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異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
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無添加36話 聖なる衣

 さて。

 テレサの活躍により一気にほんわかムードとなった『お客様の中にレース』だが……


 そんなレース中に一つの事件が起こってしまった。


「えへへ……転んでしまいました」


 純白のローブの前面を盛大に汚したベルティーナが恥ずかしそうに頬を押さえている。

 いつものように澄まして「うふふ」とも笑えないようだ。


「シスター、大丈夫ですか?」

「はい。速度も出ていませんでしたし」


 ジネットが心配そうにベルティーナに尋ねている。

 見たところ大きな怪我はないようだが……


 ベルティーナは『一緒にご飯を食べたことがある人』というお題を引き当て、教会の中でも特に小さいガキどもを選んでレースに参加させた。

 おそらく、運動会に参加するにはまだ危なっかしいけれど自立して走ることが出来るレベルのガキを参加させてやりたかったのだろう。俺がテレサを連れ出したのを見て感化されたってわけじゃなく、元からそうするつもりであったと考えた方がベルティーナっぽくてしっくりくる。


 だが、その対象となるガキが二人いたのがまずかった。

 二歳になったばかりのガキと三歳のガキを二人ともレースに参加させたベルティーナは、当然のように左右の手をそれぞれのガキと繋ぎ横一列で走っていた。

 しかし、二~三歳とはいえ四十二区のガキ、それも獣人族のガキだ。

 ベルティーナの予想を超える速度で走り出し、身長差のせいで前屈みを余儀なくされていたベルティーナは引っ張られる格好になり、そして手も付けずに転倒した。前から、ずざーっと。


 膝付近がきっと痛いのだろうが、痛がる素振りを見せるとガキどもが罪悪感から大泣きしてしまう……今でもずっとぐずっているのに……ので、ベルティーナは平気な顔をしている。


「ご、ごべ……ごめん……なさい…………わだ、わだじのぜいで……っ!」

「ちが、ぼぐが……ぼぐがむりやり、ひっぱっだがら…………っ!」

「違いますよ。私が少しどんくさかっただけです。二人は何も悪くないんですよ」


 しゃがんでちんまいガキどもの頭を撫でるベルティーナ。

 黒く汚れたローブが、なんとも痛々しい。


「しぅたー……ぉけが、いたぃ……の?」


 さっきまで大はしゃぎしていたテレサまでもが、ベルティーナの転倒に泣きそうになっている。つか、もう泣いている。


「ぉよーふく、くろ…………しぅたー、いつも、しろい、ちれーなおよーふく、なの、に……おけが…………いたぃ……しぅたー……っ!」

「大丈夫ですよ、テレサさん。痛くないですからね。服は洗えば綺麗になりますから。ね? 泣かないでください。ね?」


『いつもと違う』。

 それは、ガキの不安を煽るのには十分に過ぎる要因で……


「しぅたー…………いたぃの、やぁぁぁああ…………!」


 テレサが泣き出してしまった。

 自分よりも大きいお姉さん(テレサ)が泣き出したことで、二歳と三歳のガキも揃って大泣きを始める。

 そして、応援席や観覧席にいた教会のガキどもがベルティーナ目掛けて全力疾走してくる。


 転んだだけでこの大騒ぎ。

 ベルティーナ、愛されてるな。


 …………か、物凄くどんくさい人だと思われているのか。


「み、みなさん。大丈夫。大丈夫ですからね? ね? 私、痛くないですよ。ちょっと転んだだけで…………ヤ、ヤシロさんっ!」


 泣き止まないガキどもに困り果てて、ベルティーナが俺の名を呼ぶ。

 ……そこでなんで俺なんだよ。ジネットにでも頼れよ。…………って、ジネットはすでに泣くガキを個別にあやして各個撃破を目論んでいたが泣き声が泣き声を誘発して降参状態になっていたのか。

 おーおー、母娘揃ってこっちを見てるぞ、おい。

 ガキはお前らの方が専門だろうに…………ったく。


「ベルティーナ。お前、膝が痛いんじゃないのか?」

「へっ!?」


 隠していたつもりなのか、事実を指摘されてベルティーナは明らかに焦った表情を見せる。

 それを目敏く察知したガキどもがまた声を出して泣き出す。


「ヤ、ヤシロさん……!」


 なぜバラすのかと非難めいた目を向けてくるベルティーナ。

 しかし、隠すからいつまでたってもガキの不安が消えないのだ。

 ガキは単純でバカ……もとい、純粋で無垢故に理屈を理解せず相手の気遣いを察することも出来ないのだ。

 そんなガキに隠し事なんてのは悪手だ。特に、今回のような怪我や痛みを隠そうとしても「絶対無理してる」って決めつけられて納得してくれることはない。


 単純でバカなヤツには、『隠す』より『騙す』方が効果的だ。


「ベルティーナ、膝を出してみろ」

「へぅっ!?」


 俺の申し出に、ベルティーナはローブの裾を押さえて頬を赤く染める。


「む、無理です!」

「膝まででいい。どうせガキどもと一緒に湯浴みとかしてんだろ?」

「こ、子供たちとはしますが……ヤシロさんの前で肌をさらすなど……」


 してんのかよチクショウ!

 なぜ俺は六歳まで若返らなかったんだ!?

 天才詐欺師少年としてこの街に来ていたならば、ベルティーナやジネット、面倒見のいいノーマやデリアと一緒にお風呂って展開もあり得たかもしれないのにっ!!

