第一章(2) 遠い日の記憶1
更新が不定期ですが、よろしくお願いします!
ではでは、第2話の始まりでーす!
今回は地の文ばかりですが…
後頭部にかすかな痛みを感じながら、意識を失った俺は夢を見た。
それはとても懐かしく、忘れることのできない悲しい記憶。
…小学三年生の夏。梅雨真っ盛りのその日は、視界が霞むほどのどしゃ降りだった。
今となってはニートな俺だが、その頃は友達も多かったし、外でもよく遊んだ。普通の元気な男の子だった。
俺の隣の席には、一年生の頃から同じクラスの女の子がいた。名前は…何だったかな?
もう忘れてしまった。ふっ、昔の女の名前なんて…調子乗ってスンマセン。
…ともかく、そんなテンションが下がるような天気の日、俺はその女の子と一緒に帰っていた。傘を忘れてしまって、入れてもらっていたのだ。もちろん、わざと忘れたわけではない。…多分。
俺たちは他愛もない話をしながら歩いていた。何の変哲もない、ただただ平和で、幸せな日常を過ごしていた。
通学路を半分くらい歩いた所にある橋の上に両親が立っていた。傘を届けに来てくれたようだ。
もう少し女の子と話していたかったので、傘を受け取って、両親には先に帰ってもらった。
行かせてしまった……
親が横断歩道に差し掛かる。信号は青。右からは黒い車。スピードは…落ちない。
もう一度言うがこの日の天気は、視界が霞むほどの雨。音も雨の音しか聞こえない。
親たちは気付かない。話しながら歩いている。
気づけ!気づけ!
俺はそう念じながら、親を止めるために必死に叫び、全力で走った。雨が、俺と親を隔てる壁のように激しく打ち付ける。
……あぁ、届かない。伸ばした手も、絞り出した声も。
目の前では、時がゆっくりと流れていく。
響き渡るにぶい音。後ろから聞こえる女の子の叫び声。走り去る車。
その中で、俺だけが…ただ呆然と立ち尽くしていた。
気が付くと病院の中だった。気絶していたようだ。聞いた話だと、親は即死だったらしい。
一緒に帰っていた女の子は、かなりのショックを受けていたと聞いた。心の中で、謝り続けた。
遺産はすべて俺のものになった。何不自由ない暮らし。そこには、今までのような温もりはなかった。親が居て、友達が居る。そんな日常はどこかに行ってしまった。
学校には行かなかった。
目の前で起きた事故を防げなかったこと、友達にショックを与えてしまったことに対する責任感。それは小学生には大きすぎる重圧だった。耐えるので精一杯だった。
…何もせずに五年がたった
その頃には、テレビを見て笑うくらいの余裕ができていた。いまだ親戚以外との交流はない。
その日は遅くまで起きていた。24時〇テレビを見るために。
………今、「お前もう大丈夫だろ!」という声が聞こえた気がする。しかし俺にはまだ責…いや、本当だって。本当にまだ辛……あぁ、もうわかったよ!正直にいえばいいんだろっ!80%惰性だよ!でもさ、不登校って一定以上の時間がたつと恥ずかしくて人前に出ていけねぇんだよ!
それはさておき、話を戻そう。その日は遅くまで起きていた。だいたい一時半頃、CMに入ったため、チャンネルを変えた。アニメのOPが流れていた。
好奇心に駆られて見始めた。内容は、ほのぼのとした学園もの。
…涙があふれた。地元の中学校にも、こんなに楽しい日常があるのだろうか?学校に行ってみようかと思った。しかし、羞恥心が勝り、高校生になった今でも学校には行っていない。
俺は今、アニメやラノベを通じて、失ってしまった学校生活を味わっている。そしてこ
れからも…………
綺麗な茜色の光が俺を包み込んでいく。
地の文ばかりの遊くんの回想でした。ちょっと重かったですかね?
他のキャラ達も、やっと次の回で出てきます!
お楽しみに~。




