480話 メイクアップ・ビルドアップ・魅力アップ
また、盛大に頑張ったな……
という、全力投球の正装に、思わず頬が引きつる。
ウクリネスのヤツ、俺を貴族か何かだと勘違いしてないだろうな?
何を思って、一介の飲食店従業員にこんなゴテゴテしい服を着せてんだ。
「素敵です、カタクチイワシ様」
「今すぐお迎えしても、なんら違和感がないほどです」
ルシアんとこの給仕たちが勝手なことを抜かす。
「ヤシロ様、ネクタイが曲がっております」
「さすがの着こなしですね。エステラ様と色味の合った礼服がよくお似合いです」
で、何を密かにバチバチ張り合ってんだ、四十二区給仕。
全員エステラの方に行くかと思いきや、三人こっちに来たんだよな。
なんでかと思ったら、牽制かよ。
両区間の給仕同士でバチバチやり合ってんじゃねぇよ。
「俺が館の主になったら、給仕は全員紐ビキニを常用だぞ」
「大丈夫です、目にもとまらぬ速さで走れば、全裸でもセーフです!」
「お前かぁ!?」
噂の残念給仕、いたわぁ!
つか、なんで俺の方についてんの、その問題児が!?
「ふっふっふっ、……そのうち分かりますよ」
「「ふっふっふっ……」」
なに不穏な空気出してんだよ、三十五区給仕。
ねぇから、どっちも。
領主になる予定もつもりも未来設計もないから。
無意味なことで張り合うな。
「お前らの主なんて、所詮、二人足してもBカップにしかならないんだし」
「ルシア様一人でBカップなのに!?」
「もっと頑張ってくださいまし、四十二区さん!?」
「頑張って、アレです!」
「努力だけなら人一倍、いや、誰よりもなさっています!」
「その上での、アレです!」
「うるさいよ、君たち」
「外まで聞こえておったぞ……まったく」
と、なんか当たり前のように俺の控室に入ってくるエステラとルシア。
「着替え終わってなかったらどうするつもりだったんだよ」
「そんなものは決まっておる。不快なものを見せられたと、統括裁判所に訴えるだけだ」
なんて勝手な権力者。
統括裁判所もろとも潰れちまえばいいのに。
「「「あぁっ!?」」」
勝ち誇るように俺に笑みを見せるルシアを見て、全裸猛ダッシュ給仕を始めとする四十二区給仕が声を上げた。
「「「色味が、合っている!?」」」
言われてみれば、ルシアのドレスは、見様によっては俺の礼服と色味が合っているようにも見える。
エステラとルシアでは合っていないが、間に俺が入ることによって、どっちも色味が俺と合っているような色使いだ。
……なんちゅうややこしいことを。
「すまんな。こちらも、相応に虫払いが必要になってな、活用させてもらった」
「事後報告ここに極まれりだな。悪評が独り歩きしても責任取らんぞ」
「貴様との悪評など、今さらだ」
それを「今さら」で片付けるなっつーのに。
「噴水の完成、劇場の誕生、そこで上演される新しい演劇のクオリティと大反響、そして、四十二区との友好な関係――それらは、名も無き貴族連中には非常に魅力的に見えるものなのだ」
「ルシアさんは、そんな些事に手を焼いているヒマはないからね。だから、協力してあげてよ」
「なら最初からそう言っておけっての」
「ふっ……断られるのが怖くてな」
嘘吐け。
お前がそんな殊勝なタマかよ。
エステラは黒と青、ルシアは白と赤。
で、俺が黒と赤の衣装を着ている。
ロレッタたちは黒とモカ系統の色味だったから、四十二区は黒合わせか。
なんか重い色味だよなぁ。なんで黒なんかにしたんだ?
とか思っていると、エステラが耳打ちしてくる。
「一応、君の髪と瞳の黒は、四十二区がもらっといたよ」
俺に合わせたのかよ。
そういや、相手の髪色に合わせるのは婚約者同士がよくやる『匂わせ』行為だな。
じゃあ、俺の衣装は俺とエステラの髪色じゃねぇか。
「我々は、友好関係を示すために互いの髪色を取り入れている」
エステラは赤、ルシアは青の髪をしている。
いろいろ意味を込めてんだなぁ、衣装ごときに。
まぁ、会話もさせずに意思表示できる、貴族間の共通ルールみたいなもんなんだろうけど。
ルシアもエステラも、今回の式典に関しては、すべての貴族を門前払いするつもりなのだろう。
というか、そうしないといちいち声をかけられて煩わしいのか。
「お前らも大変なんだなぁ」
「分かってくれるなら、嬉しいよ」
「まったくだ。変わってほしいくらいだぞ」
金の匂いがする未婚貴族様は、気苦労が絶えないようだ。
「一応、君に危害が及ばないように、君が誰の相手なのか混乱させるよう配慮した結果なんだよ、これは」
俺の相手がエステラなのか、ルシアなのか、はたまた他の誰かなのか、色味だけでは分からない。
それでも、エステラやルシアの可能性があるから、ヘタに粉をかけるわけにもいかないってわけか。
「まぁ、それでお前らの負担が減るなら、別に服の色くらいなんでもいいけどよ」
「うん、すっごい助かる」
「恩に着るぞ、カタクチイワシ」
すげぇ、素直。
相当煩わしいのだろう。
「じゃ、見返り期待してるな」
「何が欲しいのさ?」
「女湯フリーパス」
「休業日限定でよかったら考慮するよ。好きなだけ掃除しに行ってあげるといいよ」
「何が面白んだよ、そんなもん」
こっちの世界には隠しカメラすらないってのに。
メリットがねぇよ。
「うちは休日でも不許可だ」
メリット見出すと思われてるっぽいな、俺!?
