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異世界転生したけど、暇だから生きている人間でダンジョン攻略ゲームして遊びます。  作者: ひとみんみん


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1.レオン・フラガリア・アナナッサ

「おっ、俺って異世界転生してるんじゃん?」


 13歳のある日、突然気づいた。

 地球の日本から、異世界リリスゲートの世界のアイステリア王国という国に侯爵家三子レオン・フラガリア・アナナッサとして異世界転生している事に。

 このアイステリア王国は、日本と違って特に女子だから男子だからという事はなく(魔法が発達しているからかな)、先に生まれた子供から順番に家督を継ぐことになっている。


 上の二人……一番上の姉、その次に兄、そして俺の順番だ。


 俺はスペアもスペアで、程ほどに貴族としての教育を受け、程ほどに自由にさせてもらっている。

 俺が不自由しないようにと、専用のメイドと従僕がついており、俺は特に勉強が終わった後は何もやることがない。


「レオン様、『異世界転生』とはまた庶民の本でも読んだのですが? そのような妄想を抱くことは自由ですが程々にしてくださいね」


 俺の自室での呟きを拾って、従僕のテレス(男・男爵家四子)が早々に突っ込みを入れてくる。

 失礼な奴だ。


「テレス、レオン様はまあまあ真面目な方。侯爵家の三子っていう微妙な身分に生まれて、真面目に考えて頭がおかしくなってしまった。そっとしとくべき」


 メイドのミリア(女・騎士爵家五子)も失礼なやつだ。

『まあまあ真面目』ってなんだよそれ。


「前世で『やらない善よりやる偽善』って言葉があったんだよ。暇つぶしに、孤児院と冒険者ギルドに投資して遊ぼうと思う」


 俺は前世でシミュレーションゲームが好きだった。

 あり得ないパーティー構成を考えるのが好きだったし、今の冒険者は近接攻撃が主流みたいだが、俺は弓とか魔法の飛び道具一択だ。


 手始めにアナナッサ侯爵家の領地にある未攻略のダンジョンをクリアしてみることにした。


「早速めぼしい孤児院に行って魔法を使える良い感じの子供を漁るぞー」

「クズな貴族らしくてよろしいと思います」


 テレスが俺の言葉に失礼な同意をしてくる。


「どうせレオン様の事だから生ぬるーい極悪非道(笑)をやるにきまってる」


 ミリアも失礼だ。

 まあ、侯爵家の三子につくメイドと従者などこんなもんだろう。

 それも面白い。


 ---


 それで、やってきました。

 手始めに兄と姉が手をつけていない孤児院。

 テレスとミリアが事前に手配をしてくれていた。


 貴族の道楽に付き合って金を稼ごうという子供たちが、孤児院の庭に集められている。

 上は俺と同じ13歳から下は9歳くらいの子供が俺の指定通り20人くらいだ。


 場を綺麗にする生活魔法があるから、皆、衛生的で綺麗な顔をしてはいるがボロボロな服を着ている。


「よおし、初回豪華ログインボーナスでこの魔法攻撃と物理攻撃を弾く『聖者のローブ』をプレゼントするから、皆、魔法はできるかな?」


 防具屋の店売りの『聖者のローブ』をテレスとミリアから、子供たちに配ってもらう。

 前世での価値で言うと日本円で30万くらいはする。

 ふわっとしたフード付きの白いローブだが、20人に一斉に着せると壮観だ。


 この異世界の人間は小さい魔法なら撃てるやつは結構いる。


 しかし、孤児院在籍の子供だけあって半数の者は攻撃魔法が撃てなかった。


 俺はそういう子供を一通り回って、魔法のできる俺(俺は貴族らしく4属性一通りできる)と無理やり魔法力をシンクロさせて無理やり魔法回路をこじ開けた。

 後で高熱が出るかもしれないが、子供たちは皆魔法回路を開くことを了承した。

