6-1(83) 分解分析
いつもの密閉ドック。よく残骸やスクラップを解体するときに使う、与圧型のドック。ただ今回は残骸が多いので、いつもよりごちゃごちゃしている。
いつかのように、アーリウカの解体ボットが忙しなく動いている。しかし今回は、そのボットたちは武装している。というのも戦闘艦には稀に、トロイの木馬的な交戦型ボットが乗っていることがあるからだ。え、なに?人間?艦籍タグのない艦に人間は居ないよ?
残骸のサーバーから引っこ抜いた情報は、手を付けずに分けておく。宙賊関連の情報ならば、傭兵会社や海軍に売ると金になる。資材はバラしてまとめて、後でアーリウカに売る。
基本的に、僕はバラしている最中の残骸を見ない。解体手順や合理性に関しては、サーバーに接続しているボットたちの方が上手いし、大抵の場合艦内は破壊されているし…というか必要な事はボットが全部済ませてくれるから、見る必要がない。
ではなんの作業をするのかというと、ボットたちがリスト化した、艦内システムなどの確認だ。たまにとんでもない改造がされていたりして、いろいろ応用できる知識になる。ソフト的情報にはあまり興味ないが、ハード的情報はとても欲しい。配管図・配線図は記録しておく。
「ここにセンサー…こっちに飛ぶのか。あれ、この制御系OSは連邦のじゃなきゃ動かないんじゃね?連邦領から流れて来たのかコイツら…となるとこっちがトリガーかな?…」
どうせ細かいものは本職に診てもらうが、好奇心というものもある。
「あ、あー…」
見てはいけないものはそっと閉じる。
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「よし。行くか」
残骸は資材、記憶媒体、その他に分けた。資材はアーリウカ社、記憶媒体は海軍に売っておく。傭兵会社に伝手などない。
「その他」はちょっと特殊な物たち。例えば帝国内では生産禁止になっているものや、OSが合わず動かないものなど。これらはちょっと保留。然るべき所に売れば金にはなるが…
そして僕は出かける準備をしている。女子連中?大丈夫だろ金あるし。適当な貸宿なりホテルなりに泊まると思う。ちなみに雪風は駆逐艦ドックで整備中。とても休めるような環境ではない。
まぁ自分の艦を持っているクローバーが、上手いことやってくれると信じている。
「片付けよし。港湾局に通知よし。うん、問題なし」
後片付けと使用完了の通知を出してから、僕はドックを後にした。
読んでいただきありがとうございます。
誤字報告も感謝です。
2025/05/19 投稿
2025/05/20 タイトル通し番号修正




