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第0話。

タイトルの時点で色々と言いたい事があるかもですが、感想は章が終わるまで封鎖します。

 かつて歴史上、この世界を恐怖と混沌で覆い尽くす程の強大な力を持つ、魔王もしくは邪神――悪魔に唆された人間が何度か存在したと言う。

 世界は毎回、その手の輩によって征服、または滅ぼされ掛ける。

 ――が、そこに今度は伝説の勇者やら異世界の勇者やらが現れ化け物を滅ぼしてしまう。

 世界を滅ぼす程の力を保有する化け物すら滅してしまう勇者とはなんだ? その存在は果たして善なるものなのか?

 ちなみに語り部の私は皆が憧れ好む異世界転生者だが、童心がすり減った精神年齢40代半ばのオジサンには色々ときついのが本音です。

 そして今も、日本では絶対にお目に掛かれない異世界転生あるあるに頭を悩まされている。


「はぁ……」


 武器を向けて如何にも犯罪者って成りの厳つい御兄ちゃん達に囲まれながら深々と被っているフードとマフラーの中で浅い溜息を吐き出す。

 生まれ故郷がある大陸に帰って来てもう少しで故郷の土を踏めると思えば、こんなよく見るハプニングに遭遇するとは思わなかったよ。――ん? 日本にもカツアゲやオヤジ狩りがあっただろって? 日本の現代狩人の武器は素手、恐喝、ナイフであって、成人男性の足より長い刃物やファンタジー特有の魔術は使いませんよっと。


「んっ」


 荷物を降ろし、IX【インフィニット・エクスペリエンス】と呼ばれる脳接続神経有線転換疑似シナプスシステムを起動。両目にIX専用魔具であるグローブ、ブーツの起動・接続サインを確認し、尾抵骨から伸びて現れた細い鉄の尻尾を目視で確認。最後に背中に背負っていたIX専用ウィンチェスターライフルの接続を確認して両手で抱えた。


「おいなんだあいつ! 可愛らしいか細い尻尾を生やしやがったぞ!」


フリークス(亜人)か!? 高値で売れるぞ絶対に捕らえろ!! テン、アルマ! 作戦Cで狩るっ!」


 と、盗賊の誰もが笑う中、一人勘違いをした盗賊の男が魔術を展開。その男の左右にいた男二人が遅れてそれぞれ違う国の魔術陣を展開した。


「よ――」


 IXの自動補助システムによって急加速。地面を蹴ったブーツから”ドヒァッ”とブースター音が上がり魔術を展開していた魔術師に急速接近。相手の驚愕した顔面に高速道路走る車並みのスピードが乗った膝蹴りをお見舞いし、左右の右側にいたテンと呼ばれていた男に銃弾をお見舞いする。アルマと呼ばれていた男は瞬殺された仲間二人を見て思考がショートしたのか魔術陣を構築途中のまま固まっており、思考停止のまま活動しない空っぽの脳天に直接ライフルの銃口を押し当てて容赦なく引き金を引いて殺す。


「……! おやまぁ……諦めが悪いこって」


 双剣使いを先頭にしてそのすぐ後ろに大剣を持つ大男がさっきの私より遅いながらも急速に向かってきた。

 戦闘で一番厄介な魔術師(遠距離)三人を圧倒的な力で潰したが、此方に突っ込んで来る二人は疎か周りのお仲間さん達の戦意すら消えずにむしろ高まっている。十分に離れていながらも彼等の卑下思想からくる危険で汚らしいオーラを感じ取り目元の表情筋が痙攣した。


「はぁ」


 フリークス(亜人)は大人気海賊漫画に出てくる人魚のように高値で売れる。

 私が人間であると、彼等の勘違いを教えたいが残念ながらあの手の輩は決まって人の話を聞かない。決められたルールが嫌。ルールの外からでしか自分の欲を満たせず満たそうともしない野蛮人だから。

 ならば彼等盗賊団を片手の数にまで人数を減らす他ない。――が、幸いにも私に向かってくる二人の身なりを見るに後方の大剣使いの大男が盗賊団のボスなのだと接近されて分かり、仲間がやられても突っ込んでくるあのコンビが盗賊団の中で一番強いのだと分かった。

 

