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店から帰りしなにさきちゃん、アルカちゃんにお手当の話をする。それぞれいっぱいいっぱいの中丁寧に重ねることを約束し博子帰宅。

戻りしなに、博子はさきちゃんとアルカちゃんを軽く呼び止める。

「そういえば、お手当てのこと言うてなかったわ。」

「お、聞きたい。」

アルカちゃんがすぐに食いつく。

さきちゃんも、少し身を乗り出す。

「まず、税理士先生の方の麻雀同伴に関しては、一回二万五千円で決まったわ。」

「二万五千円か。」

アルカちゃんが少し考える。

「意外と少なかったな。」

「まあ、私も最初そう思ったんやけど。」

博子は苦笑いする。

「よく考えてみたら、同伴でくっついてるやん。」

「同伴以外に、なんかご飯行ってるわけじゃないから。」

「確かに。」

「最初は二万かなって言われたんよ。」

「二万。」

「そう。で、麻雀同伴の麻雀って、結局カレーと場代ぐらいやから。」

「もうちょっと多めに出してくださいって言うて、これでも二万五千円でなんとかしたんや。」

さきちゃんは、それを聞いて少し頷く。

「まあ、博子ちゃんがそこまで言ってくれてるんやったら、もうそれ以上は文句言わへんわ。」

「ほんま?」

「うん。むしろ、そのお金の一部で、麻雀の練習したりとかしようか。」

アルカちゃんも頷く。

「それはありやな。」

「必要経費やと思った方がええ。」

「そうやねん。」

博子は、少し真面目に続ける。

「アルカちゃんは多分、スピード的に大丈夫やと思う。」

「まあ、なんとかなると思う。」

「でも、さきちゃんとカレンちゃんは、ちょっとやっぱ練習した方がいいかなって感じはした。」

「まあ、確かになあ。」

さきちゃんは素直に認める。

「男の人の卓って、やっぱ早いやろ?」

「早い。」

「博子ちゃんも結構いっぱいいっぱいやったしな。」

「うん。私もかなり必死やった。」

「じゃあ、もう一回ぐらい練習入れよ。」

「そうしよ。」

そうやって、麻雀同伴については、金額も含めて大きな不満なくまとまる。

派手な金額ではないけれど、月一で回るなら悪くない。

そして何より、次につながる。

総当たり戦になれば、また別の形で膨らませられる。

「で、あと。」

博子は、少し声を落とす。

「東京のイキリ社長に関しては。」

「ああ。」

「結局、今回ライトな感じで終わったけども。」

「一人頭二十万やってくれると。」

「おお。」

アルカちゃんが素直に声を出す。

「やっぱでかいなあ。」

さきちゃんも目を丸くする。

「一人頭?」

「そう。一人頭二十。」

「ありがたすぎるやん。」

「うん。」

ヒロコも頷く。

「やけど、なんかこっちのあわあわ具合も見てくれてのお代やっていうところもある。」

「あわあわ具合って。」

「いや、もう実際あわあわしてたやん。」

「まあ、してた。」

「土曜も日曜も、こっちはこっちで必死やったし。」

「でも、それをちゃんと見てくれてるならありがたいな。」

「うん。」

ヒロコは、そこで少しだけ言いづらそうに続ける。

「で、イキリ社長単品では、また来るわって言ってはるんよ。」

「ああ。」

アルカちゃんが少し笑う。

「やっぱり。」

「で、その分のお手当がちょっと私に乗っかってて。」

「なるほど。」

「もうちょっと細かい話とか、聞き役みたいな感じでやってほしいなっていうことは言われてんねん。」

さきちゃんは、少し考える。

「まあ、博子ちゃんは刺さってるからな。」

「でもね。」

博子はすぐに言う。

「あの辺の社長たちを抱え込むって、結構大変なんよ。」

「わかってるって。」

アルカちゃんが笑う。

「博子ちゃんが大変なんやから。」

「そう。」

「横の社長たちをつつきながらやれば、個別でいけるチャンスみたいなのは出てくるかもね。」

「それはあるかも。」

博子も頷く。

「ただ、無理に取りに行くというより、座組でちゃんと関係作って、そこで枝が出たら拾うぐらいが

ええと思う。」

「せやな。」

「変にがっつきすぎると、あの人たち引くやろうし。」

「それはわかる。」

さきちゃんも頷く。

「価値あると思ったら出してくれるけど、つまらんと思ったら一文も出さんタイプやろ。」

「たぶんそう。」

「じゃあ、なおさら丁寧にやな。」

「うん。」

博子は、少しだけ肩の力を抜く。

「いやでも、それだけやってくれたら、こっちもなんか返さななって気にもなるしな。」

アルカちゃんが言うと、博子も真面目に頷く。

「ほんまそれ。」

「また座組の時は、本当に丁寧にやりたいと思ってるし、よろしくお願いやわ。」

「もちろん。」

「こっちも頑張る。」

サキちゃんも笑う。

「麻雀も練習するし、北山も行くし、酒蔵も行くし。」

「聞いてるだけで忙しいな。」

「忙しいねん。」

三人で少し笑う。

けれど、笑いながらも、みんな少し安心している。

麻雀同伴は二万五千円で形になった。

東京イキリ社長の方は、一人頭二十万という大きな評価をもらえた。

個別の枝も出てきた。

もちろん負担も増える。

でも、ちゃんとお金と評価が返ってきている。

それは、この仕事を続けるうえでかなり大事なことやった。

「ほな、今日はもう帰るわ。」

博子は、少し眠そうに言う。

「帰り帰り。」

「寝た方がいい。」

「ほんま、顔ちょっと限界やで。」

「わかってる。」

博子は苦笑いする。

「今日は帰って爆睡する。」

「それがいい。」

「また明日以降、細かいこと詰めよ。」

「了解。」

そう言って、博子は店を出る準備をする。

外に出ると、夜風が少しだけ涼しい。

頭の中はまだ、麻雀、酒蔵、北山、個別来阪、お手当でいっぱいである。

でも、とりあえず今日のところはもう考えない。

家に帰る。

寝る。

それだけでいい。

博子は、ふらふらしながらも、どこか満たされた気持ちで帰路につき、そのまま家に着くなり、

ほとんど倒れ込むように爆睡するのだった。

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