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異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
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無添加66話 ちょっと違う懐かしの味

「むはぁ~! 美味しいッス~!」

「……マグダはもうすでに、あんドーナツをマスターした」

「もぐもぐ…………ガリッ!」

「………………それは一番ダメなヤツ。それはなかったことに」

「ちょ、……ちょっと苦いッスけど、それでも十分美味しいッスよ」


 どこかで見た光景が繰り返されている。

 マスターしたならダメなヤツなんか発生させんじゃねぇよ。まだまだ免許皆伝には遠いな。

 というか、キツネ人族は興奮すると声がデカくなるのか? ノーマ然り、ウーマロ然り。もうちょっと落ち着け。


「それで、あのっ、ノーマさん」

「なんさね、モリー」


 厨房前では、部屋と自分の仕事を割り振るジネットとのミーティングを終えたモリーが、食らいつくような勢いでノーマに詰め寄っている。


「お料理を、教えてください! 可及的速やかに!」

「今から、やるんかいね?」

「はい! こういうのは早い方がいいですから」

「けどあんた……、朝ご飯食べたんさろ?」


 と、ジネットを見やるノーマ。

 ジネットはちょっと困ったような笑顔でこくりとうなずく。

 モリーは、陽だまり亭の開店前に粉砂糖の出来を確認したいということで、日も昇る前からここにやって来ていた。

 その関係で、朝飯は教会で一緒に食べたのだ。

「朝からこんな美味しいご飯が食べられて、幸せです」と、にこにこ顔でおかわりをしていたモリーの顔を思い浮かべる。ジネットが大喜びしそうな食べっぷりだった。


「朝いただいたのは普通の、とっても美味しい食事でした。だから、早くダイエット料理を食べて痩せたいんです!」

「……食べたら、太るさよ?」

「えっ!? ダイエット料理なのに!?」


 あぁ……そうか。まだこんなレベルなんだ。

 四十一区では素敵やんアベニューの話題の中で幾分かダイエットに関する知識が広まり始めてはいるが、その向こうの四十区の領民であるモリーにはまだ情報が行き渡っていないらしい。


