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転生した古竜は人生を謳歌する  作者: くま
少女は生きる
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119話 訪問指導


「そういえば、リーリャさん。学園の方から教師の方が来るのはしっていましたか?」


「む? ああ、そう言えば何か届いていたな」


 朝食後の運動がてら、木に登っていたリーリャにモアラが声をかけた。


「それはそうと、安静にしなくて大丈夫なんですか?」


「ほれ、右腕は動かしてないから問題ないだろ」


「それはそれでよくできますね、姉様。流石です」


「ふふふ、もっと褒めるが良いぞ。それで、その教師とやらは何時に、誰が来るのだ?」


「明日ですね。かなり急な話ですが、おそらくは手紙の移動と教師の移動が重なってしまったのではないでしょうか」


「無線通信にも魔道具があるというのに、長距離通信はやはり難しいみたいだの。不便なものだな」



 そうして、時が過ぎて次の日。


「というわけで、私たちが来た!!」


「スフィア先生とかを期待してた奴らには悪いが、ここの配属は野郎二人だ、まあ諦めてくれ」


 町の西門を集合場所としたクラマキナ訪問教師。彼らが指定した日時には、二十人ほどのクラマキナ在籍の生徒が集まっていた。

 そんな生徒たちの注目を集める訪問教師が二人。


「ふむ、この町に来たのはガウィンとケールだったか」


 遅れて到着したリーリャ達が、西門で演説の様に声高らかに自分が何者かを語っている教師陣を発見。


「俺あの集団に近寄りたくなんだけど……」


「ガウィン先生は今日も元気だね」


 そんなわけで、教師たちの訪問臨時授業が始まった。



「というわけで、今回はクラスも違えば学年も違う、共通点が同じ町を故郷にしているというメンバーでの授業となる。だから、普段とは趣向の違う授業になる」


「まあ、学年ごとに教育に差があるからな。だから、今回は実戦的なモノになるな……『プロテクト』」


 二十人ほどの生徒の中には、上は五年生、下はリーリャ達一年生と幅広い学年がそろっている。そうなると、半年ほどの学習内容もやっていない一年生達と、五年間も学んでいた生徒たちではやはり学力に差が出てしまうのだ。


「故に、今回の宿題では、君たちの感性に問いかけようと思う――――ケール、用意はできたか!」


「問題ねぇ。んじゃま、行くぜ――――『クリエイティブ:ゴーレム』」


 ガウィンの合図と共に発動されるケールの魔法。その魔法は、土属性の学び舎である四組の教師であるケールの本気をもってして生成される。


 五体の石像が、土くれから生み出される。むくり、と起きあがったのは一般的にはゴーレムと呼ばれる魔法。土属性の魔法の一つで、遠隔操作にて操る土人形だ。

 一般的には、移動能力のある盾として前衛の必要な魔法使いが生成したり、者運びとして力仕事を頼って作り出されたりする。


「して、これをどうするのかの」


「お前らには、五体に分かれてるが、六人ぐらいのグループになってこいつらを停止しろ。ただし、魔法を使って破壊することは禁止する」


 こうして、この場にいる二十四人の生徒たちに課題が出されたのだった。


「ども、学園じゃ四年生のストロットだ。三組に所属してる」


「よろしく、三年五組、エイハローだよ。緑草って二つ名で呼ばれてるよ」


「一年一組、炎嵐のケルトル。よろしく頼む」


「一年のリーリャだ。六組に所属している」


「一年五組、蒼賢のサリアスです」


「んで、おれが双子の蒼剣のクリウスだ」


「白姫のモアラと申します。一年五組に所属しています」


 こうして、リーリャ達はガウィンが適当に引き合わせた(近くに居たから)三人と共に課題に挑むこととなる。



「さて、じゃあ会議としようかと行こうか」


「えっと、課題は確か……」


「ゴーレムを、魔法の力なく停止することですよ、エイハローさん。結構難題ですけどね」


 最年長であるストロットが舵を取って話し合いが進む。

 その議題は、課題として出されたゴーレムの機能停止だ。


「魔法が使えれば楽なんだがなぁ」


「俺の得意魔法が文字通り火を吹くのならば、簡単に倒せるんだけどな」


「ほう、お主は何ができるのだ。少しばかり気になるぞ、ケルトル」


「俺は炎嵐のケルトルだ。ファイアストームを扱わせれば、右に出るものはいby……」


「噛んだの」


「噛みましたね」


「噛んだな」


「にゃ、にゃんでそっちの奴らもこういう時に限ってみてるんだよ!」


 しかし、話し合いをしているのは年長者二人とサリアス。脳筋であるリーリャとクリウス。そして、リーリャに突き従うモアラに、これまたファイアストームさえあればどうとでもなると思っているケルトルは、ゴーレムを前にして言葉よりも先に手を出していた。


 コンコンっとゴーレムをケルトルが叩く。


「内側は空洞みたいだな」


「ゴーレムの全身がただの岩だったら、自重で動くために必要な魔力が多くかかるからな。並べるだけなら、中身をある程度空洞にして軽くするってなんかの本に書いてあった気がする」


「クリウス~、そういう引用は引用元をはっきりさせてください。それで姉様、壊せそうですか?」


「うーん、『火之鳥』とかが使えれば話は別だが、素でじゃ流石に無理だな、これは」


 試しに軽く殴ってみるも、返ってくるのは痛みだけ。モアラに回復魔法をかけてもらいながら、リーリャはどうしたものかと考え込んだ。




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