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大学部に行くために昇降口を出たところでばったり会ったのは、龍。
「フィーさっき教室に来てただろう?問題は解決したのか?」
「あ、うん。日高くんに聞いたから。ただ、クラスが違う本戦出場者はパートナー可って事でしょう?」
「まぁ、そうだな。それで誰にするんだ?」
「え?ギルって今日本に仕事できている、お仕事仲間だよ。」
お仕事仲間といえば、あぁと納得する。
そういえば大学部の方にゲストできていたなと。
「時間があまりないから、今から「フィー!!!!」」
言葉をつなげる前に龍に力いっぱい引き寄せられ庇うように抱きしめられたと同時に、
ガシャン!!!
と陶器の割れる音がした。
腕の中から音のする方を見れば、割れた鉢植えが一つあった。
内心舌打ちをしながらも校舎を見上げる。
3回部分に鉢植えがいくつか置いてあるが落ちそうな雰囲気ではない。
左右の廊下を見るも、下から見える範囲で不審な動きをするような人物はいない。
もちろん、龍のファンもいない。
龍の声に何人か何があったんだと見ている。
あの警告の手紙をもらっているからこれは、人為的なものだろう。
「大丈夫か?」
「あ?うん。ちょっとびっくりしたけど怪我もしてないし大丈夫、ありがとう。」
離れようと思った時、明るい声が竜の後ろから聞こえてきた。
『あら〜。お姫様すみにおけないわね。私というものがありながら。』
その声に龍の腕の中から顔を出す。
『ギル!!ちょっと助けてもらっただけだよ。それより、ギルにお願いがあるんだけど。』
『あら、お姫様のお願いならなんだって聞いてあげちゃうわ。』
『私とコンテスト出てくれない?詳しい条件を聞いたら当てはまるのギルしかいなくて。』
『んふ。エスコートね?任せて!張り切っちゃうから。』
龍の腕の中から抜け出し、ギルと両手をギュッと握ってキャッキャとテンションを上げる。
『・・・フィー、こちらの方がギルバートさん??』
『そだよー。ギル幼馴染の龍哉。この高等部の生徒会長だよ。』
『初めまして。私のお姫様がお世話になってるみたいで。』
『いえ、こちらこそフィートは仲良くさせてもらってます。』
表面上はにこやかな笑みを浮かべている2人だけれど、握手を交わす2人の間にはピリピリとした空気が流れている。
それよりも私はいつギルのものになったのだろうか?
些細なことを気にしつつも、一度ロッカーに荷物を取りに行く。
正確には手紙だ。
あんなことがあった後だ。必ず何かしらの手紙が入っているはず。
ロッカーを開くと案の定大量の手紙が入っていた。
暇人どもめ!!
久しぶりに悪態をつきながらも手紙を回収する。
からかってくるかと思ったギルの反応はなく、見上げると眉間にシワを寄せて何かを考えている。
『どうかした?』
『いいえ?これ仕訳するんでしょう?手伝うわ。』
そう言ってロッカーに入っていた手紙の半分を持ってくれた。
ペーパーナイフを持ち出すとそのまま会場へ一先ず向かうことにした。
早く行かないとディが心配するに決まっている。
会場につき、ステージ衣装を選ぶ事にした。
テーマは“デート”なら普段している双子コーデ充分だ。
シンプルなデザインを選ぶと手紙の開封作業を開始した。
『多少の嫉妬は可愛いと思うわ。むしろして欲しいくらい。だけどここまでくると正直男としては引くわ〜。』
会場の一角に設けられた個人の控室でギルと開封した手紙を仕訳していく。
全て開いた後、その中に特に気になるものが二つ入っていた。
封筒には入っていない。
新聞の切り抜きを使った手紙だった。




