無添加96話 もっとカンタンに
「う~ん……」
「ぅ~ん……」
昼時を過ぎた陽だまり亭で、バルバラとテレサが並んで座り、腕を組んで頭を捻っている。
「どうした、テレサ? 何か悩み事か?」
「おい、英雄!? なんでアーシを飛ばすんだよ!? アーシの方が英雄に近いところに座ってるのに!?」
どーせお前の悩みはしょーもないからな。
聞くだけ時間の無駄なんだよ。これ見よがしに俺のそばに座りやがって。
「テレサの悩みが解決した後で聞いてやるから、好きなだけ頭をねじり倒してろ」
「ねじり倒……え、どうやんの?」
知らん。
「で、テレサ。どうした?」
「ぁのね、えーゆーしゃ…………」
言いにくそうに俯いて、姉を見て、俺を見て、テレサが口を開く。
「ねんこーじょぇちゅ」
「……年功序列なんて言葉知ってるんだ……偉いな、テレサは」
断言してもいいが、バルバラは絶対知らない。
「おねーしゃ、ぉさき、どーじょ」
この娘はなんていい子なんだろう……
そんなテレサに免じて、バルバラの悩みを聞いてやるか。
「さっさと白状しろ、バルバラ」
「なんかテレサの時といろいろ違う! 顔つきとか、声とか!」
当たり前だ!
人間には感情というものがあるのだから、テレサのように扱ってほしかったらテレサのようにいい子になれ。
「実はアーシさ、今、真剣に悩んでてさ……」
テーブルに肘を突き、組んだ指に力をこめるバルバラ。
眉間にシワが寄っている。
「もし……。もしも、英雄とパーシーさん、二人同時にプロポーズされたらどうしよう?」
「ねーよ」
はい、解決。
「で、テレサ。何を悩んでるんだ? 俺に話してみろ。遠慮なんかしなくていいから」
「まだアーシの話終わってねーよ! で、やっぱりテレサにはすっげぇ優しいな、英雄!」
落差ってもんがあってな。
片方がどーしょーもない場合、もう片方が四割り増しくらいでよく見えることがあるんだよ。
それだよ、くっそどーしょーもねぇ姉。
「この間のハロウィンの時、英雄が優しかったからさ……」
どきっと、ほ~~~~んの少しだけ心臓が音を鳴らす。
ハロウィンが終わって数日。
俺に泣き縋るバルバラの体温は、今もまだ胸の辺りが記憶しているような気がする。
「アーシにフラれたら可哀想かなって」
たった今完全忘却した。
じんわりした温もりはすっかり冷め切ってしまった。
穴掘って埋めてやろうか、このパープリン。
「くだらないことは考えないで、お前は好きな男のことだけ考えてろ」
俺がお前に惚れることは、まかり間違ってもありえないから。
「けどさぁ…………アーシ、英雄のこともちょっと好きだもん……」
…………。
…………うん。
まぁ、言葉は同じだけど、そこに含まれる感情は異なる。そういう言葉だからな「好き」って。
深い意味などない。
というか、あいつはバカだから深い意味なんてもん含ませることなど出来ない。
……思いつきを寂しげな顔で口にするんじゃねぇよ。うっかりときめきそうになったじゃねぇか。
ふぅ、危なかった。
ぎりセーフ、ぎりセーフ。
「今すぐ結論なんか出さなくていい。じっくり考えて、正直な気持ちで自分と向き合え」
「自分と…………よく分かんないけど……うん。英雄がそう言うならやってみる」
随分とまぁ、素直になったもんだ。
「随分とまぁ、素直になったものだね。……いや、君がそうさせたと、賞賛するべき場面かな?」
「後始末はもう終わったのか、エステラ?」
突如、俺の背後ににゅっと現れたエステラ。
だが、まだ甘いな。微かにだが気配を感じたぞ。ナタリアのように気配を消せるようになるのはまだ当分先だな。
たぶんだけど、ナタリアより風の抵抗が強いからだと思うんだよな。流線形不足なんじゃん?
領主やギルド長、いろんな貴族が紛れ込んだせいで各方面からせっつかれていたエステラ。
新しいお菓子のレシピや販売に関する問い合わせ、ハロウィンの詳細を求める手紙、オバケの飾りやシャドーアート、カンタルチカがやったような奇抜な店の建築の可否等々、ハロウィンの翌日からエステラはずっと館に軟禁状態だったのだが――
「……外の空気って、美味しいよね」
――なんとか脱出に成功したらしい。
ちょっとやつれて見える。
「ところで縮みちゃん」
「誰がだ、こら。縮んでないから」
マジか!?