「食べれば食べるほど痩せる料理じゃないんですか!?」

「そんな空恐ろしい料理、アタシは知らないさね!」

「わたしも、ちょっと心当たりがありませんね」


 俺の中での四十二区お料理ツートップが知らないのだ。きっと誰も知らないのだろう。

 ……つか、ねぇよ、そんな料理。仮にあったら、かなり危ない食材か調味料が使われていることだろう。

 そんなもん、料理じゃねぇ。劇物だ。


「ダイエット料理は、普通の食事よりもカロリーが少なくて、それでも満足感が得られるような料理のことだ」

「普通の食事よりブロッコリーが少ない……?」

「やめてくれモリー……お前だけは残念な娘じゃないと信じているんだ、俺は」


 ブロッコリーゼロの料理なんか、いっくらでもあるだろうが。

 痩せねぇよ、ブロッコリーを控えたところで。

 つか、ブロッコリーに罪はねぇよ。


「普段食べている料理の代わりに食べて、摂取カロリーを抑えるための料理なんですよ」

「店長さん、そのカロリーってなんですか?」

「えぇっと…………」


 ジネットが助けを求めるように俺に視線を向ける。

 一応ジネットには説明をして理解を得たはずだが……ま、理解していても上手く説明出来るようなもんじゃないか。


「食事の中に含まれるエネルギーのことだ」

「エネルギー、ですか?」

「あぁ。生きるためには必要不可欠だが、それを過剰に摂り過ぎると脂肪の中に蓄えられて贅肉となる……まぁ、贅肉の元だな」

「私っ、ご飯食べるのやめます!」

「いや、死ぬぞ」


 生きるのに必要なんだっつの。


「どうして、太る原因になるようなものが料理の中に含まれるんでしょうか……なければいいのに……」

「動物の中には、秋のウチにエサを大量に食って脂肪を蓄えるヤツがいるんだよ。ぶっくぶっくに太るために」

「えっ、どうしてそんなことを?」

「冬を越すためさ。脂肪は温かいし、長い間エサが取れなくても餓死しないためにな」

「……ウチには暖房もありますし、備蓄の食料もあります」


 そりゃそうだ。

 けど、いいとこ取りなんか出来ないんだよ、生き物ってのは。


「なんとか、カロリーだけ遠慮出来ないものでしょうか?」

「そのためのダイエット料理なんさよ。みんな、食べたいものを我慢しつつ、それでも少しでも美味しくて満足出来る物を食べようってダイエット料理を覚えるんさよ」

「食べたい物……ですか」

「あんドーナツやメロンパンは凄く美味しいけど、カロリーが高いんさよ。あんドーナツを腹一杯食べたら、間違いなく太るさよ」

「えっと……でも、ウーマロさんは……」


 と、モリーの視線が、マグダの作ったあんドーナツを貪り食うウーマロを捉える。

 ウーマロはかっちりとした体つきで、間違っても太ってはいない。顔がキツネなんでちょっともふもふ癒やし系かと思いきや、脱いだら割といい体をしている細マッチョなのだ。

 二の腕とか、カッチカチだ。


「アレは毎日体を使った仕事をしてるからねぇ。カロリーを摂取量以上に消費してるんさよ。おかげで毎日毎日、仕事終わりには腹を空かせてげっそりしてるんさよ」

「よくご存じなんですね、ノーマさん」

「アイツが、ヤシロに頼まれた仕事の帰りにウチの近所を通りやがるんさよ……毎日毎日…………これ見よがしに……っ!」


 おい、そこの同族嫌悪。

 いや、ライバル視を拗らせた感じか?

 ホント仲良くしろよ、キツネ人族。


「仕事柄、太りにくい……ってことですか?」

「まぁ、そうさねぇ」

「ズルいです、ウーマロさん!」

「へふぅ!? な、なんか、オイラ向こうで女性に怒られてるッスか!? ちょっとそっち向けないんで詳しくは分かんないッスけど、たぶん不当な怒りッスよ!?」


 マグダだけを見つめるようにこちらに背を向けていたウーマロが頭を抱えてテーブルに突っ伏す。

 ジネットがいるこちら側には向けないらしい。


「……私、毎日くたくたになってるのに……太るんです…………不公平です」

「あの、オイラのせい……じゃ、ないッスよね? と、とりあえず、泣かないでって伝えてほしいッス、ヤシロさん」

「じゃあこっち向いて自分の口で言え」

「そういうのとか無理ッス!」


 背中を向けて慰めるとか、なんて非情なヤツだ。

 お前こそが女性の敵認定されればいいのに。


「店長さ~ん! ちょっと厨房来てです! 油が一大事です!」

「まぁ、大変です! すぐ行きます!」


 あんドーナツの練習をしているロレッタが慌てた様子で顔を覗かせる。

 ジネットが厨房へと向かうと、カウンター付近に残ったのはノーマとモリーと俺だけになる。


「モリーちゃん、泣かないでッス。ほら、顔を上げて、これで涙拭いてッス」


 ……うん。お前って分かりやすいな。

 ジネットがいなくなれば、照れる相手がいなくなるもんな。

 モリーはまだ未成年だし、なんでかノーマは平気だし。ノーマが平気ならほとんどの女性が平気だろうに……ホント分からんわ、こいつの感性。


 モリーの前に来てハンカチを差し出すウーマロは、面倒見のいい近所の兄ちゃん然としていて、ちょっと腹立つくらいに爽やかだった。


「……すみません、ウーマロさん。こんな、八つ当たりで泣いちゃって……ご迷惑を……」

「いいんッスよ。年頃の女の子は悩みが多くて大変ッスからね。適度に発散させた方が抱え込むより全然いいッスよ。オイラでよければ、いつだって受け止め役を任されるッス」

「…………はぁ、頼もしいなぁ。ウチの兄ちゃんと大違い」

「あはは。そこは人それぞれってやつッスよ」


 泣き止んだモリーに笑顔を向けるウーマロ。

 モリーも八つ当たりを反省し、泣き止んだばかりの赤い目を細めて笑う。


「ウーマロって、未成年の女子には妙に優しいよな」

「誤解を招く表現やめてッス!? オイラは成人女性に優しく出来ないだけッスよ!?」

「それはそれで、酷い表現だと思うさよ……」


 モリーは今年で十四歳。

 来年には成人だから、来年以降はまともに話せなくなるんだろうなぁ。……その感性が分からん。


「オイラにはダイエットとかプロポーションのこととかよく分かんないッスけど、ヤシロさんならいろいろ教えてくれるッスよ」

「勝手なこと抜かすな。お前からの依頼ってことで情報料請求するぞ、ウーマロ」

「まぁ、それでモリーちゃんが笑顔になるなら……」


 なに、こいつ!?

 なんでそんなイケメン発言出来るの!?

 他人のために金とか労力とか、俺なら絶対出せないのに!


