488話 ユナを連れて四十二区へ
「マーシャさん、活きのいいアサリをお願いできますか?」
「わぁ。なになに? 酒蒸し?」
「炊き込みご飯にするんです。刻みしょうがを添えて食べると美味しいですよ」
「それは楽しみだね~☆ 分かった、ウチの娘たちに言って用意させとくね☆」
「ありがとうございます。量があるようなら、酒蒸しもお作りしますよ?」
「やったぁ! エステラが三十三区のお酒もらってたから、それ使っちゃおう~☆」
「なに勝手なこと言ってるのさ、マーシャ。まったく……。ジネットちゃん、よろしく頼めるかな?」
「はい。……ふふ」
友人に甘々なエステラを笑い、ジネットが今日の献立を考えている顔になる。
ちなみに、ジネットがマーシャにアサリを頼んでいるのは、炊き込みご飯の具がアサリに決まったからだ。
いや、「炊き込みご飯の具は何だ」って聞いたら、「何がいいですか?」って聞かれたから「アサリがいいなぁ」って言ったら、こうなった。
これはおねだりになるのだろうか。
なんにせよ、アサリの炊き込みご飯、楽しみだ。
「あとは、アッスントの口を封じれば直接取引をとやかく言われることはなくなる……」
「いえ、もうそこは海漁ギルドとも陽だまり亭とも話がついているので、悪いことを画策しないでくださいね。ちゃんとやってますからね?」
などと、ブタの声が聞こえた気がしたが、気のせいに違いない。
「ブタを海に……」
「やめてくださいってば!?」
アッスントがうるさい。
考え事してるのに。
「ですから、その考え事自体、考える必要がないんですよ」とか言ってくる。
「そもそも、……規制したところで『プレゼントだから』と海産物を貢いでしまいますからね、ここのギルド長は……薄利でも契約が結べただけで万々歳ですよ、こちらは」
アッスント、お前……
「モノマネを似せる気ゼロか!?」
「モノマネするつもりがないんですよ、私は!?」
「まぁまぁ、とりあえず一回やってみろよ。『プレゼントだから~☆』って。『ら~☆』の言い方がポイントな」
「いえ、私はそういうのは……」
「面白かったら、三十三区攻略に一枚噛ませてやろう」
「やりましょう!」
三十三区には魅力的なものがいっぱいあるからなぁ。
ガラス、鉱石、それに酒。
今後懇意にするなら、一枚噛んで顔を繋いでおきたいよな。
アッスントが、鼻息荒くぷひぷひ鳴く。
「お前、マーシャがブタっ鼻だって言いたいのか?」
「まだモノマネしてませんよ!? これは自前のクセです!」
「わぁ~行商ギルドって、いい度胸してる~★」
「してませんよ!?」
「で~? 私の真似するって?」
「い、いえ、あの、三十三区との顔つなぎがかかっていますので……それで」
「やってみて~★」
「めっちゃやりにくいですね!?」
額から脂汗、いや、豚汁を巻き散らしてアッスントがうろたえる。
「冷や汗ですよ!?」
「なるほど、豚汁もいいですね」
「マイペースに献立を考えてますね、店長さん!?」
アッスントに会った日はトンカツとか食いたくなるんだよなぁ。
今日はあっさり系でって思ってたのに、アッスントに会うとがっつりトンカツになることもしばしば……
まったく、傍迷惑な顔しやがって。
「で、では……」
腹を括って、アッスントが咳払いをする。
「ぷ……『プレゼントだから~☆』」
「マーシャカッター★」
「ぅわあああ!? 多っ、多いです! すみません! 精一杯はやりました!」
乱れ飛ぶマーシャカッター。
あんま動かない方がいいぞ。
想定外のところへ行くとうっかり当たっちゃうから。
マーシャは当てないように、ぎりぎりに飛ばしてきてんだから。
「酷いなぁ、アッスント君は。私、あんな汚い声じゃないもん☆」
「汚いって……この声は地声ですし、変えられませんよ」
「ヤシロ君なら出来るもん。ね~?」
いや、そんな無茶振り……
「『急に言われても、困っちゃう~☆』」
「器用ですね、ヤシロさん!?」
「まぁ、マーシャの可愛さまでは表現できてないけどな」
「え~、可愛かったよ~☆ ねぇ?」
「まぁ、可愛いといいますか……ヤシロさんの顔から出て来た声ですので、なんとも言い難いところではありますね……」
「『ヒドイわ、アッスントさん! 昨夜はあんなに愛を囁いてくれたのに!』」
「やめてください! 妻が面白がりますから!」
「みんなー! 今のこと、アッスントの奥さんには内緒な~!」
「「「はーい!」」」
「そーゆー悪乗りが一番怖いんですよ、ヤシロさんたちは!?」
なんだよ、ヤシロさんたちって。
俺が代表じゃないだろうに、あの悪乗り集団。
まったく、状況把握能力、皆無か。
「いや、この上もなく正確に把握してるよ、アッスントは」
と、エステラ。
向こうの肩を持ちやがって。やっぱり、腹黒チームか。
