51 ロール転生 ~王都へ行ったら釣りをする
王都までの道中は、さすがに外で休憩することはなかった。
街道も整備されていて、街や大きな村で休憩することが出来る。
プレパの謎の狩猟技術が披露される事はなかった。
それは突然やってきた。
母上の膝枕で安眠していた俺に。
俺はむくっと起き上がった。
「どうしたのレイリー?」
母上が心配そうに俺に聞いてくる。
「さ、寒い・・・。」
突然、寒さがやってきたのだ。
なんだこれは?
魔物か何かか?
前世の記憶からすればシヴァとか?
てかシヴァってなんで氷属性なんだろ・・・。
「王都は寒いからなあ。レイリーには堪えるかもしれんな。」
お爺様がそんな事をいう。
いや、王都が寒いなんて聞いてない。
「母上、ジャンビットに帰りましょう。」
「同意してあげたいけど、そういうわけにはいかないわ。次の休憩で冬服を出しましょう。」
休憩する町で、お馬さんたちに囲まれた後に冬服に着替える。
「ねえベル、お馬さんたちは寒くないの?」
「お馬さんは寒さに強いですから。」
そういえばそうだった。
前世でもお馬さんの牧場は北に多かった。
冬服に毛布まで用意して貰ったので、俺の防寒は完璧だ。
ふっ寒さが何だ、今の俺は無敵だぜ。
って思った俺は愚かだった。
突き刺すような寒さが俺を襲ってくる。
馬車の中で毛布に包まっても震える俺氏。
くっ、おのれ寒さめ、そっちがそう来るなら、こっちだってスキルを使ってやる。
「母上、耳あてと手袋を購入してもいいですか?」
「耳当てって何なの?」
「これです。」
そういってタブレットに耳当てを表示させた。
寒さのやつは、耳を重点的に攻撃してきやがる。
「300ポイントなのね?」
「はい、これだけは高いやつじゃないと効果がないんで。」
「とりあえず購入してみなさい。」
青のペールトーンのを1つ購入し、母上に着けてもらう。
調整方法を母上に教える。
どうせここにいる全員分を購入する事になるので、母上にプレゼンだ。
「温かいわね。」
「じゃっかん聞こえにくくなりますが、防寒はバッチリかと。」
「いいでしょう、購入しなさい。」
残り5つの耳当てを購入し、手袋もフリーサイズ5つと子供用1つを購入した。
青のペールトーンを1つ、お婆様用に赤のペールトーン、お爺様用に緑のペールトーンをそして、ベルとリサ用に黄色のペールトーンだ。
手袋の色も耳当てとお揃いにした。
しかし、この子供用の手袋って前世でなんで購入したんだっけ?小顔な姉もさすがに手袋はフリーサイズだったけども。まあいいや。
「はあ・・・。」
母上が小さくため息をついたが気にしない。
耳当てと手袋を装備して完璧だ。
よしお昼寝しよう。
耳当てをしているので、母上の膝の上に仰向けに眠った。
zzz・・・
この時の俺は知る由もなかった。
王都で起こる数々の出来事を。
この世界を脅かす異変が着実に進んでいることを。
そしてロール転生の本当の意味を・・・。