 あと、ニュータウンの河原で――


「ロレッタとすっぽんぽんで水浴びとかー!」

「急になに言い出すですか、お兄ちゃん!?」


 あったかもしれないのに!

 なくはなかったのに!


「子供っていいなぁ」

「字面だけはほんわかしてるですけど、その内に秘められた隠し切れないエロスが滲み出して最低の発言になってるですよ!?」


 いちいちロレッタが突っかかってくる。

 こっちではガキどもが泣きわめいて阿鼻叫喚を絵に描いたような惨状が繰り広げられているってのに……空気読めよなぁ、ロレッタ。


「あの、ヤシロさん」


 泣くガキを気にしつつ、ジネットが俺に駆け寄って来て耳打ちしてくる。


「シスターは子供たちの体を洗う時も一緒には入られませんよ。精々、裾を膝までまくる程度です」

「あ、そうなの?」


 そりゃそうか。

 この街、でっかい風呂とかないもんな。

 たらいにお湯を張って体を拭くくらい……まぁ、ちんまいガキならたらいに浸けてやれるだろうが――そんな状態でベルティーナまで服を脱ぐわけないか。

 な~んだ、つまんねぇーの。


 んじゃま、そろそろうるささが限界だし、さっさと収拾するか。


「大丈夫だ、ベルティーナ。なにも下心で言っているわけじゃない」

「信じかねます!」

「なぜだ!?」

「その直前の発言ですよ、お兄ちゃん!? 一回自分の会話記録カンバセーション・レコード見てみるといいです!」


 騒ぐロレッタとは別に、ジネットが俺の隣まで来て服の裾を二度引っ張る。

 俺がはしゃぎ過ぎた時、たまに見せる真剣な目をしている。言葉にするなら「ふざけ過ぎですよ」という警告だろうか。

 へいへい。ちゃんとやりますよ。


 こそっと、ジネットに耳打ちをして、今から俺がやろうとしていることを伝える。

 するとジネットは「あぁ!」と納得した表情で頷いて、ベルティーナに向かって一度首肯をした。

 俺のやろうとしていることに害はないと伝えたのだろう。……誰が害だ、こら。


「ほれほれ、ガキども。そこをあけろ」


 ベルティーナに群がるガキどもを散らしてベルティーナの前にしゃがみ込む。

 ガキどもをあやしていたベルティーナは当然しゃがんでおり、目線の高さが揃う。その目線の少し上、おでこをツンっと押してやると面白いようにベルティーナが尻もちをついた。


「ひゃん……っ!」

「はい、膝を出して」

「はぅっ、いや、あの、だ、ダメです!」

「ガキどもを安心させたいんだろ?」

「で、ですが…………」


 言い澱み、ジネットへとSOSの視線を向けるが、ジネットは俺のやろうとしていることを知っているのでこちらの味方だ。

 直接顔を見てはいないが、ベルティーナが驚いたような表情を見せたってことは、俺に有利な判断を下してくれたのだろう。

 娘の許可が下りたので少々強引に行く。


「は~い、患者さん。これは医療行為ですので恥ずかしくないですよ~」

「あ、あのっ、ヤシロさん!?」


 照れて強張るベルティーナに構わず、ゆっくりと腕を近付けていく。

 泣きわめいていたガキどもも、状況を見守るためか、今は泣き止んでジッとベルティーナを見つめている。

 その注目がベルティーナの羞恥心と、ガキどもを安心させなければという使命感に拍車をかける。


「あぁあ、あのっ、分かりましたから、じ、自分で! ……自分でやります……」


 そうして、俺の腕に触れて侵攻を止め、ちょっと怒ったような顔で睨んでから、ゆっくりとローブの裾を捲った。


 純白の生足がお目見えする。

 ブーツを穿いているため足首から下は見えないが――スネはすらっと、ふくらはぎはふっくらと、そして膝は膨らみとくぼみのコラボレーションでその存在感をしっかりとアピールしていた。

 シルクのような艶めかしい『あんよ』が外気へとさらされる。


 思わずガッツポーズ!


 ……した瞬間、つむじをぺこっと突かれた。

 振り返るとジネットが「めっ!」と頬を膨らませて俺を睨んでいた。

 分かったよ……っとに。


「じゃあ、ベルティーナ。おまじないをかけるからな」

「へ?」


 以前、ジネットがマグダにやっていたことがあったのでベルティーナも知っているはずだが……よもや自分がやられるとは思っていないせいか、何をされるのか見当がついていない様子だ。


