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## 第七話:『迷い子のからくり時計と、狂った歯車の迷宮』後編

二話目の投稿です。

誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。

途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。

作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。

新作始めます。探偵物です。

ローマ編 ## 第七話:『迷い子のからくり時計と、狂った歯車の迷宮』後編

よろしくお願いします。短めです。

では、参ります!!


## 第六章:千年の空白、自動人形アリスに刻まれた真実の旋律

「この時計塔は、千年前から一度も動いていない廃墟なんかじゃない。……逆さ。この時計塔そのものが、千年間『世界の時間を少しずつ逆回りに巻き戻す』ための、巨大な魔導装置だったわけだ」

俺の推理パースペクティブに、結晶の少年・ルカの核がハッと鋭い金色に輝いた。

「この子の名前は、アリス。千年前、この街の偉大な魔導技師が、自分の亡くなった娘の魂を宿すために作った、世界で最初の『こころを持つ自動人形』だね。だが、お前たち『闇の調律師』は、その清らかな魂のエネルギーを、時計塔の『歪んだゼンマイ』の動力源として利用するために、彼女から記憶のネジを奪い取った!」

クラウスの仮面の奥の瞳が、一瞬だけ不快そうに細められた。

「くつくつ……さすがは万能の天才。実に見事なレイアウト(推測)だ。この少女アリスの『こころ』が放つ絶望の魔力こそが、この時計塔を動かし、世界の歴史を闇へと塗り替える最高の絵の具となるのだ。だが、気づいたところで何になる????」

クラウスが右手を掲げると、時計塔全体の無数の歯車が、バリバリパチパチと激しい放電を伴いながら、一斉に逆回転を始めた。空間がグニャリと歪み、ルカの放つ光のラインが、不気味に曲げられていく。

「アリスのメインのゼンマイは、この時計塔の最上階、我が『秒針の牢獄』と完全に同調している。貴様たちがそこへ辿り着く前に、この逆回転する時間の歯車に巻き込まれ、存在ごとキャンバスのシミとなるがいい!」

「う、うあぁぁ……! ダヴィンチさん、僕の結晶体が……時間の逆流に干渉されて、ひび割れて(クラックが入って)いきます……っ!どおすんの、どおすんの俺ェ〜〜〜。」

ルカが自身の胸を押さえ、苦しそうに膝をつく。半透明だった彼の身体が、不気味な漆黒の結晶へと変色し始めていた。

「ルカぁーっ! ――くそっ、なんて強力な歪みのトーン(呪術)だい! アリスちゃん、おじさんの声が聞こえるかい!? お前さんの本当のネジは、あんな男の手の中にはない! お前さんの心の中に、最初から刻まれているはずだァ〜、思い出せェー!!」と、大声で叫ぶ。

俺は必死にマスター・ブラシで魔力の壁を構築したが、逆回転する時間の歯車の圧倒的なパワーの前に、俺の描くラインが次々と消去デリートされていく。

「ガガ……カチ、カチ……」

足元で転がっているレオは、未だにピクリとも動かない。

おじさん、ルカ、そして沈黙したからくりライオン。*****ガラクタ????*****

時間を操る悪魔の歯車の前で、俺たちは完全に逃げ場を失い、絶体絶命の闇へと追い詰められてしまった!



千年の歴史を揺るがす自動人形アリスの秘密。そして『秒針のクラウス』が放つ時間の逆回転魔術の前に、おじさんも新相棒のルカも大ピンチ!






