みちとのそうぐう
ヒマワリは言語を知らない。
部族にはなかったからだ。
皆ガウガウウガウガいって大げさなジェスチャーをすることで意思疎通を図っていた。
天才女児であるヒマワリですらそうだった。
だが未知と出会ってしまった。
未知は見た目はそのへんのメスだ。
黒髪黒目、貧弱そうな肉体をしている。
だが乳袋はデカい。
ヒマワリの持たないもののひとつだ。
普段のヒマワリであればそんなメスは部族のオスと番になり、仔を妊むものだと気にも留めない。
だが未知はヒマワリが新族長になったとき、いきなり寝始めたのだ。
これにはヒマワリの超頭脳をもってしても理解できなかった。
貧弱なメスが草原のど真ん中で寝ることは死を意味する。
守るべき番もいない。
このメスは異常に頭の悪いメスなんだろうと認識したが、それでも見たことのないものである。
ヒマワリは好奇心旺盛なのだ。
ヒマワリは、遭遇した未知を放置して野生動物の餌にするには惜しいと感じていた。
せめて起きるまでは様子を見てみよう。
新族長であるヒマワリは暇なのだ。
起きた途端に新たな未知との出会いがあった。
メスはガウガウうがうがではない。
音をだしたのだ。
わたし、あなた。
これを天才的頭脳で処理をしていくと一つの答えにたどり着いた。
意味を成す音を発声しているのではないか??
これには驚愕した。
我々が発声する音は伝えたいことを大雑把でしか伝えられない。
だがこのメスは発声により、明確な意味を伝えてきたのではないか?
如何なヒマワリとて知らないものは扱えない。
だが発声により意思疎通ができれば、周囲の敵対種に対して大きなアドバンテージを取れることをヒマワリの知性が理解してしまった。
このメスは放置できない宝だ!
ヒマワリはこのメスから吸い取れるだけ未知を奪い取る事を決めた。
そして全ての生き物が求める母としての行動を開始した。
抱きしめ、頭をなでるのだ。