「とりあえず、三十三区と何かやる時は、是非一声かけてくださいね。全力でご協力させていただきますから」
「えっ、まったく似てなかったのに!?」
「条件は『似ていたら』ではなく『面白かったら』だったはずです。……十分楽しんだでしょう、今?」
確かに。
ちぃ、アッスントめ。
ちゃっかりしてやがる。
やっぱこいつは油断ならないなぁ。
「アッスント。酒って何種類か用意できるか?」
「三十三区対策で、ですか? 用意は出来ますが、三十三区を超えるものはなかなかないですよ? それこそ、異国のお酒を手にれるくらいしか……でもそれですと、高いですよ?」
「いや、有り物でいい。サトウキビがあるなら、その蒸留酒とかあるよな?」
「ございますよ。とはいえ、少々値は張りますが」
「蒸留酒に果物を漬け込んで香りづけしたいんだ。いくつか用意しといてくれ」
「ほぅ、それは興味深いですね」
「これ、三十三区で作ってる酒の一覧」
給仕長リーゼロッテに書き出してもらった一覧には、いくつもの蒸留酒が含まれていた。
ただ、リキュール系は一切表記されていない。
だとするならば、ヴァルターを攻略するポイントはそこにあるかもしれない。
リキュールを作っておけば、カクテルが作れるからな。
酒を楽しむタイプの人間なら、そういう飲み方にも興味を示すだろう。
陽だまり亭には氷もあるし、かなりいろいろ遊べるはずだ
あとはノーマにシェイカーでも作ってもらって……いや、自作するか。
「設計図を寄越すさね」
俺の視線を敏感に感じ取って、ノーマが目の前に瞬間移動してきた。
本当に速かったなぁ、今。
まぁ、ノーマなら、バーでお馴染みの3ピースシェイカーくらい簡単に作ってくれるだろうけど。
銅か銀で作ってもらうか。
「じゃあ、あとでな」
「ほぃな!」
ノーマが嬉しそうだ。
今朝のぎりぎりまでシャワー作ってたってのに。
「あの、先輩……先ほどの方は、海漁ギルドのギルド長様で、あちらの方は行商ギルドの方ですよね?」
「……そのとおり」
「とても、仲がよろしいのですね」
「お兄ちゃんは、木こりギルドのギルド長さんや狩猟ギルドのギルド長さんとも大の仲良しですよ」
「本当に、あの、偉い方では、ないのでしょうか? 只者ではない感じなんですが……」
「……ヤシロは、ヤシロ。ヤシロ以外の何者でもない」
「そうです。お兄ちゃんは、お兄ちゃんって感じの人ですよ」
「えっと……」
「ユナ姉様の常識を覆す人物、かもしれませんね」
「つぉくて、やさしぃよ!」
「……不思議な方、ですね」
「そのうち慣れるですよ」
ロレッタがユナの背を叩いて笑っている。
イジメんなよ、新人を。
まぁ、俺はロレッタをイジメるけども。
「なんでです!? やめてです!?」
「……ロレッタ。そのうち慣れる」
「いや、これは慣れないですし、慣れちゃダメなヤツですよ!?」
賑やかにわーわー騒いで、到着した船に乗り込んでいく。
行きの船よりもやや大きく、豪華客船より随分と小さい。
いろんなサイズの船があるもんだ。
「それじゃ~、みんなで四十二区に帰るよ~☆」
マーシャの言葉に「はーい」と返事する一同。
……あれ、おかしいな。
一同の中にルシアが混ざってる。
きっと気のせいだろう、うん。
「ふ、船に乗るんですか……?」
ユナが桟橋前で固まる。
「船は初めてか?」
「もちろんですぅっ」
なんでちょっと泣きそうなんだよ。
まぁ、初めて乗る時は怖いもんか。
こんなデカい鉄の塊が、海に浮かんでるんだからな。
「そう心配すんな。この船は若干異常だが、これ以外の船はすごく安全だから」
「えっ!? ぇ……っと、この船は、安全では……ない、んですか?」
「大丈夫だ。沈むことは絶対にない」
「……致命傷以外はかすり傷」
「諦めれば、なんとかなるですよ!」
「耐えましょう、ユナ姉様」
「いっしょ、こゎい、ないよ!」
「えっと、心配が尽きないのですが!?」
たぶん大丈夫だと思うぞ。
行きよりは遅いはずだし。
「ただ、夕日はもう沈むから、海の上は暗くなる。怖いなら、船室に入ってこいつらと一緒にいろ」
「お兄さんはどうされるんですか?」
「俺は甲板で海を見て帰る」
「なるほど、おかわりですね」
そうじゃねぇよ、ナタリア。
あと、急に出てくんな。船に乗る前にチビりかけたわ。
「ぽぃんスカぽぃんスカリターンズですね」
「その擬音について、ちょっと話をしようか、ナタリア?」
主に首根っこを掴まれ「あ~れ~」と楽しそうに引きずられていくナタリア。
めっちゃ楽しんでるよな、遠出を。
「ジネット。ユナを見ててやってくれるか?」
「え……あ、はい。ユナさん、最初は怖いかもしれませんが、わたしが一緒にいますからね」
なんか、一瞬ジネットの表情が曇った気がした。
まだ怖いのか?
