24 お見送り
まず最初にお見送りしたのは、母上の友人二人だ。
俺の事を散々撫でまわした後に馬車に乗って去っていった。
二人を見送った後に大人たちで話し合いがあったようだが内容は知らぬ。
で、最後にイケメン男爵を見送るのだが。
俺は口をポカーンと開けて、馬上の人を見た。
えっ?単騎。
そんなことある?
男爵夫人兼男爵がお茶会に出席するのに単騎?
「レイリーはどうかしたのか?」
イケメン男爵が母上に聞いてきた。
「あなたが単騎なのをビックリしてるのよ。」
「そんな事か。単騎の者を襲う野盗もおるまい。うまみもないだろうし、何より野盗風情なら100人来ても負けはせん。」
かっけー
めっちゃかっけー
これがイケメンかっ
俺はキラキラした瞳で馬上のイケメン男爵を見つめた。
「ではテレサ、また伯爵家で会おう。」
「ええ。」
そんなやり取りをした後、イケメン男爵は自領に帰っていった。
てか、母上は伯爵家に行くのかな?
その後、お爺様とお婆様も帰るための準備を始めた。
当初の予定と変わった為、お爺様と釣りに行く予定は無くなった。
母上も準備に忙しく、ベルとリサも右往左往していた。
俺は一人のほほんとしていたのだが、ベルとリサはどちらか残ってくれるのだろうか?その点だけがちょっと不安だった。
「レイリー。」
そんな俺以外が忙しくしている最中、母上に呼ばれた。
「これだけ周囲が動いていれば何があるか判っているわね?」
「はい、母上が伯爵家に行かれるのですよね?」
「はあ。」
母上はため息をつきながら額に手を当てた。
「私が一人で行くと思う?」
「ベルかリサも行くのですよね?」
「あなたも行くのよ。」
「ふぁっ?」
「全く、一人のんびりしてると思っていたら、わかってなかったのね。」
いや、なんで俺が?
「えっと、何の為に?」
「平たく言えば顔見世ね。」
いやお爺様とお婆様、ここにおるんやけど。
「伯爵家で大規模なお茶会が開催されるのよ。」
へー・・・。
「えっと、もしかして。」
「もしかしなくても、あなたのスキルを使うわ。」
そんな無茶な。
無い袖は振れませんよ。
「ぽ、ポイントがありませんよ。」
「伯爵家に行けば魔物素材が大量にあります。問題ないわ。」
へー、大量にあるんだ。
しかし、しかしだよ?
俺に何のメリッ・・・。
「母上、伯爵家には僕の従兄がいるんですよね?」
「ええ、長男のアドルは王都に居るけど、次男のマーカスは伯爵家にいるわ。」
おお、我が愛しの生贄のマーカス君。
いけねっ、生贄って言っちゃった。
メリットを見つけた俺は、さっそくお出かけの準備にかかる。
まず外せないのはシマエナガ君だ。
「それは置いていきなさい。」
いきなり出鼻をくじかれた。
「な、何故に・・・。」
「嵩張るでしょう。それに伯爵家に滞在するのは私の部屋よ。」
えっ?私の部屋って言いました?
嫁に出てるのにそんなん残ってんの?
しかし、俺は迂闊にそんなことは聞かない。
そうなると釣り道具か。
しかし馬車移動で壊れる可能性があるから、100Pショップのタックルは持っていきたくない。
そうこう考えてると、あれ?俺、持っていくものなくね?
それに気が付いたので、再びまったりすることにした。
「母上、ポーチの中に飴を入れておきたいのですが、購入してもいいですか?」
残弾は確保しとかないとな、待ってろよ生贄君。
「いいでしょう。」
俺は一袋購入し、ウエストポーチの中に入れる。
ついでに1つ食べようと思い、まず一つを母上に献上する。
ベルとリサ合わせて周囲に5人の使用人が居たので、ベルに5つ渡す。
で、俺も1つ食べる。
うーん、ウエストポーチ、スカスカじゃね?
100円ショップの飴は元々数が少ないからしょうがないか。
その後、会う人会う人に
父上や、お爺様、お婆様、使用人たちに飴を配ってたら無くなった。
「母上、飴を購入してもいいですか?」
「・・・いいでしょう。」
今回は、母上から許可を貰い2袋購入した。
1つは自分が、そして母上、ベルとリサ、周囲に居た人たちに配る。
何故か気が付くと残弾が心もとない。
なんだこの永久ループは・・・。
母上にもう一度頼むのを躊躇してたら救いの手が。
「これはとても美味しいわ、1袋欲しいのだけど。」
お婆様が母上に頼み込んだのだ。
「仕方ないわね。レイリー。」
「あの母上。」
「はあ・・・、補充もしておきなさい。」
よっしゃあーっ!
許可が出たので、お婆様の分と自分の分を購入して、残弾確保が出来た。
待ってろよ、生贄君。
あれ、名前なんだっけ・・・。