 理由は簡単、攻撃魔法ができると将来の飯のタネが広がるからな。


 そして、俺は20人の孤児たちを連れて、冒険者ギルドに向かった。

 孤児たちは少し恐怖の入り混じった顔をしている。

 噂で貴族の道楽やわがままでとんでもないことをさせられたやつがいるのを聞いているのだろう。


 しかし、『聖者のローブ』という高い服を貰った以上、それだけではないという予感を感じているようで今の所、俺に素直についてくる。


 冒険者ギルドでは領主の息子という事で、20人もの孤児を連れてダンジョンに潜ることを許可された。


「重ねて聞きますが、壁にするつもりで子供たちを集めたわけではないのですよね?」


 冒険者ギルドの受付嬢(ハーフエルフのちょっと可愛い子)が、決死の表情で俺に聞いてくる。

 でも、『聖者のローブ』という一着30万相当の防具を着せられている子供たちを前に、さすがに本気でそう思っているわけでもないようだ。


「大丈夫です。貴族の暇つぶしというやつですから、いざという時にはもちろんこちらの侯爵家三子であるレオン様が魔法で対処しますので」

「レオン様、偽善者。良いやつ」


 テレスが代わりに答えて、ミリアが念のため用意しておいた誓約書を見せる。(毎秒失礼を繰り出す従僕とメイドはどうにかしてほしいが、まあでも貴族の第三子ともなれば以下略)

 誓約書には『レオン・フラガリア・アナナッサの名に懸けて子供たちの安全を確保する』と書いてあった。

 それを冒険者ギルドの受付に提出した。


 そして朝から活動した甲斐あって昼ぐらいにはダンジョン前の広場に到着した。


 俺の指示で5人ずつで小さいやつから順に並ばせている。

 本当は魔法を撃つ練習もさせたかったが、孤児たちの魔法容量は少ない。


「この列を崩さないようにダンジョンを進んでいく。モンスターに遭ったら、一列目から順に一斉に端の奴の号令で火魔法を撃つんだぞ。お前らが危なくなったら、俺が魔法を撃つから」

「はーい!!」


 孤児たちは朝から長時間俺と一緒に居たせいで慣れてきたのか、はたまた採算度外視で昼飯に配ったイチゴジャム付き白パンでご機嫌になったのか、会った時とは打って変わって調子のいい返事を返してくる。


「じゃあ、行くぞ!」


 そう号令をかけて、5人の横列×4列を従えてダンジョンに入る。

 そんな事をするやつはいないらしく、ダンジョンに入る前に立っているギルド員や警備員に2度見3度見された。

 貴族は見られるのに慣れているから、俺は何でもなかった。


 ダンジョンに入ると、少しヒヤッとした空気に包まれた。

 少し光る白い石壁でできた神殿のような造りのダンジョンは、この世界『リリスゲート』を作り出した神『リリス』が、人間に試練を積ませるために作り出した試練場だという事だ。

 だから等間隔で魔法の火(どういう原理なのか二酸化炭素を排出しない)が灯っている。


 後、階層ごとにトイレとか休憩スペースみたいなものも設置されている。

 当然ながらそこにはモンスターもあまり寄ってこない(追いかけられた状態だと、モンスターも侵入してしまうが)。


 ちなみに俺は貴族なのでこのダンジョンだけでなく、ありとあらゆるダンジョンを暇つぶしにそこそこ回っていたが、貴族の魔法力ではモンスターとの戦いがヌル過ぎてあまり楽しくない。

 深層に行けばいいが、貴族なものであまり深層に行って自分の命を危険にさらすことは許されていない。

 俺はスペアのスペアだしな。


『スキル『わらべたちの集い』発動!! ~子供たちでも隊列を組んで集まれば何かを為すこともある~ このスキルの発動により魔法力が2倍になります』


「うおっ!?」

「どうされました?」

「?? ………な、なんでもない」


 目の前にいきなり光る文字がデカデカと表示されて驚いた。


 この世界の元になったゲームなどは何もしらないけど、ゲームの世界なんだろうか?