じゃあ、しょうがない。俺も船室に――
「あ、あのっ、わたっ、私も、甲板でご一緒してもよろしいでしょうか!?」
突然ユナが声を張り上げる。
……いやいや。
「暗いし、速いし、怖いぞ?」
「そ、……そうなんですか?」
途端にぷるぷると震え出すユナ。
だが、ぎゅっとまぶたを瞑って――
「そ、それでも、是非!」
そこまで頑なになる理由は……おそらく。
「お姉さんも、一緒にいてくださいね」
と、ジネットの手を掴む。
……あぁ、なるほどね。
うん、なるほどなるほど。
ユナは周りの空気を読むのがうまく、相手の心の機微を敏感に感じ取れるいい娘なのだろう。
確かに、一瞬ジネットが寂しそうな、不安そうな顔をしたもんな。
自分のせいで船室に引き留めてしまうのは申し訳ないって思ったんだよな。
……でもな。
「変な気を回すな。ジネットはそんなことでどうこう思うようなヤツじゃねぇよ」
「え……いえ、別に、そういうつもりは……」
視線を下げ、俯く。
気遣いが失敗すると、折檻でもされていたのか、ユナの表情に暗い影が落ちる。
「やっぱ、俺も中にいるわ」
「え、でも、ヤシロさんは外の景色を見ていたいんですよね?」
お前まで申し訳なさそうな顔をするなよ、ジネット。
怖いもんを我慢するのは、精神的によくないぞ。
なので、夜中のトイレが怖い時は恥ずかしがらずにマグダに頼るのだよ、俺は。うん。
「夜風に当たってると風邪を引くかもしれないしな。さっき川に落ちたところだから、今日は我慢しとく」
「ぁ……、ふふ。そうですね。では、また今度、マーシャさんにお願いして、とっても速い船に乗せてもらってください」
「そーする」
何も、今回で最後なわけじゃない。
船室で、こいつらと一緒にしゃべって帰るさ。
「ありがとうございます」
だから、そんな礼なんか言わんでもいいんだよ。
「それから、ユナ」
「は、はいっ!」
こいつは、名前を呼ばれると叱られる合図だとでも思ってるのかね?
なんでそんなに肩をすぼめてまぶた閉じてんだよ。
「無茶はしなくていい。出来るように努力するのはいいが、無理をしたら必ず失敗する。出来ないことは周りのヤツらに助けてもらう練習をしろ。それが、最初の課題だ」
出来もしないことを無理して実行してもいい結果は生まれない。
出来ないことより、失敗される方が迷惑になるからな。
――とか言うと、失敗を恐れるようになって何も出来なくなるから、そこはまだいい。
「盛大に失敗して、失敗するクセを付けろ」
「し、……失敗するクセ、ですか?」
「その分、お前の体は仕事を覚える。で、失敗してもフォローしてくれるヤツがたくさんいるから、甘える練習もしとけ」
「甘え……あのっ、失敗も甘えも、よくないことなのでは、ない……の、ですか?」
「普通はな」
だが、お前が働くのは陽だまり亭だ。
「責任者がこの国一番のお人好しなんで、自然と甘やかされちまうんだよ、あの店」
「ふふ。いつの間に、ヤシロさんが店長になっていたんですか?」
「お前のことだよ」
「では、一番ではないかもしれませんね」
いやいや、お前以上のお人好しなんか存在しないから。
ジネット以上のお人好しか、ツチノコとチュパカプラのハーフだったら、後者の方がまだ見つかる確率が高いくらいだ。
「えぇ……っと」
「大丈夫ですよ、ユナ姉様」
戸惑うユナに、カンパニュラ先輩が含蓄のある言葉を贈る。
「今、姉様が抱えている不安が、きっといつの間にか全部なくなっています。自分自身の嫌いな短所が、いつの間にか好きなところになっています。そういう場所なんですよ、陽だまり亭は」
カンパニュラの言葉に、ジネットが瞳を潤ませる。
嬉しいよな。
自分の短所を好きになれるって、そんな風に思ってもらえてたって聞かされたらな。
「私がそうでしたから」
「カンパニュラ先輩が……? 年齢の割に、とても落ち着いて、優秀な方なのだと思っていましたが……」
「私なんてまだまだですよ。失敗ばかりしてしまうんです」
そんなことはないけどな。
「それでも、きつく叱られたことは一度もありません。皆様、とても優しく、どうすればよかったのかを教えてくださいます」
で、ロレッタ。そこで胸とか張るから、安っぽく見えるんだぞお前の威厳。
「陽だまり亭はすごい方ばかりが揃っているので、甘えるのに抵抗があるかもしれません。ですので、最初は私に甘える練習をしてみませんか?」
「あぁっ、ズルいですよ、カニぱーにゃ!? あたしも甘えられたいです!」
「……マグダは、甘えの天才であり、同時に甘やかしの天才」
「あーしも、あまえぅ!」
「テレサさんは、甘えん坊さん過ぎてはダメですよ。給仕長になるのですから」
「ぁい!」
テレサには、厳しい指導も出来るのか。
――にしてもチョロいな、陽だまり亭一同は。
完全にカンパニュラの手の上じゃねぇか。
思惑通りに人が動いて、気分いいだろ?
「カンパニュラは、いい領主になるね」
エステラが感心したように言う。
「これで、みんながこぞってユナを気にかけるから、ユナが陽だまり亭に馴染むのも、きっとすぐだろうね」
「ジネットがいるからな」
「君もね」
「あぁ、いじめっ子がいると、被害者の会で結束力が高まるもんな」
「ひねくれ者」
にっと笑ってネコパンチを出してくる。
浮かれてんじゃねぇよ。
「じゃあ、さっさと乗り込んでさっさと帰るぞ。腹減っちまったよ」
「だね。マーシャ、よろしくね」
「は~い☆ 一路、四十二区へ向けて、全速前進~☆」
「全速は出さなくていいからね!? 常識の範囲内で!」
「フルスピード~☆」
「不安になるから! やめてね!?」
わーわー言いながら、エステラに続いて船に乗り込む。
全員おとなしく船室へ。
この船は、デッカい客室が一つと、小さい客席がいくつかあるタイプのようなので、全員でデカい客室へと向かった。
備え付けの椅子がずらっと並んだ客席。
しっかりと床に固定されている。
……めっちゃスピード出す前提で設計してないか、これ?
