無添加11話 クマ対サルの真っ向勝負
「さぁ~あ、いよいよやってきたです! 世紀の大一戦! 無謀にも四十二区へ牙を剥いたトウモロコシ泥棒が自身の釈放をかけて、四十二区屈指のソルジャー・オブ・ウォーリアー、川漁ギルドギルド長デリアさんとの決闘に挑むです! 果たして挑戦者は、絶対無敵、元気爆発、熱血最強の甘い物大好きファイター・デリアさんにどこまで食らいつけるのでしょうかー!?」
今朝方まで貧血を起こして倒れていたロレッタが熱い実況をしている。……あいつ、もう仕事復帰させてもいいんじゃね?
つか、いろいろツッコミたいなぁ……まぁ、触れない方がいいか。うん。
なんか楽しそうだし、やらせておくか。
「さぁ、解説のイメルダさん。今回の戦い、どう見るです?」
「野蛮ですわね」
わぁ、なんて無謀なキャスティング。
イメルダは、自分が絡まないことにはとことん興味がないんだから解説なんか出来ねぇよ。
「今回の挑戦者は、四十二区にケンカを売ってきた賊ということですけど、イメルダさんはどう見るです?」
「野蛮ですわね」
「片や、そんな無法者の挑戦を受ける我らが四十二区チームの代表はデリアさんです。気合い十分そうですけど、どう思うです?」
「野蛮ですわね」
おーい、その解説壊れてないか?
テープレコーダーでももうちょっと多彩だぞ。
「まさか、こんな大所帯で来るとはね」
「まぁ、流れでな」
やはりというか、エステラはぞろぞろとやって来た俺たちを見て苦笑を漏らしていた。
スペース的に余裕があって、観戦している者に被害が出にくそうなのがせめてもの救いか。
決闘の場所として選ばれたのは、監獄にある広いグラウンドだった。
むき出しの土は踏み固められており、ここで日々厳しい鍛錬が行われていることを物語っていた。
「一応、罪人を見張る兵には相応の強さが求められるからね。……デリアには遠く及ばないけれど……はは」
と、いうことらしい。
エステラのとこの兵士も、一応鍛錬とかしてんだな。
監獄は、領主の館からさらに奥――四十一区へ続く道を進んで一本路地へ入った先にあり、来ようと思わなければ近付くことすらないような場所に建っている。
万が一罪人が逃げ出したとしても、領民への被害が最小限で抑えられるようにとの配慮だ。
四十二区で捕まった罪人は、きっと路地を出て四十一区の方へ逃げるだろうからな。そっちへ行った罪人はそっちで対処してくれというのは、割と無責任な思考だと思わないでもないが……まぁ、俺がとやかく言うことではないし、仮に隣の区に迷惑がかかったとしても相手はリカルドだ。心も痛まない。
「さぁ! 現在収監されている囚人がほとんどいなくて暇を持て余した看守たちが見守る中、間もなく、ゴングです!」
……うん。
基本的に、四十二区って治安いいんだよな。
あんまり犯罪の話も聞かないし、あったとしても酔っぱらい同士のいざこざくらいだ。
それに、そういう連中が捕まったとしても、甘々の領主が軽ぅ~い罰を与えてさっさと釈放しちまうようで、四十二区の監獄はいつも開店休業状態なのだ。……取り壊しちまえよ、こんな無駄な施設。いや、なきゃ困るんだけどさ。
「犯罪者に甘い措置ばっかしてると、四十二区が犯罪者パラダイスになるぞ」
「大丈夫だよ。……ナタリアを怒らせようなんて無謀な考えを持ってる人間は、最早四十二区にはいないから」
領主の館の給仕長は冷酷無比で恐ろしいほどに強いのだと、領民には認識されている。
そういえば、ロレッタもかつては「すごく怖い方で、実はちょっと苦手」と言っていた。
まぁ、今では……
「さっきの解説がポンコツだったので、今度は戦いのプロフェッショナルを呼んだです」
「どうも、解説のナタリアです」
「さぁさぁ、ナタリアさん! 今回の試合、どう見るです!?」
「そうですね。川漁ギルドのギルド長デリアさんに注目したいところです」
「ほ~ぅ! プロっぽいです! こういうの待ってたです! ちなみに、どんな点に注目ですか!?」
「この試合中、何バウンドするのか、非常に気になりますっ!」
「どこに注目してるですか!?」
「乳です!」
「分かってるですよ!? 改めて言わなくていいです!」
「おっぱいです!」
「なんで言い直したです!? 言わなくていいって言ったですのに!?」
「◎×★◇です!」
「それもう、よい子には聞かせられない表現ですよ!? 誰かこの給仕長つまみ出してです!」
