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異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
第四幕

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473話 三十五区での仕込み

 翌朝。

 俺は馬車に揺られて三十五区へと来ていた。


「寒い!」

「そのイメージを植え付けようとするな、カタクチイワシ」


 早朝のせいか、下っ端貴族からの嫌がらせのせいか、ルシアにいつもの覇気がない。


「まったく。久しぶりに貴族らしい嫌な気分にさせられた」


 そうか。

 貴族は嫌な気分になるものなのか。

 やっぱろくなもんじゃないな、貴族。


 朝の光を反射する海を眺める。


 俺は、日も昇る前から家に押しかけるような、非常識なことはしないのだ。

 ちゃんと朝飯を食ってから出て来たぞ。


 まぁ、その朝飯が、あり得ないくらい早い時間だったけども。


「館に来れば、それなりの出迎えをしてやったというのに、港に来いなどと……どういうつもりだ、カタクチイワシ」

「時間が惜しいんでな、無駄は省かせてもらう。ちょっと礼を失するかもしれんが大目に見てくれ」

「ちょっとで済むなら可愛いものだ。いつもは、非常に失しておるからな」


 んなことねぇよ。

 適量だよ、お前に対する礼の量は。


「話の前に、どうであった? 光の行進は」

「大好評でな、外周区と『BU』のシスター連中の心はがっしり鷲掴んでおいたぞ」

「さすがは、熟女キラーだな、カタクチイワシ」

「え、何人か『キル』してよかったの、アレ?」


 じゃあ、何人が間引いておけばよかった。

 濃かったぞぉ~?


「それともう一つ。どうだ、ランドリーハイツの者たちは?」

「毎日にっこにこで陽だまり亭に飯を食いに来てるよ」


 レジーナがいるから、ケチャラとかマヨラとか、頻繁に来るんだよ。

 連中のまとめ役、イロハもムム婆さんと一緒に茶を飲みに来るようになったしな。


「楽しくやっているのならよい」


 ほっと安堵の息を漏らすルシア。

 寮生活を始めた息子を思う母親か、お前は。


「ヤシロ、大丈夫そうだよ」


 港へ着くなり、ナタリアとギルベルタを従えて、俺の依頼をこなしに行ったエステラが戻ってくる。


「建ちそうか?」

「ウーマロの太鼓判付き」

「じゃ、大丈夫だな」

「しかし、次々とよく働くな、あのキツネの棟梁は」


 ここから少し離れた場所で、カワヤ工務店の連中に指示を飛ばしているウーマロ。

 なんか、すっごいウキウキしている。


「ちゃんとコイツが入るように作っておくれなね。寸法を間違うんじゃないさよ、キツネ大工!」

「誰にモノ言ってるッスか!? オイラを舐めんなッス!」


 お揃いのハンカチを持つ二人が言い合っている。

 ノーマも、光の行進の時とは趣の違うキラキラフェイスをしている。


「何気に、子供たちへのお土産作りでフラストレーション溜まってたのかもね」

「ベッコにいいところ全部持っていかれたからな」

「サポートで満足する二人じゃないんだよ、もう」

「わがままな職人だな、おい」


 今回は、自身の力が十全に発揮できる現場なので、キツネ人族二人が大張り切りだ。


「設計図を見た時は、何の冗談かと思ったが……本当に出来るのか、あのような施設が?」

「あいつらがあんだけ張り切ってるんだ、不可能だって可能にしちまうよ」


 統括裁判所の下っ端貴族を黙らせるために必要な秘密兵器。

 その完成を、秘密裏に、可及的速やかに建設していく。


「見てろよ、ソノウチ・ツカワナクナール!」

「タカメーノ・オットマンだよ」

「意味は一緒だ」

「名前だから」

「相変わらず貴様の物覚えは酷いな、カタクチイワシ。……いや、敢えてやっているのか、性根の悪い」


 んなもん、あと数日もしたら忘れて、二度と思い出さない名前に脳の容量を使うなんて、もったいないじゃねぇか。


「それで、劇場の方はどうする?」


 今現在、劇場には誰もおらず閑散としている。

 朝ということもあるが、この人気のなさは異常だ。


「統括裁判所の話は、どれくらい広まってる?」

「この街にいる者の耳には、とりあえず入っておるな」


 街中に知れ渡ってるってことか。

 そりゃ、危惧して近寄らなくなるか。


「そのせいで、昨夜は大変であったぞ」


「くくっ」と、ルシアが笑う。


「何も悪いことはしていないことを統括裁判所に分からせるのだと、領民がここへ詰めかけてな」

「逆に!?」

「うむ。意地でも連日満員御礼にするのだと……さすがに、面と向かってケンカを売るような行為はさせられぬと、今日は休館日とし、誰も近付かないように通達した」

「イーガレスたちは?」

「抗議をするといきり立っておったぞ。私を愚弄している、とか言ってな。なだめるのに苦労した」


 ルシアのために怒ってくれるヤツがいてよかったな。


「明日――まぁ、もう今日だが、貴様が来ると伝えたら大人しくなった。期待されておるようだぞ、カタクチイワシ」

「勝手に俺をトランキライザーにするんじゃねぇよ」


 精神安定剤的な役割なんか押し付けられたら、こっちが精神やられるっつーの。


「しかし、どうしたものかな。ここに人を集めてしまえば、向こうの思うつぼになりかねない。民はこういう駆け引きには慣れておらぬ。良くも悪くも、まっすぐで気持ちのよい者たちばかりであるからな」