### 第四部(最終章):世界を巻き戻す鐘を鳴らせ! 真鍮の獅子と奇跡のゼンマイ(完全解決編)

## 第七章:万能の画筆マスター・ブラシ、狂った空間を塗り替える神技

「くつくつ……消え去るがいい、レオナルド・ダ・ヴィンチ! 逆回転する千年の時間が、貴様たちの色彩をすべて無へと還す時がきた。あきらめて消え去るがいい!!!」

時計塔の最上階『秒針の牢獄』。

「くつくつくつ、クツクツクツ、ハハハハハハァ〜〜〜」

闇の調律師の幹部・秒針のクラウスが狂ったように笑い、巨大な大ゼンマイから放たれる漆黒の魔力が、荒れ狂う嵐となって俺たちに襲いかかってきた。

隣では、結晶族の少年・ルカの足元が黒いインクに侵食され、その美しい水晶の身体にパキパキと不気味な亀裂が入り始めていた。

「ダヴィンチさん……ダメ、です……。この空間の魔力密度、僕の計算パースを遥かに超越しています。このままでは存在のデッサンごと……消去(消滅)して……っ」

「弱音を吐くには、まだ100年早いぜ、ルカくん!」

俺は眼鏡のブリッジをギチッと押し上げ、不敵な笑みを浮かべてマスター・ブラシを逆手に構えた。


俺は地面にドスンと腰を据えると、マスター・ブラシの先端に、七色の魔導インクをドバドバと絡みつかせた。

戦場で、まさかの『写生スケッチ』の構え。

「な、何を……この絶体絶命の局面で、絵を描くだと!? 狂ったか!」

クラウスが目を見開く。

「狂っちゃいないさ。お前さんが時間を逆回転させて空間を歪めるなら、おじさんはその空間そのものを『静物画ナチュラ・モルタ』としてキャンバスに固定してやるだけさ! ――見なさい、神技の一筆ウオモ・ウニヴェルサーレ!」

俺がマスター・ブラシを空間に向かって力強く、そして繊細に一閃させた。

描いたのは、時計塔の背景。だが、ただの背景じゃない。パースペクティブ(遠近法)の極限を尽くし、光と影の明暗キアロスクーロを完璧に調和させた、絶対的な『空間の静止画』だ。

**ズガガガガガガッ!!!**

驚くべきことに、俺の筆が走った瞬間、クラウスの放っていた逆回転の黒いインクの嵐が、まるでキャンバスに描かれたただの『油絵』のように固定され、ピタリと動きを止めたのだった。

空間の歪みが、俺の圧倒的な絵画魔術の前に「静止」させられたのである。

「な、何だと……!? 我が時間の魔術を、ただの『絵の具』として塗り潰したというのか!?」

「ははは! 画家を怒らせると、世界ごと静止画にされちまうってことさ! ルカ、今だ! お前さんの光で、あの固定されたインクの奥にある『アリスちゃんのコア』へ、最短のラインを導き出しなさい!」

「……! はいっ、非論理的な神技ですが……僕の計算(屈折)で、完璧にアシストします!できます!」

ルカの胸の核が、一瞬でまばゆい純白の輝きを取り戻した。彼の水晶の指先から放たれた光のレーザーが、俺の描いた静止画の空間を複雑に乱反射しながら貫き、クラウスの持つ『記憶のネジ』を一直線に捕捉した!



## 第八章:ガラクタの奇跡、真鍮の咆哮が闇を切り裂く

「だが、無駄だ! 空間を止めたところで、貴様たちに我が『秒針の牢獄』の絶対防御の歯車を砕く攻撃力はない! その結晶のガキの光では、傷一つつけられん!」

クラウスが叫び、アリスの周囲に巨大な鋼鉄の歯車の壁を展開する。

確かに、俺は空間を固定するのに全魔力インクを注ぎ込んでおり、ルカは光の誘導で手一杯だ。アリスを救い出すための『決定打ファイナル・ライン』が足りない。

「ガガ……ガシャ……カチ、カチ、カチ……プシュープシュ➖プシューブン!」

その時、俺たちの足元で、ずっとただの粗大ゴミとして転がっていた真鍮の塊が、不気味に、そして最高に熱い地鳴りのような音を立てて震え始めた。

『からくりライオン人形レオ』だ。

「ガウゥゥゥ……ガガガガ、ファン!!!」

背中の大ゼンマイが、千切れんばかりの超高速で回転を始める。

レオはポンコツ化して寝ていたんじゃない。おじさんが空間を固定し、ルカが光のルートを計算し尽くす、その「ここ一番の土壇場」をじっと待ち、体内の蒸気ボイラーに限界突破の魔力を溜め込んでいたのだ!