さすがにねぇわ。
「事情は分かったが、それなら給仕にも教えといてやればよかったのに」
エステラのところの給仕たち、ルシアの衣装見てびっくりしてたぞ。
ルシアの給仕は知ってたっぽいから、エステラの方だけ情報が共有されてなかったことになる。
「あぁ、いいの。その三人はちょっと、問題行動が目についたから、あえて情報を伏せたんだよ」
「「「酷いです、エステラ様!?」」」
「ナタリアに言って」
「「「ムリです!」」」
いや、給仕長より上の主に直訴する方が普通はハードル高いはずなんだが。
緩いなぁ、お前ん家のルール。
「ちなみに何したんだ? こいつは全裸ダッシュだろうけど」
「あ、分かった?」
自爆発言してたからな。
「そっちの給仕は、ボクにブーブークッションを仕掛けようとしたんだよ」
「……もう、随分前の話ですのに」
結構昔の罪で叱られているらしいな、今。
「で、残りの一人は?」
「給仕たちの飲み会で、ちょっと誇張し過ぎたナタリアのモノマネを、ね」
「なにそれ、見てみたい」
「い、いえ、もう二度とやらないと誓いましたので……」
「いいではないですか、お見せしてさしあげなさい」
「給仕長!?」
いつもよりも、格式高そうなメイド服に身を包んだナタリアが、完璧な笑顔で出現する。
瞬間、問題給仕三人が背筋を、背骨が「これ以上ムリー!」って泣き叫びそうなほど伸ばす。
「さぁ、ご所望ですよ?」
「い、いえ……誓いが……」
「今だけは、その誓いを破っても『精霊の審判』をかけないと誓いましょう」
「給仕長ぉ~!」
「さぁ」
にっこにこのナタリア。
すっげぇ圧。
関係ない俺まで、心拍数上がってるわ。
「うぅ……絶対、あとで怒るくせに……」
泣き言を言いながらも、やっぱり給仕長には逆らえないらしいモノマネ給仕。
チラチラとナタリアの顔色を窺いながら、腹をくくったように息を吸い込む。
体を前に倒し、前傾姿勢で、軽く持ち上げた膝に両手を添え、胸を強調するように両サイドから寄せ谷間を強調する。
そして、ここで一発。
「だっちゅ~のっふぅ~ん☆」
わぁ、誇張し過ぎ。
「なるほど、あなたの目に私はそのように映っているわけですね」
「自分でやらせたんじゃないですか!?」
「罰の追加です」
「あんまりです!」
泣きながら俺に縋りついてきて「なんとかしてください、ヤシロ様!」と訴えかけてくる。
あぁ、ここの三人は俺担当だから話しかけてもいいんだ、今日は。
許可制なんだよな、たしか、俺に自主的に話しかけるの。
なんかもう、友人くらい気軽に話しかけてきてるけども。
「まぁ、今のは俺がやらせたみたいなもんだから、ノーカンにしてやってくれ」
「あぁ、ヤシロ様っ、お優しい! 主になってほしい!」
「余計な発言は慎みなさい」
と、普段余計な発言ばっかりしているナタリアが注意している。
すげぇな、トルベック工務店のいる四十二区。自分のことを上げとける棚、めっちゃ頑丈じゃん。どんだけ自分のこと棚に上げてんのお前。
「そうだ、ナタリア。さっきのが似てたかどうか、判断が難しいから、オリジナルが見てみたいな」
「……は?」
ナタリアが、一瞬真顔になる。
「いや、ほら。オリジナルと比較してみないことには、判断難しいからさ」
「…………面白がっていますね?」
まぁな。
普段ならやってくれるだろうが、給仕の前では給仕長でいようとするナタリアだ。
しかも、給仕を叱った直後だから、ふざけにくいだろう。
恨みがマシそうな顔で俺を見て、それでも期待に応えなければという給仕長魂が燃え上がる。
ナタリアは、両ヒジを曲げて小さいガッツポーズを二つ作り、きゅっと控えめに胸を寄せて谷間を作って――
「さすがに無理だっちゅ~の」
――控えめにそう訴えた。
「株上げてきた!?」
「なんだ今の!? 可愛っ!?」
「こ、これが四十二区給仕長の底力!?」
「給仕長ナンバーワンの声も聞かれるナタリア・オーウェン氏、さすがです!」
四十二区、三十五区両方の給仕が入り混じって衝撃を受けている。
確かに、今の照れナタリアは可愛かったな。
凄まじい破壊力だった。
なるほど、これが給仕長ナンバーワンの実力か……
「遊んでないで、準備が出来たなら行くよ」
「ご案内するっちゅ~の、私は」
「マネをせずともよい、ギルベルタ」
エステラの冷めた声で、控室を出ることになった俺は、大広間へと移動した。
大広間に行くと、式典用の完全武装をしたオシャレさんが俺たちを出迎えた。
「見ろオオバ! 今日のために胸筋をパンプアップさせてきたぜ!」
「あ、ゴメン、リカルド、邪魔」
「誰が邪魔だ!? 見ろよ、俺の正装を!」
お前の正装を見ても、なんんんんにも面白くないんだよ。
「しかしまぁ、あれだな。お前も頑張ってるからな、今日は大目に見てやるよ、うん」
「あっはっはっ」と、背中をバンバン叩かれた。
なんか、「俺、分かってやれるから」みたいな態度にイラッとする。
「頭なんか下げるから、調子に乗られるんだよ」
「しゃーない、後日、二度と思い上がれないくらいに経済を滅茶苦茶にしてやるか」
「恐ろしいことを口走るな!?」
「トレーシーのところに『本当の美の街』を作ろうぜ」
「おい、やめろ!?」
「是非! そのお話、是非詳しくお聞かせください!」
大広間でエステラを待ち構えていたトレーシーが俺の方に食いついてきた。
あ、右手でしっかりとエステラの腕を掴んでる。
逃がさないって?