 一度ウィンクを飛ばして合図をしてから、ベルティーナの膝に手を乗せる。


「ひゃぅ!?」


 思わず漏れた自身の変な声に頬を一層赤くして、ベルティーナが膝に置かれた俺の手と顔を忙しなく交互に見る。

 大丈夫だ、これは痴漢じゃない。

 ……ホント、マジで痴漢じゃないからいつの間にか俺の背後に立ってるマグダはじめおっぱいパトロールのメンバーたち、大人しくしてろよ。ホント、マジで。


「痛いの痛いの、飛んでいけ~」


 言いながら、膝をさすった手を空に向かって振り上げる。


「……へ」


 俺の手を追うように空を見上げたベルティーナの口から、驚きと呆然が組み合わさったような吐息が漏れる。


「どうだ? 痛いのは飛んでいったか?」

「え…………」


 俺の声に視線を下ろしたベルティーナは、素早く辺りを見渡し、ガキどもの不安そうな顔を確認した後で、いつもの笑顔で頷いた。


「はい。飛んでいっちゃいました」


 まぁ、今日は『精霊の審判』が禁止されているしな。

 この程度の嘘は許容されてしかるべきだろう。な、そうだろ? 精霊神。


「もう全然へっちゃらですよ」


 心配顔のガキどもへ、ベルティーナが聖母の笑みを向ける。

 そうやって『騙す』方が、『隠す』よりも安心出来るんだよ。ガキなんて単純な生き物はな。


「しぅたー!」

「シスター!」

「よかったぁー!」

「シスタァー!」


 ガキどもが一斉にベルティーナへと群がる。

 我先にと飛びつき抱きしめ、あっという間にベルティーナの体がガキの波に飲み込まれる。

 巻き込まれてはたまらないと、俺は早々にその場を離脱する。


「ちょっと、みなさんっ、落ち着いて……っ!」


 もみくちゃにされながらも、ベルティーナはどこか嬉しそうだった。

 安心が声に表れていた。


「ありがとうございます、ヤシロさん」


 立ち上がった俺に、ジネットがぺこりと頭を下げる。


「子供たちの不安がなくなって、よかったです」

「本当によかったよ、ヤシロ」


 ジネットの後ろからエステラが、そしておっぱいパトロールの面々が俺をにこやかな笑顔で見つめてくる。


「君を失わずに済んで」

「……何をされる直前だったんだよ、俺は?」


 人助けだ、人助け! お前らの大好きなな!


 と、周りを見ると…………


「野郎どもがトラックの外に……」

「シスターの艶めかしい姿を衆目にさらすわけにはいかないからね。良識ある領民の皆様には場外へとご退場いただいたよ」

「うわぁ……脅迫だ。恐怖政治ここに極まれりだな」


 にこやかな領主の後ろで氷の微笑を湛える給仕長やら、分かりやすく指の関節を鳴らす川漁ギルドのギルド長、一目見ただけで悪夢にうなされそうな狩猟ギルドのギルド長が涼やかに微笑んでいる。……怖ぇ…………なに、その笑顔。静止画でB級ホラーに勝てそうだな。


 かくして、シスターの艶めかしいシルクのような生足を目撃した男は俺とガキどもだけだった。まぁ、それはそれでいいんだけども……


「お前らだって生足さらしてんの忘れてないか?」


 お前らの生足だって十分艶めかしいだろうが。

 頬摺り券を発売したら二分で完売するぞ、きっと。


「こっ、これはっ、……運動会の衣装だから……健全な格好なんだよ! 君がそう言ったんじゃないか!」


 指摘されると恥ずかしいらしく、しかしながらその恥ずかしさを認めてしまうとこの後意識して身動きが取れなくなってしまうことも重々承知しているようで、エステラは話の根幹を棚上げするという選択をしたようだ。

 ちょっと赤くなって俺を睨んでいる。


「それに、こうやって健全に出しているのと、シスターのローブを捲って中から見えるのとじゃ違うだろう……その、よ、妖艶さ、みたいなヤツが」

「うわ、エステラ、表現がオッサン臭っ」

「い、言わんとすることは間違ってないはずだよ!」


 まぁ、そうだな。

 ミニスカートよりも、ロングスカートをミニスカートと同じ高さまで捲り上げた方がエロさは上だからな。

「中から覗く」とか「チラッと見える」ってのが、エステラの言うところの『妖艶さ』ってのを引き立たせてしまうのだ。

 つまり。


「全員全裸だったらなんにも恥ずかしくないというわけだ!」

「君は頭の中身をどこかに置き忘れてきたのかい!?」


 アホたれ。

 今日も元気にフル回転してるっつうの。


「あ、あのっ! もう、もう大丈夫ですよ! みなさん、落ち着いて!」


 ガキどもに埋もれたベルティーナがまた困った時の声を上げる。

 今度はなんだと覗き込んでみると……


「ぅおぉおぅい!?」


 ガキどもがベルティーナを押し倒して衣服をはぎ取ろうとしていた。

 ローブが、太もものかなり際どいところまでめくれ上がっている。


「ちょっ!? やめたまえ、君たち! こんな公衆の面前で!」


 慌てたエステラとおっぱいパトロールの面々が、ベルティーナに群がるガキどもを引きはがし落ち着かせにかかる。

 その隙に、ジネットがベルティーナに駆け寄って乱れたローブの裾を素早く整える。


「ヤシロさん、見てませんよね!?」

「んぬぉおおう、おう! 今、ちょうどなんか、眩暈がして目の前真っ白だったから!」


 真っ白な太ももが、鮮明にまぶたの裏に焼きついている。

 ちょっとテンパっちゃって、ジネットの問いに対する咄嗟の嘘がうまいこと出てこなかった。

 とりあえず顔を背けておく。


「どうしてこんなことをしたんだい、君たち?」


 ベルティーナから引きはがされて泣きそうになっているガキどもの中で比較的話が出来そうな少女に向かって、エステラが諭すような雰囲気で声をかける。

 少女は不安そうな顔でベルティーナを見つめながら、震える唇をゆっくりと動かす。


「まだ……怪我…………シスター、いつも痛いのとか隠すから……」


 要するに、派手に転んだベルティーナはきっと全身怪我だらけになっているのに、自分たちを心配させまいとそれを隠しているのだとガキどもは思っているわけだ。

 そして、俺がやったのを見て『痛いの痛いの飛んでいけ~』でシスターの怪我を治そうと…………って、少女よ。お前見た感じ十歳くらいだよな? お前はちっこいガキどもの暴走を止める側にいなきゃいけない年齢だろうに……


「そんなに心配なのかねぇ……」

「シスターは、いつも無理をされますから」


 ジネットが実感のこもった声で言う。

 昔からベルティーナはそうだったのだろう。

 ガキどものために、いつも無理をして笑顔を作って。

 で、ガキどもの方もそれに気が付いていて……ってわけか、


 けどなぁ、運動会で転んだくらいでそんなに取り乱すか……?