「……ヤシロ。勝手口と厨房を繋ぐ廊下の軋みが最近酷い」

「そうだな。んじゃ、中庭の屋根と一緒にそこも直してもらうか」

「はは、お安いご用っす!」


 中庭の屋根は運動会の前に約束してたもんな。

 どうせならとことんこき使ってやる。


「んじゃ、モリー。午後になったらデリアに頼んで体操を教えてもらいに行くか」

「はい!」

「バルバラ、お前も来るだろ?」

「…………」

「バルバラ!」

「へ? お、おう! ……何がだ?」


 一人、離れたところのテーブルに座って呆然としていたバルバラ。

 よほどショックだったのか、勢いよくノーマに懇願した後には魂が抜けきっていた。


「お前は別に太っちゃいない……つか、お前はまだまだ肉が足りないくらいだが、お前はダイエットのためじゃなく一般教養として料理と協調性を学んでこい」


 デリアのシェイプアップ教室で『みんなと同じことをする』という協調性を身に付けろ。

 お前は一人で先走り過ぎだ。


「一般教養を身に付けたい女子はバルバラ以外にもたくさんいるさね。そういう教室はないのかって、たまに聞かれるんさよ」

「イメルダのマナー教室とかか?」

「そうそう。あと、職場の上司のあしらい方教室とかも欲しいって言ってたさね」

「あしらい方? なんだそりゃ」

「理不尽な態度を取られることがあっても、我慢するしかないんさよ。エロ上司とか、困ってる女子は多いんさよ」

「あぁ……そういうヤツか」


 セクハラやパワハラは、この世界にも存在するようだ。

 むしろ、日本よりも酷いだろうな。

「女が工房に入るんじゃねぇ!」とか、教育とか言ってベタベタ触ってくるエロ上司とか。


「金物ギルドにもいるのか?」

「アタシが見習いだった頃はいたんだけどねぇ……アタシがちょ~っと注意したらある日突然いなくなっちまったんさよ……不思議さねぇ~…………ふふふ」


 怖い。

 怖いよノーマ。

 お前なにしたの?

 お前がパワハラしてないよな?


 けど、パワハラセクハラ講習ってのはありかもしれないな。

 被害者はもちろん、無意識の加害者に自覚と教育を与えるためにも。

 講師は、そうだなぁ……



「ん? セクハラ講習やて? ほんならウチが手取り足取りねっとりもみもみ実践交えてた~っぷりと教えたげるわなぁ」

「ん? パワハラ講習? あぁ、いいぞ! あたいが講師やって、パワハラなんかするヤツをぶっ飛ばしてやる!」



 …………ダメだ。

 講師が率先してセクハラとパワハラをし尽くす未来しか見えない。

 反面教師としてはいいかもしれないが。……いや、被害者が気の毒過ぎる。なしだな。


「とにかく、ダイエット料理はお昼にやるさよ。それまでは普通に仕事してるさね。なぁに、体を動かしてりゃ、朝食べた分のカロリーなんかすぐ消費出来るさね」

「は、はい。頑張ります!」

「バルバラも、朝は畑の仕事を手伝ってきな。で、昼飯の時にまたここに来るさね。ヤップロックは、ちゃんと言えば理解してくれるさろ?」

「あ、あぁ……言ってみる……けど…………」


 バルバラが、似合いもしない真面目な顔をしている。


「アーシさ、かーちゃんたちに受け入れてもらって、全然ダメな人間だって思ってたのに、『そのままでいい』って、アーシなんかでも家族にしてくれるって言ってもらって……『あ、アーシこのままでいいんだ』って、どっかで思ってて、さ……」


 俯いたバラバラの手が、太腿の上でぎゅっと固く握られる。


「けど……やっぱ、たった一人の、あの人に選んでもらうためには、『このままでいいや』なんて、そんな甘いことじゃ、やっぱ、全然ダメなんだって……思い知った……」


 奥歯が、カリッと音を立てる。

 そして、顔を上げたバルバラの顔は、これまでに見たこともないような決心に充ち満ちた表情で、それでいて瞳の奥に揺らめくのは闘志ではなく少し女性らしい炎で。


「アーシ、綺麗になりたいっ!」


 出会った頃のこいつからは想像も出来ないような、女の子らしいセリフを口にした。


「それでも、選んでもらえるなんて思えないけど……アーシ、努力したい! 自分に出来る最大限の努力して、いっぱい可愛くなって、綺麗になって……綺麗になったアーシを見てほしい!」


 まさか、あのバルバラが、ねぇ……


「それでダメなら、すっぱり諦められる気がするんだ。だから……あの…………ほら、あれだ、アレしたくないなって…………あぁ、ダメだ! 勉強もちゃんとしなきゃ、こういう時に言葉が出てこねぇ!」

「『妥協』か?」

「そう! それだ! アーシ、妥協したくない!」


 バルバラが、自ら努力をしようとしている。

 勉強しなきゃなんて言葉が、バルバラの口から出てくるとはな。


「それなら、素敵やんアベニューが出来たら通えばいいさね」

「なんだ、それ?」

「ヤシロが四十一区に作る、女が綺麗になるための場所さよ」

「そんなのを作ったのか!?」

「今作ってるところさね」

「すげぇな、英雄!? 尊敬する!」

「やめてくれ……お前の尊敬、胃もたれしそうだし」


 というか、お前はその素敵やんアベニューを作る前の説明会に参加してただろうが。綺麗は努力で手に入るって見せるための被験者――もとい、モデルとして。

 で、オシナの店で優雅にお茶を嗜む役もやらせたはずだが……覚えてないのか、興味がなくて意識から抜け落ちていたのか、恥ずかしさから記憶に蓋をしたのか……こいつの脳みそって、本当に効率の悪い構造をしてるよな。


