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東京メイン社長、博子の講義とコンサルティングフィーに関する評価を送信して東京駅到着。社長陣解散。いい土日やった

三人であれこれ話し合った結果、最後はかなりきれいに整理がついた。

東京メイン社長がスマホを持ちながら、「じゃあ、メールの内容としてはこうやな」とまとめに入ると、残りの二人も「それでええと思う」とすぐに頷く。


まず、博子ちゃんのコンサルティングに関して。

これは、あの後半二時間の構造解説の方や。

なんでメイン社長にあそこまで刺さったのか、どういう導線で気持ちを上げて、どうやって

腹落ちまで持っていったのか。

あれをただの感想やなく、ちゃんと言語化して、しかも実例を交えながら分解して見せてくれた。

その価値は、メイン社長だけのものやなくて、他の二人の社長にも十分伝わった。

だから、そこについては三十万を二人分、つまり三十×二で六十。

これは、あの解説を受け取った社長二人が払う、という形で整理することにした。

次に、奨学金返済補助の制度コンサル。

これについては、三人とも異論がなかった。

ただ思いつきをしゃべったんじゃなくて、簡易とはいえ試算まで出して、会社の中で

検討を始めるための叩き台として十分使えるレベルまで整えていた。

しかも、実際に会社の中でこういうものを一から考えて、社長に上げるのが現場ではどれだけ

面倒くさいかまで、博子ちゃんはわかった上であの紙を出してきている。

そこが大きい。だから、制度コンサルに関しては二十万を三人分、つまり二十×三で六十。

これは男性陣三人から出す、という形で話がまとまった。

ただし、それで終わりにはしない。

奨学金返済補助について、もし実際に導入が決まって、社員の満足度や採用、離職などの実数で

「これだけ効果が出た」というのが見えてきたら、その時はそれに対して別途払う。

そこは三人とも自然にそういう話になった。

今回の六十は、あくまで入口。

叩き台と気づきと、動くための資料に対する評価や。

ほんまに数字で返ってきたら、その分はまた別で考えるべきやろう、ということやった。

さらに、博子ちゃんが今回みたいに、他に思いついたことや「お品書き」を持っているなら、

それについてもまた同じように紙にまとめてもらって、数字を出してもらう。

で、実際に使えそうや、社内で話を上げられそうや、となれば、その都度別途手当を払う。

つまり、一回きりの話やなくて、ネタがあるごとに小さく走らせる形や。

その方が、こっちとしても受け取りやすいし、博子ちゃん側も無理なく出せるやろう、

という話で三人とも納得した。

そこまで整理してから、メイン社長はスマホに向かって、ゆっくり文面を打ち始めた。

話は二つ。

一つは構造解説について。

もう一つは制度コンサルについて。

それぞれ金額と趣旨を分けて書く。

ごちゃ混ぜにすると、せっかく整理した意味がなくなる。

だから、そこはちゃんと線を引く。

ただ、書き方そのものはあまり硬すぎない。

博子ちゃんに対して業務連絡だけ投げるような感じにはしたくないし、今日の流れを汲んだうえで、

こちらもちゃんと感謝していることが伝わるようにしたかった。

最後の締め方だけは、三人で少し相談した。

今日の二日間は、とにかく濃かった。

博子ちゃんも、アルカちゃんも、さきちゃんも、たぶん相当疲れている。

だから、今すぐ返事をくれ、という形にはしない方がいい。

メイン社長もそこはよくわかっていた。

「まあ、話は二つやけど。」

そう言って、文面の最後にやさしく一文を足す。

「今日は全然疲れてるやろうから、一回寝てもらって。

落ち着いた時に、また女性陣で話し合ってみてください。」

その一文を見て、残りの二人も「それええな」と頷いた。

ぐいぐい行きすぎない。でも、ちゃんとこちらの意思は伝える。

そのバランスが、今回の博子たちとの関係にはちょうどよかった。

メールを送り終えた時には、もう東京駅はすぐやった。

三人とも、ハイボールも飲み切って、だいぶ満足した顔をしている。

今回の大阪京都遠征は、思っていた以上に濃くて、思っていた以上に収穫があった。

単なる遊びやない。単なる接待でもない。

でも、理屈っぽくなりすぎずに、ちゃんと楽しかった。

そこがやっぱり大きかった。

「ほな、またな。」

新幹線を降りる時、そんな軽い言葉で三人は別れた。

でも、それぞれの中ではもう次のイメージができている。

また大阪京都に行くんやろうな、という気持ちが、もう当たり前みたいにあった。

「とりあえず、今日はゆっくり寝ようぜ。」

誰かがそう言って、三人とも少し笑う。

静岡を越えたあたりから続いていた長い感想戦も、ようやく終わりや。

東京駅の雑踏の中に消えていきながらも、三人の足取りは軽かった。

今回の二日間は、それぐらいしっかり満足させられていた。

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