「だって、オレ聞いたことあるもん!」


 デリアに拘束されながらも体をバタつかせて抵抗する獣人族のガキ。あいつは教会最年長の、暗算が出来ない男子だな。

 どうやら、最年長のリーダー的兄貴が取り乱しているせいで、ガキどもが全員取り乱しているようだ。

 そして、その最年長のガキが取り乱している理由ってのが……


「歳を取ると、転んだだけで骨折して、寝たきりになって、ボケちゃったり死んじゃったりするって!」


 ……どこかで聞きかじった、中途半端な知識によるものだったらしい。


「しすたー、しんじゃやだぁぁぁあああ!」

「しすたぁあああ!」

「やぁああだぁぁぁああああ!」


 阿鼻叫喚である。

 怪獣のようにちんまいガキどもが泣き叫ぶ。


 ……が。


「みんな、ダメだ!」

「そうさね! 近付くんじゃないよ!」

「……マグダたちの言うことを聞くべき」

「マグダっちょの言うとおりです! 今シスターに近付いたら――巻き添えを食らうですよ!」


 エステラたちが必死にガキどもを取り押さえ……いや、守っている。

 小さな体をしっかりと抱きしめ、腕をがっしりと固定して。


 ガキから腕を離したのはただ一人。

 最年長のガキを拘束していたデリアだけだ。

 ……デリアが、そそそっと、音もなく最年長のガキから離れていく。


「…………そうですか。私のことをそこまで心配していてくれたんですね……」


 ゆらり……と、ベルティーナが立ち上がる。


 ……って、えぇぇえ!? ジネット!?

 ジネットまでそんな遠くに避難するの!?

 お前だけはベルティーナ完全擁護派じゃないの!?

 え、危険なの!? そんなになの!?


「ですが……」


 俺たちは、刹那の間に目配せをして、一斉に四歩後ずさった。


 ベルティーナが一歩、最年長のガキに近付く度にガキの額から一粒冷や汗が溢れ落ちていく。

 ローブが黒く汚れてしまったからかもしれないが……今日の暗黒オーラ、いつもよりも闇が深いなぁ…………


「私は、老人では、あ・り・ま・せ・ん・よ?」

「いや、あの……老人と言ったつもりは……なく……て…………」

「『歳を』…………なんと言いましたっけ?」

「あ…………いや…………あれ? オ、オレ、なんて言ったかなぁ~……あは、あはは」

「……会話記録カンバセーション・レコードを、申請しますか?」

「そこまですることかなぁ!?」

「私、骨には……自信があるんですよ?」

「ごめんなさぁぁあーい!」


 憐れ。

 最年長のガキは――以下略。









「よぉし! 午前の部、後半戦頑張るぞぉー! おー!」

「お兄ちゃん、いきなりどうしたです!? らしくもなく爽やかに前向きで!?」


 いや、なに。

 会場が妙に静かだなぁ~って思ってな。


「なんかいろいろあったけど、前向きに頑張ろうぜ☆」

「その『いろいろ』をなかったことにするつもりですか!?」


 バカモノ!

 脳ってのはな、一定以上の負荷をかけると深刻なダメージを受けてしまうんだぞ。

『忘れる』ってのは、人間に備わった防衛本能の一つなのだ。


 忘れよう……あれは、悲しい事故だったのだ。


「まったく……ぷんぷん、です」


 向こうで可愛らしく怒っているベルティーナだが……最年長のガキは応援席で小さくなって震えているんだよなぁ……

 チームメイトのデリアやルシアがベルティーナから顔を逸らして大人しくしているのも普段ではありえないような光景だ。


 そして他のチームの連中はさっさと自軍の陣地へと逃げ帰り、遠巻きに状況を見つつ、時折俺へと意味ありげな視線を投げてくる。

「ほら、宥めてきてよ」みたいな視線を。……なんで俺なんだよ、だから。

 完全にあの最年長のガキの自爆だろうが。

 しかしこれであのガキも学習しただろう。


『女性に年齢の話をしてはいけない』――ってな。



「……ヤシロ」

「どうしたマグダ?」

「……魔神に供物を」


 カンタルチカの魔獣のフランクフルトを持ってマグダが提案してくるが、……魔神とか言うと怒られるぞ。……俺も、しばらくはちゃんと敬語で話そうかなって検討してるところなのに。


 ベルティーナは怒らせちゃいけない。ダメ、絶対。


「じゃあ、怒れるシスターのご機嫌を取ってくるよ」

「あの、わたしも行きましょうか?」

「ん~……」


 俺一人で行くより、ジネットが一緒の方がいいか。


「じゃ、頼む」

「はい」


 なんでそこでそんなに嬉しそうな顔になるかねぇ。

 どっちかって言うとハズレを引かされたようなミッションなのに。


「ベルティーナ…………さん」


 おぉう……ちょっとビビッちまってる。


「…………」


 頬を膨らませたままこちらを見て……そのままじぃ~っと俺の顔を見つめるベルティーナ。

 お年寄り扱い――それもかなり行き過ぎたババア扱いに相当機嫌を損ねた様子だったのだが……


「……くすっ」


 突然相好を崩し笑い出した。


「なんだか、今聞くと変な気分ですね、ヤシロさんにそう呼ばれるのは」


 俺の『さん付け』が面白かったらしい。

 悪かったな。敬語の似合わない大人で。笑われるくらいなら、いつも通りでいいよな?