俺が適当な席に座ると、両隣にエステラとジネットが座った。
「一応、念のため」
「は、はい。念のためです」
行きの船でのエスコートぶりが評価されたのだと思っておこう。
俺とは逆側の、ジネットの隣で身を固くしているユナ。
ナタリア、ノーマ、デリアがユナの周りにさりげなく陣取り、サポート体制を取ってくれた。
マグダは……え、ジネットの膝の上?
逆に怖くない?
ここがいいの?
そうか。
ジネットもそれでいいのか?
まぁ、本人たちがいいならいいけど……揺れた時に転がり落ちるなよ。
「……ユナ。よく見ているといい。これが、甘えのお手本」
と、ジネットの膝に座って、ジネットにしがみ付いて、先輩風を吹かせるマグダ。
ユニークな先輩だな、おい。
帰りの船は、思ったほど速くはなかった。
「どこがさ!? なに、あのお腹の奥がふわって浮く感じ!?」
「急に後ろに引っ張られるような感覚も、……怖かったです」
港に着いてからも、しばらくジネットとエステラは席から立てないでいた。
いやいや、ほんと、そんな全然だったから。
まぁ、腸がふわって浮く感じのはあったけど。
大きな波にでも乗り上げたのかねぇ。
「ごめ~ん☆ 一回、大きめの海獣こすちゃった☆ 大丈夫だった?」
「えっ、マーシャ、まだ出るの、海獣!?」
「大丈夫、大丈夫~☆ 大人しい子だから☆」
その大人しい海の生き物に、船で乗り上げてんじゃねぇよ。
一番危険なの、やっぱ人魚だわ。
海難事故だろ、これ、もはや。
「…………なくな、まけっ、まけりゅな……な、なんてこと……なななな……」
いや、ユナ! もう着いたから! もう大丈夫だから!
めっちゃ泣いてる。
そして、めっちゃぷるぷるしている。
「……みゅうっ」
そして、マグダもジネットにしがみ付いている。
おーい、もう降りようぜ。
かくいう俺も、ジネットとエステラに両手を握られ身動きが取れないでいる。
「船を降りたら陽だまり亭はすぐそこだぞ~」
「帰ろう、ジネットちゃん! ボクたちの陽だまり亭へ!」
「は、はい! ……でも、あの、もう少し待ってください、まだ、ヒザが……」
ビックリハウスでも、ジネットはふらふらになってたからなぁ。
「カニぱんしゃ、だいじょうぶ?」
「ぇ、と……はい、大丈夫は、大丈夫なのですが……もう少し、座っていたいです」
向こうもダメそうか。
「んじゃ、俺が先に帰って下拵えを――」
「いえ! わたしも行きます!」
ジネットが立ち上がった。
が、マグダが引っ付いているのでバランスを崩す。
危ねぇなぁ。
ジネットを支え、マグダを抱きかかえる。
マグダはこっちにくっついてろ。
「……むふー」
お前、本当は余裕だろ?
ただ甘えたいだけなんじゃないのか?
「この世の終わりやー」
「天変地異の前触れやー」
「しぇきしぇきハムっ子やー」
と、どこでどうなったのか、壁際で積みあがっているハムっ子どもが目を回している。
しぇきしぇきポテトみたいに言うな。
ないだろうが、しぇきしぇきポテト。ポテトを袋に入れてパウダー入れて、『shake it! shake it!』するヤツ!
っていか、お前らもっとダイナミックな遊びを楽しそうにやってんじゃねぇか。
何メートルも上空に放り投げられてキャッチされるとか、めっちゃ高所からの飛び込みとか、とどけ~る1号のガッコンガッコンとか!
そっちの方が危険だっつーの。
「しぇきしぇきポテト、つくるか……」
「なんでこのタイミングで新商品思いついたです、お兄ちゃん!? なんか不穏な気配がするですけども!?」
いや、案外ウケるんじゃないか?
パウダーをどうやって作るか……旨味成分を煮出して、乾燥、その後粉末に。
香料はレジーナに丸投げするとして、ハーブやチーズを粉末にして、塩コショウ、もしくは砂糖で味を調えれば……ふむ、いけるな。
「いや、その前にディップか」
「帰りましょう、ヤシロさん! そして、とりあえずやってみましょう」
ジネットの体力が回復したらしい。
瞳がきらきらだ。
ジネットが動き出すと、全員が下船準備を始めた。
「まだ立てないとか……ジネットより足腰弱いんだな」
と呟いたところ、全員が一斉に立ち上がった。
何気に失礼だぞ、お前ら。
「まだヒザが震えているヤツには、足つぼしてやればどうだ? 鍛えられるかもしれないぞ」
「それはいいアイデアですね!」
「いや、足つぼで酷使されても、足腰は強靭にはならないから!」
エステラが必死に止める。
そして、マグダとロレッタがユナに「店長さんの前では、絶対『足つぼ』って言っちゃダメですよ!」「……被害が甚大になる」と、基本的な注意をしていた。
みんな、ジネットの扱いに慣れてきたんだなぁ。
「あの、その『あしつぼ』というのは、どういったものなのでしょうか?」
「はぅわ!? ユーにゃん!?」
「……なぜ店長に」
「興味がありますか?」
「店長さん、食いついちゃったです!?」
「……さらば、ユナ。君のことは忘れない」
「すみません! 下船します! ネネ、急ぎますよ!」
「はい、トレーシー様!」
あ、乗ってたんだ、トレーシー。
「……エロクチイワシ」
俺に足つぼされた時のことを思い出して、照れてんじゃねぇよ。
お前がやれって言って、お前が迂闊な声を漏らして、お前が勝手に照れてたんだろうが。
ジネットにやってもらえ。
本当の足つぼに出会えるから。
「そういえば、ルシアってジネットに足つぼされたことないよな」
「そうなのですか!? ズルいですよ、ルシアさん!?」
「そういえば、一度もないですね」
と、きらきらした目でルシアを見るジネット。
「……いや、足つぼは、……よい」
しかし、最初の体験のせいで足つぼを警戒しているルシア。
足つぼの印象、施術者によって印象全然違うんだよなぁ。
「私はとっても好きですよ、ジネット姉様の足つぼ」
あ、施術者が一緒でも違う印象持ってるヤツがいた。
なんでカンパニュラは大丈夫なんだろう?
