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第一章(1) 遭遇→襲撃

初投稿作品です。

上手く書けてるか心配ですが、どうぞ宜しくお願いします。

 月曜日の朝。

 他の学生は、休日に名残惜しさを感じつつ学校に行っている時間である。

 春の陽気が暖かい日のそんな時間。駅からは遠く、周りには緑が目立つボロアパートの一室で……。

 俺、木々乃遊きぎのゆうは新発売のライトノベルを読み終えた。もちろん学校には行ってない。そして、こんなニートのような生活をしていても(事実ニートですが…)注意する親はもうこの世にいない。

 ラノベを読み終え、やることが無くなった。やること無いなら学校に行け、という声が聞こえてきそうだが気にしない。

 何かないかと探していると、目の前に転がっている預金通帳に気がつく。ある事情で今年に入ってからかなり散財したため、預金残額が気になった。目の前の通帳を手に取り、開いて中を見ようとしたところで、


 ピーンポーン


 家のチャイムが鳴った。

 暇じゃなければ居留守を使っているところだが、ちょうど暇だった俺は気だるさを感じながらもドアを開けるために立ち上がる。

 ドアを開けるとそこには大家さんが立っている。不気味なほどの笑顔で。普段は無表情なんだが…。機嫌がいいのだろうか?

 「金出せ」

 …何の事か分からない。いきなり家に来てそれはないだろう。とりあえず首を傾げてみる。

 「金出せ」

 みぞおちへのパンチのオマケ付きだった。

 その衝撃で思い出したは…家賃を今年に入ってから、ずっと納入し忘れていたという事だった。

 ………ヤバい。思い出した途端に笑顔が怖く感じる。しかもこの人、昔ヤンキーだったと聞いたことがあるような…。

 でっ、でもしょうがないんだよ!二期連続で話題作が放送されたんだ!An〇el b〇atsとか超〇磁砲とか!グッズに何万円もつぎ込むのは当たり前だ!

 おっと、今は大家さんに言っても許してもらえなさそうな言い訳なんか考えている場合じゃない。

 早く家賃を払わなきゃ、この家から追い出さ「早く出せ。次は手加減しねぇからな。」俺が殺される。目は、本気だ。笑ったままだけど…。

 財布の中身は、先日アニ〇イトで使い果たした。手に持っている通帳を確認する。

 …………絶望したぁぁぁぁ!預金残額が0だという現実に絶望したぁぁぁぁ!!

 金は無い。あとは死刑執行を待つのみなんだが、さてどうしよう?


 1:交渉…する余地があるとは思えない。

 2:逃げ…られないだろう。

 3:土下座でお願い…よし、これでいこう。プライド、何それ、美味しいの?


 「あと一カ月…」

 「無理。今出せ。」

 最後まで言わせてくれなかった。だが、ここで諦める俺ではない!

 「しっかり稼ぎ…」

 「黙れ。次、口開いたら裂くぞ。」

 発言権すら奪われた。…裂くって人に使う言葉だっけ?

 …という訳で三時間後

 ゲーム機やパソコン、家具などを没収され(なぜかラノベは無事だった)、乱暴に家を追い出された俺は、とりあえず近所の公園に来ていた。

 俺、おわた…(泣)

 畜生!俺からゲーム・パソコン等を取り上げたらラノベ以外何が残るんだよ!というか実際ラノベ以外残んなかったよ!

 ……ラノベが残っただけマシか?ってそういう問題じゃねぇ!

 それより飯はどうしよう。もちろん買う事は出来ない。

 金が無い+インドア野郎+野宿=死。そんな公式が頭に浮かぶ。

 十六年。長いようで短い人生だった…。父さん、母さん。生んでくれてありがとう!今、逢いに行きま(以下略)


 こうして錯乱すること二十分


 ようやく落ち着いた俺は、これからどうするかを考えながら公園のベンチに座っていた。

すると…

 「ねぇママ、なんであのお兄ちゃんは学校行かないの?」

 「見ちゃダメ!!」

 グサッ【きぎのに102のダメージ!】

 いきなり大ダメージをくらった。実際に言われるとかなりキツい言葉だ。

 突然心に傷を負った俺の前に…制服姿の女の子が現れた。なぜか公園の周りの森の中から。【脳内ではポケ〇ンのBGMが流れている】

 街中の公園にしては、やけにエンカウント率が高い。

 女の子をよく見てみる。黒髪ロングヘアー、俺と同い年くらい。そして…可愛い!

 でも、なぜか俺と同じ様な残念な子のにおいがする。

 「あなた、今日は平日よ。学校は?」

 「えっ」

 笑顔で唐突に聞かれ、言葉に詰まる。そして、その笑顔が大家さんとかぶる。

 「学校は?」

 いっ、言いにくい!仕方ない、ここは嘘でも「教えて?」つかないで正直に言おう。

 「サボり…ました…」

 どうしても歯切れが悪くなる。

 「なんでここにいるの?家は?」

 また言いにくい事をっ!今度こそ嘘を「教えて?」つかずに堂々と言おう。

 「たった今、無くなりました!」

 …自信満々に言った自分が恥ずかしい。何もここまで強気で言う事もなかっただろう、と自分でも思う。

 「そう」

 何のツッコミもなく、そいつは少し黙り、

 「ぐほぁ!!」

 拳を構えて右ストレート。笑顔でみぞおちに叩き込んだ。【132のダメージ】

 今日はなぜか、みぞおちをよく狙われる日だ。

 「いっ、いきなり何をするんだ!」

 「サボりの現行犯で、拘束します!!」

 「お前もここに居るってことはサボりだろ!」

 「そんな些細なことは気にするな。」

 「些細じゃねぇよ!気にするよ!」

 「うるさいな。私はただ…」

 「?」

 「学校の外をブラブラしていただけだ!」

 「それをサボりっていうんだよっ!!」

 久しぶりに全力でツッコミを入れる。

 「……ちっちゃいことは、気にするな♪♪」

 「ゆっ〇ぃ!?」

 やりとりが一段落した途端、やつは一瞬で俺の背後に回り込んだ。振り返ろうとすると、後頭部に衝撃がはしり、意識が遠のいた。【きぎのは目の前が真っ暗になった】

 あの笑顔は…一生…忘れないだろう…

いかがでしたか?

面白いと感じてくださったなら嬉しいです!

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