「おっぱいを……摘まむ!?」
「退場ー! もう退場です! ちょうど空いてる牢屋いっぱいあるですからしばらく入ってくるといいです!」
……と、こんな感じになっちまったけどな。……はは。
素を知らないヤツにとっては、まだまだ怖いんだろうな、ナタリアは。
もっとも、ナタリアを知る者の方こそが、ナタリアの怖さを理解しているんだろうけれど。……あいつは俺の中の『本気で怒らせちゃいけないリスト』に名前が入っている人物だからな。
「まったくもぅです! 揃いも揃って残念な人ばっかりです。こうなったら、最初から残念臭のしているレジーナさんに解説を頼むです。期待値が低い分がっかりも少ないです」
「辛辣やなぁ、自分。まぁ、否定はせぇへんけど」
「それで、レジーナさん的に気になることとかあるです?」
「せやなぁ、ウチから言えることは、おっぱいを摘まむ前にはきっちりと爪の手入れを……」
「退場ー!」
……こんなアホ満開の区で、犯罪なんか起こらないんじゃないかな、今後。
「ヤシロさん。あの……大丈夫でしょうか、デリアさん」
鍛錬所を眺める俺の隣で、ジネットが祈るように手を組んでいる。
「本人がやると言っているんだ。信じて見守ってやろうぜ」
「そう……ですね。……どうか、怪我などなさいませんように」
組んだ指をアゴに添え、真剣に祈りを捧げるジネット。
格闘技とか、観戦出来ないタイプなんだろうな。
鍛錬所を取り囲むように兵士が並び、その背後に俺たちは陣取っている。
一応、手枷を外されたバルバラが俺たちを襲わないように守ってくれているのだ。……とはいえ、ここの兵士には一切信用がおけないけどな。みんな人間だし、獣人族の相手が務まるとは思えない。
なので、俺はノーマのそばにいる。うん、すごく安心。
「おまけに、あの外套の下が薄い浴衣だと思うと、妄想も膨らむというものだ、うっしっし」
「ヤシロ。声に出てるさよ」
マジでか!?
じゃあ、もういいか。
「観戦中、気分が盛り上がってぽろりしねぇかなぁ!?」
「デカい声で何言ってんさね!?」
「ヤシロさん、ダメですよ、もぅ」
「ノーマはあたしとネフェリーで守るから」
「はいはい、ヤシロ。ちょっとそっちつめてね」
俺をぐいぐいと押し、ノーマと俺の間にパウラとネフェリーが割り込んでくる。
おい。ノーマとの距離が空くと、万が一の時に危険が増すじゃねぇか。
まぁいい。
こっちにはエステラもいるしな。
ノーマほどではないらしいが、こいつもなかなか強いのだ。頼りにはなる。
「エステラ、お前に期待してるぞ」
「ふぇ!? ボ、ボクにぽろりを!?」
アホか!
お前にそんなもん期待出来るか!
ぽろりするほどないくせに!
「ぽろりはジネットの担当だ」
「担当しませんよ!? もう、懺悔してください!」
……ちっ。
と、そんなことをやっている間に、デリアの方は準備万端のようだ。
両腕の筋を伸ばし、気合い十分に鍛錬所の中央に立っている。
空は暗いが、この付近も光るレンガが煌々と灯りを放っているので十分に明るい。
闇に乗じて脱獄ってのは、最早不可能な明るさだ。
「なぁ、ヤシロ。あたいの相手はいつ出てくるんだ?」
バルバラは、まだ地下牢にいる。
こちらの準備が整うまで外に出すわけにはいかないのだ。
危害を加えられかねないし、逃げ出すかもしれない。
釈放するのと脱走されるのでは、与える印象がまるで違ってくる。
温情ある領主となるか、間抜けな領主となるか。結果が一緒でも、過程が重要になるのだそうだ。
面子を気にするようなたまじゃないだろうに。
「お、出てきたみたいさね」
ノーマの言葉に、一同の視線がそちらを向く。
昂ぶる気持ちを鎮めようとでもいうのか、ノーマは谷間から煙管を取り出し、慣れた手つきで火を付ける。
薄紫の煙が夜空へと昇っていく……っていうか、寝巻きの時でもやっぱりそこに煙管が入ってるんだね!? 他にはどんな物が入っているのか、ボクちゃん興味津々☆
「お兄ちゃん、協調性持ってです! ちゃんと見るですよ、対戦相手を!」
鋭いロレッタから指導が入る。
……ち。別にバルバラを見たところで面白いことなど何もないというのに。
「あれが、盗賊……なの?」
「女の人、なんだ……」
バルバラを見て、パウラとネフェリーが驚きの声を漏らす。
単純に『賊』という単語から、悪人面のオッサンでも想像していたのだろう。
「あの筋肉のつき方は……腕力より素早さ重視さね。デリア、気を付けるんさよ」