意地の汚いクソガキか、お前は。
おやつを両手で握りしめて独占しようとするタイプのクソガキムーブ。
「今日のドレスは特盛だな☆」
「そんなことよりも、詳しく聞かせてください」
「さらしを外して、きちんと形を整えるブラを着けているからいつにも増して形が綺麗に出ているし、晴れ晴れしい舞台に合わせてデコルテ部分の大きく開いたドレスを着ているから胸元がどどーんと存在感を発揮していて、かなりいい感じだ!」
「特盛についての詳細は求めていません!」
なんだよ、折角詳しく説明してやったのに。
「本当の美の街とは?」
「おい、やめろ、オオバ。教えるなよ」
知識を与えられたからといって、それを独占できるとは思うなよ?
どこで出すか、どこで出し渋るかは俺が決める。
「俺が、本物のバストアップマッサージを伝授しに行ってやる」
「それは結構です!」
「よく考えろ、トレーシー!」
「よく考えなくても不許可です!」
本当に、そうかな?
「バストアップ効果が認められれば……エステラが高頻度で通う可能性が高いぞ」
「はっ!?」
「『はっ!?』じゃないですよ、トレーシーさん!? ヤシロの甘言に惑わされないでくださいね!」
「完璧を求めるために、教えるのは俺になるが、その後施術するのは当然女性だ。いいか、よく聞け――女性が、女性に施術するんだ」
「女性が女性に……エステラ様に施術するのも女性……はっ!? 私、女性です!」
「そういうことだ!」
「教えてください、オオバヤシロさん!」
「はい、ストップ!」
「落ち着け、トレーシー。貴様の乳をカタクチイワシの好きにはさせられん」
ちぃっ!
エステラ・ルシアのWディフェンスが入ったか。
「大丈夫です。私は隣で見て覚えますので、そうですね……ネネあたりに犠牲になってもらって――」
「ヒドイですよ、トレーシー様!?」
涙目で訴えるネネ。
「おぉ、今日はネネもオシャレしてるのか。よかったな、連れてきてもらえて」
「友達枠じゃないですよ!? 私、給仕長ですからね!?」
あぁ、そうだっけ?
なんかここ最近、イネスとかデボラを見てたから、ネネのこと忘れてたよ。
「ちょっと残念になってきたイネスとデボラよりも、もっと残念な位置にいるからさぁ」
「失礼ですよ!? これでも最近は頑張って、給仕たちから『最近マシになってきましたね、給仕長』と言われているんですよ!」
いや、それめっちゃ小バカにされてないか?
「マシになってきた」って……
え、悪気なしでその感じなの?
「今度、我が家で給仕長飲み会をするので、その際は是非ネネさんもご参加ください」
「ちょっと待って、ナタリア。いつ決まったの、そんなこと?」
「イネスさんやデボラさんと飲み会をしたと聞いたギルベルタさんが――」
「したかった、私も、その飲み会に、参加を……しょんぼり……」
「――と、このように可愛かったので、先ほど決定いたしました」
「勝手に決めないでよ。君たちの飲み会って、絶対泊まりになるじゃないか……はぁ、調整するから十分な準備期間を設けてよね」
「いやっふぅ~☆」
「便乗いやっふぅ~、と小躍りする、私は」
「それはさておき、お任せください」
「ない、抜かりは」
「物凄く心配になる一言を挟み込まないでくれるかな、二人とも!?」
「エステラよ。こちらにも被害が及んでおるのだが……責任は取ってもらうぞ?」
「あはは……では、その日はルシアさんもウチに来ていただいて……」
「いや、陽だまり亭でよい」
「失敬ですからね、その発言は!? まぁ、気持ちは分かりますけども!」
と、なんか給仕飲み会が開催されることになったらしい。
「参加しなさい、ネネ! あなたは、ナタリア給仕長から吸収することが多々あるはずです! そしてその日、私はエステラ様の館へ泊めていただきます!」
「えっと、ボクも陽だまり亭へ――」
「では、私も陽だまり亭へ☆」
「勝手に決めんな、家主もいないところで」
まぁ、ジネットなら、絶対断らないと思うけども。
「あ、リカルドは立ち入り禁止ね」
「何も言ってないのに、断りを入れてくるな! ……そんな女性領主の集まる場所、おいそれと立ち入れるか」
「立ち入られるこっちの身にもなれっての」
「なんならオオバは、その日ウチに泊まりに来てもいいぞ?」
「なんの罰ゲームだよ、それ?」
お前んとこに泊まるメリットが何もねぇよ。
お前んとこにあるの、筋トレ器具くらいじゃねぇか。
「ベンチプレスもないくせに」
「なんだ、それは?」
「胸筋を鍛える器具だよ」
「詳しく聞かせろ! もう今日泊まりに来い!」
「お断りだ」
お前らなんぞ、砂袋を棒に括りつけてバーベルの代わりにでもしていればいいんだ。
「いや、前々から思っていたんだがな、オオバ、お前はもっと筋肉を鍛えればなかなかいい線をいくと思うぞ」
「お前のたどってる線の上は、全力で回避する所存だが?」
なにをちょっと上から目線で言ってくれてんだ。
お・こ・と・わ・り、だっつーの!