よく死守したもんだな、そこの脂肪。
「仕事は終わったのか?」
「まぁ、なんとか一段落ってところだよ。……これからまた忙しくなりそうな予感はむんむんだけどね」
とりあえず話を聞いて、その後発注をかけてくるのが普通だ。
一度持ち帰り、各部署と相談して、希望を募って、最終決定を下して……
「二~三週間後からが地獄かもな」
「あはは。そんなに堪え性のある人ばかりじゃないよ。二~三日後には依頼をかけてくる貴族が絶対いる。絶対に!」
気の早い、たとえばマーゥルのような人間が必ず出てくる。
それはきっとそうなんだろうな。
あ~よかった。他人事で。
「必要な時は呼ぶから」
「気安く使おうとしてんじゃねぇよ」
「『何かに悩んだら俺に相談しろ』って言われた記憶があるんだけどなぁ~……」
「いつの話だ、いつの」
いいか?
サービスってのは、その時、その時代の相場で提供されているものなんだよ。
状況が変わればサービス内容も変わるし、打ち切りなんてのはよくある話だ。
ソシャゲの『毎日10連ガチャ!』って文言を、サービス終了後も信じて固執するヤツなんかいないだろ? そういうもんなんだよ、サービスってのは。分かったか?
「ジネットちゃんは?」
「厨房だ。おなか周りがすっきりしたから、思いっきりお菓子作りに励んでいるぞ」
ダイエット中は甘いものを食べるのも作るのも控えていたジネット。
そばにモリーもいたしな。
……モリーは、作ったら作った分食べちゃうからなぁ。
「じゃあ、ちょっと覗いてこよっと」
久しぶりの自由時間を謳歌するように、エステラが踊りながら厨房へと消えていく。
まったく、真昼間から覗きとか……
代わりに今夜、俺が覗き返しに行ってやろうかな…………ん? 名案じゃね、これ?
「英雄は、領主と仲いいよな?」
「おかげさまでな」
お前らみたいなのがトラブルを起こす度に呼び出されるんだよ。
お前は他所の区からわざわざ四十二区に来てトラブルを起こした自覚がないのか?
こっちはアレで結構骨を折ったんだけどなぁ。ん? ん!?
「そういや、バルバラの悩みは、とりあえず解決ってことでいいか?」
「ん……まぁ、とりあえずはなぁ。英雄の言うように、もう少し自分を剥きまくってみるよ」
「剥きまくらなくていいから向き合え。な?」
「あぁ、それそれ! それしてみる」
「全然出来そうにないけど、まぁ、頑張れ」
悩んだ結果、自分を剥きまくるヤツはそうそういないから、そこらへん間違うな。
「待たせて悪かったな、テレサ。予想通りしょーもない話だったけど、とりあえず終わったぞ」
「しょーもないとか言うなよ、英雄!?」
うるさい。俺は正直者なのだ。
しょーもないバルバラを放置してテレサの話を聞く。
「あのね……」
年功序列にこだわったテレサが、言いにくそうに口を開く。
さて、この幼い少女の悩みとは一体。
「とむしょんちゅーぼーの、かいけいししゅてむがね、ふくざつだから、なんとかしてあげたぃの」
しっかりとしたお悩みだった!?
「トムソン厨房の会計システム?」
「ぅん……あのね、おっくしゅきゅんも、かうしゃーも、れーらおかーしゃも、みんなさんすう、ちらい、なの」
指折り人名を挙げていくテレサ。
算数が嫌いとか言ってる場合か、あの一家……
「けいさん、ちらい、だからね、かんたんがいいから、ちゅうもんのときね、すっごくすご~く、じかん、かかぅの」
計算がイヤだから注文時に時間がかかる?
どういう理屈でそうなるんだ?
「それはグラム売りだから、でしょうか?」
エステラを腰からぶら下げて、ジネットがフロアへと出てくる。
ぶら下がるなよ、エステラ。
次、俺の番な?
「グラム売りったって、あらかじめカットしてある肉を皿に盛って重さを量れば…………あぁ、そういうことか」
「端数の計算は、わたしも結構苦手ですから」
要するに、最後に計算するのがイヤだから、注文の時に簡単にしてしまおうってわけか。
トムソン厨房では、以前と同じ料金システムを導入している。
まず肉の種類、リブだのロースだのを選び、その後で重さを決める。
このグラム売りに落とし穴がある。
かつてのトムソン厨房では、肉の塊から店主が目分量で肉を切り分け、その後で重さを計測していた。まぁ、大体がこの手法だろう。
プロになると、狙い通りの重さにカット出来るようになるもんだ。
だが、新米だとどうしても端数が出てしまう。
102グラムとか、212グラムとか。
量り売りでは、近似値であればそれでよしとして、重さに準じて料金を支払うのだが、端数が出れば自ずと計算は厄介になる。
100グラム48円の鶏肉を200グラム買うのであれば、暗算でも96円とすぐに計算出来る。
だが、それが317グラムだったらどうだろうか?
208グラムだったら?
200グラムを狙ったのに大外しして147グラムと69グラムの二つに分かれてしまったら?