一人、玄人っぽい観察眼を発揮しているノーマ。
筋肉のつき方とかに着目するあたり、こいつもファイターだよなぁ。金物屋のはずなんだが。
「いいか。枷を外しても決して暴れるなよ? もし狼藉を働くようなことがあれば、裁判なしで極刑もあり得るということを肝に銘じておくように!」
兵士がバルバラに強く忠告している。
実際は怖くて心の中で震えているのかもしれないけどな。心臓バクバクなんだろう。獣人族に暴れられたら、あいつらじゃ対処しようがないもんな。
兵士の話を聞いているんだかいないんだか、表情一つ変えずにバルバラは辺りを見渡す。
そして、俺を見つけるや、鋭い視線を寄越してきた。
時間がかかったことへの苛立ちを俺にぶつけているようだ。
妹の救出に行きたいって気持ちは分かるけどよ……お前は自分の立場を考えろよ。頑なに黙秘し続けて時間を浪費したのはお前だろうに。
これでも異例の措置なんだぞ? 分かってんのかね、そこんとこ。
「バルバラ」
今にも暴れ出しそうな殺気を放ち始めたバルバラに、あらかじめ釘を刺しておく。
「きちんと言うことを聞くのが一番の近道だ。歯向かえばアッチへ逆戻りだぞ」
と、地下牢のある方を指差して言っておく。
しかめっ面で舌打ちをして、俺から視線を外す。一応、理解しているってことでいいんだろうな、あれは。
「しかし、よく一日で口を割らせたものだね」
「一日ってのは偶然の産物だ。二日はかかると思ってた」
「それでも、大したものだよ。なにせ、一切声も発さなかったんだからね、最初は」
「一度口を開かせてやれば、あとはぺらぺらしゃべってくれる。人間ってのはそういうもんだ」
どんなことでも、最初の一歩が一番重いのだ。
その先に何が待ち構えているか分からないから、なかなか足を踏み出せない。
けれど、一度踏み出してその先の景色が見えると、最初の停滞が嘘のようにどんどん物事は進んでいく。
『一度経験したことは脅威にならない』という心理が働くからだ。
バルバラの場合、「しゃべれば妹が奪われる」という強迫観念から口を閉ざしていたが、俺がちょっと揺さぶってやればすぐに考えを改めた。
黙ることよりも、働きかけることで妹を救う。そんな思考にシフトしたのだ。
「手柄は、ヤップロックかもしれないな」
「本人は、物凄く反省していたようだけどね。ボクや君の邪魔をしたって」
あいつのネガティブは根が深いな。物事を暗く考える癖がついているんだ。
しっかりしろよ、大黒柱。
今や、押しも押されもせぬ四十二区トップクラスの名産品を作っている農家なんだからよ。
「枷を、外します!」
兵士が大声で宣言し、バルバラの手枷が外される。
気が付かなかったが、足首には鉄板入りの足輪がはめられていたようだ。ゴトリと重たい音を鳴らして足輪が外れる。
自由になった手足を振って、バルバラが軽く筋を伸ばす。
もう一度俺を見てから、デリアを睨みつける。
そして、ハスキーな声で、明確に宣言する。
「あんたを倒して、アーシはテレサを助けに行く!」
言うが早いか、バルバラは地面を蹴り、一気にデリアとの距離をつめる。
速い!?
目で追うのがやっとというような速度でデリアに急接近し、拳を繰り出す。
「大人しく眠ってなっ!」
細い腕が鞭のようにしなり、デリアのわき腹めがけて突き出される。
しかし、デリアは身構えるどころか一歩も動かずバルバラを見下ろし、そして突然――それはまさに突然としか言いようがない速度で――バルバラの顔面を鷲掴みにし、思いっきり放り投げた。
……腕の動きが見えなかった。
「ぐぅうっ!?」
地面に叩きつけられたバルバラは苦悶の声を上げるが、すぐに体を反転させ四肢を突いて体勢を整える。
そして、獣のように低い軌道で再びデリアに襲いかかる。
ぐんぐん距離をつめ、デリアの視線が下を向いた瞬間、全身のバネを使って一気に上空へと跳び上がった。
高身長のデリアの頭上をゆうに超える高さで身を翻し、鋭い爪をギラつかせて襲いかかる。
が、またしてもデリアは一歩も動くことなくバルバラの顔面を鷲掴みにして勢いよく放り投げた。
……人間って、片手で投げ飛ばせるような重さだったっけ?
「くそっ! だったら!」
着地と同時に走り出し、また低い軌道でぐるりと旋回するバルバラ。
大きく弧を描くように移動し、デリアの背後へと回り込む。
そして、今度はスライディングでデリアの右足、そのアキレス腱を狙う。
が!
