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転生した古竜は人生を謳歌する  作者: くま
少女は生きる
132/135

122話 デート開始

少し(かなり)更新が遅れてしまい申し訳ございません。



 重傷者二名、軽傷者一名。

 ほかにけが人が出ることはなく、ガウィンたちの訪問指導は無事終わった。


「いや、けが人出てる時点で無事じゃないからな」

「でも、だ。こうして体を張ったことにより、逸材を見つけることができたのだ!」


 な! と言った感じでガウィンに視線で期待していることを伝えられるストロットは、何か変なことに巻き込まれた予見だけで憔悴した様な表情をしていた。




 そんな訪問指導から数日。

 リーリャはいつも通り、パンをブルタリアス邸に届ける仕事をこなし、ついでにと朝食を同伴する日常を過ごして。そして現在、屋敷の庭でモアラと談笑に耽っていた。


「むー、やはり制御が難しいぞ」

「無理はしない方がいいと思いますよ、姉様。以前の回路破損の時も、無理に使おうとして悪化しましたし」

「つい先日魔闘付与使った時に言ってほしかったな、ソレ」


 そんなたわいのないことを話しながら、リーリャ達は外を眺めた。ブルタリアス家の邸宅は、街を軽く見下ろせる位置に作られている。そのため、邸宅の外周を囲っている植え込みから少し顔を出せば、街を一望することができる。


 そんな外の風景をリーリャはふと思った。


「のう、モアラ」

「なんですか?」

「久しぶりに町の探索でもせぬか?」

「いいですね! 早速行きましょう」


 しばらく学園にて生活をしていたために町から離れており、さらにその前は色々あってモアラたちとは離れ離れになっていた。


 そのため、昔よりも少しだけ高くなった視線で街を一望した時、ふともう一度探索してみたいと思ったのだ。


「……そういえばサリアスたちは――」

「二人で行きましょう! ぜひ!」

「お、おう、そうだな。あ奴らも忙しそうにしておったし二人で回るとするか」


 朝食後に突然現れた父親に連れ去られたクリウスと、治療役としてついていったサリアスの二人はここにはいない。

 それをいいことにべったりとリーリャに甘えていたモアラであったが、リーリャの提案から二人っきりでのはデートにしゃれ込もうとするのだった。




 クラマキナに在籍し、なおかつ五組に所属するという理由から、モアラは一人前の魔法使いとして認められており、以前存在した外出禁止の令はすでに撤廃されている。

 そのため、今では自由に外出することができるため、早速リーリャを連れて家の外へと飛び出した。


「前はわれはここに来たことはあまりなかったな」


 リーリャがそういうのは、サリアス達ブルタリアス家の邸宅がある街の一等地のことだ。街の中心からやや北西にズレた場所は小高い丘になっている。その上に、貴族や商会の重役などのいわゆる持っているもの達が集まって家を建てている。


 リーリャはすでにこの町を管理するホワイストア家から認められ、なおかつ話題のパン屋の看板娘として街を東奔西走しているために顔が広いために出入りが簡単になっているが、実はかなり厳重な警備が敷かれている場所でもある。


 そのため、少し歩けば街の警備兵であることを示すホワイストア管轄の施設兵団の人間が二人組になって見回りをしているのを見ることができるだろう。


「あ、おじさーん」

「おはようございますお嬢様方。街を散策ですか」

「うむ。できれば面白い場所とかを教えてくれると助かるのだが」

「そうですね。私が聞く限りでは……」


 そして、彼らはホワイストアの令嬢であるモアラとその友人であるリーリャのことはもちろんながら知っている。

 特に、この度話しかけたのは警備兵としてはベテランのおじさんで、このように道すがら話しかけられても、歴戦の警備兵としての経験をもって、見事に対応して見せた。


「おう! 早速行ってみようぞ!」

「はいー!」


 そうして、目的地を見つけ早速走り出していった二人の背中を見つめながら、ほほえましく思いながら彼は仕事へと戻っていった。


 その後ろから、一週間前に入ったばかりの新人が疑問を口にした。


「……あのお嬢様方は護衛もつけずに大丈夫なんですかね」

「ああ。彼女たちはあれでも次世代のプロフェッショナル。すでに戦闘能力では、私なんか足元にも及ばない程の実力者だからね」

「……なるほどね」


 彼女たち、特にモアラが貴族なのに護衛をつけずに外出を許されているのは、主にその戦闘力が挙げられる。それこそ、現役のホワイストア施設兵が数人束になっても勝てないほどの実力を持っている。


「じゃあ、俺たちは何で警備兵なんてやってるんすか」

「そんなもん決まってる。彼女たちが戦わないためにいるんだよ」


 だが、だから彼女たちに戦ってもらうというのは話が違う。モアラたちはまだ子供。その力に頼ってしまうのは、大人のやるべきことではないとして、彼らは日々切磋琢磨している。


「さ、さっさと見回りに戻るぞ」

「へーい」


 そうして、二人は警備へと戻っていくのだった。



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