計算は途端に面倒くさくなる。
計算機など、当然ない。
なんか、商人が使ってる珍妙なそろばんのような計算機はあるようだが、アノややこしそうな計算機は使い方を覚えるのも大変そうだ。
いきなりそろばんを渡されて三桁の掛け算を解けと言われてもお手上げだろう。
だから、レーラたち一家は、重さがぴったりになるように努力しているのだろう。……細工って言った方が近いか。小細工だ。
「101グラムより、100グラムの方が計算は楽ですから」
しかし、トムソン厨房で扱っているのはステーキではなく焼肉だ。
その場でカットするわけではない。すでにカットされている肉を重さによって数枚皿に載せて提供するのだ。
1グラム単位の調整などほぼ不可能だろう。
「ひときれを、ね、もういっかいはんぶんこ、したりすゅの」
半切れの肉とか……どんだけ侘しいんだよ。だったらない方がいいわ。
あ、なきゃまた重さがズレるのか。
「……ふひょう、なの」
「だろうな」
パッと出てくりゃいいのに、カウンターの向こうでごちょごちょごそごそしてるんだもんな。
客にしてみりゃ、いい気分はしないよな。
「では、ヤシロさんが妹さんたちのために作った表を活用してみてはいかがでしょうか?」
ジネットの提案はこうだ。
俺がかつて、屋台で働く妹たちのために作った料金早見表、あれをトムソン厨房用に改良出来ないかと、そういうことだ。
「でも、陽だまり亭の屋台は商品の数も少ないし、一つの量も決まっていたんだよね? だとしたら、それをトムソン厨房に流用するのは難しいんじゃないのかい?」
エステラの言うとおりだ。
陽だまり亭二号店・七号店で扱うのは精々ポップコーンやタコス、たこ焼きくらいのものだ。
それらは、おおよそ一つあたりの量が決まっている。
多少前後することはあるが、それが代金に影響することはない。
内容量が90グラムだろうと87グラムだろうと『一個』とカウントされる。
だから、『ポップコーン○個で○○Rb』という表が簡単に作れた。
だが、量り売りの場合はそうもいかない。
「1グラムから99グラムまですべての計算を、各種類別に作ろうとすれば、かなり大きな表になっちゃいますよね……」
「でもさ、100グラムの端数なら、1から10くらいまであればいいんじゃないのかな?」
お前は出来るからそれでいいと思ってしまうんだよ、エステラ。
けどな、出来ないヤツは本気で出来ないからな。
出来ないヤツに合わせて発想を膨らませるってのは、結構難しいものなのだ。
例えば――
「俺は140グラム食いたい」
「……君はまたそういう意地の悪いことを言う……」
「ですがエステラさん。お客さんの要望に応えられないようでは、次第に客足が遠退いてしまいますよ。陽だまり亭も、出せない料理が増えるのと比例するようにお客さんが減っていきましたから……」
かつての陽だまり亭は、手に入れられる食材に限りがあった。
……余っていたのに、種類がなかった。魚とか、肉とか、卵とか。
だから作れる料理が限られていて、客足が遠のいた。
客の立場から言わせてもらうなら、食いたいものが食えない食堂に行く意味などない。
「『今日はお腹一杯食べたい』『今日は控えめに』、そんなお客さんの意思を無視して『ウチは200グラム限定です』という姿勢で経営を推し進めてしまうと、遠くない将来お客さんはいなくなってしまいます……よね?」
「う~ん…………じゃあ、種類の方を削るしかないのかなぁ?」
「つまりエステラは、マルチョウとシマチョウが食えなくなってもいいと?」
「それはダメだよ! そうだ、ロースを削ろう! 他所でも食べられるし」
「あの、エステラさん……それでは、トムソン厨房さんのお客さんが……」
「……うん。分かってる。自分で言ってて『何言ってんだろ』って思ったよ」
結局、デカい表を作るか、端数が出ないように注文時にぴったりに調整するか、その二択しかない――みたいな結論にたどり着きかけているな、こいつら。
なんでそこでもう一ひねり発想を転換しないかなぁ。
さっき自分で言ってたじゃねぇかよ、エステラ。
陽だまり亭二号店、七号店で計算表が機能した理由はなんだった?
『種類が少なく』『量も決まっていた』から、計算表が機能したんだろ?