デリアは落ちている小石を拾うような気軽さで、凶器のように突っ込んでくるバルバラの足を掴み、ぽ~んと上に放り上げて、落下してきたバルバラの顔面を鷲掴みにして、また同じ場所へと放り投げた。
「ぎゃん!」と、背中を強打したバルバラが苦痛の声を漏らす。
さすがに、三度目ともなると体勢を戻すのにも時間がかかるようだ。
初っ端から全力疾走を繰り返しているせいもあって、息が上がっている。手負いの獣のように四肢を突いて、激しく肩を上下させるバルバラ。
滴り落ちる汗が、地面に無数のシミを作っていく。
一方のデリアは余裕な表情で、顔色一つ変えずに同じ場所に、同じ格好で立っている。
一歩も動いてすらいない。
「なぁ、お前さぁ」
少し不機嫌な感じで、デリアがバルバラに言葉を向ける。
「『始め!』って言われるまで動くなよ。いつまでたっても始められないだろう?」
「……………………は?」
ノドの奥の方で、バルバラの声帯が微かに震える。
本当に、本当に短い音の中に、すべての感情がぎゅっと濃縮されている、そんな音がした。
そして、その感情の行き場を求めるように、バルバラは俺へと視線を向ける。……いや、俺に説明を求められても。
「……あのバカ。こんな時にまで愚直に『決め事』を守るんかぃね……」
ノーマが眉間を押さえうなり声を漏らす。
ゆらゆらと、煙管の煙が踊る。
「ノーマ、『決め事』ってのは?」
「あぁ、実はさね……」
煙管の灰を落とし、吸い口でこめかみを掻いて、ちょっと言いにくそうにノーマが説明を始める。
「アタシがデリアと試合をしているって話をしたさろ?」
鍛錬という名目で、こいつらはたまに手合わせをしている。それは聞いた。
「その時なんさけど、あいつ、いきなり殴りかかってくるんさよ。こっちの準備が整う前に」
「お、勝負か? いいぞ!」『ぱこーん!』……とか、デリアなら平気でやりそうだ。それも全力で。容赦なく、悪気もなく。微塵もなく。
「だから、アタシが叩き込んでやったんさよ。ちゃんと向かい合って、お互いの準備が整って、『始め!』って言ってから勝負を始めるんさよって」
「それは、まぁ……なんというか。至極もっともなことではあるんだけど……」
エステラの顔が引き攣っている。
「デリア、ルール守れるようになったんだね、偉いね」という賞賛にはとても見えない引き攣り具合だ。
「あんな全力の奇襲をかけてくる相手にまで、律儀に筋を通さなくても……」
「それがさねぇ……これは、アタシの言い方が悪かったんかもしれないんさけど……」
ここ一番の困り顔で、非常に言い難そうに、ノーマがノドにつっかえた言葉を……飲み込む。
……おい、言えよ。誤魔化すなよ。むこう向くなよ。煙管に新しい葉っぱ詰めてんじゃねぇよ。
「お前、知ってるか? 決め事を守れるヤツはいいヤツで、決め事を無視するヤツは悪党なんだぞ!」
口を閉ざしたノーマに代わって、デリアがバルバラを指差してそんな言葉を口にした。
「……って、教えたら、『あたいはいいヤツだから決め事を守るぞ!』って。……素直ないい娘なんさけどねぇ…………」
遠くへ視線を向けるノーマの言葉には、「けど、バカなんさよねぇ」って言葉が隠されているような気がした。まぁ、バカというか、バカ正直というか……デリアって、本当に言われたことをしっかりと、いつまでも覚えてるんだよなぁ……『責任感』とか『頼れる』とか。
「お前、悪党でいいのか? 悪党はな、家族とか、仲間とか、そういう大切なヤツらに自信持って自分のこと話せないんだぞ! そんなの悲しいだろ!?」
家族という言葉が出て、バルバラの顔が微かに歪む。
家族に、自信を持って……話せないよな。他人を襲って強奪した金で飯食ってるなんて。
自分にとって一番大切なヤツに、自分のことを話せないなんて、……それってかなりつらいことなんじゃねぇのか。なぁ、バルバラ。
「あたいは、自分が頑張ったら褒めてほしいし、認められたいし、礼とか言われたらすげぇ嬉しくて、なんかもっとこう頑張ろうって思えてさ、だからどんどん自分のこと話して、知ってもらいたいって思うんだよ」
デリアは、自分の仕事に、自分の生き方に誇りを持っている。
それは出会った頃から一貫していて、その誇りがあいつの強さになっている。きっと、親の影響なんだろうな。父親のこと、尊敬しているみたいだし。
「いいヤツでいようってするとな、いいことばっか起こるんだぞ。これまでしゃべったこともなかったようなヤツらと仲良くなってたり、行ったこともない遠い区に行って『宴』したり、全然違う仕事してるヤツとも一緒になっていろいろやれたりしてさ! あたい、今すっげぇ楽しいんだ」
それは、偽らざるデリアの本心なのだろう。
あの顔を見れば一発で分かる。
そっか。デリアは今がそんなに楽しいのか。
「めっちゃ甘いポップコーンにも出会えたしな!」
ポップコーンとの出会いは、デリアにとって思い出深いものなんだろうな。
