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サルベージ艦は今日もゆく〈宇宙文明は事故ばかり〉  作者: 売店部のしまなみ
5-死んだトラップ、生きたトラップ
82/106

5-15(82) 波乱

 結局カフディに着いても、特に何も起きなかった。


『助けてくれてありがとうな。カフディ-フヨクルフの直通航路は使わんだろうが、またフヨクルフに来てくれよ?うちの親分が礼をしたいそうだ』

「んな気にしなくていいのに…」

「こういうのを聞くと、助けに行ってよかったと思えますね!」

『絶対来いよ!でなきゃ鋼材止めてやるからな!』

「なんでだよ…」



 特に何も起き…


「あ、艦長さん聞いてくださいよ!海軍で合計3隻も残骸降ろさないで、盗もうとしてたんですよ!?姉さん通して注意したら、返す気はないですって!」

「そんなのよく気づきましたね…板挟みのべシーさんも可哀想ですし、売却扱いにしますかね」

「黙って持ってこうとしたんです!なんとしても、ぼったくってやります」



 特に何も…


「あ、サナさん。ただいま戻りました」

「おかえり。艦見せてもらったわよ。ひどい壊れ方ね」

「ワープアウトしながらシールド張ったので…」

「なら納得ね。カーデンも呆れてたわよ。いっそのこと載せ替えた方がいいんじゃ無いかって」

「カーデンさん?」

「雪風の修理をしてくれている人です。サナさん、あくまで修理でお願いします」

「そういうと思って伝えてあるわ。割と時間かかるからね。あとこれ修理見積もり」

「…うわぁ…」

「高いですね」



 特に…


「せんぱーい!ベーグルちゃーん!」

「あ、クーちゃんだ!おーい」

「…つかれた。ゴフッ」


 判断力と俊敏性が鈍っていたところに、モロに突撃を食らった。いたい。


「いたい」

「先輩弱いっすね!」

「今のはクーちゃんが悪いと思う…」


 ベーグルさんは優しいですね。それに引き換え…


「なんすか先輩?」

「…元気だね」

「クーちゃんは無限の体力なんです!」

「発電に使えそう。いてっ」


 蹴られた。でも抑えめだったから痛いだけで済んだ。


「いたい…」

「クーちゃん艦隊の方はいいの?」

「べシーちゃんが馬鹿どもを叱ってるから、当分動かないっす。だから会いに来たっす!」


 馬鹿どもってベーグルさんに見つかった奴らか。人の上に立つってのは大変だな。あ、そうだ。


「せっかくだし2人でカフディを回って来たらどうですか?」

「え、いいんですか?」

「先輩いいこと言うっすね〜じゃあ行くので、軍資金くださいっす!」

「お前は金あるだろ。仮にも軍人の船乗りなんだし。ベーグルさんは…ぼったくったフリゲート代の一部を入れておきますね」

「えぇ!?でも…」

「あなたが売ったんだし、僕だけなら気づきもしなかったでしょうから、これは正当な報酬です。もちろん経費は引いてありますよ」

「あ、ありがとうございます!行って来ます!」

「じゃ先輩またねっす!ほら行こ〜」


 2人はわちゃわちゃしながら雑踏へ消えていった。

読んでいただきありがとうございます。

誤字報告も感謝です。


2025/05/17 投稿

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