 俺以外のやつらには見えてないようだ。

 この年になるまで、こんな異常な事をしなかったからなのか、あるいは前世を思い出したから、こんなゲームみたいな表示が見えるようになったのか。

 前世のゲームをプレイしているみたいで、俺はワクワクした。


 そうこうして、ダンジョンを進んでいる内にゲームでもお馴染みのゼリー状のモンスター『スライム』に遭遇した。

 ポヨンポヨンした動きが特徴で、そのプヨプヨしたボディでタックルしてくるぐらいしか攻撃手段のないモンスターだ。

 だが、冒険を始めたばかりの初心者ともなれば、スライムのタックルはかなり痛いらしい。


「さあ、事前の指示通り最前列の五人で『ファイヤー』を撃て!」


 俺の指示に、孤児たちは少し怯えるような仕草を見せた後、『ファイヤー』をスライムに向けて撃った。

 それぞれそこそこ大きめの(とは言っても俺の魔法には全然及ばないが)火の塊が5つ飛び出してスライムに命中する。(実は2個ぐらい当たらないのもあった)


 難なくたった一匹のスライムを倒すことができ、小さすぎる魔石とレアアイテムスライムゼリーが落ちた。


「えっ?! スライムゼリー落ちるの?」


 俺は思わず大きな声を出す。俺とテレスとミリアでダンジョンの低層階を攻略していた時は全然落ちなかったからだ。


「この子供たちの誰かにスキル『幸運』の持ち主でも居るのでしょうか?」


 テレスが20人の子供たちを眺めた。


「もしくは分からないけど、子供たち全員の運が合わさって幸運になったとかかもしれない。子供の内は運が良いことが多い。少なくともレオン様よりは」

「おい、毎秒失礼だぞ」


 ミリアの言葉に一部納得しつつも突っ込みを入れる。


「今魔法を撃ったやつは列の一番後ろに回れ。素早く。そして休め。魔力を回復しろ。気合いだ」


「はーい!!」

「モンスター初めて倒したー!」

「魔法って便利ー!」

「ありがとうー、貴族様ー」

「ありがとうー」


 俺の言葉に子供たちは素直なもので、列の入れ替えは素早かった。

 子供たちの中には初めてダンジョンに入ったものも居て、初めての体験に目を輝かせている。


 俺もなかなか面白かった。

 ゲームも何も娯楽がないこの世界では、生身の人間で遊ぶしかない。


「俺は子供で遊ぶ極悪非道の人間なのだー。礼なんていらないからな」


 そうやって子供たちを4列編成で休ませつつ、低層階のダンジョンを攻略してその日は順調に終わった。

 収穫物はスライムゼリーや大量の魔石、その他スチールホーンラビットの角やコットンバタフライの羽などだ。


 そして、テレスとミリアに命令して、孤児院に魔力を養うためのパンや肉を届けさせ、ギルドで収穫物を換金して得たものは全部孤児院に持たせた。

 後、やる気があるものに学ばせるため、魔法学の教師を派遣しておいた。

 魔法書を読める学力を身に着けさせるところからもちろん始める。


 ちなみに孤児院が『聖者のローブ』や大量の金を持っていても危なくない。


 アイステリア王国はそもそも入国の時点で犯罪者が入らないように、犯罪を識別するオーブで入国者を選別してる。