大雨で甘い物が買えなかった時と、水不足に起因するあれこれが原因で陽だまり亭に来られなかった時。折に触れ、デリアはポップコーンの甘さに泣かされていた。もはや思い出の味といっても過言ではないだろう。
そして、ポップコーンという名に、バルバラも反応を見せる。
こいつは、ポップコーンを目当てに四十二区へやって来たのだ。
ポップコーンの話をしたデリアの顔を見て、何か複雑そうな表情を浮かべた。
……そうか。こいつやっぱり。勘違いしてやがったな。
どこかでポップコーンの話を聞き、それが欲しくて――大方、妹に食わせてやりたくて――盗みに入ったら、それは全然甘くもない硬いとうもろこしで、幻滅とがっかりが怒りに変わってナイフでズタズタにしてしまったのだろう。
まぁ、ポップコーンを知らなかったんだから、致しかたなしだ。
「お前、ちゃんと決め事を守れねぇと悪党になるぞ! いいのか? 家族の前で胸が苦しくなるんだぞ!」
心に負い目を感じると、途端に少女のように泣き虫になるデリア。悪いことをしたと思った時の罪悪感によるつらさを説いているのだろう。……言葉は拙いが。
でも、そのデリアらしい拙くも真っ直ぐな言葉が、バルバラには響いているようだ。
ヤップロックのように、「変わりなさい」と押しつけるではなく、「こっちの方がいいに決まってんじゃねぇか」と実体験を元に分かりやすく話すデリアの言葉の方が、バルバラみたいなへそ曲がりには伝わるらしい。
「……家族の前で、苦しいのは…………もぅ……ぃや……だ」
そんな小さな囁きが、風にまぎれて耳に届いた。
掠れ気味のハスキーなつぶやき。
思わずエステラと視線を交わす。
そして、どちらともなく、今回の功労者に賞賛のまなざしを向ける。
デリア。お前、お手柄だぞ。
「アーシも……自慢出来るような人間に……なりたい……!」
「じゃあ、なれよ。笑って食うポップコーンは美味いぞぉ。誰かと一緒に食うと格別なんだ」
「妹……と、一緒に…………食べ…………」
バルバラの声が震える。
恣意的な感情は微塵もなく、善意とすら呼べない純粋な気持ちで伝えられたデリアの言葉が、世の中を否定して、自分の殻に閉じこもっていたバルバラを救い出した。
「んじゃあ、今からいいヤツになれ」
「なれ……る…………かな……アーシなんかが……」
「大丈夫だ! ヤシロがなんとかしてくれる!」
「おぉい、こら!?」
急な丸投げやめてくれる!?
ノールックパスという名の剛速球は心臓に悪いからさぁ!
「難しく考えんなよ。自分と、自分が一番大切だと思うヤツ。この二人にだけ嘘を吐かなきゃ、あとは結構なんとでもなるもんだぞ。あたいのギルドではそうやって教えてんだ。バカばっかで、難しい話分かんないヤツが多いからな!」
と、難しい話を理解してくれない筆頭が申しております。
お前のその自信どこから来るんだよ。さも、「川漁ギルドであたいが一番しっかりしてます」みたいな口ぶりだけどさ。
「自分と……自分が一番大切に思う…………その二人に嘘を吐かなければ……やり直せ……ますか?」
バルバラが敬語になった!?
どこにそこまで心を打たれたんだ!?
いや、確かにいいことは言ってたけども。
「なれる! ……よな、ヤシロ?」
だから、俺に振るなっつのに……
「犯した罪は、与えられた罰をきちんとこなせば一応は消えてくれる」
隣のエステラに視線を向けると、問題ないという風に頷いていた。
ここの領主は、情状酌量の余地を地面を掘ってでも見つけ出してくるようなヤツだからな。反省すりゃそれなりの罰で許されるだろうよ。
「罰を受けた後は、まぁ……」
そして、反対隣のジネットを見る。
話の流れから、この一連の着地点を察したのであろう。すげぇ嬉しそうな顔で微笑んでいる。
そんなお人好しが言っていた言葉を、こいつにも教えてやろう。
「あとは、自分で自分が許せるように、これから先を精一杯生きていけばいいんじゃないか?」
そうすりゃ、いつの日か美味いポップコーンを食える時が来るさ。大切な妹と一緒にな。
「ジネット。アレを言ってやれ」
「アレ……? あっ、はい」
俺に背を押され、ジネットが一歩前へと進み出る。
そして、手を組んで胸の前に置き、澄みきった声でバルバラへ告げる。
「懺悔してください」
それは、どんな者へも分け隔てなくよく響き、バルバラも思わず言葉を飲み込んでしまうほどの浸透力を持った言葉だった。
静かな時間が流れ、地面にへたり込んでいたバルバラがゆっくりと立ち上がる。
俯いていた顔を持ち上げ、俺のいる方へ――いや、俺の隣にいるエステラの方へと体を向ける。
そして、一度唇を引き結んだ後、潔いはっきりとした声音で言葉を発する。
「ご迷惑をかけて、とってもごめんなさいでした!」
謝罪の言葉。
きちんとした作法を習っていなかったのだろうと予測が出来るくらいに言葉は変だったが、それでも誠意はしっかりと込められていた。
心のこもった言葉であれば、言い回しや形式なんてものはさほど気にしない希有な領主であるエステラにはしっかりと伝わっただろう。