感覚の差かなぁ。
「さて、ユナはどうなるかな?」
「えっ、あの、なにか、不穏な空気を感じるのですが!?」
「やめておきなさい、クロウサギ人族のあなた。あなたはまだお若いのですから」
「りょ、領主様っ、あ、あの、は、はい!」
「ふふ、ダメですよ、トレーシーさん。そんな冗談で怖がらせては」
「じょ、冗談などでは……」
「あ、そうです。一度、経験者であるトレーシーさんに、お手本として足つぼを受けていただいて、足つぼはこういうものですよと見せてあげれば、ユナさんの不安も消えると思います!」
「申し訳ありません! 二度と口にしませんから、お許しください!」
足つぼの悪口言ったから罰を与えられてるわけじゃないんだぞ、トレーシー。
それ、ジネットの、純粋な善意からの言葉だから。
「まぁ、軽く受けてみればいいさ」
「待って、ヤシロ! ……道中がこの船で、いきなりジネットちゃんの足つぼって……四十二区のこと嫌いにならない?」
「エステラ、お前、足つぼに関してはジネット相手でも平気で毒吐くよな」
決してジネットの視界に入らないよう、俺の背中に身を隠すエステラ。
そのくせ、たぶん一番被害に遭う頻度が高い。
前振りの利いた、芸人の鑑だな。
「とりあえず帰ろうぜ。腹減ったよ」
「そうですね。みなさんも、よければ陽だまり亭にお越しください。少しお時間をいただきますが、美味しい料理をご馳走しますね」
「楽しみです、ジネット!」
「ベルティーナ。下船するまで待てなかったのか、お出迎え」
「早くみなさんのお顔が見たくなってしまいまして」
いつの間にか船内に乗り込んできていたベルティーナがにこにこして答える。
嘘を吐くな、嘘を。
絶対ジネットの「ご馳走」発言がセンサーに引っかかって飛んできたんだろうが。
「おや、こちらの方は?」
ロレッタやカンパニュラに囲まれるユナを見つけて、ベルティーナが首を傾げる。
「食料ではない」
「そんなことは分かっています! もぅ、お口が意地悪ですよ、ヤシロさん」
いや、腹減ってそうな顔で見てたから。
野兎、美味しいらしいし。
「ブラザー・ティムの従姉妹のユナだ。しばらく陽だまり亭で働いてもらうことになった」
「まぁ、あのブラザーの」
そんな驚きの言葉も笑顔のままで、ベルティーナはユナの顔を覗き込む。
「はじめまして。私は四十二区の教会を任されている、シスター・ベルティーナと申します」
「は、はじめまして、シスター様! あ、あのっ、ユナ・ニーヴです!」
「はい。元気があって、とても素敵なご挨拶ですね」
「い、いえ……」
褒められ、撫でられ、ユナの頬が赤く染まっていく。
「ベルティーナはみんなの母親だからな、たまに甘えさせてもらうといい」
「母親……」
呟いて、ユナが口を引き結ぶ。
「お母さんって、こんな感じ、なんでしょうか?」
そうか。
母親を知らないのか。
「もっと強烈なのもいるぞ、『あんた、いつまで遊んでんのよ! お手伝いしなさい!』って、ケツをバチーンって叩いてくるような肝っ玉母さんとかな」
「ぅえぇっ!?」
「シスターは、そんなことはされませんから、安心して甘えてくださいね」
「でも、悪いことをした時は叱りますから。覚悟してくださいね」
思わず「わぁ~、叱られてみた~い」と言ってしまいそうな顔でベルティーナが言う。
「わぁ~、叱られてみた~い」
あ、言っちゃった。
「もぅ、ヤシロさん。……めっ、ですよ」
叱られた。
わはぁ~。
「ユナ。陽だまり亭で過ごすようになっても、ヤシロだけは見習わないようにね」
「え、ぁの…………は、ぃ?」
エステラの、絡みにくいジョークにあいまいに返事をし、ユナが四十二区へやって来た。
カンパニュラとテレサが、何かと世話を焼きたがっている様が微笑ましいらしく、他の者たちはちょっと距離を取って見守っている。
存分に先輩を満喫すればいいさ。
「明るい……ですね」
暗くなり始めた四十二区。
光るレンガに照らされた街道を見てユナが驚きの声を漏らす。
「三十五区、暗かったもんなぁ」
「明るいわ! ちょうどいいくらいだ、あれが!」
ほんのり薄暗いのがお好みのルシア。
きっと、人には言えない後ろ暗いところがある人間は、薄闇を好むんだろうなぁ。
レジーナとか。
「なんも言ぅてへんのに、流れ弾に当たってもたな」
流れ弾は、きっと的を外した弓矢とか、そんな感じの言葉の変換なんだろう。
似た言葉があるもんだ。
「イメルダの家に行くと、ビックリするぞ。ここより明るくて」
「給仕たちが別棟に逃げるんだよね、眩し過ぎるって」
エステラが嬉しそうにイメルダをディスる。
「誰よりも輝くワタクシのそばに仕える給仕であれば、夜間の光るレンガくらい物ともしないのが当然ですわ。鍛錬が足りませんのよ」
「イメルダさんはお兄ちゃん並みに暗いのが怖いですからね」
「暗いのが怖いのではありませんわ。……暗いところに潜んでいるナニカが怖いのですわ」
「一緒さね」
ノーマはそう言うが――、イメルダ、分かるぞ!