「まぁ、とりあえず、ベンチプレスの件だけは詳細を頼む。きっといい物に違いないからな」
「エステラ、リカルドが四十二区の港に小劇場を寄付してくれるってよ」
「えーそうなのー? ありがとー」
「そんなわけねぇし、もし仮にそうなのだとしたら、せめてもうちょっとくらい感情をこめろ、エステラ!」
「その際は是非匿名でお願いねー」
「めっちゃ名乗るわ! シーゲンターラー劇場とかにしてやるわ、名前をよぉ!」
「なんでそんな衝動的に即取り壊しちゃいそうな名前にするのさ!?」
「衝動的に取り壊してんじゃねぇよ!?」
自分の区にリカルドの名前が付いた建物があったら……うん、取り壊すな。秒で取り壊すな。
「相変わらず、騒々しいな、ヤシぴっぴの周りは」
「どこにいても目立つな、君は」
ドニスとイベールがすげぇゴテゴテしい礼服を着てやって来る。
こいつらは、自分のとこで着て、ここまで来たんだろうなぁ。
馬車で。
うわぁ、体力すり減りそう。
「俺、絶対領主になんかならない」
「はっはっはっ、着慣れてしまえば、こういう服もどうということはなくなる」
「まぁ、あまり着る機会もない。年に数度のことと諦めることが肝要だ」
だから、ならねぇってのに。
「大丈夫だから、慣れるから」みたいな口調で諭してくるのやめてくれる?
ならないから、領主。
「あ、そうだドニス。あとで頼みたいことがあるから」
「ん? なんだ?」
「あとでな」
「今は言えぬことか?」
「ルシア、ノスタルジック街道の水路、水張っといてくれるか?」
「何をする気だ、カタクチイワシ?」
「あとでな」
「そうやって隠すから不安が膨らむんだよ。言っちゃいなよ、今ここで」
と、エステラが苦言的なものを呈してくるが、言っちまうと感動が減るだろうが。
まぁ、ヒントくらいはいいか。
「ドニス、着替えとかタオルって持ってきてる?」
「落とす気か、ヤシぴっぴ!?」
「完成前の観光地で死者を出すな、タワケイワシ!」
「いや、死ぬとまでは言っておらぬかったぞ、ミズ・スアレス!?」
「年寄りが溺れれば死ぬではないか?」
「意地でも死なぬわ!」
年寄り扱いされたドニスがちょっと怒ってムキになっている。
まったく……
「騒がしい連中だこと」
「君のせいだよ、君の」
エステラからのクレームは、聞き流しておいた。
それから、大広間には続々と顔見知りたちが集まってきた。
「すったげ、こんガどえりゃ~人数さ揃っデっとぉ、おったまげるデなぁ~」
「ごめん、シーラ。そこまで顔見知りじゃないから、初っ端に出てこないでくれるか?」
「あンれまぁ、ヤシロ様デねぇ~のぉ~。今日は一段と、えぇ男だぁ~ねぇ~」
「まぁな!」
「ごめん、シーラ。すぐ調子に乗るから、あんまり褒めないで」
失敬だぞ、エステラ。
こういう純朴そうな女子には分かるんだよ、男が内に秘めたエレガントさみたいなものがな!
「秘めっぱなしではないか、モチグサレイワシ」
適宜放出しとるわい。
「お久しぶりであるな、皆様よ!」
「よぉ、カーネル」
「ミスター・ワーグナーだよ!」
カーネルさんこと、マルコ・ワーグナーと、そこの給仕長シーラ・キャンサー。
こいつらも、ちゃんと呼ばれているらしい。
えっとたしか、三十二区の領主で、ドニスと関係が深いんだったかな?
で、ふと見れば、三十一区の領主、オルフェンとその兄貴のアヒムも来ていた。
「おぉ、英雄様! ご健勝そうで何より!」
オルフェンが人好きしそうな顔でにこやかに寄ってくる。
「服のセンス終わってんな!?」
「えぇっ!? そうですか!? この目に突き刺さりそうな黄色は、私のお気に入りなのですが」
蛍光イエローみたいなスーツを着てやがる。
そこに蛍光ピンクでも混ぜたら、目がちかちかすること請け合いだ。
で、そんな蛍光ピンクを着ているのが兄貴のアヒムだ。
「え、バカなの?」
「いやいやいや! オシャレで着ているのですぞ、これは!?」
「二人並んでみ?」
「こうですか?」
「うっわ、目がチカチカする」
どうやって染めたんだよ、そんな蛍光色。
こっち来て初めて見たぞ。
サイケデリックも大概にしろよ。
「イベール、教育を頼む」
「……私には荷が重過ぎる」
「『会話記録』
「それをここで持ち出すなと言ったはずだ!」
ドニスの目をめっちゃ気にしている。
マーゥルに「ケツの穴」発言しちゃったからなぁ。
「……今回で最後にしてくれよ」
「冗談だから、真に受けんなよ」
「一切冗談に見えないのだよ、君の態度は!」
えぇ~、こんなにプリティないたずらっ子フェイスで言ってるのにぃ~。
「そういえば、駄菓子、であったか。あれの製造も一部噛ませてもらうことになった。また何かと協力を仰ぐこともあるだろう。その際はよろしく頼む」
っていうことにして、デボラを四十二区へ寄越してやろうってことか。
「給仕長思いな領主様だこと」
「……分かっているなら、いちいち口にしないのが紳士のマナーだ」
「ごめん、俺の『紳士』、女性にしか発動しないんだよな」
「女性にも発動してないよ、ヤシロ」
「口を開けばおっぱいおっぱいと、それでよく紳士を語れるものだ、このチチクチイワチ」
軽く噛んでんじゃねぇよ。
イワチになってんじゃねぇか。
「ごほん……ミズ・スアレス。発言には気を付けたまえ」
イベールがルシアの「おっぱい」発言を注意する。
「まぁ、『ケツの穴』とか言い出さないだけマシじゃね?」
「誰が口にするか、そのようなこと! ふざけるのも大概にせよ、オトボケイワシ!」
と、ルシアが怒るが、それ以上に怒ってるイベールが静かにこっちをめっちゃ睨んでいる。
それはもう、めっちゃ睨んでる。
悪かったって。
ちょっとイジってみたくなっちゃっただけなんだって。
ごめんって。
まだ睨んでんじゃん!