 あと、別に俺が作ってるわけじゃねぇから。

 俺は立案しただけで、作ってんのはリカルドとウーマロだ。利益をもらうために名前を連ねてるだけだ、俺は。


「けど、綺麗になるためにはお金がかかるさよ。どこも無料ってわけじゃないからねぇ」

「そうか! んじゃあアーシ、とーちゃんの畑いっぱい手伝う!」

「ついでに、どうすればもっと儲けが出るようになるか考えておやりな」

「アーシに出来るかな……?」

「勉強するんさね」

「おう! シスターに勉強教えてもらう!」

「じゃ、思ったらすぐ行動さね」

「おう! ありがとうな、ノーマ先生! お昼、お料理よろしくです!」


 導火線に火が点いたように、バルバラが勢いよく動き出した。

 何かを始める時のわくわく感。そんなもんを謳歌しているような清々しさをまき散らしてバルバラが陽だまり亭を出て行く。


「……恋って、凄いんッスねぇ」


 あぁ、そうだなウーマロ。

 お前も、マグダ恋しさにかなり規格外なことをやってのけてる人間の一人なんだが、自覚はないんだな。


「兄ちゃんにはもったいないです……」


 微妙~な顔をして扉を見つめるモリー。

 一人の人間が人生を変えるほどの恋をした相手が、片思いの相手にストーカーして仕事をすっぽかし、あまつさえデリカシーのない発言で妹に縁を切られそうになって半泣きでお家に帰っていったメイクダヌキだなんて信じたくないよな。


「さっ! というわけで、午前中は普通に仕事をすることが決まったさね」


 パンッと手を叩き、妙に嬉しそうな声でノーマが言う。

 そして、きらきらした瞳で俺に顔をずいっと寄せてくる。


「だからヤシロ、ピザトーストを作っておくれな!」

「いや、無理だから」

「鉄板は今熱してるさよ! 間もなく使えるようになるさね!」

「食パンがねぇんだっつの」

「買ってくればいいさね」

「昨日食い尽くしたろう、領民総出で」

「アレは『BU』と四十一区のパンなんじゃないんかぃね?」

「エステラが他区の領主だけに負担させるわけないだろう? 四十二区のも入ってたんだよ」

「なにやってんさね、エステラー!」


 理不尽な怒りが、窓の外へと向かって叫ばれた。

 よかったな、エステラ。今日は昨日の残務処理が残ってるとかで朝飯の後すぐ帰ってて。残ってたらノーマに八つ当たりされてたところだぞ。


「あっ! そうさよ」


 ぽんっと手を打って、ノーマが口角を持ち上げる。


「……パン工房はヤシロに恩があるじゃないかさ……作らせればいいんさよ……」


 ノーマが、悪どい顔をしている。


「パン職人は、俺が新しいパンのレシピを教えたこと知らないからな?」

「知らなくても、薄々は勘付いているさね。四十二区の領民ならね」


 ……なんか、それはそれで嫌な状況なんだけど。

 何か新しいことがあるとみんな俺のせいにされるのか? トラブルを持ち込まれそうだからその思い込みを一掃してほしいもんだ。


「それに、教会の許可なく勝手にパンは作れないだろう」

「むぅ…………」


 ノーマが膨れる。

 駄々っ子のようにほっぺたをぱんぱんに膨らませて。


「そうさね! だったらヤシロが作っておくれな!」

「俺、犯罪者になっちゃう!」


 もうそれで一回仰々しい聖法衣着せられてんだわ!

 二度と御免だよ、あんな重苦しい空気!


「せっかく作ったのに、試作が出来ないなんて、つまーんないさねー!」


 顔をくしゃくしゃにして体をぶるんぶるん震わせるノーマ。

 完全に駄々っ子の癇癪だ。


「もう、いい加減にするッスよ! 大人げないッス」

「いや、待てウーマロ! もう少し様子を見よう!」


 ぶるんぶるん、ぶるんぶるん!

 いぃぃいいやっふぉぉおおおい!


「ガン見されてるッスよ」

「やめるさね」

「ぬゎぁああああ、止まったぁ!?」


 荒れ狂っていた二つの『たわわ』がぴたりと静止してしまった。

 神の慈悲はないのか、この世界に!?