「握手したですね!?」
「……固い握手」
「ホント、二人とも怖がりよねぇ」
「ヤシロとイメルダがいるから、この街道こんなに明るくしてるの、エステラ?」
「そんなわけないじゃないか、ネフェリー。ボクは何の指示もしてないよ。……ただ、このレンガの販売元が度し難い英雄教信者だからさ」
「あぁ、セロンさんねぇ」
「ウェンディも大概だよね」
くすくすと笑うパウラとネフェリー。
そう思うなら、ちょっとは信仰という名の暴走を控えるように言っといてくれ。
友達なんだろ、お前ら、ウェンディと。
「このあと、みんな、陽だまり亭に行くの?」
マーシャの水槽を押しながら、ミリィがみんなに尋ねる。
今回、マーシャの水槽係はずっとミリィだったんだ。
途中でデリアがちょっと拗ねたのだが、それが嬉しかったらしく、マーシャが頑としてミリィを手放さなかったんだよな。
「あたしは、今日はお休みの予定にしちゃったから、陽だまり亭に行くよ。ユナの歓迎会するんでしょ?」
「あ、いいね。やろうよ、ジネット」
「はい。みなさんで盛大に歓迎しましょうね」
パウラもネフェリーも参加するつもりのようだ。
「ぇ、あのっ、私なんかのために、そんな、歓迎会だなんて……」
「こ~ら、ユナ。『私なんか』禁止だよ」
「ぁぅ……すみません」
ネフェリーに指摘されて、ユナが肩を竦める。
「あ、じゃさ、『私なんか』って言ったら、罰ゲームは?」
「ぅぇええ!?」
「あっ、ぁあ、足つぼですか!?」
「きゅっ、急用を思い出しませんか、トレーシー様!?」
驚くユナ――以上に驚くトレーシーとネネ。
お前らには飛び火しないっつーのに。
あと、ネネ。
自分の判断で帰れないからって、主に「急用思い出しませんか」はないだろう。
「お兄ちゃん」
ロレッタが真剣な顔で俺の前に立つ。
「足つぼは、さすがに可哀想です。ユーにゃんが四十二区を嫌いになっちゃうかもしれないですし」
「その発言が、なぜ我々の時に出なかったのですか、ロレッタさん!?」
お前らの時は、悪癖を直すのが急務だったからだよ。
「何か、適切な罰はないですか?」
そんなに怖いか、ジネットの足つぼが。
そこまでめちゃくちゃじゃないんだけどなぁ。
「あ、あのっ、罰でしたら、どのようなことでも……私が悪いわけですし……」
と、ユナが決死隊のごとき表情で言う。
こいつ、罰ゲームとかしたことないんだろうな。
それにしても……
どんな罰でも、か。
……どんな扱いをしてやがったんだ、薬師ギルド?
「じゃあ、薬師ギルドの嫌いなヤツの名前でも、一人ずつ教えていってもらおうかな」
「嫌いだなんて、そんな! 恐れ多いです! 悪いのは、私ですので……っ」
こんな状況で、本当に罰ゲームなんかしたら、ユナが倒れちまうな。気を張り過ぎて。
なので……ジネット作戦で行こう。
「じゃあ、今後ユナが『私なんて』とか『私なんか』とか『ロレッタのくせに』とか言ったら罰ゲームな」
「『ロレッタのくせに』は言わないですよ!?」
「ちょっとうるさい、ロレッタのくせに」
「パウラさんは、すぐこーゆーのに乗っかる悪いクセがあるですよ!?」
「……それで、どんな罰を与えるの、ロレッタのくせに」
「お兄ちゃんに向かって話してるのに、なんであたし挟み込んでくるですか、マグダっちょ!?」
「ごめん、ちょっとだけ静かにしてくれるかな、ロレッタのくせに」
「エステラさんが乗っかってくるの珍しいですね!?」
と、騒がしいロレッタに、場の空気が温まったところで、罰を発表する。
「ユナが禁止ワードを言ったら、近くにいる誰でもいい、思いっ切りユナを抱きしめてやれ」
「へっ!?」
耳と髪を「ぼんっ!」と膨らませて、ユナが顔を真っ赤に染める。
「何人でもいいぞ。飛びかかってぎゅーってしてやれ」
「い、いえ、あの、なぜそのようなことを――!?」
「ここにいる全員で、お前の悪癖を直してやろうって作戦だ。四十二区総出で協力するぞ☆」
と、こういう言い方をすれば、ユナならきっと――
「そ、そんな、恐れ多いです! 私なんかのために、こんな――」
「よし、やろうども! やっちまえ!」
「「「わぁー!」」」
「ぅみゃぁ~!?」
俺の号令で、その場にいた女子連中が一斉にユナに飛びかかった。
俺の魂胆を読んでいたっぽいな、どうやら。
行動が超迅速でやんの。
「はわゎっ、はわっ、あ、あのっ、こ、これに一体なんの意味が!?」
その意味は、いつかお前が気付くだろう。
人の温もりは、触れた部分からしっかり伝わるからな。
「とてもいい罰ゲームですね」
もみくちゃには参加せず、一歩引いて見守っていたベルティーナが静かに言う。