 そうと分かれば飛び道具を抱えている相手にアホみたいに突っ込んで来る御二人さんにも銃弾をお見舞いしよう。


「よっ――」


 確実に当たる距離、ついでに後ろの男に貫通するよう十分に距離を縮ませてから引き金を引く。

 ――が、


「おっ――ッ」


 撃った銃弾は双剣の男の身体に風穴を開ける前に切られて弾かれる。ナイスワザマエ! と思わず声を上げてしまいそうになったが、私がリロードしようとした瞬間に双剣の男のスピードが魔術師に急速接近した私よりも速くなり、ライフルをリロードする前に双剣でライフルを弾いて銃口を大きく逸らされた。


「はぁ」


 単発銃なのが難点と弾かれ我が手から離れたライフルに理不尽な不満を心の中で漏らしつつ――。


「なに!? ――グッ!?」


 双剣による連斬撃を全て避け、バレないように片手に砂を忍ばせつつ一度距離をとってから地面に落ちるライフルを確認して再度双剣の男に接近。


「刃物相手にステゴロかぁっ! ――なっ!?」


 刃物両手に息巻く双剣使いの顔面に忍ばせていた砂を投げつける。姿勢を低くして突っ込んだ為に双剣使いの男が両手の刃物を自身の心臓より下で構えおり、私の手から投げられた砂をもろに顔に浴び視野を奪われる。


「いよっどッ!」


 相手の視野が封じられている内に地面に落ちかけていたライフルの銃口付近を掴んで仕事で参考にしていたプロ野球選手のバッティングを用いてガラ空きとなっていた双剣使いの男の腹にライフルの銃身をブチ当てる。そんでもって遅れて接近してきていた盗賊団のボスに向けて弾き飛ばした。


「邪魔だ! 吹っ飛べ案山子野郎!!」


「ギャッ!?!?」


「! あぁ」


 と、盗賊団のボスのアクションに驚き少し気が抜けた声が出た。

 なんと盗賊団のボスは自身に向けて飛んでくる仲間の背中に己が大剣の背をブチ当て私に返してきたのだ!


 成程。盗賊団のボス様は私の生け捕りを諦めて私の所持品に目を移した様で仲間ごと私を切り裂く腹か――と、痛みと信頼していたボスの裏切り行為で表情が可哀想な方面に歪んでそんな哀れな男の首に風穴を開ける。

 今さっき可哀想って? 悪人に色んな意味で容赦がないのが日本人ってもんでしょ?


「よっ」


「何ッ!?」


 大地を蹴って双剣使いの男の顔面に蹴りを入れ、大剣を振りかざす盗賊団のボス目掛けてその頭部を蹴り飛ばす。


「ヴッ?」


「あ……あっ!」


な、なんということでしょう! 狙った胴体ではなく見事ゴールキーパー(盗賊団のボス)の股間にクリティカルを成功させてしまった。


「ンギィィィイイィィィィ!?!?」


「……まぁはい。味方を犠牲にしたツケが回ってきたって事で」


 股間を抑えて白目と泡を吹く大男の悲惨さに多少の同情を向けながら、両手首、ついでに腰に鉛弾を撃ち込んでおく。同じ男として股間の惨劇に同情しただけなので慈悲はない。

 全身を小刻みに震わせて満足に悶える事も出来ないらしい盗賊団のボスの首に尾抵骨から伸ばした鉄の尻尾を巻きつけて自分の身長より高く上げた。


「……ふっ。悲しいねぇ」


 ボロ雑巾状態のボスを見せ付けるなり、この男の部下であった盗賊は我先にとこの場から離脱していき誰もこの哀れな男を救おうとはしなかった。


「グェッ!?」


 流石に哀れ過ぎると思い頭から思いっきり地面に叩きつけて意識を飛ばしておく。決して呻き声が五月蠅かったとかではない。


「さてと……マスターや皆さんは元気かなっと」


 乱れたフードとマフラーを整え、約二年振りに会える大切な人との再会に胸を高ぶらせながら降ろした荷物を再度もって再び帰路の道を歩むのだった。


 転生前――真白(ましろ)(しろ)。享年29歳。職業、下請けのゲーム会社にてモーションを担当。

 転生後――ジョンドゥ。年齢17歳。職業、学生と色町のマッサージ嬢及びS級犯罪組織の一員……だったのを二年前に辞めて旅人になり、そして現在帰国中の無職である。

 以上。

毎日一話投稿します。ストックが無くなり次第また此方で報告します。


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