「…………じゃあいいさね。あんドーナツにチーズ載っけて焼くさね……」

「やめろ。絶対合わないから」

「………………むぅぅ~~っ!」


 ノーマが幼女化している。


「ノーマさん、可愛い……」


 モリーはまだ比較的ノーマとの距離があるからそう思えるんだろうな。

 俺も、顔見知り程度の関係なら拗ねるノーマを可愛いと手放しでデレデレ出来ただろうが……その『拗ね』がこっちに牙を剥くことを学習した今となっては、楽観的ではいられないんだよ。

 こいつがこうなると、後の仕事に影響するからなぁ……


 あと、あんまりメンドクサイ女になると婚期が…………いや、なんでもない。


「しょうがない。うまくいくかは分からんが……」

「何か作ってくれるのかい!?」


 ノーマの顔、シャイニ~ング☆

 ……ホント、単純というか、極端というか。


「ジネット~」

「は~い」


 ぱたぱたと厨房から駆けてくるジネット。

 ロレッタが起こした油の一大事とやらは収拾したようだ。


「ドーナツの生地、まだあるよな?」

「はい。今日はたくさん用意しましたから」

「じゃあ、それを少し分けてもらえるか?」

「ヤシロさんもドーナツを作るんですか?」

「いや、ノーマの持ってきたオーブンでピザを焼いてみようと思う」

「それは素晴らしいことだと思います!」


 にょきんっ! ――と、俺とジネットの間にベルティーナが生えてくる。

 ……ワープ?


「そろそろ、私の……いえ、子供たちのあんドーナツが出来上がる頃合いかと思いまして味見……もとい、様子見に」

「本音と建前講習も必要かもしれないな、この街には」


 隠しきれてねぇよ、本音が。


「それで、ピザが作れるのですか? 罪にならずに?」

「いや、うまくいく保証はないんだが……」

「六割の成功率でも、ピザはきっと美味しいです!」


 もう食べられないと思っていただけに、ベルティーナのピザ熱が凄まじい。

 ちょっと作ってみて、失敗したらやめようと思っていたのだが……成功させなきゃいけなくなったな、これは。


「ピザを焼くんッスか!? オイラも楽しみッス!」


 ウーマロも諸手を挙げて喜んでいる。

 目の前に並んだマグダのあんドーナツをそのままに。


「……ウーマロ。残っている」

「え? あぁ、でも教会の子供たちの分も必要ッスよね?」

「……これはウーマロのために作ったもの」

「そうだったんッスか!? 感激ッス! じゃあ、持って帰らせてもらうッス!」

「……出来たてこそが美味しい」

「え……いや、でも、あと十個もあるッスよ?」

「…………いらない?」

「いるッス! 全部残らず平らげるッス!」

「……でも、ピザは?」

「そ、それも食べるッス!」

「ウーマロ、無理すんな。ジネット、包んでやれ」

「はい」


 どうせ仕事を始めりゃ動き回って腹も減るだろう。

 十個くらいなら今日中になくなるさ。


 ジネットが厨房に向かった後、マグダのそばまで行って髪を撫でてやる。

 もふもふ。


「マグダ。別にウーマロはお前のあんドーナツを蔑ろにしたわけじゃないだろ?」

「……別に。マグダは拗ねてなんかいない」

「えっ!? マグダたん、オイラに拗ねてくれたッスか!?」

「……拗ねてない」

「はぁあああん! 感激ッス! オイラ、いつでもマグダたんが最優先ッスよ!」

「………………ピザ、嬉しそうだった」

「ピザは嬉しいッスけど、ヤシロさんとマグダたんを比べたら、マグダたんが圧勝ッスよ!」

「よしウーマロ、今すぐ帰れ」

「おぉうっと!? 今度はヤシロさんがご立腹ッス!?」

「貴様にくれてやるピザなどない!」

「水洗トイレの水くみの滑車! アレをもっと軽い物に改良するッス!」


 あぁ、水汲み上げの滑車かぁ……


「しょうがない。食わせてやるか」

「やったッスー!」

「……今の滑車で十分軽いけれど?」

「マグダにはな。俺にはつらいんだよ」


 ジネットが持ってきた小さな弁当箱にあんドーナツを十個詰めて、マグダもなんとなく機嫌を直し、中庭改良計画が順調に進んだので、しょうがなくピザを焼く準備を始める。


 ……なんか俺、いいように使われてないか?

 大丈夫かな?

 利用されるのはウーマロや領主の役目だと思うんだけど。


「ヤシロさん。この生地で大丈夫ですか?」

「まぁ、多少違うが……なんとかなるだろう」


 卵や牛乳が入っていたり、砂糖が多かったりと、若干甘めの生地になるだろうが……ベルティーナは六割の成功率でいいって言ってたし、ノーマは『焼く』さえすりゃ納得するだろうし、ウーマロの好みなんぞ知ったこっちゃないし、うん、大丈夫だろう。


「甘いデザートピザでも作るか?」

「いえ! 普通のピザで!」


 ベルティーナが新しい物を拒否した!?