「傷付いた心を直接撫でてあげることは出来ませんが、あぁやってしっかりと抱きしめてあげれば、時間はかかってもいつかきっと心の傷も小さくなっていくでしょう」
「ユナのこと、何も話してないのに、分かるのか?」
「ブラザーの境遇は知っていますから。それに――」
もみくちゃにされて、顔を真っ赤にしているユナを見て、ベルティーナは静かに微笑む。
「見ていれば分かります」
さすが、プロ。
「教会にも連れてきてあげてくださいね。きっと、子供たちが歓迎してくれます」
「恋煩いしてる最年長のクソガキはどうした?」
「うふふ……、カンパニュラさんやテレサさんたちがお手紙を書くようになって、自分もと文字の練習を始めましたよ」
「四十区にラブレターでも出す気か? マセガキめ」
「可愛いじゃないですか。『字が綺麗だね』って言われたいようで、頑張って練習しているんですよ」
「レジーナに頼めばうまくなるかもしれんぞ。テレサが化けた」
「そうなのですか? では、是非今度拝見させてください」
「今日にでも書いてもらえばいい」
「では、お願いしてみますね」
きっとビックリするだろう。
大人顔負けの、整った文字だからな。
マグダやロレッタは、完全に追い抜かれている。
テレサは、なんでも吸収できる大きな器を持ちながら、そこに何も吸収せずに生きてきたからな。
ここからの成長がとんでもないことになるだろう。
第二のナタリアは、もしかしたらテレサかもしれないな。
「お兄ちゃ~ん! この罰ゲーム、時間はどれくらいです~?」
もみくちゃの中からロレッタが声をあげる。
パウラたちに先を越されて、まだまだ存分に抱きつけてないようだ。
「執行人が満足するまでだ~!」
「やったです! さぁ、ユーにゃん、覚悟です!」
「ほにゃぁ~!」
陽だまり亭が目の前なのに、全然進まない一行の列。
「先に帰って、飯の準備でもするか」
「そうですね」
ジネットに言って、先に離脱する。
あとのことは、エステラたちに任せた。
「あっ」
もみくちゃを通り過ぎて、陽だまり亭が近付いた時、ジネットが声を漏らす。
そして、こちらを見て、楽しそうな顔で言う。
「ヤシロさんの煮魚とアサリの炊き込みご飯はわたしが作りますから、手出し無用でお願いしますね」
こういうのも、独占欲というのだろうか。
ジネットがこういうことを言うのは珍しい。
「出さねぇよ。ジネットの飯を楽しみにしてんだからな」
なので、俺もらしくないことを言っておく。
きっと、女将さんのことを思い出したから、なんだろうな。
「あぁ、そうだ」
一個、言い忘れていたので連中に告げておく。
「メンズどもがユナに抱きついたら、その時は……」
「「「まかしとけ」くさね」いてください」
なんか武闘派の女子たちが請け負ってくれたので、任せておこう。
大工連中が高速で首を横に振っている。
罰ゲームが本当の罰になっちゃ、笑えないからな。
メンズ諸君。
いのちだいじに。
あとがき
早春の日差しを浴びて、今
「「「ぼくたち」」」
「「「私たち」」」
「「「宮地たち」」」
「「「34名は、旅立ちます!」」」
Σ(・ω・ノ)ノ! 一学年34名は少ない!?
Σ(゜Д゜;) いや、それより「宮地たち」という括りよ!?
(;゜Д゜) しかも割といるっぽいぞ、宮地たち……
というわけで、
いまだにいろんなものから卒業できていない、宮地です☆
「聞いてくれよ、ジョージ。俺はこれまで一度も禁煙に成功したことがないんだ。なぜなら、一度もたばこを吸ったことがないからさ☆」
とかいう、打点の低いギャグからも卒業できず……
でもまぁ、三月ももう末ですから、
卒業式も終業式も終わったでしょうねぇ
先日、職場のマダムが一斉に数名お休みする日がありまして
マダムA「この日、何かあるの?」
マダムB「中学校の卒業式なんですよ。ウチの娘もこの日に卒業式で」
マダムA「まぁ、そうなの!? おめでとう~。娘さん、何年生?」
宮地「三年生だよ!?」Σ(゜Д゜;)
思わず会話に飛び込んでしまいました。
(^^;
横を通り過ぎようとしていたのに、びしぃって
模範的なツッコミしちゃいました。
最近は平日に卒業式やるんですねぇ
私たちの時代は土曜日だった気がしますけれど
あと、メンズも会社休むんですね
うちらの時代は、父親は卒業式とか入学式とか来ませんでしたからねぇ
いいじゃない、いいじゃない
休みなさい、休みなさい
で、家族でお食事でも行ってきなさい
なんなら私も休もうか?
あ、食事もついて行くけども?
で、娘さん、何年生?