めっっっちゃ睨んでんじゃん!
怖い領主って、やだわ~。
――とか思っていると、知らない男に声をかけられた。
「君が、オオバヤシロ君、だね」
アニメに出てくるイケメンみたいな声に振り返ると、うっすらと無精ひげを生やした若い男が立っていた。
覇気のない痩せた顔。
長年手入れされていそうもない、伸び放題の長い髪。
でも、瞳の奥には頑固そうな芯の強い光を宿している。
口喧嘩すら嫌いそうな印象を受ける。
それは優しそうだからではなく、そういった煩わしさを嫌いそうな――平たく言うと自分勝手そうな雰囲気を持っている。
多少の偏見を込めて言ってしまえば、研究者に多そうなイメージだ。
自分の興味があること以外には一切の興味を示さない。
人付き合いにも、身だしなみにも、なんなら食事や睡眠にも興味を示さない。
そういう、変態的な研究者が、こういう顔をしている。
実際、満足いく食事をしているようには見えない痩せ方だ。
で、取って付けたように身だしなみを整えてきた感じ。
人畜無害そうな笑みを浮かべているが、緩んだ口元を引き締めれば、何を考えているのか分からないサイコパスみたいな顔つきになりそうな表情。
でもまぁ、とりあえず笑っていると、そこらの気安いニーチャンという印象か。
「初めましてだな、ミスター・ヴァルター・クラウゼ」
こいつが、三十三区領主、ヴァルターに違いない。
ついに対面したぞ。
「「「ズルいですぞ、初対面で名前を覚えてもらっているなんて!」」」
と、外周区と『BU』の地味な領主たち(たぶん名前とか付いてないんじゃないかな、あいつら?)が抗議してくる。
「「「いや、名前ありますから!」」」
言った後、口々に自分の名前を名乗るが、全員一斉に名乗ってるせいで、一切耳に入ってこない。
「光栄だな。名前を覚えていてもらえるなんて」
イケボがいい声で笑う。
日本にいたら、絶対声優で大成するタイプの声だな。
「三十三区は、何かと『美味しい』区だからな。仲良くしとこうと思ってよ」
「「「我らも仲良しですぞー!」」」
「「「F・R・I・E・N・D! フレンド・ヤシロ!」」」
「うっせぇ! 話が出来ねぇだろうが!」
有料だからな、俺の友人枠!
サブスク形式なんで、月額料金払ってから言ってくれる、そーゆーの!?
「それで、なんて呼ぼうか、ミスター・クラウゼ」
「あははっ、ヴァルターでいいよ。僕はね、別に偉ぶりたいわけじゃないんだ。祖父や父がたまたま領主だっただけで。そして、不幸なことに僕に兄がいなかっただけで、僕が領主になっているんだけれどね」
ほほぅ。
欲のないことで。
でも、そんな発言してると、「なら俺に寄越せ」って輩が群がってきちまうぞ?
「誰かに譲ってやれば?」
「出来るならそうしたいところだけれどね、生憎と、僕はあの街とあの街の住民たちが大好きなんだよ。だから、街を悪くするような輩には譲れない。微笑みの領主様だっけ? 彼女のような人になら、喜んで譲り渡すけれどね」
「いえ、ボクは四十二区が一番ですので」
エステラが話に入ってくる。
というか、エステラを話に引き込むための話題振りだったんだろうな、今のは。
「はじめまして、ミスター・クラウゼ。四十二区の領主、エステラ・クレアモナです。先日はウチの給仕長がお世話になったようで」
「あぁ、ナタリアちんね」
「ナタリアちん!?」
「あ、ごめんごめん。あまりに美人だったから、ついそう呼んじゃってるんだけど……かまわないかな?」
美人だと名前に「ちん」が付くのか?
どんな完成だ?
「お前、ポコって名前の美女がいたらどうするつもりなんだよ」
「ぶはぁあっ! …………っくは、はははっ、ちょっ、きみっ……レディの前で、そういう話は……ぅひひひっ、よしたまえよ……くくくっ」
言いながら、めっちゃ笑ってんじゃねぇか。
「……なに、その『ポコ』って? ろくでもない話なのは、雰囲気で察するけど」
「察したなら口にするなよ、レディ」
「……君は、たまにはブレなよ、こういう場なんだから」
ブレないのが俺なもので。
「いや、失敬。こんなストレートな下ネタ言ってくるの、ウチのブラザーくらいだから、油断してたよ」
「下ネタ言ってんのか、ティム」
「たま~に、ね」
と、イケボのウィンク。
やめい。
女にしてやれ、そーゆーのは。
「そうそう。それで、そのティムから話を聞いてね、これは是非会いに行かなければと思ってさ……君、すごく面白い技術を知っているようだね?」
「鉱石マニア垂涎ものの、とびっきりのネタだぞ。仲良くしたくなっただろ?」
「そりゃあ、もう。ついでに、ライターっていうのも、見せてもらいたいね」
ティムは約束通り、頑張ってくれたようだ。
なんか、領主様に話しかけるなんて恐れ多いみたいな空気醸し出してたくせに、下ネタ言ってんのかよ、あの腐れブラザー。
まぁ、なんにせよ、顔繋ぎは出来た。
今度いい情報を持って会いに行ってやるよ。
お前の従妹の情報をな。
喜ぶかどうかは、知らんけども。
「ヴァルター様」
一人の女性が、ヴァルターの後ろからすっと出てくる。
「……デカい」
「こら」
胸の話じゃねぇよ。
身長の話だよ。
「いや、でも胸もデカいか」
「こら」
いや、どうせ怒られるなら、もういっそのことと思って。
「こちらを、お近付きのしるしに」
「あぁ、そうだったね。ありがとう。忘れるところだったよ」
ヴァルターがそのデカい女から受け取った瓶を、こちらへ差し出してくる。
「これはね、うちの領内で作った清酒なんだ。エールやワインとは違って、まるでナイフのような切れ味が特徴なんだよ。是非味わってみてくれ」
「エステラ、もらっとけ」
「うん。有り難く頂戴します、ミスター・クラウゼ。ナタリア」
「はい」
「わぉっ、ナタリアちん。今日も美人さんだね」
「ありがとうございます」
おぉっ!?