「でも、生地が若干甘めなんだが……」

「トマトソースに合えば、おそらく大丈夫です」


 ベルティーナ、どんだけ食いたかったんだよ、ピザ。


 じゃ、作るか。と厨房に入ったら、全員がついてきた。

 厨房に残ってたロレッタが「ふへ!? 何事です!?」と目を剥いていたが、さもありなん。

 狭いっつの。


 生地の甘さを誤魔化したいのと、オーブンの温度がイマイチ信用出来ないことから、生地はなるべく薄くしてクリスピーな感じでサクッと仕上げることにする。

 ……バターが入ってるからサクッとしてくれるだろう。


「ドーナツ生地でピザを作るのは、さすがに初めてだな」

「手探りな感じで、楽しいです」


 ジネットはポジティブに受け止めているようだが、俺は失敗するんじゃないかって不安の方がデカイよ。


「ジネット、ピーマンをなるべく薄く細切りにしてくれ」

「はい」

「あと、ベーコンかソーセージはあるか?」

「どちらもありますよ?」

「じゃあ、ベーコンにしよう」

「はい」

「それと――」

「とろけるチーズ、ですよね」


 嬉しそうな顔で、必要な材料を取り出すジネット。

 あの顔は、自分も作ってみたいという顔だ。

 以前は俺が一人でやったんだよな。さすがに、ジネットに密造石窯を使わせるわけにはいかなかったし。


「ピザソースはまだ残ってるか?」

「はい。アッスントさんにレシピをお渡しする前に、確認のためにと思って今朝作った物があります」


 そこには結構な量のピザソースが。

 まぁ、これはタコスにも使えるから無駄にはならないだろうけど……作り過ぎじゃね?


「ヤシロさんがコの字オーブンのお話をされていましたので、必要になるかなと」

「確定する前にこんなに作るなよ。無駄になったらどうする」

「ここ最近、わたしは見積もりを見誤ったことはないんですよ」


 確かに、これだけ商品数が膨れあがった陽だまり亭において、下ごしらえした食材が余ったとか、買っておいて食材をダメにしたということは起こっていない。

 少なくとも、行商ギルドとの取引が正常化した以降は。


 ……ジネットって、もしかして予知能力でも持ってるのか?

