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バッドコミュニケーション

あぁ、これが走馬灯ってやつか。


サチから教えてもらった死の淵で見るという過去の記憶。


アタイがヒマワリ王国に来た時の記憶。








サチに連れられやってきたヒマワリ王国。


草の部族はヒマワリ王国に名前を変え、姿形も様変わりしていた。


以前、アタイが小さかった頃に親父に連れられて来た時とは全然違う。


木で作られた防壁のなかに木で作られた大きな家。


集落の奴らはみんな小ぎれいな格好してて、薄汚いアタイが場違いに感じる。


連れられた先は広場だ。


子ども二人をくっつけたまま座らさせられサチから飲み物を渡された。


飲んだのは果物の汁。

この一杯にいくつ果実をつかってるんだ?


それから出てきたのは見たことの無いご馳走!


肉も塩だけじゃない複雑な味といい匂いがする!うちのくっせえ干し肉とは大違いだ!!


初めての料理にアタイの舌と脳は喜びっぱなしだ!


どんどん食べ進めながらふと前を見るとサチがニコニコしながらアタイを見てる。


なんだか不思議な気持ちになってくる。


サチは貧弱なくせに子どもを守ろうとして戦う女だ。


アタイを助けるために前にでれる女で、はじめてアタイを守った女でもある。


サチは戦士たちを一声だけで下がらせることもできる。


そんなサチはアタイの手をひいて連れてきたあとはずっと美味い飯を作ってくれてる。


アタイは族長として簡単に下げれる頭じゃない。


けど恩知らずじゃあないんだ。


サチに向かって少しだけ頭を下げる。


サチは笑いながらアタイに抱きついた。


子ども二人にずっとくっつかれてるのはうっとおしいと思ってたのに、サチに抱きつかれるのはなんだかうれしかった。


貧弱なサチが壊れないようにそっと抱きしめ返した。


サチはアタイの顔を見て満面の笑顔を見せてくれた。


天使だ。天使って実在したんだ。


サチはその後、アタイの膝の上に座って地面に文字を書いて発声している。


アタイが同じ音を出すとニコニコしながら手を叩いて喜んでいる。


何だこの可愛い生き物は!!


アタイはサチに喜んでもらいたくて、言葉を発する。


サチはニコニコしながらたまに頭を撫でてくる。


アタイはどんどん熱中していった!


気づけば言葉をある程度理解できるようになってきた。


そうすると周りの連中がしゃべってることもわかる。


アイツは今、後から来たヤツにアタイのことを説明してる。


サチはサイショウでエラいから助けたアタイに感謝してる。らしい。


すげぇ!

これが言葉か!


分かるにつれて興奮してくる!


サチの言葉も分かってくる!


サチはアタイに感謝してお礼がしたかったんだな!


ウチのもんが迷惑かける前に始末しただけなのにサチはなんて心優しいんだ。


ツラがいい。


声もいい。


頭もいい。


飯もうまくて心は天使だ。


アタイはサチが欲しくなっていた。


もはや連れて帰ることは決定事項だ!


夜までたっぷり言葉を教えてもらった翌日。


アタイは周りのヤツらとサチに礼を言って、サチと共に帰ることにした。






「アタイ、カエル。オマエラ、セワニナッタ。サチモラッテイク、ジャマスルヤツコロス」


アタイはサチを小脇に抱えた。






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