 後、初犯で犯罪を犯すようなやつも、アイステリア王国有数の貴族『アナナッサ侯爵家』を敵に回したら大変な事になると分かっているのだ。


「だから俺は安心して孤児を使ったダンジョン攻略ゲームを楽しめるってわけ」

「誰と話してる? 気持ち悪いな」


 俺の寝る前の独り言に、ミリアが失礼な事を言った。


「やめなさいミリア。レオン様がそうなのはずっと前からでしょう」


 テレスがミリアの言葉に乗っかって追い打ちをかけてくる。

 俺はふて寝した。

 夜はぐっすり寝るに限る。


 ---


 俺の孤児たちを使ったダンジョン攻略ゲームは順調に進んだし、なんなら父上にお褒めの言葉を頂いた。

 孤児を連れて低層階や時には中層階も様子を見つつ進んでいるので、低層階と中層階のモンスターのレアアイテムが潤沢に市場に回るようになったからだ。


「お前にしてはよくやるな」


 そう、父上からお褒めの言葉を頂いて、俺は、


「ありがとうございます。父上の資金援助のおかげさまでございます」


 と返事をする。

 にっこり、と笑顔でだ。

 スペアのスペアの価値の俺だ。

 出しゃばらずに、飼っておく価値のある子供でなくてはならない。


 ---


「ねえねえ、貴族様ー」

「なんだ? レオン様で良いぞ。名前を呼ぶことを特別に許す。大事な(ゲームに必要な)子供だからな」

「ありがと、レオン様ってあのメイドさんと付き合ってるの?」


 ダンジョン攻略中のおやつタイム(魔力の回復には小休止も非常に重要な要素だ)に、孤児の女の子の一人が声をかけてきた。名前は確か……エリーだったかな。

 最近、傾向が絞れてきてエリーがダンジョン攻略に参加している時にレアアイテムがドロップすることが多いな、と思っていたので名前を覚えていた。

 俺の一つ下の12歳だからか、こうやって時々ませた口を聞いてくる。


「メイドはどこまでいってもメイドだ。俺は貴族は貴族でもスペアのスペアだからな。姉上や兄上ならともかく、恋愛や家族というのは、現状、俺には要らないことになっている。要らないお家騒動の元だからな」


 まだ姉上や兄上は若い。それぞれの婚約者とまだ結婚もしていない内から、俺が恋人やあるいは特定の相手を作ってみろ、本当にトラブルの元だ。


「…………ねえ! スペアのスペアなら。レオン様をお婿さんに貰える? この今、攻略してる未攻略のダンジョンを完全攻略して、私の物にしたら。ダンジョンコアと引き換えに、レオン様を………っ!」

「話はそれまで。レオン様と近くなったように感じても平民は平民。偽悪者でお優しいレオン様は、何も問題がなければ、ずっと領地の隅で飼い殺し」


 顔を赤らめながら突拍子もないことを言い出したエリーに、休憩スペースの周りを見回っていたミリアが割って入った。

 毎秒………本当に失礼だな………。


「そ、そんなの酷い。こんなに優しくて孤児の私たちに優しく色々教えてくれるのに。私が、頑張って立派な冒険者になってオリハルコン級の冒険者になって、世界中のダンジョンコアを差し出したら………!」

「危ないことはやめろ。俺は平民のお前にそんな事をして欲しいために色々やらせているんじゃない。平民は自由だからな。その自由な様子を見て、楽しみたいと俺が思っただけなんだから」


