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2-1(18)ベイスヘ総合コロニー群

 ベイスヘ中央コロニーとその周りの人工物たち。中央コロニーを文字通り「中央」におくここら一帯は、ベイスヘ地区と呼ばれている。カフディよりも大きな規模のコロニー群だ。手に入る種類、質、量、そして価格までもが、カフディより一段高い。さすがは総合コロニー(群)と言ったところか。カフディとて決して小さいコロニーではない。だがカフディが市役所ならここは県庁だ。賑わいが違う。

 そんなわけで、雪風は渋滞に巻き込まれていた。

 予兆はあった。ベイスヘ方面への海流に乗ると、いつもより艦の動きがゆっくりだった。ワープ開放機に近づくほどその傾向は大きくなり、通常宇宙に戻った時にはほとんど動かなくなっていた。

 中央コロニーじゃなくて海軍基地に行きたいから、どっかでこの行列から外れればいいんだけど、上下左右を挟まれると動きようがない。駆逐艦が小さいとはいえ、あくまで「ワープできる艦」の中の話。しかもフリゲートを牽引してるとなると、割り込みするのも怖い。いや単艦でも割り込みとかしないけど。

 ベイスヘの総合管制もなんかピリピリしてるし、タイミングが悪い。流石に忙しそうなときに、渋滞の真ん中の艦の進路調整なんて頼めない。これは諦めて波に乗るしかなさそうだ。

 …波に乗るどころか巻き込まれて溺れかけてるんだった。


 あんまりにも動かないから情報収集をしてみた。その間、艦は自動運転だ。ただAIとかの航路選択は信用していないから、目の前の艦の尻をロックオンして、一定距離で追跡させてるだけだが。前の艦に連絡したら、割とあっさり受け入れてくれた。ロックされるから嫌がられるかと思ったけど、流石にここは治安がいいらしい。

 んで、情報収集って言っても、雪風単艦でできることなんて多くは無い。せいぜい、携帯端末の情報と広告くらいだ。管制との通信?暇そうだったらそれもありだが、どうやら管制は完全にキャパオーバーなようだ。暇人はいない。

 で、情報を集めた感じ、新しい航法AIのお披露目らしい。道理で貨客艦が多いわけだ。艦の性能に直結する航法AIは、どんどん進化している。一般的に、新しい型はそれまでよりも高性能で安全性が高いとされる。だから新型のお披露目となれば多くの人々が集まるし、その需要目当てに貨物も集まる。あちこちでビミョーな動きをしてる武装艦は、どうやらその新しいAIとやらを搭載しているらしい。


「本当にタイミングが悪いな」


 波に巻き込まれて入港しても、お披露目が始まるまではまともに動けないだろう。立ち往生が確定し、気が重くなった。

一応第二章の始まりです!


読んでいただきありがとうございます!

評価や感想・誤字ってたらその報告だけでもしていただけたら幸いです。


2024/01/23 投稿

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