 これだけ豊富なメニューがある中で無駄な食材を出さないって、普通に出来ることじゃないだろう。

 天性の勘なのか、熟練の読みなのか…………それはそうと、メニューって漢字で書いたら絶対『女乳』だよな、うん。


「お前は凄いな、ジネット」


 と、『女乳』を見つめて言っておく。

 称賛だ。拍手喝采だ。


「ありがとうございます。……あの、視線が下過ぎませんか?」

「いやいや、ちょうどいい」

「もう、ヤシロさん」


 へいへい。

 話をする時は顔を見ればいいんだろ。


「ノーマ、鉄板はどうだ?」

「結構温まってるさよ。これで十分かどうかは、アタシには分からないけどね」


 鉄板には十分熱が行き渡っているようだ。


「今度は何を作るですか?」


 あんドーナツを一段落させ、ロレッタも興味深そうに俺の手元を覗き込んでくる。

 妙に注目される中、生地をのばして、ソースを塗って、ジネットが切ってくれた具材を散りばめていく。

 最後にとろけるチーズを載せて、あとはコの字型オーブンへ投入する。


 経過を見つめていると、上下は同じように焼けていくが『コ』の字の縦部分、奥の方が手前よりも先に焦げ始める。

 手前には鉄板がないから奥の方が先に焼けるのだ。

 くるりと生地を反転させる。

 これはやっぱ、石窯で焼くより面倒だな。

 オーブントースターは便利だったのに、うまくいかないもんだ。


「改良が必要さねっ」


 隣で、活き活きとしている寝不足のお姉さんが、俺は少し心配だよ。

 ……寝ろよ、ノーマ。


 チーズがとろけ、生地に焦げ目が付き、ベーコンとピーマンへいい感じに熱が通ったところで、ピザをコの字型オーブンから取り出す。

 ふわっと、焦げたチーズの香ばしい薫りが鼻孔をくすぐる。


「いただきます!」

「早い! マグダ、ベルティーナを押さえてくれ」

「……善処する」


 笑顔で暴走するベルティーナを落ち着かせてもらいつつ、ピザを八等分にカットする。

 刺身包丁でカットしているのだが……


「ピザを作るようになるなら、ピザカッターが必要だな」

「どんなものなんですか?」

「円形の薄い刃がついた物でな、こうやってころころ転がして切るんだよ」

「作るさね! 設計図をくれたらすぐにでも!」

「あぁ、ダメだ。当分頼めないな」


 これ以上ノーマに仕事を与えるとノーマのお肌が限界を超えてしまう。

 四十二区の美人率が下がるのは憂慮すべき問題だ。

 何より、ノーマには綺麗でいてもらわなくてはダイエット料理教室の講師としての説得力がなくなってしまう。

「食べて健康に痩せよう!」って趣旨なのに、講師の肌がボロボロじゃマズいのだ。


 今回のピザ、失敗してりゃいいのに……と思ったのだが、これがどうしてなかなか、大成功しちゃったんだよなぁ。


「美味しいです!」

「うん! ちょっと生地が甘いッスけど、それが妙にマッチして……美味しいッス」

「お兄ちゃん! これ、カリッとしてて美味しいですね!? 『カリッ!』『ぅにょ~ん』『うまっ!』です!」

「……以前のピザも美味しかったけれど、マグダはこれも好き」

「う~ん、でも、やっぱり少し生地が甘い気がしますね」


 ジネットだけは、プロとして厳しめの意見を述べる。

 こいつが手放しで褒めないということは……ピザを陽だまり亭のメニューに加える気満々だということだ。


 ……ホント、何屋なんだよ、この食堂。


「モリーも食うか?」

「えっと……でも…………」


 細い腕でお腹を隠しながら、モリーが躊躇いを見せる。

 が、顔に思いっきり『食べてみたい』と書かれている。


「大丈夫さよ。今食べても、食べた分みっちりデリアにしごいてもらえるように頼んであげるからさぁ」

「はい。では、いただきます!」


 ノーマに背を押され、モリーもピザを食べる。


「……ん!? 美味しいっ! これ、どのパンとも違う味ですね」

「まぁな。本来は生地がここまで甘くなくて、生地はもう少しもっちりしているんだ」

「そうなんです。それはそれは、至高の美味しさなんですよ。……あぁ、恋しい」


 ベルティーナがうっとりと遠い過去を見つめる。

 あぁ、これ、近々完成品が食べられると思い込んでる顔だ。俺は作るとは言ってないからな?

 お前が勝手に思い込んでるだけだからな?


「そんな料理が陽だまり亭のメニューに加わったら……」


 モリーの体がぶるっと震える。


「……私、20キロほど太ります!」

「自重って言葉、覚えようか?」


 無制限に食うんじゃねぇよ。

 はっは~ん。さてはお前、太った理由って砂糖の研究のためだけじゃないな?


「けどまぁ、このコの字オーブンはデカ過ぎるな。もっと小型化出来なきゃ店には置いておけねぇよ」

「そうですね……ちょっと狭くなり過ぎますね」

「大工、厨房をもっと広く建て直すさね」

「お前が小型化すりゃあいいんッスよ!」

「じゃあアイデアを寄越しなね」

「それが物を頼む態度ッスか!?」


 きゃんきゃんと言い争う同族。

 仲良くしろよ、マジで。


「マグダ~。あんた、ピザ好きかぃね?」

「……好き」

「協力してやるッス! 一日も早く小型化と効率化を実現させるッスよ! 二~三日は眠れない覚悟をしておくッス!」

「望むところさね!」

「いや、ノーマは寝ろ!」

「ウーマロさんとノーマさん、お二人に精霊神様の癒やしと加護がありますことを……」

「なにこっそり祈って働かせようとしてんのベルティーナ!? 休ませてあげて! 倒れるから、あの二人!」


 ピザ復活が現実味を帯びて、一部の人間が暴走し始めている。

 ……これはマジでさっさと復活させなきゃ死人が出かねない。

 別にそこまで必要としてなかったんだけどなぁ、ピザ。


 ……そしてたぶん、エステラが頭を抱えることになる。

 パンと見紛う新商品の誕生に。

 そして、そいつがパンの売上を落としかねない新商品であることにも。


「すみませんヤシロさん……もう一枚追加をいただくわけには?」

「モリー。運動って、そこまで万能じゃないからな? さっきも言ったけど、自重って言葉、覚えろな?」


 照れたような顔で空になった皿を差し出してくるモリーに「あぁ、この娘も陽だまり亭にいる間にどんどん残念化するんだろうなぁ」なんて未来が予想出来て、思わずため息が漏れた。







あとがき




ウェイトレスさん「いらっしゃいませ。こちらがメニューになります」

私「ほぅほぅ、いい『女乳』ですね!」

ウェイトレスさん「おまわりさーん!」


どうも! 仮釈放中の宮地です!



監視の目が厳しいので、本日は自動更新です☆

19時ジャストの更新です!


あぁ、しまった……

こういう自動更新の時は


「あなたがこれを見ているということは、私は仮釈放中に罪を犯したのでしょう――」


とか書いておけばよかっ……犯してませんよ、罪!?

仮釈放です!


…………仮釈放も嘘ですよ!?


なんでちょっと信じちゃってるんですか!?

いつものことだからねぇ~、じゃないんですよ!