「ほら。マグダとロレッタからだ」

「まぁ、美味しそうですね」


 マグダからなのだが、ロレッタも入れておいた方が「みんなが気にしてるぞ」というアピールになる。

 そして、そういうところをベルティーナはきちんと感じ取ってくれる。

 これで機嫌を直してくれるだろう。


「もう全然怒ってないですよ」

「なら、あのガキにもそう言ってやれよ」

「とはいえ、躾は大切です。目上の者に対し非礼に該当する発言かどうか、それは口から出る前に気付けなければいけないことなのです。これは教育の一環なのです」


 ……いや、結構な割合で私怨だったろ。口には出さないけど。俺まで教育されちゃ敵わないからな。


「けれど……」


 パクリと魔獣のフランクに齧りつきつつ、ベルティーナは困ったような表情を見せる。


「…………おいひぃれふぅ~もぐもぐ」

「『けれど』の続き言えよ! 気になるな!?」


 俺が突っ込んで、ようやく周りの空気が弛緩した。

「あ、もう普通でいいんだ」みたいな感じで。


「いえ。何度大丈夫だと言っても、幼い子たちが心配したままで……どうしたものかと」

「それは、いつもシスターが無理をするからですよ」


 娘からの苦言にベルティーナは可愛らしく肩をすくめてみせる。

 分かってはいるが、だからと言ってやめるわけにはいかない、みたいな感情表現に見えた。

 まぁ、無理はしちゃうよな、母親なら。


「これからは、もっと甘えてくださいね」

「今でも十分甘えていますよ。ねぇ、ヤシロさん」

「まぁ、そうだな」


 特に俺は物凄く甘えられている。

 というか、難題をいくつか吹っ掛けられている気がする。

 俺も甘え返してもいい頃合いじゃないだろうか。うん、そんな気がしてきた。

 わがままとか、そろそろ言ってもいい頃合いだろう、これは、うんうん、きっとそうだ、うん。


「ガキどもの心配を払拭する秘策を伝授してやろうか?」

「本当ですか、ヤシロさん?」


 ベルティーナが嬉しそうに頬を膨らませて魔獣のフランクを咀嚼する。

 ……嬉しいのは俺の提案か? 美味いのか? 分かりにくいなぁ、もう。


「早速甘えられてよかったですね、シスター」

「そうですね。私も甘えのスキルが上がってきたのでしょうか? うふふ……」


 な~んて、母娘で嬉しそうに笑い合っているが、分かってねぇな……

 今から願いを叶えてもらうのは俺の方だからな?

 甘えるのは俺の方だ。

 それも、拒否権のない、凄まじい『おねだり』だ。


「ガキどもは『いつもと違う』ことに不安を覚える。ちょっと風邪っぽいってだけですごく心配された経験はないか? 隠そうとしているのにすぐにバレた、なんて経験がさ」


 俺の言葉に、ベルティーナとジネットは揃って指をアゴに添えて斜め上空を見上げる。

 おんなじ癖してるんだよな、こいつら。ホント、そっくりだ。


「あります、ね」

「わたしも。少しだけ体がだるいなぁ~って思っていたら、その……、ヤシロさんが、すぐに気付いてくださって……その……おかゆを…………」


 いや、待って、ジネット。

 それ、今の話題から逸れてるから。主題ズレちゃうから。

 だから思い出して照れてほっぺたとか押さえないで!

 伝染うつるから、その照れ!

 経営と運営を考慮した結果導き出された最適解がたまたま「ジネットを休ませる」だっただけの話だから!


「ジネット。今はガキどもの話だ」

「はっ!? す、すみません…………ちょっと、黙ってます」


 まだ熱の残る顔を押さえて半歩下がるジネット。

 とりあえずそちらは無視して……視線を逸らしているわけではない。本題に的を絞っているだけだ、これは。


「『いつも通りに振る舞おう』とする意識がもうすでに『いつも通り』じゃなくなってしまい、その『いつも通り』ではない状況にガキどもは不安を覚えちまうんだよ」

「なるほど……確かに、その通りかもしれませんね」

「そして、今ベルティーナがずっと心配されている理由もそれだ」

「私が『いつも通り』ではない……ということですか?」

「あぁ、そうだ」


 テレサが言っていただろう?

「シスターはいつも白い綺麗なお洋服なのに」って。


「白い服が泥で真っ黒だ。だから、全身を打って怪我したんじゃないかって不安になっているんだよ」

「そう……だったん、ですか」


 汚れたローブに両手で触れて、感心したような息を漏らすベルティーナ。

 ……あれ? 魔獣のフランクフルトどこいった? あれ結構ボリュームあって食うのに時間かかると思うんだけど?