だったら、機能するようにしてやればいいんだよ。
「実は、とっても簡単な解決方法があるんだが」
「えっ、そうなのかい?」
「レーラさんたちに計算を覚えていただく……という解決法ではなく?」
「それはまぁ……追々必須になるが、とりあえず至急対策を立てる必要があるんだろう?」
「うん。おきゃくしゃー、こまってぅ!」
困ってるっていうか、イラついてるんだろう。
客離れを起こす前に手を打たなければいけない。
折角ハロウィンで大々的に宣伝して、口コミで火がつきつつある焼肉&モツだ。ここでその火を消すわけにはいかない。
「というわけで、エステラ。お金ちょーだい!」
「……どうしてボクが」
「じゃあ、レーラに払わせるか。客からの不評を肌で感じて焦りと不安で精神的に追い詰められているだろうし、ちょっと不安を煽ってやればいくらでも金を出すかもなぁ、店を抵当に入れてでも」
「あぁ、もう! 君はどうしてそう人の一番弱いところをピンポイントで突いてくるのさ!?」
そりゃお前、断らせないためにだよ。
「……利益が上がったら還元してもらうということにしておくよ」
「セコいなぁ、お前は。ハロウィンで結構儲けただろ?」
「トントンだよ!」
「他区からの発注は?」
「それは……まぁ、追々、ちょこっと、……儲かる、かも」
「じゃ、その分だな」
「じゃあ結局トントンじゃないか!? ……もう。ボクも暴利を貪ってみたいものだよ……」
「くすくす」
エステラのふて腐れ顔に、ジネットが笑いをこぼす。
まぁ、エステラには無理だろうな。暴利を貪るどころか、出来る限り関係各所へ還元してしまうのがオチだ。
貧乏性なんだよ、どこまで行っても、お前はな。
「今回、焼肉の普及に貢献したヤツにご褒美をくれてやろうぜ」
「牛飼いたちかい?」
「あいつらにはモツの処理方法と管理と権利をくれてやっただろうが。もう十分だよ」
「では、トルベック工務店さんでしょうか? テーブルをたくさん作ってくださいましたし」
「ウーマロは十分恵まれてる」
「だね」
なんだかんだで、あいつには結構利益をくれてやっているのだ、俺もエステラも。
多少は還元してもらいたいもんだな。
たぶんこの先十年くらいは無償労働を強いても誰にも文句を言われないだろう、俺は。
「そうなると、あとは……」
「焼肉を焼く道具はなんだ?」
「あっ、分かりました! 金物ギルドさんですね!」
「……ノーマは、ほら、ちょっと報われないくらいの方がキャラが立って、オイシイだろ?」
「決して本人は望んでいないだろうけれどね、そんなオイシさは」
ノーマは、あんまり利益に貪欲じゃないからなぁ。
それよりも称賛と喝采の方が喜びそうだ。
「ノーマエライ!」
「ノーマすごい!」
「ノーマ素敵!」
「いい谷間!」
「マシュマロみたい!」
「ふわっふわだね!」
――みたいにな。
「ノーマは今、シャドーアートの改良にハマってるみたいだから、仕事を振るのは可哀想だろ?」
シャドーアート(趣味)と新しい仕事(生き甲斐)を同時に与えると、まず間違いなく睡眠時間が犠牲になる。
……肌を、労ってやってください。
「ということは…………あっ、セロンさんですね」
ここでようやく、ジネットの口から正解が飛び出した。
ははは~、影が薄いなぁ、セロン。
ウーマロが張り切って作ったテーブルと同じ数だけ七輪を作ったのになぁ。
あそこの窯、ずっとフル回転してたんじゃないのかなぁ。
なのに、全然思い出してもらえてなかったぞ。
「セロン、地味だからなぁ……」
「そ、そんなことは……!? あの、ほら、そうです! ウチにもあるものですので、目新しさがなかったと言いますか、周りが新しい物ばかりでしたので埋もれてしまっていたと言いますか……あの…………気が、付きにくかったと言いますか……」
「ストップだよ、ジネットちゃん。言えば言うほどセロンを追い詰めてるから」
「すみません……なんと言えばいいのか、ちょっと分からなくなってしまって……」
それが、お前らのセロンに対する評価なんだよ。
顔がよくて、美人な嫁がいて、四十二区を代表する特産品を独占状態で作っていて、それが他区まで大きく広がって収入もうなぎ登りで、人生の勝ち組、イージーモードに突入したような、恵まれ過ぎてるクセになっかなか爆発しないセロンだからな。
忘れられたり気付かれなかったりするくらいでちょうどいいんじゃねーの!? ぷぷぷー!
「ヤシロってさ……顔のいい同性のちょっとした不幸、好きだよね?」
「そんなことは……ない、と、思います…………けど…………」
「ジネットちゃん。自信がないなら、無理して擁護しなくていいんだよ」
「えーゆーしゃ、かっこぃい、ぉ?」
「よかったねーヤシロ、女子にモテたよ。幼女に」
殊更『幼女』を強調すんじゃねぇよ。
ハビエルに感染してやろうか、コノヤロウ?
「そ、それで、ヤシロさん!」
ジネット、別に気を利かせて助け船とか出さなくていいからな?