 領民が自区と自分のために怒ってくれているのが嬉しくてたまらないのだろう。

「良くも悪くも」とか言いながら、自慢があふれ出ている。


「じゃあ、その血気盛んな領民にも協力してもらおうかな」

「危ないことはさせぬぞ?」

「もちろん、平和的に解決させるさ」

「……エステラ、もしもの時はそなたが責任を持てよ?」

「ヤシロの手綱は握れませんよ。責任は折半ということで」

「間を取って、三十七区に背負わせるというのはどうだ?」

「では、連名で手紙を書きましょう」


 にやりと笑う悪辣領主二人。

 やっぱ、女二人男一人だと、男の立場が弱くなるよなぁ。

 俺も、いつだって泣かされてさぁ……


「そんなわけないじゃないか」

「つまらぬ冗談はそれくらいにして、何をするつもりなのかを話せ」

「あのなぁ、それが教えを乞う者の態度かよ?」

「話させてやろう、僥倖だろう?」

「より横柄になっちゃった☆」


 って、バカ。


 嬉しそうな顔してんじゃねぇよ。


「不思議なもので、貴様の顔を見ると、ちょっと安心してしまうぞ」

「……恋、それは」

「ち、ちち、違うぞギルベルタ!?」

「乳、違う? 自虐、ルシア様の?」

「それも違う!」


 そっか、ルシアの胸のあれ、乳じゃないんだぁ。

 じゃあ、なに? 誤差?


「くだらぬことはいいから、さっさと話せ! 話を聞いてやると言っているのだからありがたく思え、ばぁーか!」


 お前、その「ばか」の言い方……ちょっとツンデレっぽくてご褒美に聞こえるぞ。

 もう一回聞きたいかも。


「さっさと話せ、バカタレが」


 わぁ、温度が急落。

 寒いわぁ、三十五区の港。海風のせいかなぁ。……けっ。


「領民にやってもらいたいことは三つ、守ってもらいたいことが一つ」


 この四つだけしっかりと実行してくれれば、統括裁判所は港に手出しが出来なくなる。


「一つ、ルシアは素晴らしい、ルシアは最高だ、一生ルシアについて行くと、大袈裟なくらいにあっちこっちで声を大にして賛美してくれ」

「……それを、私から領民に頼めというのか?」


 とんでもない羞恥プレイだね、ぷぷぷー!


「領民が集まる場を作る。説明は貴様がしろ」

「俺、部外者だし」

「ウチの区の領民らは、貴様を名誉三十五区民だと認識しておる。問題ない」

「いや、なに勝手なことしてくれてんの!?」

「あげませんよ、ヤシロは」

「時折借りる程度だ。旨味がなくなったらすぐ放逐する」


 わぁ、最低な領主がここにいる。


「二つ目は?」


 で、さっさと続きを聞かせろってね。

 おっかない領主様だこと。


「人魚とめちゃくちゃ仲良くしてくれ」

「ん? それは、今回に限らずそう願っておるが」

「必要以上に仲良くしてくれればいい」


 水槽タクシーとか使って、街中で人間と人魚が一緒に楽しんでいる、そういうのが一目で分かるような状況が望ましい。


「そして、人形劇の新作を大いに期待して、『すごいらしいぜ』『楽しみ』『期待大!』って大っぴらに宣伝してほしい」

「待て、新作の人形劇とはなんだ?」

「昨日作ってきた。大至急イーガレスたちに練習させてくれ」

「……また、急な話だな。折角、ラブダイブが人気だというのに」

「それをも超える名作になるかもしれないぞ」


 なにせ、三十五区の領主様を大絶賛する内容だからな。


「んで、絶対に守らせてほしいお願いごとが一つ――」


 これが重大な意味を持つ。



「――何があっても争いを起こすな。暴力はもちろん、口論も陰口も拒否も拒絶もせず、来る者を拒まず受け入れさせろ」


 オットマンのスパイや工作員はもちろん、あからさまにムカつくヤツだったとしても、な。


 それで、連中は自らの首を絞めることになるのだ。

 ……ふっふっふっ。




 ルシアがごねたので、俺が民衆の前に立って演説を行うことになった。


 三十五区内から人を集めるのはそれなりに時間を要したので、その間にイーガレスの家に新作の脚本を届けさせた。

 とにかく練習して、一日でも早く上演できるようになれとせっついておいた。

 無理だった場合は相談に乗るが、今日は一日その台本を読み込んで、最低限こちらの要望に応えられるようになっておけとも伝えた。

 さて、どこまでかじりついてくるか……


 そして正午過ぎ。

 人々が港の劇場へと集まってきた。

 いや、詰めかけてきた。

 いやいや、押し寄せてきた。


 ……来過ぎだ。


 港に立つ三十五区劇場の前、野外ステージの観客席を埋め尽くす勢いで集まった三十五区民に向かって、俺はステージ中央から訴えかける。


「というわけで、みんなでルシアを褒め称えよう!」

「「「ルシア様ー!」」」

「「「大好きー!」」」

「「「我らが領主ー!」」」

「ぺったんこー」

「やかましい、カタクチイワシ!」


 ちっ。

 耳のいいヤツめ。


「あぁ……まぁ、そういうわけだ。不満があるやもしれぬが、当面はこのカタクチイワシの口車に乗ってやってほしい。あまりあからさまなことはせずともよいので――」

「何を言っている! いいかヤロウども! これから毎日、毎食後、いや、瞬きするのと同じくらいの頻度でルシアを褒め称えるんだ!」

「さすがに多いわ、たわけ!」


 それくらいがちょうどいいんだよ。


「虫人族のみんなが暮らしやすくなったのは誰のおかげだ!? そうだ、ルシアだ!」

「いや、それは貴様やエステラが――」

「悲劇のアゲハチョウ人族が、奇跡のアゲハチョウ人族になったのはなぜだ!? ルシアがいたからだ!」

「やめぬか!」

「この港がこんなに素敵に生まれ変わったのは? 駄菓子やメンコ、大人から子供まで夢中になれるものが増えたのは? 子供たちが安心して走り回れる遊び場が出来たのは? 領内の貴族たちが一つの目標に向かって手を取り合い、経済が円滑に回り始めたのはなぜだ!? せーの!」

