緒戦
――――――――魔物襲撃直前―――――――――
術者side
「これは、手始めよ!存分に混乱するが良い!魔物召喚!さぁ、悲劇の始まりやで?」
術者はほくそ笑みながら、状況を見守る。
―――――――――時間経過――――――――――
魔物は次々と倒されていく。術者の表情は急速に歪んで行く。
「何故だ?魔術学園が春季休業中で警備が手薄と踏んでの施行だったのに!しかも、何だ、あの少年は?」
術者side END
「隠れん坊は終わりですよ、術者さん?」
術者は赤いローブとフードを纏った、いかにも怪しい、という出で立ちのおっさんだった。
「よくも、私の邪魔をしてくれたな、小僧!」
おっさんは怒りで震えている様子。
「準備運動にもなりませんね?僕は、遥かに格上の魔物と戦ってきましたからね?僕は、貴方と時間を潰す気は更々ございませんので?」
僕は、漆黒を構える。
「さぁ、掛かってきたらどうですか?」
僕は、おっさんを挑発する。
「なめるな、小僧!喰らえ、フレイムランス!」
炎の槍が飛んでくるが…、
「遅い…!(婆様と比べたらとんでもなく遅い!)」
槍を避けると素早く背後に回る、おっさんはついて行けてない。
「喰らえ、吸魔!」
おっさんを斬りつける、と同時に魔力吸収の術を発動させる。
「ウオオオ、力が抜ける!?」
そして、とどめに手刀を頚に喰らわせる。
「おっさん、さようなら。会うとしたら、10数年後ですね?」
僕は、おっさんを自警団に引き渡し、そそくさと、立ち去った。
「学園に行かないとな…。」