俺、別に悲しんでないし。
ただまぁ、この後セロンに会ったらちょっとだけ嫌がらせはするけども。
「セロンさんに何をお願いするんですか? 新しい七輪、でしょうか?」
「いや。もっとありふれた物で、複雑な計算を簡単にするための仕掛けを施した物だ」
「ありふれた物で、複雑な計算を簡単にするための仕掛けを施した物……ですか?」
「作ってもらうのは、陽だまり亭にもある物だぞ」
「えっ!?」
ジネットがキョロキョロと辺りを見渡す。
しかし、「これだ!」という物が見つけられなかったようで、しゅんとする。
まぁ、セロンの本職からはちょっと遠ざかるが、同じ陶磁器ギルドの範疇だ。
あいつなら作ってくれるさ。もしくは、そういう職人を紹介してくれるだろう。
「なぁ、英雄! アーシ、分かったぞ!」
「残念! 不正解!」
「まだなんも言ってないだろう!?」
だって、絶対分かってないもん。
「じゃあ言ってみろよ」
「トウモロコシだろ!? 陽だまり亭でポップコーン作ってるから!」
「とにかく、この後エステラとセロンのところに行ってくるよ」
「無視すんなよ、英雄! 合ってるだろ? 違うのか?」
違うとかいう次元じゃねぇよ。
というか、そうか……こいつはセロンが何を作ってる職人かも知らないのか。
セロン。お前、知名度低いぞ。
「セロンさんは光るレンガを作られているレンガ職人さんなんですよ」
「へぇ! あの明るいヤツか? すっげぇヤツなんだな」
「はい。技術のある職人さんです」
「あっ! 分かった! じゃあ、光るトウモロコシだ!」
「……え?」
「光るトウモロコシを作ってもらうんだな! そうだろ、英雄!?」
「じゃ、そろそろ行くか、エステラ」
「だね」
「だーかーらー! 無視すんなよぉー!」
座りながら地団駄を踏むバルバラ。
テレサが背伸びをしてバルバラの頭を撫でてやっている。
よかったなぁ、出来のいい妹がいて。大切にしろよ。今、この世界で唯一お前に味方してくれる存在だからな。
ジネットですら擁護不可能なことなんか、そうそうないんだからな。
…………いや、さっきの「顔のいい同性のちょっとした不幸が~」云々は例外っつぅか、カウントされないというか、そもそも俺は別にイケメンを嫉んだりしてないし? もしイケメンを嫉むようなことがあれば、それは俺が俺自身を嫉むことになるわけだし?
なので、ノーカン!
「すぐ戻ってくる予定だが、先に答えを聞いておきたいか?」
「いえ。ヤシロさんたちが戻られるまで『なにかな~? どんなのかな~?』ってわくわくして待ってます」
「それじゃ、最低限試作品くらいは持ち帰らないとね」
「楽しみにしてますね」
「えーゆーしゃー! あーしも、いちたぃ!」
「テレサも来たいのか……。バルバラ、畑の仕事は?」
「あぁ、テレサなら構わないぞ。粉挽きはアーシがやる予定だからな!」
頼もしく腕まくりをして力こぶを作る。
バルバラ、粉挽きを任されるようになったのか。
そうかそうか。
「ジネット。品質のチェックを徹底してくれ」
「なんでだよー!? 大丈夫だよ! ちゃんと教わったし!」
やかましい。
つい先日、お前のせいでトウモロコシ粉が一袋無駄になったところだろうが。
酷い糞害に憤慨だっつーの!
「糞害にふんが……」
「さぁ、行こうかヤシロ」
ちぃ! ……なんて嫌な間で妨害を。
「じゃ、テレサも行くか?」
「いきゅー!」
「いざっ! セロンに小さな嫌がらせをしに!」
「違うだろう。……なんで顔のいい同性に反感を持つのかなぁ、君は」
持ってませんけど!?
っていうか、その言い方だと俺が『顔のいい同性』のカテゴリーから外れているように聞こえて不愉快なんですけど!?
平安風に言えば、『いと不愉快なりけり』! てふむかつく~。
……さぁて、セロンにどんな嫌がらせをしてやろうかなぁ~っと。
そんな密かなる企てを胸に、俺たちは陽だまり亭を出発した。
そして、用事を済ませて戻ってきた。
まぁ、なんやかんやいろいろあって、試作品を手に入れてきた。
「セロン、いろいろやってたぞ」
「え、いろいろって……具体的には?」
「よくやってくれた」
「えっと……あの、エステラさん?」
「なんかよく分かんないんだけどね、『活躍ばっさりカットの刑』とか言ってたよ」
ふははは!
そのとおーり!
セロンはいろいろ工夫してくれたり、ちょっとした面白ハプニングなんかもあったりしたのだが、そんな話はこの胸の奥にそっとしまっておく。
これが、活躍ばっさりカットの刑だ!
「ふふふ……セロンを地味キャラに仕立ててやるっ」
「あの、ヤシロさんはセロンさんと何かあったのでしょうか?」
「いや、大好きなんじゃないのかな? 好きだからちょっかいかけてるんじゃないかなぁ、逆に」
「でしたら、問題ないですね」
ジネットがほっと胸を撫で下ろし、俺たちが持ち帰った荷物へ視線を向ける。
小さな木箱に入れられた試作品。
早く中身が見たいと、その目が物語っている。
「開けてみていいですか?」
「おう。壊すなよ」
「気を付けます」
慎重に木箱の蓋を開ける。と、中の荷物は風呂敷に包まれていた。
焦らすねぇ~。
その風呂敷を解くと、中から現れたのは――
「……お皿、ですか?」
そう、皿だ。
ソーサラーだ。
「そう、皿だ。ソーサラー……」
「これにはちょっとした仕掛けがあってね」
ちぃ! またしても!
なんだ、エステラ? お前はアレか? ダジャレアレルギーでも持ってるのか? 言わせろよ!