「「「ルシア様がいたからー!」」」

「そういうことだ!」

「…………このっ、覚えておれよ、カタクチイワシ……っ」


 めっちゃ真っ赤な顔のルシアに、めっちゃ小声で悪態を吐かれた。

 もしかしたら殺人予告かもしれない。


 まぁ、怖い。

 こんなに褒めてるのに。


「面映ゆいどころの話ではないわ! ……穴があったら入りたい」

「その穴を埋めたい」

「ギルベルタ、領主暗殺を企てた大悪人だ、捕らえよ」

「平気、すぐに掘り起こす、私が」

「いや、私は一秒とて土になど埋まりたくはないのだが?」


 ギルベルタが誇らしげに胸を張っている。

 主のピンチを華麗に救い出せるのは給仕長だけ。

 そういう気持ちなのだろう。


 未然に防ぐという発想は、持ち合わせていないようだけれども。


「おそらく、ルシアに関する悪い噂、陰謀論、評価を落とすような風説などが耳に入ることがあると思う」


 領民からの支持が高いと感じれば、ルシアを悪人に仕立て上げ評価を落とし、支持層の引き剥がしを図るだろう。


「ルシアの評価が下がれば、その分三十五区を攻撃しやすくなる。逆に言えば、お前たちがルシアを守ろうとすればするほど、敵は三十五区に手が出せなくなる」


 一般区民を薙ぎ払って領主の首を取ったとしても、客観的に見ればおのれに非があるように見えてしまう。

 それは、一生消えることのない悪人の烙印を捺される所業だ。

 決して勝利などではない。


 連中は、民意を味方につけ、権力をバックに、「正当に邪魔者を排除」する必要がある。


 目障りな劇場を壊すためには、ルシアの排除が不可欠。

 排除できなくとも、脅して、追い詰めて、劇場を諦めさせる必要がある。


 それをさせないのが、領民からの圧倒的な支持だ。


「ルシアの悪評が耳に入った時、ムキになって言い返すのではなく、笑い飛ばしてやれ。『そんなわけねぇだろ。俺はルシア様のことをよく知っている。あの人は素晴らしい人なんだ』ってな」


 脊髄反射で反論したり、言論でねじ伏せようとしたり、手を出したりするのは最悪だ。


「そんなことをすれば、『ルシアを支持しているのはそういったガラの悪い連中だ』という風に印象操作される」


 ルシアという領主は、ゴロツキを従え、一般区民の声を封殺して、おのれの利益のために街を私物化し、ゆくゆく国家転覆を目論む魔性の女なのだと。


「そんな風に言わせないために、ムカついた時ほど笑顔を押し付けてやれ。ルシアを悪く言うヤツは、ルシアの素晴らしさを知らない田舎者かモグリかバカなんだ。『めっちゃデカい屁をこいたら、空を飛んで四十二区まで行けるかな?』って言ってるヤツと同レベルだと思っておけばいい」


 俺が言うと、群衆から爆笑が起こる。

 おぉ、めっちゃウケた。

 うら若い美人なお姉さんも爆笑してんじゃん。下ネタ、結構イケる口なんだな。


「ルシアの素晴らしさを、お前たちは知っているな?」

「「「もちろん!」」」

「ルシアの優しさを、お前たちは知っているな?」

「「「もちろん!」」」

「ルシアのこれまでの努力を、お前たちは知っているな?」

「「「もちろん!」」」

「もうよい、カタクチイワシ……聞いていられぬっ」

「わぁ、照れてる~、ルシア、か~わ~い~い~!」

「やめぬか!?」

「さん、はい!」

「「「か~わ~い~い~!」」」

「もはやイジられているとしか思えぬわ!」


 一般区民に向けて「きしゃー!」っと牙を剥くルシア。

 そんな顔がまた可愛く映ったようで、群衆からは笑い声が溢れていた。


「だから、間違ったことを言ってるヤツがいたら教えてやれ。ルシアがどんなにこの街のために頑張っていたのかを。この区の領民たちのことを、どれだけ大切にしていたのかを。……出来るな?」


 俺の問いに、返事が揃うことはなかった。

 ばらばらと「おう!」とか「大丈夫!」とか「任せて!」とか、そんな言葉が聞こえてきた。

 でも、ここにいる者たちの心が一つになったのは、確かに感じた。


 なので、もう一歩先へ。


「もしかしたら、嘘ではなく本当のことを言ってくる者がいるかもしれない」


 ネガキャンってのは、なにもデマカセや陰謀論ばかりではない。

 過去の失策や失言、十分な成果が出せなかったことなど、事実を元に批判してくるケースも多々ある。


「あんなぺったんこがトップでは、この区の未来が危ぶまれるとか言ってくるヤツがいるかもしれない!」

「貴様だけだ、そのような寝言を恥ずかしげもなく口にするのは!」

「そーゆーヤツは大体、弱点を突いてくるから!」

「誰のどこが弱点だ!?」

「うっさい誤差!」

「よし、皆の者! この不届きものを血祭りに上げよ!」


 だから、そうやって煽られた時に脊髄反射で反論するなってのに。


「心にゆとりを持て!」

「貴様は黙れ!」


 お前がしゃべれって言ったのに!?


