3-3(44) 待ち合わせ
買い物すること…何分だ?数時間はしてないだろうが数分でもないな。こう移動しては荷物を受け取り…ってのを繰り返すと、時間感覚がおかしくなる。多分30分程度だろうが。
「あ〜もうこんな時間だ」
携帯端末を見たべシーさんが呟く。ちなみに僕は両手とも塞がっているので時間の確認ができない。
「じゃあこれらは宅配ボックスに放り込んで…」
そう言いながら僕が荷物を軽く上げると、べシーさんは首を振った。
「いや〜もう時間がなくてね。今から行っても間に合わなさそうなんだよ。あの子時間にうるさいし。というわけでもうちょっと持ってて〜」
「えっ」
「走るよ〜」
「はい!?」
これそれなりに重いんだけど。あっ待って置いてかないで僕行き先知らないから!
なんとかべシーさんを見失なわずに済んだ。人に荷物を押し付けた上走らせるとか鬼か。
「はぁ、はぁ…」
「お待たせ〜」
人に荷物持たせて知らん顔してやがる。ひでぇ。
「遅いっ!もう15分も過ぎてるよ!!」
そう言って腰に手を当てているのが待ち合わせの相手か。べシーさんより背の低い女の子だ。
「細かいことは気にしなーい」
「気にしてっ!」
だいぶべシーさんと仲良いんだな。あ、目が合った。
「姉さん、この人?」
「ん?そーだよ」
「…なんで荷物をいっぱい持ってるの?」
「あっ。あー…彼の持ち物?」
あの人はべシーさんの妹さんなのか。とりあえず挨拶しよう。そして荷物を持たせた張本人。露骨に目を逸らすな。
「はじめまして」
「こちらこそはじめまして、突然ですが、その荷物は姉の買い物ですか?」
何故だろう。僕よりも背が低いのに、とても圧を感じる。顔は笑っているけれど目が笑っていない。
「あーえっと」
「誤魔化さなくて良いですよ?」
後ろでべシーさんが必死に首を振っているけれど、それよりも妹さんの方が怖い。
「あー、はい。べシーさんの買った荷物です」
「…そうですか」
そう言って振り向き、この世の終わりの様な顔をしているべシーさんに、何か耳打ちをしてる。自業自得である。
数分後。
「姉が迷惑をおかけしました」
別にそこまで謝ることではないと思う。べシーさんは別だが、妹さんは何も関係ないだろうに。
「それは全然大丈夫ですよ」
「ありがとうございます…あ、荷物持ちます!」
「いや、重いので僕が持っておきますよ」
良い子だな。姉とは大違いだ。
「やっぱりべシーさんの妹さんですか」
「はい、ベーグルといいます」
「お姉さんと違ってしっかりしてますね」
「あはは…」
苦笑いしながらべシーさんを見て、すっかり縮こまっているべシーさんがビクッと体を跳ねさせる。しっかり言い聞かせてやってください。
名前が思いつかない〜
読んでいただきありがとうございます。
誤字報告も感謝です。
2024/06/23 投稿