「すごく単純なことで驚いたんだけど、でも、効果は抜群だと思うよ」
「単純なのに、効果抜群なんですか?」
まだ答えにたどり着けず、ジネットが箱の中の皿を眺める。
「あ、お皿の縁に塗られている色が違いますね」
「それが、ポイントなんだ」
ぽぃ~んっと!
「ぽぃ~んっと!」
「ねぇ、ヤシロ。君はくだらないことを定期的に口にしないと死んでしまう病なのかい?」
そんなけったいな病になんぞかかっとらんわ!
…………っていうか、くだらなくなかったろ!?
特にソーサラー!
「この色分けが、何かを意味しているのでしょうか?」
「そうそう。この縁に青いラインが入ってるのが10Rb皿」
「10Rb皿?」
「うん。で、こっちの赤ラインが20Rb皿。こっちの黄色地に白いラインのちょっとゴージャスなお皿が50Rb皿。そして、この緑地に赤と白で鮮やかに彩られているお皿が、とっても豪華な100Rb皿なんだ!」
「えっと……お皿の使用料、ですか?」
「そうじゃなくてね。このお皿には、10Rb分のお肉が載っているんだよ」
「あっ! なるほど、分かりました! お肉をグラム売りするのではなく、『10Rb分』売るという発想ですね!」
「そのとーりだよ、ジネットちゃん!」
素晴らしい新発想に抱き合って喜びを分かち合うジネットとエステラ。
要するに、回転寿司システムだ。
端数に困っているなら、そもそも端数という概念を払拭してやればいい。
誰だって、回転寿司に載ってる寿司ネタのグラム数の端数なんか気にしないだろ?
こだわるヤツは少しでも大きい物をって目を皿のようにして比べるのかもしれんが、俺なんかは基本的に注文してばっかだったから、個体差なんか気にしたこともない。
もし、「五切れのうち一切れ、あっちの客の肉より小さいじゃねぇか!」なんてイチャモンをつけてくるヤツがいたら、出禁にするか、モーガンに言って「そんな細けぇことでウチの肉の美味さは変わらねぇ!」とか脅してやればいい。折角の強面なんだ、用心棒の役割を兼任させるくらい構わないだろう。
取っ捕まえてモーガンにでも突き出す。イチャモン、ゲットだぜ!
「10Rb皿が5枚で50Rb。20Rb皿と50Rb皿が1枚ずつで70Rb……凄く計算しやすいです!」
「足し算が出来ればな」
掛け算も覚えた方が早いんだが、そこはまぁ、追々だ。
なんにせよ、参照するデータの数が減れば、計算表は作りやすい。
今のところは、10Rb、20Rb、50Rb、100Rbの四種類。これが何枚でいくらになるって表を作っておけば、最終的に各皿の小計を足せば合計が導き出せる。
「基本的な量は20Rb皿で提供して、少量でいい場合は10Rb皿、ちょっといい肉は50Rb皿、全種類食いみたいに豪勢にぱーっといきたい場合は100Rb皿ってな具合に、ニーズに応えられるようになっている。一応な」
量の調整は、回転寿司と同じで客が好きな枚数頼めばいいのだ。
あとは、実際にやってみて、必要だと思う価格帯を増やせばいい。
「これの凄いところはね、ロースも、ハラミも、マルチョウも、み~んな同じ値段で提供出来るところなんだよ!」
ロースはグラムいくら、マルチョウはグラムいくら、なんて、客側がいちいち考える必要がなくなった。
どこの肉だろうがモツだろうが、なんならサラダやデザートだろうが、10Rb皿に載っていれば10Rbなのだ。
「皿に載る量は変わるが、それはアンチョコでも作っておけばいい。少なくとも、1グラム単位で料金表を作るよりは楽になるはずだ」
ロースなら5切れ、マルチョウなら8切れ、そんな感じで覚えていけばいい。
で、全体の重さの範囲を『80グラム±3グラム』のように決めておけば、そうそう偏った量にはならないはずだ。
ちなみに、日本にある焼肉屋の『一人前』は約80~100グラムであることが多い。
成人男性の場合、一度の食事で食う肉の量は平均で300グラムくらいなので、一回の食事で三種類。二~三人程度で食いに行ってシェアすれば六~九種類くらい食べる計算になる。
それだけ食えば満足感も得られるというものだ。
トムソン厨房では、20Rb皿を『一人前』と定義して、10Rb皿をその半分の量にしてある。
100Rb皿はちょっとお高い肉を含む三~四人前程度の量だ。
ちなみに50Rb皿は高級志向という位置付けで、「おい、見ろよあいつ。50Rb皿ばっか食ってやがるぜ……」「セレブめ……」「……いつか俺も」みたいな効果を狙っている。
「おまけに。この皿で肉を提供するとだな、ピーク時にあらかじめ肉を用意しておける」
「なるほど! お客さんが何グラム食べるか分からなくても、一皿分の量は決まっているので作り置きが出来るんですね!」
「確実に捌ける量であればな」
冷蔵庫がないから長時間放置は出来ないんだが、それでも、ピーク時は随分と楽になるだろう。
「何よりさ、レーラさんがお肉をカットしておけば、オックス君でも盛り付けが出来るからね」
「お手伝いの範囲が広がりますね」
「あーしも、おてちゅらい、すゆー!」
なぜかテレサはトムソン厨房の手伝いに意欲を燃やしている。
トウモロコシ畑ではまだほとんど手伝わせてもらえないようで、自分の力が発揮出来る場所を求めているらしい。
畑仕事より、経理や計算が得意なちびっ子だからな、こいつは。
それより、四十二区に来たせいでワーカーホリックの傾向が出てきたんじゃないかって気がして怖いんだが……どうか気のせいでありますように。
「とにかく、この皿でトムソン厨房の悩みは解決するはずだ」
「さすがです、ヤシロさん!」
「いや、俺じゃなくてテレサがな……」
「はい。ヤシロさんを動かしたテレサさんのお手柄ですね!」
いや、まぁ…………そう、なのかもしんないけどさ。
別に俺をわざわざそこに絡める必要なくね?