「お前らには今のこの光景を忘れないでいてほしい」


 もう一度群衆に向かって言い、そしてルシアにも言っておく。


「お前もだ、ルシア」

「ん?」


 意図が掴めず眉間にシワを寄せるルシア。

 今ここに詰めかけた連中は、みんなお前が好きで、お前を守りたくてここに集まっているんだ。


「人間てのは、温かい無数の声よりも、口さがないたった一人の言葉を深く気にしてしまう時がある」


 多くの者が評価をし、素晴らしいと言ってくれたとしても、たった一人の「死ぬほどつまんねぇ」という批判を耳にしたせいで筆を折ってしまった作家は数多い。

 根拠も論拠も何もない、ただなんとなく気に入らない。

 そんな思いから来る無責任な批判であろうと、当事者には深く、抉るように突き刺さるものだ。


「人は、好意的な意見よりも批判的な意見に意識を捕らわれてしまう生き物なんだ」


 こういうのをネガティビティ・バイアスという。


 それと同時に、否定的優位性というものも存在する。

 同じところに、好意的な意見と否定的な意見が並んで置いてあった場合、否定的な意見が場の空気を支配してしまうことが多いのだ。


 ハンバーガーの試食コーナーに、こんな言葉が並んで書いてあったらどうだろうか?

『とても美味しい』

『でも高い』

 それを見た者は、ネガティブな印象を抱くことだろう。


 逆でも同じだ。

『めっちゃ高い』

『でもその分美味しい!』

 こうしても、やっぱり『高い』という情報の方が勝って伝わってしまう。

「高いんだから、美味くて当然だろう」と、ネガティブな意見を生みやすい。


「だから、これからルシアや三十五区、この港や劇場を悪く言う者が現れた時、きっとお前たちはネガティブな感情に引っ張られて、悲しくなったり、落ち込んだり、怒り狂ったりしてしまうだろう。だが――」


 もう一度、ルシアの目にはっきりと見せつけておく。


「これだけの人間が、お前を好きで、守りたいと詰めかけているんだ。よく見ておけ、連中のあのキラキラした瞳を」


 どんなにネガティブに飲み込まれようと、今、この瞬間、目の前にあるこの光景は嘘ではない。

 誰であろうと、否定できるものじゃない。


「飲み込まれるなよ、ネガティブに」


 そうすれば、連中の仕掛けてくる情報戦なんぞ、クソガキの悪口程度のダメージもなくなる。


「……ふっ」


 しばらく黙って考え込んだ後、ルシアは非常に強気な、そして圧倒的に美しい笑みを浮かべて髪を払った。


「誰にモノを言っておる?」


 そうそう。

 そういう顔をしていろ。

 

 そうすりゃ、お前んとこの領民どもは、しっかりとお前について来てくれるだろうからよ。




「領主様ー!」

「りょーしゅさまー!」


 俺たちが劇場の野外ステージから降りようとすると、観客から声がかかった。

 それに手を挙げて応えるルシア。

 うんうん、存分に好かれておけ、ルシア。


 ……で、なんで一部の観客はこっち見てんだ?


 俺じゃねぇよ。

 お前らの領主は俺の前に立って偉そうにふんぞり返ってるこの青い髪の女!

 見覚えあるだろ!?

 虫人族の幼女を見るとヨダレ垂らして「げへへ~」とかいう病気を発症する残念な人!

 それが、この区の領主!


 俺じゃねぇよ!?

 誰が虫人族の幼女を見るとヨダレ垂らして「げへへ~」とかいう病気を発症するか!