 そう、あくまでも俺の暇つぶし。

 領地で貧しい生活をする孤児達に色々やらせて楽しむ俺の暇つぶしなんだから。


「そんな事を平民が言い出すなら、レオン様の楽しいお遊びは中止しましょうか? 旦那様に家令から進言してもらえばすぐですので」


 具合が悪いことに、この他愛もない言い争いにテレスも加わってしまった。

 テレスの冷静な視線が俺とエリーに突き刺さる。

 こういう時、イケメン従僕の凍る目線が怖い。


 なんで、俺は悪くなくない? 俺は会話に付き合ってやっただけだし、なんならちゃんと拒否したし。

 ………とは思ったけど、テレスの怖さに何も言えなかった。

 時々忘れがちだけど、テレスもミリアも貴族で貴族の辛さはこいつらも分かってるよな。


「………………ごめんなさい。平民が出過ぎた真似をしました。ちゃんと分を弁えるのでお許しください」


 エリーが、ちょっとした沈黙の後に謝って頭を下げた。

 俺もホッとして大きく頷く。


「うんうん、ちょっとした休憩の時の言葉遊びだよな。俺、分かってた。テレス―、眉間に皺寄ってんぞ。気をつけろー」

「レオン様におかれましては、上位貴族としてしっかりしてください」

「はい、ごめんなさい」


 テレスにしかられて、俺も謝って、エリーにだけ見えるようにペロッと舌を出す。

 俺はスペアのスペア、娯楽も少ないこの世界で、楽しいことを続けたい。


 ---


 それからは平穏な日々が続いた…………、かのように思っていた。

 父上に呼び出されるまでは。


「お前のやっている事は領地に貢献したと思っている。しかし、豊富なレアアイテムを見て、他の領地の貴族たちもどこからか聞きつけたのか、お前と同じ真似をするものが現れてな。禿でデブの金に汚いスルト伯爵のジジイがな。フォローもなしで領地の孤児に無茶をさせて大けがをさせたらしい」


 父上の冷静な言葉を聞いて、俺は氷水を頭からぶっかけられたような気持でいた。


「お前のやっていることはアイステリア王国の犯罪を識別するオーブに弾かれるような犯罪ではない。だが、今回大騒動になって、スルト伯爵のジジイがアナナッサ侯爵家が先陣を切ったのが悪いと議会でぶちまけてな。平民が自主的にダンジョンに潜って大けがをしたならともかく、貴族が主導でやったのが、平民という資源を減らす大問題だと理屈をこねおった」

「申し訳ございません。俺の独断ですべてやりました。責任をとって領地の隅で謹慎します」


 その場で膝をついて、父に謝った。


「うむ、ほとぼりが冷めるまでその方が良いだろう」


 父が鷹揚に頷いて、手をひらひらさせ俺に退出を促した。

 いつの間にか側に来ていたテレスとミリアに脇を支えられながら、父の執務室を出る。

 考えなしだった。

 この世はゲームじゃない。現実だったんだ。


 ---


 その後、俺は謹慎中と言っても領地で勉強と魔法の修行を積み、時には姉や兄の代行として執務の手伝いをして無難に過ごした。

 スルト伯爵領の孤児院にはなんとかスルト伯爵の監視をかいくぐり、直接大けがをした孤児に上級ポーションを届けてもらった。


 そして、まだ往生際の悪い俺のわがままとして、詫びの気持ちも含めて、エリーのいる孤児院への援助は続けてもらった。

『聖者のローブ』もプレゼントしたままだ。

 プレゼントしたのは防具としてだけど、ボロボロの服を着ていた孤児たちには役に立つだろう。

 それも平民には目立ちすぎる服で、俺の貴族特有の嫌なわがままかもしれないけれど。


「レオン様は貴族としてはマシな方。孤児はどっちにしても自分たちで稼ぐ力を身につけなきゃいけない。結果的にレオン様のやった事は悪影響だったけど、魔法もちゃんと使えるようになって、読み書きも魔法の勉強の一環でできるようになって、子供たち感謝してた」


 領地の隅の謹慎用の屋敷まで着いてきてくれたミリアが、毎秒失礼をするお約束を破って、本気の慰めの言葉をかけてくるところが、逆に胸をえぐる。


「あの後、孤児たちはエリーをリーダーとして冒険者ギルドに正式に冒険者として登録したそうです。アナナッサ侯爵の遠回しな制止を振り切って、『平民がダンジョンを自分の気持ちで攻略するのは自由だから』と。そして…………これは言わないでおきましょう」


「え、何…………? というか、もう色々こんだけの事があったんだから、平民としては危ない目に遭わない権利があるよな?」


 エリー達がダンジョン攻略を続けていると聞くと、居たたまれなくなって未熟な俺は叫びだしたい気持ちになる。

 俺が悪かったから、もうやめてくれ、という身勝手な気持ちを抱いていた。

 ……………俺は、全然エリーの気持ちなんて分かっていない最低の人間だったんだ。

読んで下さってありがとうございました。

もし良かったら評価やいいねやブクマをよろしくお願いします。

また、私の他の小説も読んでいただけたら嬉しいです。

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