な~んでそんなに嬉しそうな顔してんだよ。ジネットの思考回路は理解出来ねぇよ、まったく。
「じゃ、エステラ。あとよろしく」
「君が一緒に行かなきゃ、誰が説明するのさ?」
「お前が出来るだろうが」
「残念だなぁ、ボク、ちゃんと理解している自信が……」
嘘吐け!
ついさっき、俺より前に出てジネットに説明してたじゃねぇか。そのノリでトムソン厨房の連中に教えてやりゃあいいだろうが。
「えーゆーしゃ、いっしょ、いこ? ちっと、みんな、よろこぶぉ!」
「……そーだな。よろこぶだろーな」
そんな無邪気な顔で見んな。
テレサには言ってなかったっけなぁ。
俺は、一銭にもならない人助けと、馴れ馴れしいガキが大嫌いだって。
……ま、もう少し大きくなりゃ、お前も肌で感じるだろうよ。俺の、危険な大人のオーラにな。
それまでは、まぁ。
「せいぜい健やかに育つんだな……ふははは」
「ねぇヤシロ。悪人顔でお人好し発言するの、ブームなの? ほら、さっさと行くよ」
「あ、わたしもご一緒したいです! 少し待ってくださいますか?」
「うん。待つ待つ。ヤシロが自分自身への言い訳モードに入ったから、ゆっくりでいいよ」
「くす。では、のんびり準備してきますね」
何がそんなに嬉しいのか楽し気な女子二人に背を向け、俺は今後の四十二区におけるガキどもの教育方針について少々黙考してみた。
まずは、危機管理能力を向上させる講習を開くべきだな。『危険なものには近付かない』っていう防犯の基礎中の基礎を叩き込んでやる必要がある。
どいつもこいつも、アホ丸出しな顔で俺に寄ってきやがって……危機感ってもんがなぁ…………まったく、こまったもんだよなぁ、…………まったく。
あとがき
ヤシロ「「顔がよくて美人の嫁がいる上に大ヒット商品の利権を有していて一生うはうは状態の勝ち組イケメンなんぞ活躍をバッサリカットされてしまえばいいのだぁー! ふゎ~っはっはっはっはっ!」」
エステラ「ヤシロ!? なんか声がダブって聞こえるよ!?」
マグダ「……この世界のモノではない邪悪なナニカがヤシロに取り憑いている」
ジネット「それは大変です!? ヤシロさん、目を覚ましてくださいっ!!」
ロレッタ「任せてです! ここはあたしが、毎日精霊神様にお祈りをしている正義のいいこちゃんパワーで憑き物を落としてみせるです! はぁぁあっ! 悪霊退散んんんんんんんんっぬ!」
――眩い光「ぴっかー!」
――遠く、四十区にてデミリー「ん? 今、なんだか呼ばれた気が?(きょろきょろ)」
ヤシロ「……うっ!」
ジネット「ヤシロさん! 大丈夫ですか?」
ヤシロ「うはははは! イケメンの活躍シーンなんぞカットじゃカット! なかったことになればいぃーのだぁー!」
エステラ「変わってないじゃないか!?」
マグダ「……ロレッタ。真面目にやって」
ロレッタ「あたしのせいですか!? 声のダブりは消えてるですよ!? つまり、あれはお兄ちゃんの素です!」
――というわけで、
ロレッタに祓い落とされた宮地です。
(* ̄▽ ̄*)羨ましーでしょー?
いやぁ、ついつい書いている時に主人公とハートがリンクしてしまいまして……
カットしちった☆ テヘぷるん☆
セロン、実は凄く重要人物なんですよねぇ、
四十二区的に。
さすが、ヤシロに出会う前から単独で上位区の貴族に目を掛けられていた実力者。
今や、四十二区の大切な外貨獲得要員です。
光のレンガは四十一区~四十区を飛び越して、ルシアの三十五区、そして『BU』にまで普及しております。
セロン、ウハウハです。
ついでに、エステラもウハウハです。
エステラ「「利権、ウマー!」」
ジネット「エステラさん、しっかりしてください! よくないナニカが取り憑いてますよ!?」
マグダ「……この邪悪な感覚……これは、ヤシロ?」
ヤシロ「利権、ウマー!」
ロレッタ「なんでお兄ちゃんが取り憑いてるですか!?」
エステラさんは仲介料をしっかりと得ております。
製造方法はまだ秘匿です。
二十四区の麹に勝るとも劣らない、四十二区の切り札的ヒット商品です。
約一年でメンテしないと光らなくなる仕様にしてあるので、
四十二区を怒らせると夜の闇が街を覆い尽くすことになります。
暗黒が戻ってくるのはどの区も嫌ですからねぇ。
それくらいにセロンとウェンディの発明は凄い!