「私もせぬわ、たわけ!」


 ぺしりと、ルシアが俺のデコをはたくと、観衆から黄色い声が上がる。


「スキンシップよー!」


 暴力っていうんだよ、こういうのは。


「相変わらず、病が重篤だな、お前の区の領民は」

「貴様のおかげでな。……最近では、貴様がいなくてもこの有り様だ。どう責任を取ってくれる?」

「「「責任を取るですって!?」」」

「「「ようこそ、三十五区へ!」」」

「エステラバリアー!」

「ちょっ、巻き込まないでよ!?」

「「「それはそれで尊い!」」」

「何がかな、三十五区の諸君!?」

「「「ラブは時にトライアングル!」」」

「ルシアさん!」

「カタクチイワシに言え!」


 同盟を超えた協力関係にある女領主二人が睨み合っている。

 ここが決裂したら、今動いてる計画全部ご破算だなぁ。


「仲良くしろよ」

「貴様のせいだ!」

「反省するように!」


 とんだとばっちりだ。


 そもそも、くすぶっていた火種を放置したルシアが悪い。


「いくらモテないからって、こんな小さな話題をありがたがって放置するから」

「ありがたくないわ! 有難迷惑だ!」

「それ、ちょっとありがたがってますよ、ルシアさん」


 わーわー言いながら、給仕長二人が人を避けて作ってくれた道を通って劇場を後にする。


 ほら、またこうやって放置する。

 だからどんどん付け上がるんだよ、お前の区の領民。


「もう今後、領主の恋愛面で騒いだら『ラブラブ税』とか取っちまえよ。財政が潤うぞ」

「「「いいですね、ラブラブ税! むしろ払いたい!」」」


 あぁ、ダメだ。

 もう手遅れなヤツばっかだった。


「ヤシロはモテるからねぇ~」


 と、俺をからかってくるエステラ。

 こいつは、俺が困っている顔が大好きらしい。


 モテてるもんか。


「モテるってのは、おっぱい触り放題の状態のことだ!」

「違うよ」

「たぶん『モテる』って、『おっぱいを持てる』から来てると思う」

「違うわ、たわけ」

「だから、いまだにノーおっぱいの俺はモテていることにはならない! ……あ、ノーおっぱいはお前らも一緒か」

「「やかましいわ」」


 ホント仲いいな、お前ら。

 息ピッタリじゃん。


 呆れていると、突然ナタリアとギルベルタが俺たちのそばから離れた。


「劇場を出れば、群衆が寄ってくることはありません」

「弁えている、ルールを、我が区の領民は」


 ナタリアとギルベルタが言うように、劇場の敷地を出た途端、あんなに群がっていた群衆がクモの子を散らすようにいなくなった。

 RPGの街にモンスターが入ってこないのと同じ原理でも働いているのか、この街?


 あぁ、そういえば、「花園ではフレンドリーに」ってルールを愚直に実直に極端に守ってた領民がいたっけなぁ。

 そーゆー土地柄なのかもしれないな、ここ。


「変な街」

「四十二区に言われたくはない」

「ちょっと、それはどーゆー意味ですか!?」

「変な領主たち」

「君に「貴様に言われたくないわ!」」


 こいつら、仲違いしても息ピッタリのままっぽいな、どうやら。

 ほら、もう仲良く世間話し始めてる。


「この辺の水路、結構出来てきているんですね」

「うむ。芝居を見たいと言ってくれる人魚が多くてな。劇場までの水路は最優先で作ってもらった。義兄様たちにも、多大な貢献をしていただいた」

「ハム摩呂はやらんというのに」


 ハムっこ連中を『義兄様』と呼ぶな。


「エステラ~☆」


 水路にかかるオシャレな橋を渡っていると、水路を泳いでいたマーシャが手を振ってきた。


「泳ぎやすいよ~☆ 一緒に泳ご~☆」

「いや、ボクが泳いでたらおかしいでしょ?」

「「「ザワザワざわざわ!?」」」

「ざわざわしない、メンズたち!」


 微笑みの領主様が水着で水路を泳いでたら、辺り一帯騒然とするだろうな。


 地面と水路はそれなりの落差があり、泳いでいる人魚にお触りしようなどという不届き者は現れないだろう。

 触りたければ飛び込むしかない。

 もっとも、飛び込んだあと、陸に上がってこられるかは知らんけどな。


「ガキとかが落ちないように気を付けさせろよ」

「柵を作りたかったのだが、あまりに分断し過ぎるのもどうかと思ってな」


 そりゃ分かるが、事故を未然に防ぐ方が重要だろうに。


「子供から目を離さないよう周知してあるし、今後も訴えかけ続ける。それに、いざという時は人魚が助けてくれるとも言ってくれたのでな」


 なるほど。

 人魚としても、人間ともっと交流したいから、水路のそばまで来て見てほしいわけか。


「マーシャ~。落ちたヤツのこと、よろしくな~」

「うん~☆ 落ちた人は助けるけど、飛び込んできた人のことは知らないかも~☆」


 まぁ、エロスが迸っちゃったヤツは、自己責任ということで。


「ポイ捨てとかしないように言っとけよ」

「はっはっはっ。人魚に宣戦布告出来る豪胆な者がいるなら、見てみたいものだ」


 性善説が成り立ってるうちはいいけどな、それでも。


「ちなみに、水路によからぬモノを投入した者、または投入しようと試みた者はその場で斬り捨ててもよいと通達してある」


 海の水を固める薬品とか、劇薬とか、まだ危険が完全に消えたわけじゃないからな。


「レジむぅの薬に頼る機会も増えるだろう。……薬剤師ギルド、きちんと保護しておけよ、カタクチイワシ」

「領主に言え」

「おっと、そうであったな。まだ、そなたは領主ではなかったか」

「もぅ……ルシアさん」


 じとっとした目でルシアを睨むエステラ。

 照れてすらいない。


「自分が言われたからって、ボクを巻き添えにしてるんだよ、これ。子供みたいなんだから」

「『いい年齢としこいて』」

「エステラ……?」

「違いますよ!? 今のはヤシロですからね!?」

「俺が言ったという証拠が『どこにあるのさ!?』」

「その声が証拠だよ!」

「『しまったペッタン~! 正体がバレてしまったペッタンタン!』」

「恐ろしいほど似ているな」

「いや、『ペッタンタン』とか言いませんからね!?」

「そこではない、私が驚いているポイントは」


 エステラは、ちょっとズレてる残念な娘。


「この後はどこ行くの~?」


 水路からマーシャが聞いてくる。

 1メートルくらい離れているので、地味に話しづらい。


「ウーマロんとこだ。朝から工事が始まってるから進捗を確認にな」

「砂浜の方だね。じゃあ、そっちに行って待ってる~☆」


 ぱしゃっと、水に潜り、マーシャが海へと出て行った。


 アクセスがしやすくなったようで何よりだ。


「水流扉を活用して、この地面と同じ高さまで人魚が来られるポイントをいくつか作るつもりだ」


 水流扉は、人魚のみが使える魔法で、水の流れを操り、高い位置に水を留めておくことが出来る。

 それを活用すれば、人魚が気の向くままに陸上の店で買い物が出来るようになる。


「こっちを充実させ過ぎて、ノスタルジック街道の方に客が寄り付かないなんてことになるなよ?」

「大丈夫だ。なかなか楽しい場所になりそうだぞ。完成が今から楽しみだ」


 そっちの計画も進んでいるようで、ルシアが自信を滲ませる。

 カワヤ工務店は、かなりこき使われているようだな。

 トルベック連合で力を付けたカワヤ工務店は、三十五区のリニューアル工事の大黒柱になっているようだ。


 ルシアが「ウーマロじゃなきゃヤダ」って文句を言わないくらいに、技術が上がっているのだろう。


「こりゃ、カワヤ工務店もいつかまた連合を抜けて独立するかもな~」



 なんて、気軽に口にした俺だったが……甘かった。



「なんじゃ、こりゃ」



 新しい施設の建築現場に赴いてみたら、今朝までなかった要塞が、そこに完成していた。

 え、まだ仮設?