これで、バルバラに科せられる刑は最小限の軽いものになることが決定だ。
「一件落着、だね」
こちらへ視線を寄越し、嬉しそうに微笑むエステラ。
罰も受けてない罪人を前に、何が一件落着だよ。どこかのお奉行様かよ。「ひったてい!」とか言ってみろよ、たまには。
「あんた……いえ、あなたも、すごくありがとう!」
デリアへと向き直り、バルバラは腰を折って深々と頭を下げる。
「あなたの言葉、すごく響きました。おかげでアーシ、やり直そうってすごく思えた! すごく、ありがとう!」
「おう! いいヤツでいた方が、きっと人生が楽しいからな。そうしろ」
「はい!」
なんだか、デリアの姉御肌が慕われる理由を垣間見た気がする。
融通が利かなかったり、なんにでも全力過ぎたり、ちょっと冗談が通じなさ過ぎたりして、時に怖いと言われるデリアだが、なんだかんだと面倒見がよく、いつもブレずに真っ直ぐで、何より器がデカいから、オメロたち川漁ギルドのオッサンどもも、なんだかんだとデリアのことを慕っているのだろう。
「んじゃ、お互いにいいヤツってことだな」
「は、はい! ……へへ、ちょっと照れるけど……」
「ははっ、照れるな照れるな! 胸を張れよ」
「はい!」
デリアと向かい合って、恥じないようにしっかりと胸を張るバルバラ。
真っ直ぐ前を見据えて、世の中を真正面から見据える覚悟を決めた。そう感じられるくらいに、こいつは変わった。この一瞬で。
3メートル程度の感覚をあけて向かい合うデリアとバルバラ。
ピンと背筋を伸ばし、言葉はなくとも視線を交えて笑みを浮かべる。
そして――
「それじゃあ、『始め』!」
「……へ? どぶしっ!?」
――デリアがバルバラをぶっ飛ばした。
…………ぇぇえええええええっ!?
「なっはっはぁ! あたいに勝とうなんざ、まだまだ早いぜ!」
グッと拳を握り、高々とガッツポーズを掲げるデリア。
10メートルほど吹き飛ばされ、地面の上で大の字に伸びるバルバラ。
「……何が起こったんだ? あいつの中で……」
「それがさね……」
ため息と共に、煙管の煙を吐き出したノーマが、鈍く痛んでいそうな側頭部を押さえつつ教えてくれる。
「デリアはね……空気を読むってことが一切出来ないんさよ」
「あぁ……なんか、分かるよ」
エステラの口から、重たぁ~い声が落ちていく。
今、この場では、完全に物事が完結していた。
バルバラは心を入れ替え、これからきちんと罪を償ってまっとうに生きることを誓った。
そして、そう思えるように自分を変えてくれたデリアに心からの感謝を表明し、お互いに笑みを交わした。
普通なら、ここで終わるのだが…………デリアは違った。
「ヤシロ、あたい勝ったぞー!」
誇らしげにVサインを突き出してくるデリア。
あいつの頭の中では――「決闘を頼まれた」→「絶対勝つ!」→「相手が『始め』の前に襲いかかってくる」→「叱る」→「分かってくれた」→「なんかいろいろ言ってるなぁ~……」→「お、ちゃんと向かい合って立ったな、えらいえらい」→「じゃあ、決闘を始めようか!」――って思考が、なんの違和感もなくスムーズに流れていったんだろうな。
あのさ、デリア…………聞いとけよ、ここまでの話!
そして、真っ先に解説をクビになったイメルダが、相変わらずであり、この場に即した言葉を呟く。
「野蛮ですわね」
誰かが反応するかと思ったのだが、パウラもネフェリーもかっさかさに乾いた苦笑を浮かべて立ち尽くすのみだった。
「いや、でもまぁ……三回の奇襲に対し一回の反撃だから……デリアの方がまだマシ…………かも、ね」
必死に自区の領民をフォローしようと試みるエステラだが、……お前、顔引き攣ってるぞ。無理すんなよ。
「とりあえず、わたし、手当てをしてきます」
「ほんなら、ウチの薬使い。怪我人出るやろぅ思て、ちゃ~んと持ってきとったさかいに」
倒れたバルバラの元へ、ジネットとレジーナが駆けていく。
まぁ、襲われたりは……もうしないだろう。
「念のため、私が付き添っておきます」
ナタリアがゆっくりとした足取りでジネットたちの後を追っていく。
ま、これで安心出来るか……
「というわけで、ノーマ」
その場に残って煙管をふかすノーマに一言言っておく。
「デリアの再教育、よろしく」
「……アタシには、荷が重過ぎるさね…………」
遠い目をして煙を吐き出すノーマ。
薄紫の煙は、夜の空へと儚く消えていった。
あとがき
世界はすっかり秋めいて――
布団を跳ね除けて寝ちゃった翌朝の、ノドの痛いこと痛いこと。
オムロンさんの吸入器を引っ張り出してくる季節ですかね。
温かい水蒸気が「ぶわ~」って出てくるノドのケアのための機械で、
B゜z(おぉい、『○(伏字)』の位置!?)のドキュメンタリーで
稲葉さんが楽屋で使用されていたのを見て、真似っこして即購入。
これで、私も稲葉さんのような作家になれるかも!?(稲葉さんのような作家って、つまりどんなの!?)