「けれど困りましたね……ここでお洗濯をするわけにもいきませんし……」

「わたしが教会まで戻って着替えを持ってきましょうか?」

「いえ、それでしたら私が教会へ戻って着替えを……」

「そうしたら、『シスターがいない! やっぱり怪我してたんだ!』ってガキどもが騒ぎ出すぞ」

「そんな…………では、どうすれば?」


 母娘揃って頭を抱えてう~んと唸り声を上げる。

 ホンットそっくりだな、お前ら。


 そんな悩める母娘に俺はとっておきの解決案を提示する。

 エステラのお墨付きもあるし、きっと受け入れてくれるだろう。

 ガキどもの不安を払拭するためでもあるし、きっと叶えてくれるさ。日々頑張っている俺からの『おねだり』を。


「ベルティーナ」

「はい」

「体操服に着替えたら?」

「へ……」


 硬直。

 後に、油の切れたブリキの人形のように鈍い動きでジネットの服装を観察するように眺めるベルティーナ。

 そして、徐々に頬の朱を濃くしていく。


「む、無理です……こ、こんな恥ずかしい格好……」

「はぅっ!? ……は、恥ずかしい……でしょうか?」

「あぁ、いえ! ジネットは平気ですよ! よく似合っていますし、とても可愛いです! けど私は……」

「ベルティーナにも似合うと思うけどなぁ」


 ここで俺の援護射撃である。

 誰の援護かって? 俺のだよ。セルフ援護射撃だ。


「ベルティーナはジネットに負けず劣らず可愛いし」

「へぅ!?」

「にゃふ!?」


 奇妙な声を上げる似たもの母娘。


「それに、『年甲斐もなくこんな服着られませ~ん』なんて年齢でもないだろう?」

「そうですね!」


 うん。すげぇ早かったな。即答だ。

 ここは、今だけは認めるわけにはいかないもんな。


「エステラも言っていたぞ。隠しているのが見えてしまうと恥ずかしいけど、ジネットたちみたいに堂々としていれば艶めかしいとは映らない」

「そう……でしょうか?」

「それに、これは健全なスポーツの祭典だ。なにも恥ずかしいことじゃない。でなきゃ、ここにいる女性たちがみんな卑猥な格好をしてるってことになっちまうだろ?」

「そ……れは、…………そう、ですね」


 ベルティーナ自身、ジネットやエステラの格好を『破廉恥だ』という目で見ていたわけではない。

 ただ、自分が着るとなるとちょっと恥ずかしいなぁ~というだけなのだ。

 で、恥ずかしいのはなぜか?