 もう完成でいいだろう、これで。


 つか……


 ウーマロが進化し過ぎて、誰にも越えられなくなってないか、これ?




 正午過ぎから三十五区民たちに話を聞かせて、その後あれやこれやと今後の予定を伝えた。

 そんなことをしていたら、ぼちぼち夕方の雰囲気が漂ってくるような時間になっていた。


 とはいえ――


「早過ぎだろう、いくらなんでも」

「まぁ、この辺は慣れッスから」


 慣れって怖ぇ……


「つーか、頑丈に作り過ぎだろ」

「それがッスね、ヤシロさん! 違うんッスよ、あのキツネ女が悪いんッスよ!」

「あんたが、アタシの案を突っぱねっからイケないんさね!」


 あぁ、またこの二人がやらかしたのか。


 改めて、砂浜の中に突如として現れた巨大建造物を見上げる。

 ……要塞だな、これは。

 マーシャの『陸上オーシャン』を彷彿とさせる。


 頑強な鉄の門扉が威圧感たっぷりに外界と建物内を分断し、そこ以外からの侵入は何人たりとも許さぬとばかりに、重厚感のある木材がぐるりと建物を取り囲んでいる。

 城壁かと見紛う壁の向こうには、「絶対に折れぬ! 屈せぬ!」と主張するようなドデカい建物がちらっと見えている。


「とりあえず仮設でいいって言ったろうが」

「「これは仮設さね」ッスよ」

「お前らは、バカなの?」


 こんなもん、取り壊すのにも苦労するだろうが!


「「いやいや、ワンタッチさね」ッスよ」

「バケモノか、お前らは」


 こんなもんが一日で建ったことにも驚いてるのに、取り壊しもワンタッチ?

 この国から『常識』って言葉消失しちゃった感じ?


「まぁ、尊い犠牲があればこそさね」

「ッスね」


 満足げなボス二人の向こう側には、無数の屍が転がっていた。

 多数の大工に多数の乙女、今回来る予定じゃなかった大工も多数。

 うわぁ、木こりギルドと狩猟ギルドの腕っぷし自慢どもも駆り出されてやんの。


「おい、ヤシロ……このバカ二人を止めてくれ」


 要塞の中から、足元がおぼつかずヘロッヘロになっているウッセがふらつきながら出て来た。


「人間には、体力ってもんがあるんだってこと、こいつらは理解してねぇ……」

「なんだ、ウッセ、もうへばったのか、しょっぼ」

「頼りがいのない男さねぇ」

「オイラは、まだまだ大丈夫ッスよ」

「獣人族のパワーと比較すんな! あと、ヤシロ、テメェは口だけじゃねぇか!」

「あ~ぁ、そっかそっか、獣人族には敵わないって認めちゃったかぁ~。こりゃ、一生マグダには追いつけないなぁ~」

「当然ッスよ。ウッセごときが、おこがましいんッス」

「こりゃ、四十二区の支部代表がマグダになる日も近いさねぇ~」

「んなわけねぇだろうが! まだまだ余裕だっつーの!」

「「じゃあ、ウッセ、梁を取り付けるからちょっと持ち上げておくれな」おいてッス」

「あんなぶっとい梁、一人で持ち上げられるか!?」


 相当な建材を使ってるらしいな。

 あれれ~?

 仮説だって言ってはずだぞぉ~ぅ?

 ワンタッチで壊せるって聞いたんだけどなぁ~?


「「使える物があるうちは、どんどん上を目指すものさね」ッスから!」


 そうして、みんなが屍になっていくっと。


「けど、冗談抜きで狩猟ギルドが手伝ってくれて助かったッス」

「設計図じゃ、もうちょっと脆弱な作りだったからねぇ。こんだけ頑丈に出来りゃ、侵入者は完全シャットアウト出来るさね」


 もうちょっと脆弱どころか、俺が想定していた数百倍頑丈になってるんだけど?

 掘っ建て小屋にちょっとした防壁と、あと内側に罠をいくつか仕掛けておけば、この建物を守れるだろうな~、くらいの気持ちだったのに。


「そんな脆弱な守りじゃダメッスよ!」

「そうさね! ここを突破されるということは、この街の平和が脅かされるってことなんさよ!」


 まぁ、確かに。

 簡単に突破されるわけにはいかない建物だけれども……


「これ、取り壊さないでくれって要望、出まくるぞ?」

「それはムリッスよ。甘めに見積もっても五年で使えなくなるッスから」

「そうさね。愛着が湧く前にさっさと取り壊して、正式に着工した方がいいさよ。今回は時間がないから特別中の特別さね。……本当はこの鉄門扉も、もうちょっとこだわりたいところが――」

「オイラも、この建材でも十分なんッスけど、ハビエルのところにこれよりも頑丈で燃えにくい物があったんッスよねぇ。それを、今ちょっと思いついた加工をするだけで防衛力が三倍は上がるッスのに……」