いや、実は私、
B゜zの松本さんに憧れて、――なんやかんやあって――ライトノベル作家になったんです。(何があったの『なんやかんや』の間に!? どんな紆余曲折!?)
ちなみに松本さんは、「好きな女性のタイプは?」と聞かれて即答で「巨乳」と答えるくらいの巨乳好き。
物凄く綺麗なメロディのバラードの仮歌で「♪デ~カパイ、ペ~チャパ~イ♪」って歌っちゃうナイスガイです。
……はっ!? 私、理想の自分にちゃんと近付いてるかも!?
あぁ、どうりで……
秋になると、おっぱいを思い出すと思ったんだぁ。(「どうりで」がどこにもかかってないけど!? これほどまでに役に立っていない「どうりで」を初めて見たよ!)
おっぱいの、……秋。(なぜ溜めた!? 溜めるほどのことか!?)
そんなわけで、
今日もRookなあとがき、行くぜベイベー!(B゜zっぽくもないけども!?)
これは、親友がバイクで事故った時に、手術室の前で「生きろ、生きろ!」って願いながら書いたあとがきです。(なにしてんの、そんな時にそんなところで!?)
読んでください(いや、読むけども!)
『あとがき』――(タイトル、つける気がないならつけるな!)
では改めまして、
レビューをいただきました!!
感想欄でもよく遊んでいただいております[2018年 08月 05日 23時 29分]の方!
興味を引く第一声と、重厚な感じすら伴う偽りのない説明文……のあとにやってくるオチ。匙加減が難しい構成を絶妙なバランスで作品へと昇華させた意欲作です。
テンポよく進んでいく本文の内容と、雪だるま式に加速していく情報開示の速度、そして、「だから~」から始まるご本人の想い。……を、完全に受け止めて鮮やかに投げ飛ばすような大オチに思わずにっこり。ナイス格言で締めるという手法で、読後感もすっきり、印象に残る書き方だなと。
途中まであの時のヤシロの心情を思い出してうるうるしていたのに、最後には笑顔になれる。本作の世界観をビビッと感じていただけそうな文体はさすがの一言に尽きます。
タイトルと本文の構成を合わせることで、謎の説得力と天丼効果で面白みが増している、興味深いレビューでした! どうもありがとうございました!!
なんだか、みなさん文章うまいですよね。
構成も凝ってたり、
読みやすかったりで……
文章得意じゃないなぁって方が委縮されたりしないでしょうか?
いいんですよ、「いっぱい書いてすごいなぁと思いました。」みたいなものでも!
レビュー、とっても嬉しいです♪
催促こそいたしませんが、
書いてくれると嬉し・い・ゾ☆(……っていう催促だよね、これ!?)
というわけで、
カウン○ダウンTVをご覧の皆様、こんばんわ。(カウン○ダウンTVをご覧の皆様はここをご覧じゃないけどね!)
宮地です。……たぶん。(自信持って!?)
最近、脳内でもう一人の自分にずっとツッコミを入れられ続けている、宮地です。
軽く病気なんじゃないかと思うくらいに鮮明に声が聞こえます。
そんな時、ありますよね? ね?
例えばこんな感じで――
――仕事から帰って、マンションのドア「ばたーん!」
宮地「た~だい~!」(『ま』まで言って!?)
宮地「まぁ、家、誰もいないんだけどね☆」(じゃあ、なんで言った!?)
宮地「あ~、ノド渇いたなぁ……(冷凍庫『ガチャ』)お、エビピラフがある」(飲み物探そ!? ノド乾いたって言ってたよね!? で、なんで冷凍庫開いたの!?)
宮地「エビピラフか、お茶……どっちにしよう?」(生まれてきて初めて出会った、その二択! ある、そんな二択!?)
宮地「あっ!? ……いっけね、忘れてた……」(え、どうしたの?)
宮地「…………『ま』!」(『ただいま』の『ま』!? 今!? 今さら!?)
みたいなことが日常的に繰り返されているのですが、
さて……、
危険なのは常時頭の中に聞こえてくる謎のツッコミボイスなのか、
誰もいない部屋で延々ボケ続けている私本人なのか……
でも、皆様もそんな時、ありますよね? ね? ねっ☆
は~い、はいはい。
じゃあ、「ある」というていで話を進めまーす。
皆様。
病院行け!( ´∀`)ノ
あれぇ、おっかしぃ~なぁ~
今、物凄いクリアに
「お前がなっ!?」
って声が複数聞こえてきました。
ま、いつものヤツでしょうね。うんうん。
昔はこんな子じゃなかったんですよ。
引っ込み思案で、
シャイで人見知りな、
でもとても素直で、
他人の気持ちを分かってあげられる、
物静かな子供だったのに、
それが今では、
引き籠りで、
コミュ障で、
理性を失い欲望のままに生きて、
他人の腹の内を探ることに長けた、
生きてるんだか死んでるんだか分からないくらいとにかく動かないナマケモノな大人に……
…………ん?