 年齢のせいか? それは否だ。


「要するに、着慣れていないから抵抗を感じるだけだ。去年の川遊びは楽しかったろ?」

「それは……あの時は、ヤシロさんくらいしか異性がいませんでしたし……」


 ウーマロやパーシーもいたんだけどな。

 記憶にないか。そうかぁ。残念だな、あいつら。


 まぁ、そんな些末なことはどうでもいいとして、俺はここ一番で最も効果を発揮する言葉をベルティーナの耳に入れておく。


「ガキどもを安心させるためだよ。それに――」


 あとは、必要以上に緊張しているベルティーナをほぐしておく。


「この街で一番ベルティーナの生足に興味津々な俺にもう見せちまったんだ。他の連中なんか誤差みたいなもんだよ」


 一瞬きょとんとして、そして「くすっ」と吹き出し、そのあとで表情筋を必死にシスターの顔に戻して俺の肩をぺしりと叩く。


「もう。エッチなのはダメですよ、ヤシロさん」


 そう言った後で、また表情を柔らかくして――


「そうですね。この街で一番エッチな方に見せてしまったのですから、今さらですね」


 ――そんなことを言って「べ~」と舌を覗かせる。

 やっべ! 直撃受けた! ……ちょっとときめいちゃったじゃねぇかよ、ったく。

 不意に可愛い表情するのやめてくれる? 飛びついちゃうぞ、日光の方のテーマパークのマスコットキャラみたいに。


「ジネット、あの……着替えを手伝ってくれますか?」

「はい。構いませんよ」

「その……やっぱりちょっと、恥ずかしいので」

「ふふ。……はい。きちんと面倒見ます」


 照れる母と、微笑む娘。


「よし、俺も手伝ってやろう!」

「「ヤシロさん」」

「……冗談だよ」


 今日は『精霊の審判』が禁止だからな。

 嘘吐き放題だ。……全然冗談じゃなかったんだけどなぁ! あわよくば! あわよくばだったのに! ……ちぇ~。


 しょうがないので、真面目な方の選択肢を取っておく。


「レジーナ! 二人を手伝ってやってくれ」

「えっ、ウチ?」

「そうだ。お前だ」

「なんでウチが…………あぁ、そういうことかいな」


 俺の言わんとすることを悟ってレジーナが重い腰を上げる。

 ベルティーナも気が付いたようで、俺に微かな微笑みをくれた。

 その笑みは「ヤシロさんだって、心配し過ぎですよ」という非難をしているように見えた。


 ベルティーナは本当に無理をすることがあるからな。

 着替えと称して更衣室に入り、ガキどものいないところでレジーナに診察してもらうのだ。本当に怪我がないかを。

 もし捻挫でもしていたら、見えないところで処置してもらえばいい。

 それでガキどもの不安は消える。


「じゃあ、さっさと着替えてこいよ」

「はい。……ヤシロさん。ありがとうございます」


 小さな声で言って、ベルティーナは俺の髪を一撫でして更衣室へと向かった。

 レジーナが何かをジネットに耳打ちして、二人してこっちを見てくすりと笑った。……いいから早く行けよ、お前ら。


「ありがとう」なんて言葉は大袈裟だ。

 やった方がいいと思ったならやっておくに限る。それだけのことだ。

「ありがとう」の安売りなんかしない方がいいっつの。こんな気楽な大会で。


 そんなことを思った数分後。




「ありがとぉぉぉおおおおお!」




 俺は全身全霊で「ありがとう」と叫んでいた。天に向かって。


「も、もう! ヤシロさんっ、やめてください」


 照れて露わになった太ももを押さえるポニーテールのベルティーナ。

 ジネット。お前、ポニーテール屋を始めても食っていけるぞ! それくらいにジネットはポニーテールが上手い! つまり、ベルティーナのポニーテール、超似合ってる!


 いつもはゆったりしたローブに阻まれ微かな膨らみすらなかなかお目にかかれない隠れ巨乳だが、シンプルな体操服ではその圧倒的存在感を隠しきれずにふっくらと緩やかな弧を描いている。

 そして、細い足を一層魅力的に見せ、太ももの純白をさらに引き立たせる紺色の……ブルマっ!

 えんじ色のジネットと紺色のベルティーナ。どっちのブルマもいい! 捨てがたい! いや、捨ててなるものか!?

 誰か、今から小一時間で一眼レフカメラとか発明してくれないかなぁ!?


「とりあえず、ブルマで三角座りしてくれるかな!?」

「ヤシロさんっ!」


 怒られてもくじけない!

 だって照れ可愛いんですもの!


「もう、ヤシロさん。女性をそういう目で見てはいけないと言ってるでしょう」


 ベルティーナを庇うように立つジネット。

 そして、人差し指をぴんと立てて、シスターのような風格を持ってはっきりと宣告する。



「シスターをそういう目で見てしまうというのなら、懺悔をしてくださいっ」



 ザッ――



 そんな足音がしたかと思われた直後、ウーマロが建てたのだという出張版懺悔室に長蛇の列が出来た。


「な、なんですか、これは!?」

「会場の男性のほとんどが懺悔室に!?」

「しょ、諸君、どうしたっていうんだい、これは!?」


 ジネットにベルティーナにエステラまでもが戸惑っているが、懺悔室に並んでいる野郎どもは、どこか清々しい表情をしていた。

 おのれの罪を認めながらも、その行いに後悔はないという、悟りの境地にほど近い精神状態だ。


 それはつまり、この会場にいた汚れなき少年を除いた全男性が……そーゆー目で見ちゃったんだな、ベルティーナの生足を。

 いやぁ、すごい威力だなぁ、ベルティーナのブルマは。



 よし。俺も並んでこよっと。

 体操着シスターに懺悔を聞いてもらえるあの待機列に。







あとがき




広島、行ってきたんじゃけぇ~。

宮地です。


実はこの前「どこ行こうかな~」と言っていた時には広島行きは決まっていたのでした!

なので、岡山とかはまた今度の機会に!


なぜ広島かというと……



私「えっ!? 安芸の宮島って無人島じゃないの!?」

知人「お前、マジか!?」

私「神聖な島で、上陸しちゃいけないんでしょ!? だから鳥居も神社も海の上なんじゃないの!?」

知人「それ、平安までの話だよ! 普通にホテルとかお土産屋さんとかあるし!」

私「私、いまだに気分は平安時代なのに!?」

知人「そこは早く追いつけよ! 平成も間もなく終わろうとしてるのに!」

私「まさか、人が住んでいるとは…………秩父でロープウェイで『うぇ~い!』とか言っている場合ではなかった……」

知人「あ、ロープウェイもあるよ、宮島」

私「近未来都市か!?」



というわけで、

話を聞けば聞くほどとある科学の学園都市みたいなイメージだったので、

じゃあ見に行こうかなと。


きっと、人工AIのお掃除ロボットとかいるに違いないと!

未来がそこにあるに違いないと!


で、行ってみた結果、

まぁ、未来はなかったですね。なんだか穏やかで懐かしい雰囲気の素敵な町でした。



おかしいなぁ……

平安気分で聞いていた時は「すげぇ!? 近未来!」って思ったんですが……平安気分で聞いていたからでしょうか?



いやぁ、

楽しかったです、広島!

出発の二日前まで38度の熱がありましたが!

治るものです! 気合いってすごい!


まぁ、広島にいる間中ずっとマスクしてのど飴舐め続けてましたけれども。



広島は外人さんがたくさんいました。

欧州なのか欧米なのかは分かりませんが、

観光客がたくさんでした。



広島城に登ったんですが、

松本城よりも中が近未来でした。

なにせ、自動ドアでしたしね!


かつて、広島城に攻め込んだ侍もびっくりしたでしょうね。


(;゜Д゜)「勝手に開いたでござる!?」


現在建っている広島城は三代目だそうで、

二代目は国体の時のパビリオンだったそうです。

写真を見る限り、城の中をジェットコースターが通っていたっぽい?