なのに影が薄い!
だって、リア充なんですもの!
すみっこの方で爆発でもしてればいいのですよ、リア充などは!!
……いえ、
きっと大忙しで陽だまり亭に顔を出すヒマもないのでしょう。
……ということは、セロンはウェンディの手料理ばかりを食べているんでしょうか?
…………セロン、激やせしてないでしょうか?
いえほら、ウェンディの手料理って…………ねぇ?
ウェンディ「失礼な! 結婚式からずっと野菜の煮っ転がしを練習していますよ!?」
セロン「うん……野菜の煮っ転がしだけを、延々とね……」
たまには食べにおいでよ、陽だまり亭へ……頑張れ、セロン。
ちょこっとだけ、セロンに優しくなれる気がしました。
というわけで、
またまたトムソン厨房へ向かいますよ~。
陽だまり亭が軌道に乗っていたので、他所のお店をコンサルティングです!
要するにアレですね、
現在のトムソン厨房の会計システムは『いき○りステーキ』形式なので、
それを『スシ□ー』形式に変更してやろうと、そんなわけです。
食べ放題でも、会計はやりやすくなるんですが、
ほら……四十二区はあの人がいますから……
食べ放題なんて始めちゃった日には…………ねぇ?
ベルティーナ「あら? 今、なんだかとても素晴らしいことが起こりそうな予感がしたのですが、気のせいでしょうか?」
ヤシロ「トムソン一家が夜逃げする羽目になるから、絶対禁止だな」
食べ放題が四十二区に登場するのは、一体何年先になるのでしょうか。
スイーツ食べ放題とか、絶対酷いことになりますよね。
デリア「行こうぜ、シスター!」
ベルティーナ「はい。お泊まりの用意も出来ています!」
ヤシロ「泊まりがけで!?」
街から、砂糖が消えますね。
私もちょっと前までは稀に行っていたんですが、ケーキ食べ放題。
最近は安くたくさんよりも、
お高くてもすっげぇのを一つという発想に変わってきております。
( ゜д゜)、ペッ ……けっ、セレブぶりやがって
( ̄∇ ̄*)ゞ いや~、それほどでも
( ゜д゜) ……照れられた!?
いつから食べ放題行ってないでしょうかねぇ……
あ、そうそう。
「ご飯行こうよ」って気軽に言える知人がいなくなってからですね♪
…………くすん。
一人カラオケ、
一人焼肉に続いて、
一人食べ放題が流行らないかなぁ……
オッサンだって、ケーキ食べ放題に行きたいもん!
学生の頃は男ばっかりでも「ケーキじゃぁあああ、うりゃぁあああ!」って食べに行けたんですけども……
いや、今でも私は全然「うりゃ」れるんですけども、
知り合いのオッサンどもがもう全然「うりゃ」れなくて、
ホテルに泊まった時に朝ご飯ビュッフェでひっそりと一人で「うりゃ」るくらいしかしてないですねぇ。
世のオジサマ方ももっともっとケーキバイキング行けばいいのに。
あれですよ、ほら、
薄ぅ~~~目で見れば、女子高生に見えなくもな………………ないな。
夕方になるとヒゲで口の周りが真っ黒になるような女子高生はいませんものね。
こうなっては仕方ない。
一緒にケーキバイキングに行って「うりゃあああ!」ってやってくれるお友達、
すなわち『うりゃ友』を探すしかありませんね!
ケーキが好きで、ケーキバイキングに抵抗がない世代……まぁ、女子小学生~女子高生になっちゃうんですかねぇ?
いや、こればっかりは仕方ないですよねぇ~
世代ですからねぇ~
というわけで、
宮地さんと一緒にケーキバイキングで「うりゃ」ってくれる女子小学生を募集しま…………ちっ! もう警視庁に嗅ぎつけられたか!
ズラかるぜ!
……いえ、「ヅラ借りるぜ」なんて言ってませんよ?
借りなくても大丈夫ですよ!
……いえ、「自分の持ってるから?」じゃなくて! そーじゃなくて!
まだ平気なんです!
っていうか、ヅラの話はしてないんです!
ズラかるんです!
……いや、オヤジ狩り的な意味での「ヅラ狩る」じゃなくて!
欲してませんってば!!
……も~ぅ!
さて、疑惑の芽を摘んだところで、
次回はトムソン厨房へ向かいます!
次回もよろしくお願いいたします。
宮地拓海




