支援は大丈夫なのか?」


「一応今年度中の支援は約束されているし、八の島の住民が難民キャンプ……実質スラムを作っていたから、帰ってくれるならって事で一定の支援はもらえるけど……他の島も生活基盤が破壊されているから1からの復興……無事だった島の負担は大きいわ」


 なんか昔歴史の授業で東西ドイツ合併の話を思い出した。


 豊かな西ドイツが貧しい東ドイツと合併したら東ドイツの開発費が吸われて、西ドイツの住民の負担が凄いことになった話。


 あと韓国と北朝鮮が合併したら、韓国側が北朝鮮の住民を助けるための予算で国が傾く……なんて話を習った気がする。


 人口が大幅に減っているし、首都がある一の島は無事っていうのは大きいと思うけど、戦災した地域の復興予算の捻出は苦労するだろうな……。


 キャパ5000人予定の八の島でヒーヒー言っている俺視点、数万人規模の難民が発生している他の島の復興はそれはもう大変だろう……。


 それを俺が助けようとすれば、できることはあるだろうけど、俺が疲労困憊で倒れる未来が容易に見える。


 申し訳ないが、他の島の人達は魔王軍がまた攻めてきたら守るからそれで許して欲しい。


(俺……農園作ってスローライフしたかったんだが、なんで島全体の経営を真剣に考えているんだ?)


 それを考え出してしまったら元も子もないけど……ここまで来たら後戻りできないし、綾乃と生まれてくる子供の為にも、俺は頑張るのであった。




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