詳しい方、情報をお待ちしております。


そんな広島城の中では、

ハイテクを駆使した映像でお城の歴史なんかを紹介していて、

外人さんたちが大はしゃぎしていました。


『鎧を着てみよう』みたいなコーナーがあって、

そこに行ったら金髪ロン毛の外人さんが「なにやつ!?」みたいなポーズで私を威嚇してきて、


(`・ω・´)「にんにん!」


って!

いや、それ忍者!


あと、別の外人さんが、


(*゜▽゜*)「ヒーロシーマ、キャッソール!」


ってはしゃいでて、

たまたまそこにいた日本のお爺さんが、その外人さんに「広島城だよ」と教えてあげていたのが微笑ましかったです。

リピートしてみて、みたいなやり取りがあって、


(*´∇`)「広島城。お・し・ろ」

(*゜▽゜*)「オ~ゥ! ひろし~ま! おしり~!」


お城っ!

ノーお尻! ノーライフ!

……あっ、それじゃ「お尻がなきゃ人生じゃない」みたいな意味になってる!?

く、お尻……強いな!



そんなわけで『広島尻』を後にして、

お昼ご飯をいただきに街へ。


とりあえず広島名物をということで、

広島風お好み焼きをいただきました!


うまっ!

牡蠣入りのお好み焼き、めっちゃ広島!


そして、おにぎりのセット!

炭水化物と炭水化物の融合! コラボレーション!

しかし、これがまた美味い!


うーまーいーぞぉー!



広島でも有名なお店らしく、

店内も混んでました。

お隣に座ったのが大阪からの観光客らしいカップルで、


彼氏「広島風焼きそばください!」

私「(お好み焼きねっ! たしかに焼きそば目立ってるけども!)」


ちょこっと不思議なカップルさんでした。

彼女さんの方も……


彼女「なんかこれ、大阪のお好み焼きとちょっと違うなぁ」

私「(まぁ、焼きそば入ってますし、作り方も違いますしね)」

彼女「生地かなぁ?」

私「(そばだよ!?)」

彼女「分かった! 上に目玉焼き載ったぁんねんや!」

私「(なぜ頑なにそばをスルーするの!?)」


ちょっと、大阪のお好み焼きも食べたくなっちゃいましたよ。



それから、広島の観光名所をぷらりと回って、

お祈りとかもして、

初日はおとなしめに終了。


とはいえ、

行く先々で牡蠣に出会い、初日でもう一年分くらいの牡蠣を食べましたけどね!

生、焼き、蒸しは当たり前、

串に刺したり、

肉まんにいれたり、

竹輪みたいにして焼いてあったり、

カレーに入ってたり、

ラーメンに入ってたり、

うどんの上に浮かんでいたり、

カレーパンにまで入ってましたからね!

お寿司屋さんに行けば、当然載っていたことでしょう!


探せばお茶とかにも入ってそうな勢いでした。


広島の皆様、ちょっと落ち着きましょう……

牡蠣以外にも美味しいものたくさんあるでしょうに、広島。

そんな全力出さなくても……


で、ホテルに行ったら行ったで全力の牡蠣フルコースでしたとも。

もう、牡蠣のことならなんでも聞いてください。

「うん、食べた!」って答えますので。



で、二日目は一日中宮島で過ごしました。

残念ながら、病み上がりのために御山は断念しましたが、

大鳥居を見て、

鹿を愛でて、

厳島神社を詣でて、

お土産屋さんを巡って、

平清盛を参って、

宝物殿を見て、

水族館に行って、『みやじマリン』って言葉に「お揃い~♪ みやじ~」って浮かれて、

豆柴カフェで豆柴にめろめろ骨抜きにされて、

夜はホテルのナイトクルーズでもう一度宮島参りを、今度は海の上からして、

ずっと宮島でした。


日本三景の一つ、

堪能し尽くしました。


天橋立は高校の時に行ったことがあるので、

あと一つですね!

いつか、制覇したいものです。



……と、広島を振り返っている間に2000文字も使ってしまいました。

風邪、もう平気です!

ご心配おかけして申し訳ありませんでした。



そして、

今回はベルティーナ回でした!

ついに、

ついにっ!


ベルティーナがブルマになったぞー!ヽ(T▽T)/


歴史的瞬間を、目撃せよ!(≧▽≦)


体操服、

ブルマ、

ポニーテールの隠れ巨乳シスター!


もう、思い残すことは何もない………………はっ!?

まだパン食い競走やってない!

まだ死ねない!

死ねるものかっ!



けど、これ以上幸せが続くと寿命が尽きる前に成仏しちゃいそうなので、

次回はどーでもいいしょーもない話にしましょう!

リカルドとか弄ったりして。


……まぁ、今回もあらすじにすると、

『ベルティーナがブルマになって、四十二区の男どもが全員で懺悔した』

っていうだけのしょーもない話なんですけども!


運動会、

まだまだ午前中ですよ!


午前の部はあと二競技残っています!

午前最後の競技はパン食い競走ですが、

その前にもう一つ残っているのです。


さて、それはなんでしょう?


ヒントは、

マーシャも参加出来る競技です。


……と、

思わせぶりなことを言っておいてマーシャを出し忘れるのが私なんですけどね。

……最近、物忘れに磨きがかかってしまって……まいりました。


予定は変更になるかもしれませんが、

今のところそんな予定で進行しております。



飽きずにお付き合いくださいますとありがたいです。



次回もよろしくお願い致します。

宮地拓海

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