まだ逮捕歴ゼロですから!

これからもきっとずっとゼロですから!



それはさておき、

今回活躍したコの字オーブン、

書いていて気付いたんですが……



これが出来るなら鉄製のオーブン作ってしまえばパンでもなんでも焼けるんじゃね?



石窯でなければセーフって、大穴空きまくりの制約ですよね。

ですがまぁ、そんな紛らわしいことをして教会に目をつけられてもいいことなんか何もないので、明らかに仕組みが違うコの字オーブンくらいが限界です。

そーなんですったらそーなんです!


コの字オーブンも限りなくグレーですけどね。


とりあえず、ヤシロはまだ教会にケンカを売るつもりはないようです。

今はまだ。



そしてバルバラが恋のために努力し始めました!

モリーは自分のためです。がんばれがんばれ。


恋のための努力って、男女問わずするものですよね。


中学の頃のクラスメイトが、

好きな女の子がとあるバンドのギターが好きだと知った途端、

ギター始めたりしましたからね。


懐かしい。

その知人、ずっと練習してましたねぇ。


で、恋のためにギターを猛練習する知人を見て、

これは一肌脱がなければなるまい! と、

「じゃあ俺がヴォーカルやってやるよ!」

と立候補したのが五人。


合唱です、もはや。

伴奏に合わせて、さん、はい! です。

なぜか、一切カッコよくなかったんですよねぇ、なぜか、……なぜか、ねぇ。



まぁ、結局、

その好きだった女の子はバレー部の男と付き合うことになりまして、

「バレーなんか、ギタリストが絶対やっちゃいけない競技だろうが!」

と、憤っておりました。

突き指、しちゃいますからねぇ。


そして、その女の子のためだけに買った安物のギターは

「俺、もう二度とギター弾かないから!」という言葉と共に別の知人へ譲渡され、

そしてそれから数ヶ月後、そのギターは

「所持していると失恋する」という呪いのギターとしてちょっと有名になるのでした……くわばらくわばら。


所持したヤツが、所持した途端失恋するというのが三件くらい続いてしまいまして……

まぁ、ギターを手にした瞬間、弾けもしないのにオリジナルのラブソングとか作り始めちゃうイタタな精神が原因だったのかと、今となっては冷静に考えられるのですが……

当時は呪いだと恐れられていましたねぇ。


『(最初に振られた)知人の亡霊が取り憑いているんだ……』と。


知人「俺、生きてるけどね!」



皆様、

ギターを手にしても、オリジナルソングは自重しましょう。

わざわざ呼び出されて、聞いたこともない、うまくもない歌を聞かされる女子が不憫ですので!


オリジナルソングは二十歳から!


よいこのみんな、お兄さんと約束、だぞ☆



ちなみに、私もオリジナルソングをいくつか持っておりますが、

残念ながら倫理的な事情によりこちらに掲載出来ません、残念です。

せめて、よいこが眠ってからでないと……



あぁ、そういえば。

中学の頃はよく知人の家に泊まりに行ったりしていたのですが(ウチの中学、男子の間でパジャマパーティーが流行っていたんです、持ち回りでいろんなヤツの家に泊まりに行ったりして)

男が並んで雑魚寝してるんですが、

朝起きると大抵、


「宮地、モテモテだな」


って言われるんですよ。

確かにモテてましたねぇ…………蚊に。



蚊「やだ、素敵な血液! 私、我慢出来ない!(ちゅー!)」

蚊「ちょっと、私が先に目をつけていたのよ!(ちゅー!)」

蚊「退きなさいよ! これは私のなんだから(ちゅー!)」

蚊「あんたはあっちの男にしときなさいよ!(ちゅー!)」

蚊「やーよ! この人がいいの!(ちゅー!)」



ってね☆


五人くらいいるのに、私だけ六ヶ所程刺されていて、他は全員無傷なんて日常茶飯事で、

野外学習の時とか

「宮地と同じ班になれば虫よけいらないな」と言われる始末。


今年もね、もうすでに九ヵ所も刺されているんです。

まだ梅雨明けてないのに!



蚊「我慢出来なくて、会いに来ちゃった♪」



って、やかましいわ!


なんでしょう、

私の前世、蚊の世界のハーレム系主人公だったんでしょうか?

集中攻撃とか、イジメにつながるからよくないんだよ! 分かってんの、蚊!? ぷん!



いつの日か、蚊ではなく人間の美少女にモテてみたいものです。

そうすれば、心がとろけるような私のオリジナルソングをたっぷりと披露して差し上げ……

あ、女性に聞かせちゃいけない歌詞でした。

危うく仮釈放中に再逮捕されるところでした。





てへっ☆ ( ̄∇ ̄*)ゞ





全力で「てへっ☆」ったところで、今回はこの辺で。


次回もよろしくお願いいたします。

宮地拓海

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