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クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った  作者: 星野林


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綾乃とイチャイチャ(弱)

 バトラーが加入して1週間。


 全体で休日に設定している日になったので、この日は冒険を休み、バトラーを連れて外へ出た。


「バトラー、床屋に行くまでは捕獲状態でいてくれ」


「はい!」


 バトラーはこの1週間で俺に懐き、サイトウさん、サイトウさんと愛嬌振りまいていた。


 弟の小さい頃もこんな感じだったなぁ……と思いながら俺も可愛がる。


 綾乃や他の皆もバトラーを弟の様に扱い、アカリとバトラーは相変わらず初々しい感じになっていたが……。


 今日は床屋に行って髪型を変える。


 ついでに俺も髪が伸びてきていたので、髪型を整えようと思っていた。


「いらっしゃいませ」


「2人で、1人髪色の変更も」


「はーい」


 床屋の兄ちゃんが対応してくれて、早速俺とバトラーは洗浄の魔法で髪を洗われてから、髪をカットしたり、髪色を変更する。


「お客さん、髪色は何色が良いですか?」


「じゃあ黒で」


「はーい」


 元々バトラーは明るい茶髪であったが、黒色にするらしい。


 あと長く伸びていた髪をバッサリ切って、短めのウルフカットにしていた。


 それでも中性的な容姿は相変わらずであるが、ホルモンバランスが崩れているゆえに仕方がないと言えばよいのか……。


 でもだいぶ印象が変わる。


「バトラー、かっこいいじゃん」


「あ、ありがとうございます!」


 俺も髪を整えてもらい、その後はバトラーが貰っているお金で買いたい物があるとして、楽器屋へと移動した。


「貰ったお金で買っても良いんですか?」


「自分のお金なんだから自由にしていいぞ」


「ありがとうございます」


 バトラーが選んだ楽器はアコーディオンの様な楽器であった。


 魔石によって空気が送られて、音を奏でる楽器で、仕組みとしてはアコーディオンより鍵盤ハーモニカの方が仕組みとしては近いかもしれない。


「両親が生きていた頃によく演奏してくれていたんです……生きるために手放す必要がありましたが、耳に残った記憶は消えないんで……」


 一緒に楽譜も購入し、バトラーが実は音楽が好きという一面を俺はこの時にするのだった。







 楽器屋を巡った後に、俺とバトラーは綾乃から頼まれていた買い物をするために市場に来ていた。


「兄弟で買い物か?」


「兄弟……えへへ」


「いや、まぁそんな感じで……」


 店の人には俺とバトラーは兄弟に見えるらしい。


 まぁ俺は180センチある滅茶苦茶ガッチリした男で、バトラーはこの世界だと13歳だけど、地球換算だと12歳にも満たない年齢なので、140センチあるかないかくらいの身長しかない。


 これくらいの年齢だとぐんぐん成長してもおかしくないが、ホルモンバランスが崩れているバトラーはまだ成長期が来ていないっぽい。


 一応否定しても面倒くさいし、同じ黒髪なのでね。


 多分兄弟に見えるようにバトラーは狙って黒髪にしたんだろうが……。


「りんご15個ください」


「あいよーまいどあり!」


 綾乃がアップルパイを昼食に作りたいと言っていたので、りんごを購入。


 あと小麦粉と砂糖、夕飯用に野菜と肉、足りない調味料を購入して……、


「ん?」


 バトラーが俺の後に隠れた。


 バトラーの目線の先を見ると、バトラーを奴隷として扱っていたクランのリーダーが店先で不機嫌そうに飯を食べている。


「大丈夫だ。今のバトラーの容姿じゃバレないから……捕獲状態になるか?」


「そ、そうですかね……」


 捕獲状態にはならずに、俺の後に引っ付いて、彼の横を素通りする。


 50メートルくらい離れてから、バトラーは先ほどの男の方を見るが、追ってこない事にホッとしていた。


「な、大丈夫だろ?」


「はい!」


「それにバトラーは一度死んだことになっているから問題ないよ」


「そうですかね……そうだといいんですけど……」


 大丈夫と頭を撫でて、俺達は市場を後にするのだった。







 綾乃の作ってくれたアップルパイは絶品で、とても美味しく、ペロリと食した後、俺は倉庫近くの川で釣りをしていた。


 鉱石釣りも楽しいけど、あれは素材集めの感覚が強く、純粋に釣りを楽しむのだったらやっぱり川や海で魚釣りをやりたい。


「こうやってのんびり釣りをするのも楽しいわね」


「ミンナも釣り好きなのか?」


「好き……というより幼い頃は食費を節約するためによく釣りをしていたわね」


 一緒に釣りをしに来たミンナは釣り竿に餌を取りつけて、川に投げ込むと、土手に腰掛けて、本を読み始めた。


 そう言えばミンナも貧しい生まれだったな……。


「俺は釣りの思い出は元の世界で親父や爺さん、弟と一緒に川釣りをした思い出があるな……牛の世話や畑の世話が忙しく無い日に、給餌の合間の3時間くらい川に釣りに行ってさ」