ナタリアが悪ノリしなかった!?
いつもなら「でしょうね」くらい言ってのけるのに。
さすがにまだ関係は出来上がっていないのか。
「オオバ君も飲んでね」
「俺の故郷では二十歳まで飲酒は禁止なんでな」
「宗教かい?」
「いや、ただの風習だ」
だから、向こうで「お? 今日は飲んじゃう?」みたいな目でこっちを見てきてるオッサンども、落ち着け。
付き合わないから。
「あぁ、そうだ。みなさんの分も用意しましたから、是非持ち帰ってください」
「「「よっしゃぁ!」」」
領主たちが揃いも揃ってガッツポーズを決める。
せせこましいなぁ、買えよ、金持ってるんだから。
そんなオッサンどもの賑わいを見て、ヴァルターが目を丸くする。
「あ……あはは、なんだか、みなさん、雰囲気が変わられましたね。そんな感じでしたっけ?」
「こんな感じだろ、いつも。バカばっかだぞ」
「え……っ」
俺の言葉に、首をぐりんっとこちらへ向けて目を丸くするヴァルター。
なんだ?
変なこと言ったか?
「いや、仮にも領主のみなさんに……いや、仮にもって言うのも失礼だけど……君、肝が据わり過ぎてないかい?」
あぁ、そういうことか。
「では、心を入れ替え、今後は皆様とは適切な距離を取ってお付き合い……いや、一般庶民のワタクシごときが領主の皆様と同じ空間にいることなど烏滸がましいですね。では、ワタクシはこれで」
「「「いやいやいや! 今のままでいい、むしろもっとフレンドリーにプリーズ!」」」
「滅相もございません、領主様」
「「「敬語やめて! もっと罵って!」」」
「さすがにキモいぞ、オッサンども」
「「「ありがとー!」」」
いや、「ありがとう」はおかしいだろ。
「いやはや……これは、なんというか……ブラザーの話は誇張じゃなかったってこと、かな?」
戸惑う声もイケボなヴァルター。
つーか、ティム。領主になんて話したんだよ。
こんな惨状を受け入れられるような事前情報、渡してんじゃねぇよ。
「あっはっはっ。付き合えば付き合うほど癖になるんだよ、彼という人間はね」
「おぉ、デミリーさん! ご無沙汰しています」
「本当にご無沙汰だよ。君はどこの会合にも、まったく顔を出さないからね」
「すみません。ここ数年はいい作物が取れたもので、酒造りが楽しくて」
さすが、人たらしのデミリー。
出不精領主とも仲がよさそうだ。
……一緒に酒を飲んだことがあるとかほざいてた三十七区領主なんか、全然話しかけられてないってのに。
しっかりしろよ。ガラスの値段交渉するんじゃなかったのかよ。頼りない。
「ちなみにヴァルター。三十七区の領主の名前知ってるか?」
「そりゃあ、もちろん」
「ナナシーノ・ゴンベィ」
「あれ? そんな名前だったっけ?」
「俺の中ではそうなっている」
「じゃあ、僕の記憶違いだったかな」
「カーゴ・ウィスラーですよ!?」
「あはは、気のせいだ」
「自分の名前が気のせいってなんですかな、オオバ君!?」
「気のせいですよ、ミスター・ゴンベィ」
「面白い方に乗っからないでくだされ、ミスター・クラウゼ!」
あははと、いい声で笑うヴァルター。
このノリ、ちょっとティムっぽいな。
そういう風土なんだろうか。
「ん? なに、ナタリア?」
こちらで話をしている裏で、ナタリアがエステラに何か言ったらしい。
気になってそちらへ視線を向けると、ナタリアに困り顔で睨まれた。
俺がそっちを向いたせいで、全員の視線がナタリアに集中したからだろう。
……ごめんって。
「お話の腰を折ってしまって申し訳ございません。折角ですので、一つ質問をよろしいでしょうか?」
「あぁ、いいよ。なんでも聞いて」
静かに挙手をするナタリアに、ヴァルターはにこやかに許可を出す。
気のいい兄ちゃんだ。
たぶん三十代前半だよな、こいつ。
「お連れになっている給仕が、先日お会いした給仕長とは、別の方でしたので少々気になった次第です」
「ん? あぁ、そうか。ナタリアちんが来た時はまだマザリンが給仕長だったね。リゼ、みんなに自己紹介を」
「了承いたしました。指示を実行いたします」
機械的な口調で言って、リゼというデカい給仕がヴァルターの背後で半歩移動する。
俺たちから見えやすいように。
「数日前より給仕長に就任いたしました、リーゼロッテ・グラーフと申します。以後、お見知りおきをよろしくお願いいたします」
すっと頭を下げる姿は美しく、こいつもちゃんと給仕長だ。
「ネネとは大違いだ」
「ぅにゅ!? じ、自分でもそう思いますけど、うるさいです、オオバヤシロさん!」
「新人なのに!」
「私も頑張ってますもん!」
ネネは、そっちの方向で頑張ればいいよ。