「内部構造にしてもそうさね」

「あぁ、あの動力部はもう少し改良が必要ッスね」

「部屋は広げられないし、こっちが小型化するしかないんだろうけど……そうすると天井がねぇ……」

「それなんッスけど、いっそ吹き抜けにして、二階部分にこういう――」

「あぁ、なるほどね! それならこっちの改良型でも稼働できるさね」

「すぐに取り掛かれば明日には付け替えられるッスね!」

「ちょいと徹夜すりゃあ、造作もないさね!」

「「じゃあみんな、起きるさよ!」ッスよ!」

「「「「悪魔か、あんたら!?」」」」


 なんか、すごいことになりそうだ。


 まぁ、見た目からしてゴテゴテしいのは、今回に限っては都合がいい。

 もし、今回の騒動が終息した後、まだこの施設が必要なら、もうちょっとライトな見た目に建て替えればいい。

 なんか、仮設らしいし、この要塞。

 嘘みたいだけど。


「ねぇ、これってもう中に入って使えるの?」

「それはさすがに無理ッス」

「まだ危険さよ。ホント、組み立てただけなんだからさ」

「そっかぁ、ちょっと使ってみたかったけど……」

「今日はムリッスね」

「労働力が不足しちまったさね」

「もっと頑張ってよ、大工と乙女~」

「「「「ウチの領主様、こんなに状況判断できない人だったっけ!?」」」」


 なんだお前ら、まだそんな認識なのか?

 意識を切り替えろ。


 エステラは、残念な生き物なんだから。


「中は見れるか?」

「チラっとだけなら可能ッスよ」

「アタシらから離れんじゃないよ?」

「ルシアも見とけ。最終的に、ここが統括裁判所にとどめを刺す舞台になる」

「うむ。……しかし、うまくいくのか……というのは、愚問か」


 ふっと、シニカルに笑い、ルシアが俺に挑発的な視線を向ける。


「成功させる――のであったな?」

「そういうことだ」


 統括裁判所の下っ端貴族は潰す。

 ついでに、そんな下っ端を野放しにしていた統括裁判所にも、相応のダメージを負ってもらう。


 ケンカを売ってきたのはお前らだ。

 こちらは、それなりの被害を受けた。


 今さらなかったことには出来ない。



「金もかなり使ったしな」


 ドン! と、頑丈な防壁を殴る。

 こんな頑丈な木、絶対高かっただろうに。


「心強い仲間、有志の諸君に感謝だな」


 自区に誕生した新しい施設に満足げなルシア。

 これ、領主一同や三大ギルド長からの寄付で作ったからな。

 丸儲けじゃねぇか、ルシア。


「とはいえ、仮設だけどな」

「五年は使用に耐えるという話ではないか」


 そんだけ使えりゃ、うはうはか。


「この頑丈そうな見た目がよいな」


 周りには遮るものが何もない砂浜に、どどんっと鎮座する巨大要塞。


「海の魔獣や外敵からこの国を守る三十五区に相応しい佇まいだ。使用用途は可愛らしいものではあるが――」


「くくっ」と小さく笑って、ルシアが会心の笑みを浮かべる。


「これは、新たな三十五区の象徴となるであろう!」


 港側には噴水と劇場が誕生し、砂浜側にはこの要塞。


 この港は大きく様変わりした。

 凄まじい発展だ。

 その裏で、区内では古さを逆に生かしたノスタルジックな改装が進んでいる。


 こりゃ、三十五区は化けるぞ。

 花園くらいしか見る物がなかった三十五区が、オールブルームで比類なき観光地になるかもしれない。


 海から来た客は三十五区へ。

 陸から来た客は三十一区のテーマパークへ。


 街門が持つ意味ってのが、もう一段階大きくなりそうだ。


「どれくらいで完成できる?」

「今は本当に、枠組みだけで、見栄えの確認をしてほしかっただけッスから、急いでも十日はかかるッスね」

「んじゃ、三日で頼む!」

「「「ヤシロさんの悪魔ー!」」」

「分かったッス!」

「「「分かっちゃったよ、おい!?」」」


 とにかく、時間がないんだよ。

 きびきび働け!


「その代わり、約束どおり、三十五区で好きなだけ飲み食いするといい」


 そこはルシアと話を付けた。

 こんないい物をもらったんだ、それくらい安いもんだろう。


「「「……釣り合ってない気がする」」」


 細かいことは気にすんな。

 完成したら、きっといいことあるから。


 知らんけど。



「では、除幕式もその辺りに合わせるとしよう」

「はい。ボクたちも、残ってる大工を全部連れてきますね」

「は~い☆ 私たちも、必要以上にこの辺ウロウロしておくね~☆」

「じゃあ、ここで頑張ってるオッサンどもを応援してやってくれ」

「だってさ~、みんな~☆」

「「「まかせて~☆」」」

「「「よっし、めっちゃ頑張る!」」」


 単純なオッサンどもが美人魚に釣られ、乙女たちは――


「「「素敵やんアベニュー全店、年間フリーパス!」」」


 美容のために魂を燃やしていた。


「じゃ、俺たちは――」

「帰って、情報操作、だね」


 事実とは呼べなくも、嘘では決してない噂話を盛大に吹聴してやろうじゃないか。







あとがき




ヘイ、シリ!


1年10ヵ月ぶりに新刊が発売になるからって浮かれ過ぎて

あとがきを書き忘れていて、直前になって大慌てで今これを書いているのは誰だ~い?


あたしだよ!