「待たせたねぇ、クラウス。これがおじさんの自慢の、最高の『ガラクタのお約束』だぜ! 行けぇ、レオッ!!!」

「ガルルルル―――ッ!!!」

真鍮の獅子が、まばゆい火花と白い蒸気を爆風のように吹き散らしながら、一直線に跳躍した。

ルカが描いた光の屈折ルートを寸分の狂いもなく駆け抜け、クラウスの展開した鋼鉄の歯車の壁へと激突する!

*****バギィィィィィン!!! カシャァァァン!!!ガシャガシャガシャーン******

レオの真鍮の爪と、超高速回転するゼンマイの一撃が、クラウスの絶対防御を木っ端微塵に粉砕した。その凄まじい衝撃波が、クラウスの仮面を叩き割り、彼の手から奪われていた真鍮のネジが宙へと跳ね上がる。

「ば、馬鹿な……! 我が最高傑作の魔術が、あんな、あんなガラクタ人形にぃぃ!」

「ガウッ!」

レオは宙で綺麗に反転すると、その真鍮の顎でアリスの『記憶のネジ』をカチリと見事にキャッチし、そのままアリスの背中の鍵穴へと、ガシャン! と完璧に差し込んだ。

******リゴォーン、リゴォーン、リゴォーン、リゴォーン、リゴォーン〜ー〜*****


時計塔に、清らかな、どこまでも美しい本来の鐘の音が響き渡る。

アリスのガラスの瞳に、温かい光の色彩いのちが戻っていく。

「……あ……。わたしの、ネジ……。ありがとう、おじさん……真鍮の、ライオンさん……」

アリスの小さな真鍮の歯車が心地よい音を立てて回り始め、それと同時に、時計塔を覆っていた漆黒のインクとクラウスの姿は、夏の終わりの霧のように、サラサラと消滅していった。



## 第九章:天才と、計算高き新しい助手クリスタリア

翌朝。ローマの街には、雲一つない爽やかな9月の青空が広がっていた。

『老いたる跳ね馬亭』のテラス席では、すっかり元気になった自動人形のアリスが、安全なお留守番を終えて「お化け、もう出ませんよね……?」とまだ耳をピコピコさせているフランチェスカと一緒に、楽しそうにパフェを突っついている。

「――ダヴィンチさん。昨夜のあなたの行動データを改めて再計算してみましたが、やはり何度やっても非論理的極まりない数値が出ます」

テラスの特等席で、俺の正面に座った結晶族の少年・ルカが、真新しい手帳に水晶の指先でカリカリと文字を書き込みながら、冷ややかな、しかしどこか満足げな声を響かせた。

彼の胸の核は、昨夜の戦いを経て、俺の魔導インクと綺麗に同調した、美しい『ダ・ヴィンチ・ブルー』の色彩に輝いている。

「ははは! ルカ、芸術っていうのはねぇ、計算通りにいかないからこそ、最高のレイアウトが生まれるのさ。それより、今日からお前さんはおじさんの正式な『助手』なんだから、まずはそのガタガタ言ってるレオのゼンマイの注油から手伝ってもらおうかい?」

俺が笑いながら、足元で「カチカチ、ファン!」とご機嫌に尻尾を振っているからくりライオンを指差すと、ルカはこれ以上ないほど深い溜息をつき、眼鏡をクイと押し上げた。

「……やれやれ。天才画家の助手になったと思えば、最初の仕事が粗大ゴミのメンテナンスですか。本当に、非論理的にも程があります」

そう言いながらも、ルカの結晶の指先は、レオの真鍮のボディをとても優しく、丁寧に磨き始めるのだった。

新しき助手、新しき色彩。俺たちのキャンバスは、秋の訪れとともに、さらに鮮やかに塗り替えられていく――。

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