ナタリアとギルベルタの目が「ほわ~」って緩んでるから、今後何かとフォローしてくれるさ。
可愛いんだってよ、お前が。二人の表情が雄弁に物語っている。
「しかし、デカいしデカいな」
「なぜ二回?」
「あぁ、ごめん。彼の言うことは気にしないで。こっちで制裁加えとくから」
「全給仕長のデータ収集でもしているのか貴様は」
「――Eですね」
「君も協力しないようにね、ナタリア!」
「……負けました」
「しょんぼりしないで、デボラ!」
エステラが大車輪の活躍だ。
どこに行っても冴えてるなぁ、こいつのツッコミ。
で、そのリーゼロッテ給仕長。
身長は190cmほどもあり、胸は――いや、おっぱいはナタリアの言ったとおりのEカップ。
「なんで言い直したの?」
心を読む妖怪エステラのツッコミはスルーして――
白髪のショートカットで、瞳はエステラよりも濃い赤。
まるでマグマのような赤だ。
エステラの透き通るような赤とは違い、かなり色合いが深い。
そして表情が硬い。
っていうか、まるで彫刻のようだ。
「初対面の時のイネスより怖い顔だな」
「失敬ですよ、コメツキ様」
と、イネスが抗議してくるが、初対面の時のお前は氷の彫刻みたいな冷たい顔してたよ。
「『今ではこんなに可愛いけどな☆』」
「え、なに、それ俺の真似? やめてくれる、全然似てないから」
「『デボラも素敵だぜ☆』」
「やめてって言ったもんに便乗しないでくれる、デボラ?」
「『ナタリア、はぁはぁ、ナタリア』」
「お前ら、ここを『遊んでいい場所』って認識してんの? こんだけ領主が揃ってるのに?」
「『思う、一番と、ギルベルタが』」
「あぁ、ダメだ。ここを取り仕切らなきゃいけない本拠地の給仕長がこの有り様だ」
全員、しっかりと躾けし直しとけ、給仕長を。
「君からの悪影響だよ」
「責任をこちらに擦り付けるな、カタクチイワシ」
文句を言う女領主二人に、大きく頷くイベールとゲラーシー。
給仕一人制御できなくてどうする。
まったく。
「ヴァルターは、こうはなるなよ?」
「なんというか……君は話に聞いていた以上に大物なんだね」
そうでもねぇよ。
「給仕長交代って、前任はそんな婆さんだったのか?」
四十区のシスター引退騒動があったので、そんな印象を持ったのだが――
「いやぁ、まだまだ可憐なレディだよ」
――違うらしい。
まぁ、「可憐」は度が過ぎるお世辞みたいだけどな。
ヴァルターも笑いながら言ってるし、ナタリアがしょっぱそうな顔をしている。
……いや、ナタリア。失礼失礼。礼を失し過ぎるな。
「彼女、腰を悪くしてしまってね。今後もウチで働いてもらう予定だけれど、給仕長ってハードな仕事だからね。それで、娘のリゼに引き継いでもらったのさ」
前給仕長はこのリーゼロッテの母親なのか。
ナタリアと同じ感じだな。
相当叩き込まれているのだろう、まだまだ若そうなのに立ち姿が美しい。
ナタリアやイネスに近しい雰囲気を感じる。
「まだまだ若輩者だから、至らない点もあるだろうけれど、よろしくしてやってくれると嬉しい。リゼも、みなさんからいろいろ学ぶようにね」
「承知いたしました。確実に実行したします」
ヴァルターに肩を叩かれ、静かに頷くリーゼロッテ。
すぐさま、懐からノートを取り出し、物凄い速度で何かを書き始める。
研修中っぽい仕草だな。必要かどうかは疑問だが、吸収しようとする姿勢は大したものだ。
「このまま話をしていたいところだが、そろそろ会場に移動したい。準備はよろしいかな?」
ルシアが声を上げ、全員がそれに了承する。
ヴァルターも「じゃあ、また後で」と俺の前から離れていく。
その時、メモを取りながらヴァルターに追従するリーゼロッテのノートの中身がチラっと見えた。
チラっとしか見えなかったから見間違いかもしれないけれど、すげぇ細かい文字でびっしりと文字が書かれていた。
『肩に触れていただいた。あぁ、ヴァルター様愛おしい。まず声がいい。今日も素敵過ぎる。「リゼ」と名を呼ばれるたびに生まれてきた幸福を噛みしめる。はぁ尊い。ヴァルター様しゅきしゅき大しゅき、メチャラブエクスプロージョン☆』
――うん。見間違いだと、いいな。
あとがき
苦言を「ていっ!」する
ていっ!(ノ≧▽≦)ノ【苦言】
……って、原稿に書いてあった、宮地です☆
原稿書く時って、疲れ切ってるんだなぁ~
(^^;
まぁ、物の見事に苦言を「ていっ!」してますね
というわけで、
ついに!
「真っ裸でも全力で走れば見えないのでセーフ」給仕が初登場です!
都市伝説ではありませんでした!
いました!(笑)
トト■と同じです!
いたもん! メイ見たもん!