シリ「宮地です」



今回はシリに名前を言ってもらいました。



というわけで、ちょっとだけ宣伝させてください☆


1年10ヶ月ぶりに小説が発売されます。


『オッサン剣士とおしかけ良妻賢母(2)』

アマゾンリンク https://amzn.asia/d/iBCC2hE


前作が2024年4月発売だったので、随分とお久しぶりになります。


2巻を書いたのが2024年の年末なので、丸っと一年かけての出版となりました。


当初、2025年の夏頃出るかな~って思っていたので

作中イメージも春~夏にかけてだったんですが


めっちゃ寒い時期に発売になりました……(・_・;

こんなことなら、雪景色の温泉回にすればよかった


寒い中、夏をイメージして書いてたのに……



イメージとしては、海辺の水着回くらいのテンションで書いております。

肌色です☆

2巻にして温泉、ビキニ回です☆


やれるうちにやっておかねば!

( ゜∀゜)o彡゜


本当は1巻で終わる感じだったんですが、

1巻が出版社の予想以上に多くの方にご購入していただけたようで



2巻、発売できました

\(≧▽≦)/



ありがとうございます!



一巻で『お試し期間』の家族になった主人公レイモンドとヒロインのホリー

そして可愛い娘二人。


お試しの家族から、本物の家族になるためにとあるミッションを遂行するため

温泉に行ってみたら、そこでとんでもない事件に巻き込まれちゃって――


というお話です。



温泉回ですから、肌色満載です!

ホリー以外のツンデレ女剣士、豪快姉御肌戦士の肌色桃色もたくさんです

(≧▽≦)/


そして、レイモンド(オッサン)とギルドオッサンとの絡み(!?)も満載!


きっとご満足いただける内容になっていると思います!


2026年2月5日発売です!

よろしくお願いします!

\(≧▽≦)/


※1巻未読の方も、この機会に是非!


それで、今回、編集さんからの要望で「裏で蠢く謎の組織的な伏線をお願いします!」というのがありまして

2巻終盤に怪しい組織を挿入しました、が


……たぶん次はないんだろうなぁ、と思っております(^^;

まぁ、設定だけは作り込んであるので、なんとでも出来ますけれども


まぁ、商業用って、そんなもんですよね☆




一方のこちら、『異世界詐欺師』は、好きなだけ続けられます☆


2ヶ月ぶりのルシア様登場で、早速ヤシロとイチャついております(笑)


現地妻か!?( *´艸`)


いや、こんな本拠地にがんがん乗り込んでくる現地妻おらんわ!?

Σ(゜Д゜;)


というわけで、またしばらく三十五区です☆


四十二区と三十五区は姉妹都市みたいな関係なんですかね

移動距離がエグいことになってますが(^^;



当初、オールブルーム(四十二区を含む、この国の名前です、覚えてないかもしれませんけれども)って、

「だいたい東京23区くらいの大きさかな~」って思って書き始めたんです。

ここまで長くなるなんて思ってなくて、本当に適当というか、漠然と。


ですので、お話によってはもっと広大だったり、

移動距離を考えるともっと狭かったりしますが


まぁたぶん山手線でも走っているのでしょう

( ̄▽ ̄)


とにかく、よく行き来できるなぁ~と、毎回感心します


最近、ちょっと外へ食事しに行くと、くたくたになりますからね

六年ほど前は40kmとか歩いたんですけどねぇ

この二年ほど、急に体力が……


あれ、老い?(・_・;



最近は買い物だけで疲れちゃう感じで

とんと遠出をしなくなってしまいました

昔はお台場とか、イクスピアリとか「何回行くねん!?」ってくらい行ってましたのに


もっと若いころは、毎日のように竹下通りに通い、

代々木公園で夜明かしをして、

渋谷でカラオケオールとか――


若さってすごい!

Σ(゜Д゜;)



昔住んでた場所から原宿行く時って、渋谷乗り換えだったんですね

で、渋谷で山手線に乗ったら、

徹夜からくる眠気で寝ちゃって、即落ちで、

一周しちゃったんでしょうね、

「はっ!?」って目が覚めたら渋谷に到着するとこで、


「あっ、渋谷だ降りなきゃ!」って、

寝ぼけたまま改札出て――


「違う、帰るんじゃなくて行くんだ!」


って、もう一回乗り直したこととかありましたからね(^^;


とんでもない無茶をしても倒れない体力がありましたっけねぇ~

電車移動中の30~40分が一日の総睡眠時間とか、

割とそんな生活してました

とにかく寝るのがもったいなくて

小学生のころから憧れていた眠らない街・東京を満喫してました



もう最近は20時には眠くなりますけどね☆



まだ誰も起きてこない街・東京



(*´ω`*)「お爺ちゃん、早起きだねぇ~」



ただ、全然健康的な生活をしている気がしないんですよねぇ


あ、そうそう、

最近、半身浴にハマりまして


もともと、自分で作った曲とか動画をお風呂の時間を利用してチェックしてた結果長風呂になっただけなんですが

湯船に長く浸かっていると、その後寝るまでずっと体がポカポカしてることに気が付きまして

「あ、こんなに違うんだ。寝る時に寒くないのいいな」って思いまして

で、意識して三十分から一時間くらい浸かるようにしてたんですが、


先日ちょっと長湯をし過ぎて風邪をひきまして……


長風呂ブーム、あっさりと終焉を迎えました



「ほどほど」が難しい!

(>△<;)



健康な生活、難しいです


でも、お風呂って気持ちいいですよね~


あ、お風呂といえば、

温泉回が肌色で楽しい『オッサン剣士』2巻、よろしくお願いしますね☆

\(≧▽≦)/


よし、ステマも完璧!


 (;゜Д゜) ステルス、とは?



次回もよろしくお願いいたします

宮地拓海

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