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旧神の手駒ちゃん、不法投棄物と共に異世界へ  作者: L4zz
転生?いいえただの不法投棄です
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プロローグ

文章やクトゥルフ関連の設定など間違ってたら御報告していただければ幸いです。

プロローグ


そこはただ暗く、広かったのです。


「どこですか…ここは?」


思わず問いかけてしまいましたが答えてくれる人なんていません。目の前に広がるのは唯々広大な暗闇だけです。そもそもこんな場所に私の言葉を理解できる生き物がいるのかすらも怪しいのです。


「さっきまで友達と一緒に遊んで…その後何をしたんでしょうか…」


考えれば考えるほど記憶は曖昧になっていきます。


「そうでした…その後家に帰って…」


そう、そこまではちゃんと思い出せるのに肝心の家に帰った後何が起こったかが全く思い出せません。無理に思い出そうとすると脳内に薄い靄の様な何かが立ち込め記憶を遮ってしまいます。


「とりあえずなにかしませんと…」


と言っても何ができるのか全く見当も付きません。四方は全ての暗闇に閉ざされ、目で見える物と言えば唯一いったいどこを足場にして立っているのか分からない自分の脚だけでです。


「ていうか自分の身体が見えるって結構おかしいですね…」


こんな光源もない所では自分の手脚を視覚出来るはずがないのに。


「ってそれが何になると言うのですか…」


そう。そんな事はどうでもいいのです、今重要なのはこの得体の知れない場所から脱出です。だけど依然として周囲は黒、黒、黒。私はまるで墨に突っ込まれた毛筆のよう、つまりお先真っ暗です。


しばらくそこに突っ立ってた後、なんだか段々と虚しくなってきました。


「何なんですか…いい加減神でも悪魔でも何でもいいから出てきて下さいよ…!」


やけくそに放った私のその言葉を聞き届けてくれたのかは分からないですが、確かに一つ変化した事が有りました。


「えっ!?私の身体が透けて…!?」


そう、さっきまで明かりが無いのに何故か見えていた自分の身体が急に透けてきました。正確に言えば身体じゅうから小さな光点が湧き出ては消えそのたびに身体の透具合がひどくなっていきます。これは流石に怖いです、泣きたいです。年甲斐もなく泣き喚きたいぐらいです。


「嫌!何がどうなってるんですかーー」


そのまま視界は暗転しました。


・・・・・・


恐怖をにじませた叫びはそこで途絶える。先程まで確かにそこにいた者は既に跡形もない、無人の静寂がその場を支配したと、誰もがそう思っただろう。


「――……」


何時からかそこに佇んでいた黒色の顔無き存在に人の目で気付けと言うのは余りにも無理難題であった。


叫びと共に消えていく女の一部始終を一句も放たず観察していたその存在は、彼女が消えると共にその姿を消した。


・・・・・・


「うん…?」


意識が覚醒する。


「ここは…」


どこなのでしょうか、寝起きのせいなのか頭がうまく働かないのです。


「う~ん…」


依然として上手く回らない私の頭は眠気を振り払うには余りにも頼り無いらしく、既に二度寝の準備を終えてしまったらしいです。朦朧としていく感覚の中、何故か鮮明にに何かの音が聞こえました。


「……――……」


自分の隣に誰かいる。普段一人暮らしの私からすればそれは余りにも恐ろしい事です。


「誰!?」


飛び起きた私の目に映ったのは慣れ親しんだ自分の部屋ではなく、辺り一面柔和な白い光に包まれたホールの様な場所でした。自分はその地面に寝ていたと悟ります。


「ふむ、ようやく起きたようじゃの」


唐突に掛けられるその声に驚き振り向きました、そして


「誰ですか…?」


と、そう目の前に佇む白髪と灰色の髭を持つ老人に尋ねました。


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