五月「お願い!『真っ裸でも全力で走れば見えないのでセーフ給仕』のところへ連れてって! メイが迷子なの!」
みたいな感じですね☆
全裸給仕「乗りな」
五月「メイのところへ連れて行ってくれるの!?」
警官「いや、その前にあなたはこちらへ」
全裸給仕「あ~れ~」
そんな世界線です☆
最近、あとがきを書き終わったらAIに見せて
「こんなあとがきなんだけど、世間様に怒られない?」
ってセーフティーネット的に確認を入れているんですが
AI1「この表現は、受け取る人によっては危険かもしれません」
AI2「ここの表現はやや直接的なので変更した方が無難です」
AI3「ほぼアウトです」
とか言うから、電源切ってやりました( ̄▽ ̄)
しばらく使ってやらないんだからね!
ぷん!
というわけで、ギリギリアウトなあとがき
はーじーまーるーよー!
\(≧▽≦)/
あ、ここをご覧の皆様、
ちょっとエッチな案件で逮捕とかされないでくださいね
なんか自宅とか調べられて
アナウンサー「被告は、おっぱいを著しくフィーチャーしたネット小説を読んでおり、余罪が~」
とか言われちゃいますからね☆
すぐに紐づけて関連付けるんだから、まったくぷぅ
…………誰が「いやお前が一番捕まりそうだわ」ですか!?
きっぱりと反論しにくいじゃないですか!
……気を付けます。
……で、
こういうの書くと、AIは「表現的にちょっと危険ですよ」って言うんですよねぇ~
「読者の方は逮捕なんてされませんよ」って
あっはっはっ、いやいや、私は?
私には「そんなことないですよ」って言ってくれないの?
AIめ!(>△<;)
ちなみに、前回ダメって言われたのが――
宮地「私、女性のストライクゾーン広いんですよ」
友人「ほぅほぅ」
宮地「下は4歳から」
友人「広いな、おい!?」
宮地「上は9歳まで」
友人「低っ!? 狭っ!?」
これが、今のコンプラではアウトらしいです
いやいや、真に受けるなよと!
AIよ!
読者様を舐めるなよと!
こんなの、誰も真実だなんて信じるわけがないじゃないかと…………おやぁ?
何人か真に受けていそうな雰囲気ですねぇ
とりあえず、その手に持ったスマホを置きましょうか
「ひゃくとーばんって何番?」とか、検索するのやめましょうか?
117とかにかけといてください、どうしてもというのであれば
「宮地さんのあとがきは好きですけれど、おっぱいのネタは見ていて嫌な気分になるので書かないでください」とか言われたら、どう対応すればいいのでしょうか……
宮地「じゃあ、パンツで!」( ̄▽ ̄)/
読者様「一緒! ほぼ一緒っ!」Σ(゜Д゜;)
私も時代に合わせてアップデートをしていかねばいかんなと、
そう思う昨今なわけですよ。
実質、平成初期のノリでここまでやって来ていますからね
スカートめくり~!
「いや~ん、まいっちんぐ☆」
Σ(゜Д゜;) いや、それは昭和!?
私が小説書き始めたころなんて、
ラッキースケベ大喜利みたいな状況でしたのにね~
「いや、そうはならんやろ!?」みたいなラッキースケベがわんさか(笑)
しかし、時代は変わる
私も変わっていきましょう
いつまでもおっぱいおっぱい言ってはいられないのです
ですので――
『鎖骨下マシュマロ』
とか言ってみます?( ̄▽ ̄)
これならセーフじゃないですかね?
(≧▽≦)/わぉ、頭いい~☆
いつか、この作品自体が運営様に抹消される可能性が……
(・_・;
どうしましょう、全話のあとがきに「いい意味で」って書いておけばセーフになりませんかね?
初期~中期にかけて、酷い時期がありましたし
最近は少し大人しくなってきましたけれども……
え、最近の方が酷い?
あはは、そんな馬鹿な
このアップデートの時代にダウングレードし続けている人がどこの世界に――
ここにいた!?Σ(・ω・ノ)ノ!
つい先日、『雄大双丘パイオッツァー』のMVとか作ってました、私
(・_・; ……令和だぜ?
これが、老害……っ!?
すみません
アップデートしたいんですが、
ネットと繋がってないから手動でのアップデートになります
あ、以前こういう状況あったんですよ。
最新のバージョンにアップできますよ~ってiPodが言うんで、
「じゃあ、アップデートしよ~」ってOK押したら
「アップデートファイルがインストールできません」って言われて
なんで?
って調べたら、バージョンがかなり古くて
数字覚えてないので「たとえば」なんですが
最新が バージョン1.2.6
だったとするじゃないですか?
そしたら、古いって言ってもまぁ、せいぜい1.2.3とか?
2~3個前だろうとか思ったんですけども
見てみたら
バージョン1.1.4
そこが古いの!?Σ(゜Д゜;)
なんか、一個上の位が古いんですけど!?
で、なんかぁ、手動でぇ、ファイルをダウンロードしてきてぇ
アップデートしてぇ、
それでようやく自動アップデートできますよ~みたいなぁ~
そーゆー大人です☆
\( ̄▽ ̄)/
……いつか手酷く叱られないか、不安
(・_・:
と、とにかく、
やり過ぎず行き過ぎず
皆様に愛される宮地さんを目指して
皆様に楽しんでいただける『異世界詐欺師』を書き続けていきたいと思いますので、
どうか皆様――
ここで見聞きしたことはご内密に!
( ̄― ̄)なぁ~に、バレなきゃどうということはないのさ……ふふふっ
Σ(゜Д゜;)そーゆーとこよ!?
PTAにも愛される作品を目指します☆
今後とも、よろしくお願いいたします!
宮地拓海
――いい意味で☆