「へぇ……よく釣れた?」


「全然、俺だけボウズ(釣れない)事が殆どだった。弟は逆に沢山釣れたんだけどな」


 すると俺の釣り竿に魚がヒットし、釣り上げる。


 異世界の魚だから地球の魚とは種類が違うけど、ミンナ曰く塩焼きにすると美味しい魚らしい。


「でも今は入れ食い状態ね」


「技使っているからな。やっぱり釣れたほうが嬉しいし」


 こうやってのんびり過ごす日があっても悪くない。


 でもミンナが俺に付き合ってくれるとは思わなかった。


 てっきり部屋でゆっくり休むか、買い物に出かけるものかと思っていたが……。


「ところでフジワラとはどこまでいったの?」


「どこまでとは?」


「キスした、ハグした、セックスしたとか……」


「ぶふぅ!」


 俺は思わず吹き出してしまう。


「ド直球すぎない!?」


「私以外のマリーやアリスとかも気になっているわよ。2人の関係がどうなっているのかって」


「どうって……うーん」


 手を繋いで買い物デートには行ったが、それ以上の進捗は特に無い。


「えー、あれだけ時間があったのに? キスもいってないの!」


「奥手で悪かったな」


「……今日フジワラと風呂一緒に入りなさいよ」


「え、いや、バトラーと一緒に入ろうかと」


「今日はバトラーをうちらの部屋で寝かせるから、フジワラと2人で寝なさい!」


「ええ!」


 関係が進展していない俺と綾乃に対してミンナは強引に推し進めたいらしい。


「もっと順序を踏んでから……」


「それやってたらいつまでたっても関係は進展しないよ……」


 ミンナの釣り竿が引いている。


 ミンナがクイクイっと引っ張ると、サンショウウオみたいな生き物が釣れた。


 手足は無いけど。


「おお、ツチノコだ。川で釣れるってことは固有種かな? この子美味しんだよね」


「ツチノコって……」


 現代だと伝説の生き物がこの世界には普通にいるなぁ……。


 モンスターがいる時点で今更か。


 ビチビチ釣り針が引っかかってはねているツチノコをバケツの中に移す。


 すると、バケツの水の中でぐるぐると泳ぎ始めた。


 まるでウツボだな。


「フジワラとの関係が進まないなら、私達にもチャンスがあるって思っちゃうからね」


「それってどういう?」


「ふふ、どうだろうねぇ……」


 ミンナはツチノコの入ったバケツを持って、倉庫の方に戻り、俺は1人残されるのであった。







「あ、あの……隆史君」


「な、何綾乃……」


「こ、今夜さぁ……一緒にお風呂入っちゃ……駄目かな」


 釣りを終えてホノカ亭に戻ると、ミンナが焚き付けたのか、綾乃がそんな事を言い始めた。


 童貞の俺が断れるわけもなく、夕食後に綾乃と一緒にお風呂に入ることに……。


 他のメンバーがニヤニヤしていたのが印象的で、バトラーが俺と一緒に風呂に入りたそうにしていたが、アカリが彼を女子風呂に連れていくと、バトラーは沈黙してしまった。


 告白したあの日から3週間ぶりくらいに互いの裸を見せ合う。


 改めて綾乃の事を見ると……、


「綺麗だな……」


 と、呟いてしまう。


 綾乃も俺の事を見て顔を真っ赤にしていたが、互いに体を洗い合って、風呂に浸かる。


 洗う時に互いの肌に触れるが、互いにモジモジしていてアプローチすることはない。


 チャプン


「「……」」


 互いにお風呂に入って何を話せば良いか困るが、俺から切り出す。


「綾乃……ここでの生活は慣れたか?」


「う、うん……といっても、皆の食事をアカリとラミーの2人と一緒に作って、掃除洗濯をして、アカリを連れて買い物をするくらいだけど」


「買い物は大丈夫なのか?」


「うん、アカリの知り合いのお店の人はホノカ亭が無くなった事に対して色々心配していたけど、冒険者のパーティーに囲われたってアカリが言ったら、そこで聞かれるのが終わるし、誰かに襲われそうになるってことはないね」


「それなら良いけど」


 綾乃は暇な時間にラミーと手合わせを行なったりもしているらしく、高いステータスも相まって、普通の人には負けないくらいには強くなっていた。


「隆史君はどう? もう少しでレベルまた上がるんじゃない?」


「そうだな……」


 俺のレベルは現在79。


 明日か明後日にはレベルが上がるだろう。


「何でか分からないけど、ここ最近レベルアップの速度が速くなっているんだよな」


「というと?」


「経験値が入る量が日に日に増えているような気がする」


「経験値が増えている? それって階層を下にいったから出てくるモンスターのレベルが強くなったからじゃなくて?」


「それは多少あるだろうけど、レベルが上がれば上がるほどレベルアップに必要になる経験値が増えるんだけど、経験値が入る量がなぜが増えてるから、レベルアップに必要な日数が変わらないんだよな」


「そ、そうなんだ……もしかしたら私の能力が影響していたりして?」


「内助の功だっけか?」


「うん、好きな人の好感度が高ければ高いほどステータスにバフがかかるって効果だけど……経験値にもバフが入っていたりして」


「あり得なくはない……な。十分あり得る! でもそうなると日に日に高まってるって綾乃……」


「う、うん……日に日に隆史君の事が好きになっているのかも……」


 綾乃は顔を真っ赤にして答えた。


 俺も顔を真っ赤にしたが、互いに気分が高まり、そのまま俺は綾乃を抱きしめると、唇を重ねるのであった。






 風呂から上がった俺と綾乃は顔を真っ赤にしていたが、他のメンバーが気を利かせて、俺と2人部屋で寝ることに。


「綾乃……好きになるの俺で良かったのか?」


「うん、隆史君でよかった」


「そうか……何があっても守ってやるから」


「約束ね」


「うん、約束」


 手を握って、互いの体温を確認し合った後に、俺達は眠るのだった。


 翌朝、ミンナに結局交わったのってド直球に聞かれたが、俺達は照れながらまだ……って言ったら、ミンナは俺の頭を引っ叩くのであった。



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