あんまり変わってない、かも?
いやいや、
なにかしら成長はしているはずです。
ゲットした当初は可愛くて可愛くて物凄いラブリーだったのに、
「なんでこうなっちゃったの!?」ってくらい変貌を遂げちゃったくらいの進化はしているはずです。
私だって、子供の頃は可愛い可愛いって言われてましたもの。
……母と、祖母に。
あぁ、でも「なんでこうなっちゃったの?」も言われましたねぇ……母に。
けどね、母さん。
大丈夫だよ。
こんなんになっちゃった私でも、
ずっとそばにいて話しかけてくれる存在が出来たんだ。(って、それ脳内でツッコミまくってる謎の声のことだよね!?)
だから、心配しないでね。(物凄い心配! っていうか、病院行け! 誰よりもまずお前が行け!)
と、人はこのように常に変化し続けているわけですけども。
四十二区のみんなも変わりましたよねぇ……
ジネット、最初の頃、ロレッタみたいでしたねぇ。
あとロレッタ。ウザッタでしたねぇ、幽霊騒動の時とか。今は随分といい娘になりましたけど。
マグダなんかも、最初は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェイス路線でしたのに……今やすっかりマグダ路線に。
このように、
書けば書くほどキャラが固まってい……もとい、
キャラたちが成長しているんですね。そう、成長です。
そーゆーことにしておきます。
おそらく、
SSでキャラが固まっていったんでしょうね。
SSによく出てくるキャラほどしっかりとした土台が出来上がっていますもの。
中でもノーマが……
最初は江戸前の姐さん口調だったんですよ、イメージは。
ノーマ(初期)「なんだぃ、あんたは? バカなこと言ってんじゃないよ。仕様のない男だねぇ」
それが最近では、
ノーマ(最新)「なんなんさね、あんたは!? バッ、バカをお言いじゃないさよ! ……ったく、仕様のない男さねぇ……(煙管「すぱぁー」)」
完全にノーマ語ですね!
いえね……もともとそんなに出てくる予定のなかった……っていうか、裏通りにいるセクシーで気だるげなお姉さんモブだったのでそんなキャラ付けしてたんですが、
感想欄でノーマさん、人気出ちゃいまして……じゃあ、もっと出そうかなぁって。
というか、ノーマさん、
SSで弄られまくってまして。
そのままレギュラーメンバーに。
そうなるとですね……デリアと口調が……
私の頭の中ではアクセントとか話すペースが全然違うんでキャラ分け出来てるんですが……
ノーマ(初期)「大丈夫だって言ってんだろぉ?」(=そんなギャーギャー騒ぐんじゃないよ)
デリア「大丈夫だって言ってんだろぉ?」(=なんで信用してくれないんだよぉ!)
……文字だと、伝わりにくいっ!
ということで――
ノーマ(最新)「大丈夫さよ。アタシに任せておきゃあ問題ないさね」
……と、こんな感じに。
きっと今のノーマさんだと、「大丈夫だって言ってんさろ?」とも言わないでしょうね。
ちょっと『粋』な言い回しにするために一つのセリフを二つにして表現したりしちゃう系女子ですから。
それもこれも、みんな歴史ですねぇ。(ということにして、最初のころのキャラブレを誤魔化しておく作者なのであった)
マグダ「……つまりノーマは、濃いキャラに呑まれないように、後付けで個性を追加していった、と?」
ロレッタ「ノーマさん、あさましいです!」
ノーマ「そういうわけじゃないさよ!?」
マグダ「……その『さよ』すらも、キャラ付け!」
ロレッタ「ノーマさん、したたかです!」
ノーマ「違うって言ってんだろぉ!?」
マグダ「……『言ってんさろ』ではなく?」
ロレッタ「キャラブレです!? ノーマさん、ブレ始めたです!」
ノーマ「なぁぁあああ! ヤシロっ! あんたからもキツく言っておくれな!」
ヤシロ「マグダ、ロレッタ。いい加減にしろよ」
ノーマ「そうそう。叱ってやるといいさね」
ヤシロ「ここまで全っ然おっぱいの話が出てきてないんだぞ! 折角のおっぱい要員をくだらない話題で浪費するんじゃない!」
ノーマ「そうじゃないさね!?」
ヤシロ「さぁ、ノーマ! 遠慮なく揺らしてくれ!」
ノーマ「揺らさないさよ!(ぷるん!)」
マグダ「……舌の根も乾かないうちに……したたか」
ノーマ「揺らしたんじゃなくて(ぷるっ)、勝手に揺れるんさよ!(ぷるるん!)」
ロレッタ「……エステラさんへの挑戦状です」
エステラ「よし、ロレッタ。ちょっと話をしようか」
というわけで、
ノーマさんのおっぱいは四十二区で一番柔らかいので自然と揺れてしまうというお話でした!
次回もよろしくお願いいたします。
宮地拓海