それで、お義父様、折り入ってお話が――
……つまみ出されました
(´・ω・`)
私の記憶では、夏休みが一ヶ月半で
冬休みが三週間
春休みは二週間程度って記憶なんですが……覚えてないなぁ
で、卒業は三月の三日付近で、
一ヶ月近く休めてい~な~って思っていた気が……
まったく覚えてないものですね
そもそも、卒業したかも怪しい……
義務教育、終わってたっけなぁ…………終わってる、はず、たぶん……
あ、でもまだ思春期真っ只中だしなぁ
終わってない可能性も……
卒業証書に『(仮)』とか書かれてなかったでしょうか?
今となっては確認も出来ませんが
ウチの中学、
卒業式に親が来ない感じの学校で
式が終ったら教室でしゃべって、
第二ボタンをいつでも渡せる準備をしつつ教室で粘って
誰ももらいに来てくれなくて肩を落として各自とぼとぼ帰る感じだったんですね
……あぁ、バレー部の後輩(メンズ)に靴紐盗まれましたっけね
あと、体育館シューズ
三年の9月ころに壊れちゃって、
「今から買うの!?」みたいなタイミングで買っちゃった新らしいやつだったので
後輩(メンズ)にあげたんですよね
Σ(゜Д゜;) メンズばっか!?
Σ(゜Д゜;) しかも靴ばっか!?
まぁ、そんなもんですよね。
で、クラスでも「あ、こいつお金持ちだな」って感じの女子は、車でパパさんが迎えに来てて、
「食事行くぞ」って
「お嬢様だ!?」Σ(・ω・ノ)ノ!
ってびっくりしたのを覚えています。
でまぁそんな感じだったので、
中学の卒業式の写真とかないんですよね
……そういえば、入学式の時の写真もないなぁ
これははっきり覚えてるんですが、
物っすごい行列が出来てたから、私が「いらん!」って母親を引っ張って帰ったんですよ、たしか
母親は撮りたがってたましたけどね
自分一人のと、母親と並んで撮るっていう2ポーズ撮りますよ~っていうのをやってて
母親と一緒にっていうのが恥ずかしかったんでしょうね、12歳の私は(笑)
なので中学のころ辺りの写真、ほとんどないんですよねぇ
スマホがあったらパッシャパッシャ撮ってたでしょうけどね
あ、帰り際に、後輩の女子に
「写真撮ってください!」って言われて
「い~よ~」ってカメラ受け取ろうとしたら
「いや、写る方!」っていう小さい笑いが、中学生活最後の笑いでしたねぇ
天然で笑われたラストとか……
ただ、その後輩女子に見覚えがなかったんですよねぇ……
誰だったんでしょう、あの女子は?
もしかして、秘かに私に想いを寄せる女子(クラスメイト)が
「恥ずかしいから、あんた行って写真撮ってきてよ!」(*ノωノ)
とかだったかも!?
……ないですね。
うん、ないない。
なんか悲しい気持ちになってきたので本編の話をします。
やっぱ、卒業の話って、悲しい気持ちになりますよねぇ……
モテたかった……しくしく
あ、みなさんはもっと違うベクトルで悲しかったんですか?
そっかぁー
さて、前回、ヤシロがユナを連れて帰るぞ~って感じのラストで
今回は初っ端からユナ、ユナ、ユナ、で行こうとしたんですが
うっかり港でアッスントと会話してしまったがために、
3000文字ほどアッスントで消費してしまいました……
カクヨムさんの方の1話分、ユナがほとんど出ずに、ずっとアッスントです……
ちょっと話すと、めっちゃ伸びるんですもん!
盛り上がっちゃうんですもん!
アッスントとかベッコとか!
出演禁止にしましょうかねぇ……
そして、ユナが四十二区入りです!
ここからどんどん四十二区に馴染んでいってもらいます!
……カンパニュラと被らないようにしなきゃ
(・_・;
自分を過小評価している、丁寧口調の女の子……
気を付けなきゃ!
あ、そういえば、四十二区にはバニースーツがありますね!
(*´▽`*)
本物のウサ耳バニーが誕生するかも☆
というわけで、
ここからしばらく遊び回といいますか
四十二区で遊ぼう~みたいなお話が続きます
……ちょっと、ストックがないもので、大急ぎで書き溜めますね
トラブルが起こるのはまたもう少し先になります
まずはたっぷりと
「もういいわ!(゜Д゜#)」っていうくらい四十二区をご堪能ください☆
カクテルの勉強もしなきゃ!
お酒、飲めませんけども!
……一回どっかで居酒屋でも行きますかねぇ
居酒屋にありますよね、カクテル?
昔、なんか瓶に入ったカクテル売ってませんでしたっけ?
今もあるんですかね?
中学生のころ、クラスメイトが……おっと、令和令和。え~っと――
開発に携わってまして(ふぅ、誤魔化せた)
(;゜Д゜)いや、開発者もギリアウト!
私が飲んだことあるカクテルって、
ソルティードック(グラスの縁に食塩たっぷり)
カンパリソーダ(オレンジジュースの苦いヤツ)
カルーアミルク(コーヒー牛乳の苦いヤツ)
スクリュードライバー(必殺技)
くらいでしょうか
どれもこれも、ジュースの足元にも及ばない味でしたが
まぁ、なんとなく記憶に残っています
それくらいの知識で、カクテルの話を書きます!
(;゜Д゜) 無謀にもほどがある!?
というわけで、その辺の準備をしつつ
四十二区を遊び回ります
ルシアもついてきちゃいましたしね~( ̄▽ ̄)
というわけで、今年卒業だった皆様
卒業したご家族がいる皆様
おめでとうございました~!
私は、まだまだ思春期を卒業いたしませんけどね☆
次回もよろしくお願いいたします!
宮地拓海




